これは凄まじい。日本版ヘレンケラーなんて、しかも、雪に閉ざされた津軽を舞台にして、明治20年という時代の話だし。読むのは気が重かった。いつまでたっても食指がそそられず、他の本を何冊も先に読み、置いたままになっていたのだが、ようやく意を決して読み始めた。
すると、これがおもしろい。というか、止まらない。こんなにも力強く、強烈な小説で、でも、それが昔ながらの「意地と根性」のスポ根タイプの展開ではな . . . 本文を読む
ひとりで言葉も分からない国にやってくる。そんな彼女のドキドキがダイレクトに伝わってくる空港のシーンがいい。そこからは一気に作品世界に引き込まれる。それまでの毎日の生活を描く部分(ここはどこだ、と思うくらいに豊かな世界がそこにはある。インドのセレブの世界は凄い)も面白かったけど、アメリカに降り立ってから映画の世界は一転する。
インドの裕福なマダムが、ニューヨークで暮らす姉から姪の結婚式の手伝いを . . . 本文を読む
移民のお話だ。トルコから言葉も分からない土地にやってきて、そこで生きた夫婦の物語。やがてそこに根付き、そこで生を営み、家庭を(家族を)そこに作り、そこが新しい祖国になる。
そこでは確かによくあるような苦難の歴史が描かれてある。当然の困難だ。だが、それを家族が団結して乗り切っていき、今の暮らしがある。今、ようやく落ち着いて改めて自分というものと向き合うとき、少し寂しい気分になる。母国語を話さない孫 . . . 本文を読む