ジャズ・ミュージシャンで唄を歌う人は少なくない。
中でもその最右翼は云わずと知れたルイ・アームストロングであろう。
また、チェット・ベイカーも独特の個性ある声でユニークな唄を聴かせてくれる。
ドラマーのバディ・リッチもその1人。
リッチは余技として唄を歌うのだが、それは器楽奏者のウラ芸というレベルを
遥かに超えており、ジャズ・ヴォーカルとして十分聴くに値する。
実際リッチはハリー・ジェイムス楽団に在籍していた頃に
『唄を歌えというなら、別にギャラをくれ』と言ったというエピソードまで残している。
本作品はリッチがヴァーヴに吹き込んだアルバムで
リッチはドラムを一切叩かず完全にヴォーカルに専念している。
中々声量もあり、アップ・テンポからスローまで見事にこなしている。
バックを務めるベン・ウエブスターやハリー・エディソンらの
ソロも何曲かで聴く事が出来、楽しめるアルバムと成っている。
尚、同じヴォーカル・アルバムである
「Buddy Rich / The Voice Is Rich」(Mercury MG-20461)(写真下)と
本作品をカップリングしたCDが、この「Buddy Rich / Just Sings」と
同じジャケット・デザインで スペインのJazzbeatから発売されている。
Buddy Rich / Just Sings
Verve MV-2075
スペイン Jazzbeat JAZZBEAT-522 (2in1) (Reissue)
1,Cathy
2,Between The Devil And The Deep Blue Sea
3,It's All Right With Me
4,Over The Rainbow
5,You Took Advantage Of Me
6,Can't We Be A Friends
7,It's Only A Paper Moon
8,Melancholy Baby
9,Cheek To Cheek
10,It Don't Mean A Thing ( If It Ain't Got That Swing )
11,I Hadn't Anyone Till You
12,That Old Feeling
Buddy Rich (vo)
Ben Webster (ts)
Harry “Sweets” Edison (tp)
Paul Smith (p)
Howard Roberts (g)
Joe Mondragon (b)
Alvin Stoller (ds)
1957年 1月31日 Los Angeles 録音