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映画・演劇のレビュー

『法廷遊戯』

2023-12-05 15:54:00 | 映画

近年まるで振るわない深川栄洋監督の久しぶりの新作だ。題材は彼らしくはない。持ち込みによる頼まれ仕事なのだろう。自分の企画とは思えない。若手の生きのいいキャスト3人(永瀬廉、杉咲花,北村匠海)を配した法廷ドラマ。昨年公開された自主制作による2作品を見ていないので、「振るわない」というのは間違いかもしれないが、それ以前の数作品は目を覆うような映画ばかり。あの『神様のカルテ』の頃の勢いはない。今回もあまり期待はしてない。

まず話がわかりにくい。しかも無理な設定。主人公の3人が出会って、事件があり、弁護士になる。冒頭の事故がなんだったのか。まさかの展開。驚きより、それはないわぁと思う。あまりに作りすぎ。偶然に頼り過ぎだし、ロースクールの無辜ゲームってなんなんだか。あまりに嘘くさい基本設定で、あの秘密の洞窟内の裁判は噴飯もの。

だけど、本筋となる3人の仕掛けた裁判はなかなかドキドキする展開である。もちろんこれもかなりまさかの展開だけど、引き込まれていく。リアリティーはないけど、ゲームとしては面白い。だからタイトルは法廷遊戯なのか。

残念ながら駄作ではないけど、傑作でもない。だけど見ているぶんにはなかなか面白いし、悪くはない。後少しリアシティのある展開ができたなら緊張感のあるいい映画になっただろう。惜しい。


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