習慣HIROSE

映画・演劇のレビュー

『父親たちの星条旗』

2006-10-28 11:21:24 | 映画
 『クラッシュ』のポール・ハギス監督によるシナリオが見事だ。あの映画と同じように複雑に絡みあった事実や人物が一つになるまでを1本の映画として見せていく手法は彼ならではのやり方だろう。それをイーストウッドが手堅く演出していく。  最初は何を描こうとするのか、なかなかわからない。だだ巻き込まれていくだけ。しかし、そのうちその渦の中で何人もの兵士が死んでいったり、生き残ったりしていく中から、3人のドラ . . . 本文を読む
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『幻影』

2006-10-28 10:47:34 | 映画
  ふたりの少女が偶然出会う。一人は施設にいる自閉症気味の少女ニナ。もう1人は窃盗をしながらフラフラ生きるトニ。ベルリンの町を浮遊する2人の2日間のスケッチが淡々と描かれる。特別な思い入れもなく、ドキュメンタリーのような距離感がある。  そこに10年以上前に当時3歳だった娘連れ去られた女性が絡んでくる。この女は心を病んでしまい、今もずっと失った娘を探し続けている。フランスからここにやって来た彼女 . . . 本文を読む
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『ナチョリブレ・覆面の神様』

2006-10-28 10:06:48 | 映画
 この思いきり、へなちょこなこの映画をどう受け止めたらいいのか。見終わってかなり困った。本気で作っているくせに、、すごくふざけている。これに感動してたなんて言うときっとへんな奴と思われるはずだ。しかし、作り手はきっと大真面目である。よくある勘違いとは違う。これは確信犯である。ハリウッドがメキシコくんだりまで行きこんな脱力系の映画を作るなんて。驚きである。  この映画、実はあの隠れた名作『バス男』 . . . 本文を読む
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超人予備校『迷い犬のサクマさん』

2006-10-28 09:26:54 | 演劇
 長い長いまわり道をして、ようやく魔人ハンターミツルギは自分の芝居のスタイルを見つけ出した。  最初からこういう芝居が出来ていたなら、今頃はすごいことになっていたかもしれないが、それが出来なかったことに意味がある。彼にとってこのまわり道は人生の無駄ではなく、どうしても必要な試練だったのかもしれない。  遊気舎で後藤ひろひとのもと、やってきたことや、その後遊気舎を率いて自分の芝居との落差に苦しみ . . . 本文を読む
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『高林陽一の宇宙』

2006-10-28 09:01:25 | 映画
 昨日『ベンチのある風景』について書いてから、いくつか気になることがあり、ずっと買っただけで読んでなかった『魂のシネアスト・高林陽一の宇宙』という本を開いてみた。  『あの遠い日の映画への旅』の増補版とも知らず買い、そのままにしていた本だ。高林さんの新作のタイトルは『愛あればこそ』ではなく『愛なくして』だった。まずそれに気付いて笑った。  『往生安楽国』は76年作品で、僕が彼の作品で好きなもの . . . 本文を読む
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