ぽちごや

FC東京のディケイドSOCIOです。今シーズンは丹羽ちゃんとともに闘います。

2012J1リーグ第1節大宮アルディージャvsFC東京@NACK5スタジアム大宮20120310

2012-03-11 12:02:51 | スポーツ

Jリーグの2012シーズンが始まりました。東京は一足先に公式戦をスタートしているわけですけども。公式戦1勝1敗。ブリスベン・ロアーに勝てたので、開幕独特の「いつ勝てるのかな」という不安がなくて、ちょっと心が軽いです。

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東京サポーターになって10年を越えましたけど、アウェーで開幕を迎えるのは初めてです。大宮の街は、サッカーのある日常が戻ったワクワク感が漂っているような気がしました。まあ、自分がワクワクしてるからそう思えただけですけどねw。大宮駅前のすずらん通りと氷川神社。

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試合前にPK合戦のイベントがありました。ゴールしたコバトンとキスするミーヤ。失点と失恋のショックに崩れ落ちるアルディw。

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武蔵丘短期大学マリリンズのチアダンス♪

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NACK5スタジアムは、2011シーズンのベストピッチ賞を受賞したそうです。

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明日は、東日本大震災から1年。Jリーグ開幕戦は特別な試合です。各地で被災されたかたに向けた黙祷がありました。1万人を超えるひと達と共に黙祷できることが嬉しかったです。サッカーのある普通の日常を大切にするために、ボクら日本人はがんばっていかなきゃですね。

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さて、試合です。J2にいた1年のブランクに加え、大宮に新戦力が加わっていて新鮮でした。予備知識がないせいもありますけど、一昨年までの大宮とはまるで違いました。正直、大宮は、堅実ではあるけど他サポからみた魅力が少なくて、積極的にチョイスしたいチームではないです。アウェーに来るのも、NACK5が主な理由です。ところが、今年の大宮は変わりましたね。非常に面白いです。チョ・ヨンチョルが加わり、魅力が倍増しました。

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パッと見の印象は、東京に似ています。でもやっぱり違います。大宮は東京と同じく、FW1枚+1の4-4-2です。4-4-2と4-2-3-1のハイブリッドと言いますか。ラファエル+東。ところがトップ二人の役割と周囲の関係はちょっと違います。東京はルーカスが中央に張りアーリアがシャドウになる、純然たる縦関係です。二人のメイヤは、やはり純然たるメイヤ。一方の大宮は、よりポジションがフレキシブルです。トップの東を軸にして、ラファエル、チョ・ヨンチョル、渡邉大剛がフレキシブルにポジションチェンジします。なので、ちょっと大袈裟に言うと4トップとも言えます。攻撃時には、この4人に左右のSBが絡んできます。極端なところでは、下平があがりラファエルが左SBに下がるシーンもありました。選手が自在にオープンスペースを使いますから、大宮がペースを握る時間は分厚い攻撃を見せます。攻撃のスイッチは、チョ・ヨンチョルにボールを入れるところから始まります。ヨンチョルのサイドで作り、大剛のサイドで仕掛けるイメージ。ヨンチョルの突破力と村上の攻撃力を活かす考えでしょう。フィニッシャーのファーストチョイスはヨンチョルのようです。オリジナルポジションからダイアゴナルに動き、逆サイドのゴール前に進出してパスを受ける。ヨンチョルに限らず、シュートは点で合わせるイメージのようですね。手数をかけず、スピードを重視しているということでしょう。この攻撃力を支えるのが、コレクティブな守備です。縦10mくらいの間隔でまとまり、とてもコンパクト。基本的に3ラインを崩さず、ボールのある位置を支点に、チーム全体が上下動します。それで、FWとMFで、相手中盤のボールサイドに人数をかけ、三角形のグループをつくりボールを奪いに行きます。ちなみにセットプレーはマンマークを基本としているみたいで、対比が面白いですけど。東京はもう少し選手の個人能力を活かす守り方をしますけど、高い位置でボールを奪う意図は同じ。つまり、中盤の攻防、ボールの奪い合いが、趨勢を決めるような試合展開でした。興味深いことに、両チームを通じて初のCK(ていうかFKを含めたセットプレー)が30分を超えていました。シュート数が少なかったことを加味すると、いかに中盤の攻防が激しかったかを物語るデータかなと思います。

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そんなわけで、前半は大宮のコレクティブな戦い方がうまく働き、ペースを握ります。完璧に崩された22分のチョ・ヨンチョルが放ったシュートや、ラファエルが飛び込んだシーンなど、決定的なシュートを重ねられます。本数は少なくても、殺傷力のあるアタックですね。ゴールを割らせなかったのは、ひとえに今日の権田がスーパーだったから。権田様ですよ。神。神。この試合、”負けなかった”のは権田のおかげです。

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東京も指をくわえていたわけではありません。アーリアと梶山がポジションチェンジします。ゼロックスに続きアーリアをトップ下で起用します。ゼロックスのときよりも高く位置取りしていて攻撃に絡めたような気がしますけど、まだまだコンペティティブではないですね。どうしても後ろや横にパスを捌いてしまうんです。ワンタッチでプレーしようという意識はいいのですけど、トップ下でプレーするなら、前を向かなきゃ。もしくは、アーリアが簡単に捌くことを前提とするなら、周囲がアーリアを追い越す動きが必要なのと、アーリアとルーカスとの距離をもっと近くしないといけません。現状では、アーリアのところでノッキングをおこしていますから、もうちょっと時間が必要なんでしょう。梶山がトップ下に入り、東京の攻撃がコンペティティブになりました。今日の梶山も神。梶山様。権田が守りの神なら、梶山は攻めの神でした。八幡大菩薩。

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配置は同じなのに大宮が梶山を抑えられなかったのは、ポジショニングの巧みさと1on1の強さです。コンディションがいい梶山がいる東京は、とても面白いサッカーをします。梶山に預けておけば攻めの形をつくってくれますから。なにより、ひたすら縦を意識しているのがいいです。トップ下なら、これがないとダメですね。もうひとつ梶山の長所は、正確で速い長短のパスです。パススピードは徳永とならびチームトップクラスでしょう。パスがいいと攻撃がノッキングしません。プレーしていても楽しいでしょうし、観ていても気持ちいいです。大宮のバイタルエリアを梶山が征してくれるので、大宮のコレクティブな守備が逆にあだになります。全体が下がる。だから東京ボランチがボールを持ったときに余裕ができる。アーリアや秀人がフリーでパスを供給できるようになります。これでSBがどんどん攻撃参加でき、東京の攻撃に厚みがでる。

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前半30分のCKは、流れが変わった兆候でした。前半のうちに修正し、ペースを奪うことができるようになったんですね。開幕でこれですから、この先が楽しみです。

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後半16分、パスをつなぎ前線に。羽生が粘って梶山に渡します。梶山はアーリアとのタベーラからルーカスにラストパス。ルーカスは華麗にトラップしてボールを浮かし、ノーステップシュート。1-0東京。

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終盤、大宮の攻勢がありましたけど、やっぱり権田が神セーブを連発し、結局これが決勝点。

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ポポさんの選手交代が合理的です。コンディション重視のようですね。谷澤→ナオ、羽生→千真(ルーカスが左メイヤ)、アーリア→草民。交代選手は、ゼロックスとACLに参戦したか、スタミナに難がある選手。考えてみると、選手の質よりもコンディションを重視できるってことです。それだけ、誰が入っても一定以上のクオリティを保証できるということ。たとえば谷澤とナオはスタイルが違いますから、同じ役割をするということではなく、戦い方をチューニングできるということです。それだけ、ピッチ上の選手とベンチスタッフのコンセンサスができているということですね。ポポさんは実にいい準備をしてきました。

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この試合、両チームともイエローカードがゼロだったことが示すように、とてもクリーンな試合でした。ゼロックスの柏も、ACLのブリスベンも同じくクリーンでした。つまり、ガテン系の守備をするチームにあたっていないということ。もともと東京の弱点ですから、ガッツリあたってこられた時にどうするのか、確認したいところです。

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大宮。とてもいいチームです。チョ・ヨンチョルだけでなく、ボランチのカルリーニョス、菊池とヨングォンのCBコンビ、下平と、新戦力が多くスタメンにいます。チームが熟成するのはまだまだこれからでしょう。開幕戦はポテンシャルを見せてくれましたけど、コンディションを含め、これからもっとよくなってくると思います。まず1勝ですね。自信をつけることが大切なんじゃないかなと思います。

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2012シーズンの東京は、とてもいいスタートをきれました。同じく好スタートをきった名古屋、神戸のほか、ACLで蔚山との対戦があり、難敵が続きます。東京はすばらしいコンディションでシーズンに臨むことができましたから、ここを乗り切り、一気に波に乗りたいですね。