ぽちごや

FC東京のディケイドSOCIOです。今シーズンは丹羽ちゃんとともに闘います。

まんぷくロケ地の旅 -20190103 明治村-

2019-01-20 14:48:55 | 連続テレビ小説まんぷく

あたたかい日差しが続く東京。

 

今年もロケ地めぐりの旅をスタートします。

2019年のロケ地めぐりの旅は、北海道と滋賀がメインになりそうで、すでに楽しみです。

今年最初のロケ地めぐりの旅は、来週からまた新展開を迎える好調まんぷく。

土曜スタジオパークin大阪は残念ながら落選してしまいました。想い出深い石橋での開催だけにぜひ参加したかったのですけど…

明治村でございます。

ここのところ明治村が朝ドラで使われることが多くて、三作連続で訪れることになりました。

それではロケ地めぐりをスタートします。帝国ホテル中央玄関です。福ちゃんが最初につとめた職場ですね。

「いらっしゃいませ。ご到着でいらっしゃいますか?こちらに、お名前とご住所をお願いします」。

「客室係がご案内いたします。512号室にお願いします」「はい」「何か?」「すいません」。

「またのお越しをお待ちしております。ブラウン様」「電話交換手に伝えてください。本当に気にしなくていいからと」「電話交換手ですか?」「英語のとても上手な女性です。サンキュー」。

「大阪東洋ホテルで働き始めて1か月。福ちゃんは、電話交換手から、フロント係に異動になりました」「いらっしゃいませ」「フロント係は、ホテルの顔です」「村上様ですね」「もう、福ちゃんにはうれしいことばかり」。

「真一さんと、幸せになりなさい」「ありがとう、お母さん」「よかったね」「よかったね。お母さん、ありがとう!」「今井さん。今井さん。そんなに笑わなくていいから」「申し訳ありません」。

「ありがとうございました」「世話になったね」「またご利用下さいませ」「ごゆっっくりお過ごし下さいませ」「そうや、伝票整理しとかな」「あっ、もう私がやっておきました」「ありがとう。もうどっちが先輩か分からへんわね」「何言うてるんですか保科さん」。

「今日6時からの宴会、分かってるね」「はい支配人」「承知しております」「君たちも接客係やから、よろしゅう頼むよ」「はい」「お任せ下さい」。

「いらっしゃいませ。立花さん。いらっしゃいませ」「福子さん」「はい」「アメリカと戦争が始まってしまいましたね」「はい」。

「でも…」「でも…」「僕と付き合って頂けませんか? お願いします、福子さん!」「へっ!?」。

「僕は、あなたのことを、もっと…もっ…。何を言ってるんだ僕は。すいません」「えっえっ…」。

「今の、忘れて下さい」「えっ…」。

「えっ?えっ?えっ?えっ?」。

「えっ?あ~…」。

「この前のパーティーで、ズボン濡らした人?」「立花さんです」。

「いつのまに親しくなったん?」「3年前、姉の結婚式で」「3年前から?」「いや、違います。あの…。この前偶然お会いして、一緒に、ラーメンを」「ラーメン?」「ラーメン」「それだけです!う~…」。

「ご案内お願いいたします」「はい。ご案内します」「ごゆっくりお過ごし下さいませ。ん~…。あ~…」「今井さん?どうしたん? そんな顔、今井さんらしくない」「えっ… どんな顔してたんですか、私」「立花さんのこと?」。

「何かあったの?」「母が、あの人は駄目やって」「何で?」「結婚相手は自分が決めるって。もうどうしたらいいんですか。保科さん教えて下さい」「ちょ…ちょっと待って!」「保科さんなら…」。

「そんなことないよ」「え?」「私は、男の人に好かれてるやろうとか、そういう経験たくさんあるやろうとか、思てるかもしれんけど、まったくないから」「またまた~」「むしろ聞きたいのはこっちよ。どうしたらいいの、私は」「へっ?」「「へっ?」やなくて」。

「失礼いたしました」「いらっしゃいませ」「こちらにお泊まりの、小山茂幸先生に、牧、善之介が来たと、お伝え願いたいんですが」「牧さん!」「あなたは…」「姉の知り合いの歯医者様で」「あっ」「妹さんが、どうしてここに?」「私は以前からこのホテルで働いております」「違う」。

「ん?」「お姉さんが救急車で運ばれたのに、どうして行かないんです?」「救急車?」「姉に何かあったんですか?」「ゆうべ、緊急入院されたそうです」「緊急入院?」「上本町にある真田山病院です。製薬会社の知り合いから聞いたんです」。

「すいません、今日は、早退させて下さい」「分かった」「ありがとうございます!」。

「そしたら、お姉さんは?」「しばらく入院することになりそうです。私事で心配かけて、すいません」「ううん。付き添ってあげなくてもいいの?」「旦那様がいるし、今は安静にするしかないんで」「そう」。

「ここならゆっくり話ができます。あそこで」「いいですね」「立花」「すぐ行きます」。

「いらっしゃいませ」「いらっしゃいませ」「あそこで、仕事の打ち合わせをします」「どうぞ、ご利用下さい」「次の休みは木曜でしたよね。僕はその日は、夕方からなら、大丈夫ですから」「あの…その日は、ちょっと…」「そうですか。じゃあ、次の休みに、僕が時間を空けます」「その日も、ちょっと…」「何か、あったんですか?」「今は仕事中なので」。

「立花。はよ来い」「はい」「お客様の打ち合わせが終わった頃に、抜けていいわよ」「えっ…」「立花さんにちゃんと説明しないと」「ありがとうございます」。

「伝票お願い」「はい」。

「今日からご一泊でございますね」。

「いきなり言われても…。はっ!」。

「私を、覚えてますか? 牧、善之介です。歯科医を、やってます」「はあ…」「あなたを一目見て、運命を感じたんです」「運命?」。

「私はあなたを、好きになってしまいました」「えっ!」。

「お客さんが少なくなってきましたね」「大阪に、仕事で来る人が減ったのよ。戦争で商売どころやないんやわ。外国人のお客様も、いなくなってしまったし」「でも日本が勝ったら、またにぎやかになるんでしょ」「そうね」。

「あっ、そしたらお先に、あがらせて頂きます」「ご苦労さま」「失礼します。失礼します」。

「今井さんは大丈夫か?」「支配人…」「いつもと変わらんように見えるけども」「我慢してるんやと思います。本当はお姉さんを亡くして、つらいはずやのに…」。

「さみしいですね。あれは、このホテルが出来た当時から…」。

「そんなこと言うたらあかんよ、保科君。あれが大砲の弾になって、敵をやつけるんやから」「すいません」。

「そしたら、野呂君。あとは頼むよ」「はい。僕も、寂しいわ。でも、日本が勝ったら、また元どおりになるって」「はい」「せやけど、その前に…。その前に、僕と…」。

「恵さん」「牧さん」。

「恵さん?」「私はあなたに、結婚を申し込みます」「えっ!」「日本の勝利を、2人でお祝いしましょう」「あっ、ちょ…ちょっと!」。

「あの人誰なんですか? 保科さんあの人と…」「何にもありません!」。

「お客様のお部屋は201号室でございます。ご案内お願いいたします」「はい」「ありがとう」「お部屋にご案内いたします」「ごゆっくり、お過ごし下さいませ」。

「福ちゃん」「え~敏ちゃん、ハナちゃん、どうしたん?」。

「今日は仕事がはよ終わって。2人とも」「せやから久しぶりに会いに行こうって」「今日は何時まで?」「はよあがれるんやったら何か食べに行かへん?」「うう…」。

「えっ?」「何?」「えっ…大丈夫?」「福ちゃん?どないしたん?」。

「昨日も社員通用口で、野呂さんと牧さんが待ち構えててん。「仕事が終わったんやったら、お茶でも飲まへん?恵さん」って。いつの間にか、下の名前で呼んでるんよ、私のこと」「へえ~」「「僕と一緒に」、「いやいや僕と」って。もうええ加減にしてくださいって怒鳴ってしもうたわ。周りからも変な目で見られて恥ずかしかった」「そうですか」。

「あれ?間違ってるわよ、今井さん」「えっ?」「ほらここ」「あっ、すいません」。

「昨日もやない」「申し訳ありません。気を付けます」「どうしたん?」「ん?」「今井さんも、何かあったん?」「別に、何にも」「笑顔がひきつってる」「ほんまに。もう言うてもどうにもならへんし」「えっ?」。

「保科君」「はい」「接客を頼みたいんだが、ええかな」「はい」「一人で大丈夫です」「そしたら、頼むわ」「はい」。

「ごめんね。みんなで押しかけたのがよくなかったわ」「そんな謝まらんといて下さい」。

「いらっしゃいませ」「いらっしゃいませ」「世良商事の世良です。門真工業の大野社長はもう見えてる?」「大野様は、まだ、ご到着されておりません」「そうか…。ほな喫茶室で待とかいな」。

「君が福ちゃんか!」「えっ?」「立花君とは会うてるん?」「はっ?」。

「ああ、そや。お姉さんは残念やったな。僕も子どもの頃兄貴を亡くしたから気持ちは分かるわ。で? 立花君とは、どないなってんの?」「世良さんは、立花さんと親しいんですか?」「ああ、立花君は友達やで。屋台でラーメン一緒に食う仲や。まあ親友言うてもええな」「親友なのに、ご存じないんですか?」「何を?」。

「助けるのは無理?」「立花君のことは諦めろ」「世良さん!」「不幸いうやつは伝染するんや。せやから僕はそういうとこには近づかへん」「立花さんは親友なんでしょ!」「一緒にラーメン食うただけや言うとるやろが!」「何やの、あの人はもう!」。

「夢枕?」「咲姉ちゃんなら絶対私の気持ち分かってくれるはずです!」「ちょっと待って。それはお母様が見た夢なんでしょ。お母様の願望よね、それは。願望に夢になったわけでしょ」「そうか!ああもう咲姉ちゃんが言うたわけやないんや」。

「今井さんもしっかりして」「はあ、すいません。もう頭が混乱してて。もうどうしたらええのか全然分からなくて。今日も、このまま一日が過ぎていったら、立花さんはどうなってしまうのかって」「もっと、力のある人に協力してもらわないと」「そんな人、私の知り合いには…」。

「保科君、今井君」「はい」「はい」「今日は、よろしく頼むよ」「今日?」「商工会の会合だよ」「あっ…」「そうでした」「三田村会長もいらっしゃるから、くれぐれも、失礼のないようにな」「かしこまりました」「三田村会長…?」「5時からやから…」「三田村会長!」「えっ?」。

「大阪東洋ホテルはどうなったんですか?」「私も、結婚して辞めたから…。こんなご時世やし。開店休業みたいな感じやないの」「まあ、お客さん、来ませんもんね」。

続いては、名古屋衛戍病院です。

「福ちゃん…」「咲姉ちゃん…」。福ちゃんが、咲姉ちゃんが入院している真田山病院に駆け込んでいた階段。

「ゆうべ、血を吐いてね」「えっ?」「咲!咲!大丈夫か!?」「ただの風邪やなかったの? 咲姉ちゃんは」「結核だ」「結核…」。

「世良二等兵」「はいっ!」。

「いい所にいた。これもやっておけ」「分かりました!分かりました!」。

次は、歩兵第六聯隊兵舎。

ロケ地は事務室です。

「はい、理創工作社です」「立花さんはおられますか?」「あ…私ですが」「立花君?」「はい」。世良の事務所。

「よかった~」「えっ?」「僕や。世良やがな」「世良さん?」。

「僕は加地谷さんに嫌われとるやろ。あの人が電話取ってしもたらつないでもらわれへんからな」「誰かと思いましたよ」「久しぶりやな、立花君。彼女とはどうなった?」「えっ?」「僕が押して押して押しまくれって教えてやったやないか。いるんやろ?惚れた女が」「いやあ…」。

最後に訪れますは、こちら。「お久しぶりです、神宮閣下」「いやいや、ご無沙汰しております。三田村さん」「こちらが、陸軍大将、神宮幸之助閣下だ」「ハハ、もうとうに退役したがね」「世良勝夫と申します」「あ…彼は、世良商事という商社をやっておりまして。なかなか、有望な男です」「ほう」「ありがとうございます」「つまり、悪さをしたのは、その立花という男ではなく、共同経営者か」「加地谷が、憲兵の一人と通じているようです」「何」「本当です。私が確かめてまいりました」「あの村城という男は間違いなく憲兵です」「そうなると、もう我々の手には負えません」「私に、どうしろと?」「立花萬平という男は非常に優秀な男です。彼がぬれぎぬを着せられて獄中で命を落とすようなことがあれば、大阪の経済界にとっても大きな損失です。神宮閣下が、立花君を助けて下されば、閣下にとっても、利益が…」「三田村さんにとってもかい?」「もちろん」「我々は皆、閣下に感謝いたします」。三田村会長と世良が神宮さんに萬平さんの除名嘆願にいっていた邸宅。西園寺公望邸坐漁荘です。

これにて今回のロケ地めぐりの旅はおしまい。今年がみなさまにとって幸せな一年になりますように。


FC東京2019年シーズン始動

2019-01-14 13:08:32 | 連続テレビ小説まんぷく

雨が降らない乾燥した日が続く東京地方が、ひさしぶりに曇天模様がやってきた週末。

2019年の新体制発表会がありました。今年は臨席がかなわず、トークショーがあって去年よりも楽しそうで、うらやましかったです。

一夜明けた日曜日は、また快晴が戻ってきました。キャンプに向かうチームが、恒例のお披露目です。なお今シーズンもかわらず丹羽ちゃん推しでいきますので、よろしくお願いします。

健太さんと新選手会長の宏介のスピーチがありました。模様は公式にアップされていると思います。

例年は新加入選手のスピーチがあるのですけど今年はなく。まだ編成が揃ってないからでしょう。オープニングセレモニーはあっさり終了でした。

現時点ですけど、新加入選手です。アルトゥール・シルバ選手。チームではアルと呼ばれているようです。指導日を見学する予定はなかったのですけど、発表会でアルがかわいかったので会いにきちゃいました。

児玉剛選手。だまさんですね。

宮崎幾笑選手と中村拓海選手。チームの呼びかたは確認できなかったのですけど、きわらとたくみで良いのかしら。

渡辺剛選手。つよしと呼ばれてました。

ナッタウット選手はまだ合流していません。はやくプレーする姿をみたいですね。つづいて、おかえりなさい組。インス。

建英。

2019年と2020年シーズンの東京は、苦難の道となることは自明です。ラグビーワールドカップと東京オリンピックのためのスタジアム改修による日程の影響は、発表を見る限り想像以上です。

長期ロードの影響に関する科学的な分析は見たことがないので、チームの負担ははかりしれないのですけど、阪神タイガースの例を想う限りは、ネガティブな発想をしてしまいます。

ちなみに昨年は、ホームとアウェイがまったく同じ成績でした。7勝4分6敗。三試合以上続くアウェイは昨年はないのですけど、連戦だけみると機会は5回。3勝4分3敗と、シーズン平均より少し勝率が落ちる程度です。チームの影響が最小限であることを祈ります。

運営面にも確実に影響しそうですね。ホームが続く場合は通常のサイクルの倍のスピードが求めれらそうですから。味スタ以外のホーム開催も可能性がありますので、集客にも影響しそうです。かつて鹿島、柏、川崎に前例がありますから、参考になるかもしれませんね。

ぼくらサポにとっては、SOCIO対象が味スタ開催に限定されるとのことで、ちょっと手間になります。ホーム連戦になると、ご家庭やお仕事によっては参戦できないかたもいらっしゃると思います。アウェイにいかれるかたは連戦はいろいろと大変だと思います。

でもまあ、仕方がないことなので、なんだかんだブツブツいいながら、二年間を乗り切れたらと思います。できるだけ味スタで開催され、かつちょっとでも試合間隔がゆるやかであることを願います。

チームは元気にキャンプに出発したようです。開幕まで一か月半ばかり。全日程発表はさ来週。実は今が一年でいちばんワクワクする時間です。新しいシーズンが東京にかかわるみんなにとって幸せな一年になることを願いながら、春を待ちたいと思います。


FC東京2018シーズンレビュー

2019-01-05 21:13:47 | 連続テレビ小説まんぷく

新年あけましておめでとうございます。今年もぽちごやブログをどうぞよろしくお願いします。

今年も新年を迎えるにあたり、昨シーズンを振り返ってみたいと思います。

2018年は、2011年から8年間続いた立石体制を一新し、長谷川健太新監督のもと、新しいピリオドに漕ぎ出す年でした。なので、もちろんシーズンの目標はクラブの新しい方向性を表現し、成果を上げることだったろうと思いますけど、立石体制の方針が明解でかつ特長が濃厚だったがゆえに、正直どんなシーズンになるのか、不透明なシーズンスタートでした。

立石さんは、課題解決型のビジネスロジックをクラブ運営に持ち込んだ、画期的なチャレンジをされたと思っています。結果的には成功しなかったけど、取り組みは十分評価に値すると思います。チームを客観的に評価し、課題を明確にしたうえで迅速に対応する。それが顕著なのが監督人事でした。少し長いスパンで過去10年のリーグの流れをみると、サッカースタイルのポリシーに準じたチームがいち時代を築いてきたと思っています。鹿島、ガンバ、広島、そして今、王位についている川崎は、いずれも長い時間をかけて一貫したスタイルを作ってきた結果が花開いています。彼らは、継続こそ成功に導く最高のフレームワークであることを証明してくれています。立石さんのアプローチはその真逆を向き、失敗しました。だから新東京は、かっこたる東京スタイルを構築する必要があるということだと思います。

東京は、クラブ史上はじめて、実績のあるマネージャーを迎えます。長谷川健太監督。健太さんとともに、少し腰を据えてみようというアプローチの大転換です。健太さんに課せられた使命は、こういうと重いのですけど、優勝することだけでなく、それによって未来に続く東京スタイルの礎を作ることです。ぼくらは、あらたなスキッパーに期待を込めて、新しい時代に漕ぎ出すことになりました。

その初年度は、蓋を開けてみると開幕こそ1分2敗と大きく出遅れますけど、暖かくなると盛り返し、9節には2位に踊りでます。期待を裏切ることなく、むしろ大きな夢をもたせてくれました。

振り返ってみると、これほどシーズンレビューの論点が分かりやすいシーズンはかつてなかったなあと思います。トータルの成績は14勝8分12敗勝点50。13節守った2位から落ちても30節までなんとか守った3位のポジションも、残り4節で急降下しました。最終順位は6位。

シーズンの流れを見てみます。ターニングポイントとなったのは21節のアウェイガンバ戦。20節までは12勝4分4敗勝点40。平均勝点が2。

たられば上等でいうと、このままのペースを守れば最終勝点が68。69の川崎に及ばないまでも、脅かすに足る優勝争いができる成績です。平均得点も1.5で、鹿島、浦和、名古屋に匹敵するリーグ5位の攻撃力です。守備力も2位で、平均得失点差は+0.65。これも川崎の+0.9には差をつけられますけど、リーグ2位。つまり川崎との熾烈な一騎打ちができたことになります。もしそうなっていたら、33節は、熱いクラシコになったでしょうね。

現実は、21節以降、2勝4分8敗勝点10。おおかたの印象通り、シーズン前半と後半がまったく違うチームになります。失点も増えているのですけど、より顕著なのは、いうまでもなく得点力です。20節までの半分以下で、平均0.64。ですからシーズンレビューの論点は明確です。後半戦の得点力不足はなぜ起こったのか。

その前に、健太東京を紐解いてみたいと思います。まずは得失点パターンをみてみます。得点に関しては、立石体制はセットプレーとクロスに依存していて、割と得点の形が決まっていたと思います。セットプレー、クロスとも得点パターンの20%以上を占めています。健太東京は、ともに20%を切っていますけど、とはいえパスやドリブルに顕著な傾向があるわけではなく、バランスのよい点の取りかたをしています。つまり健太東京は、攻撃のバリエーションが立石体制よりも増えているといえます。これはリーグのなかでは川崎と同じ傾向にあります。

失点に関しては、従来からクロスへの対応が弱い印象がありましたけど、これが大きく改善していて、10%を下回っています。ショートパスからの失点も減っていて、全般的に流れのなかの守備が堅実になっていることを表しています。一方で、いわゆるセカンドオポチュニティであるロストボールへの対応に問題が表れていて、前年比で19%も増えています。マークに課題があるということでしょう。ただ、被チャンスも被シュートもリーグ上位で、屈指の守備力は、立石体制に継続して、いやそれ以上に高いと言っていいと思います。

このことから、まずはしっかり守ることを優先するスタイルに関しては、体制が刷新しても不変であることが分かります。健太さんもガンバ時代から守備が堅いチームを作る印象がありますから、監督セレクトの重要な観点だったことがうかがえます。ただしかつて守備に偏重した反省もありますから、むしろ体制変更によるテコ入れのポイントは攻撃だったことも、攻撃パターンの結果に表れています。

というわけで、攻撃を掘り下げてみたいと思います。総合的にみると、チャンスメークに関しては迷走した2016、2017年シーズンから改善して、攻撃偏重だったポポさん時代のレベルに戻っています。一方でシュート精度が過去7年で最低です。やっぱり得点力不足。

攻撃のアプローチは、昨今金太郎飴のような似たように闘いかたをするポリシーレスのチームが多いJリーグにあって、濃厚なアイデンティティを表明できています。守備優先のポリシーに準じた結果でもあるわけですけど、ロングおよびショートカウンターの企画がともにダントツでリーグ1位。同様のチームカラーを表すのは札幌。グローバルにみるとポゼッションとカウンターはクラブが主張するイズムの代名詞になるほど、互いにリスペクトし、かつ相通じないオルタネイティブです。トレンドに流されやすいJにおいてはポゼッションに画一化する傾向にあるなか、東京は独自路線を打ち出しています。

攻撃時に、連動して高速スプリントする人数がリーグ1位です。さらにハイプレスに関してもリーグ1位。健太さんはファストブレイクと表現していましたけど、チームのなかで、カウンターに対するコンセンサスができていることを表していると思います。つまり健太東京は、ドラスティックな変革をしたわけではなく、堅い守備からのカウンターというベースロードをより鮮明にしようとした姿が浮かびあがると思います。もしもこれからサポーターが東京スタイルに共感するのであれば、高速カウンターにこそエクスタシーを感じるべきだろうと思います。

攻撃方向をみると、チームの変化をより感じとれます。ここ数年は左サイドに偏重勝ちだったのですけど、左右のバランスが均等になってきています。それよりも中央突破の比重が高くなっています。中央はディエゴ、右は永井と室屋が高速スプリントの担い手になっていて、カウンターの送り処を選ばず、どこからでも矢を放てるようにしてあることが分かります。一方で左サイドに関しては、高速スプリントの比重が少なくなっています。室屋が台頭した右サイドに比べて、左サイドは世代交代が遅れていることが明確です。宏介にしろ諒也にしろ、フリーキッカーとしての役割がありますけど、直接FK、セットプレーともにゴール数が減っていますから、レゾンデートルを問われるシーズンになったと思います。

シフトについては、トップ下の活用が2018シーズンの特長でした。近年のリーグの傾向をみると、川崎の台頭とともに、オーガナイザーの存在が再認識されていると思います。これが意味することが何なのかはわかりませんけど、健太さんもこの流れを踏襲します。ゆえに、健太東京の攻撃の成否を分ける重要な役割として、トップ下が位置付けられていたと思います。エースディエゴ、永井へのパス供給源としてチームトップは洋次郎。洋次郎は、パス交換の相手もチームトップです。洋次郎は、カウンターのコンダクターとしてチームを引っ張ってくれました。

洋次郎に並び、攻撃面の貢献が顕著なのが慶悟です。2018シーズンに最もブレイクスルーを果たした選手は慶悟だと思います。攻撃への関与回数は、洋次郎を抜いてチームトップ。プレーの印象でも、サイドに流れることが多かった洋次郎があけたスペースを慶悟が埋めていたことが多く、アタッキングエリアの随所に慶悟の姿を見つけることができました。慶悟は最終局面に絡むことも多く、ゴール数が一挙に増えました。

もうひとり、大きく成長した選手を上げると室屋です。攻撃での自己表現の幅が広がった室屋は、今シーズン飛躍し、ついにA代表まで上りつめました。スピードを活かしたロングスプリントが可能で、右サイドを活性化してくれました。でももっとシュートを増やせると思いますし、もっと洋次郎や慶悟に使われていいと思います。

次代の東京を担う拳人は、今年18番を背負うことになりました。期待にたがわず、一時圧倒的な存在感を見せてくれました。このままいくとA代表もそう遠くないと思っていましたけど、怪我の影響でコンディションが戻りきらず、守田の後塵を拝すことになっています。でも中盤を制圧する存在感は守田以上だと思っています。コンディションを十分にして、新しいシーズンを迎えてほしいと思います。

さて、後半失速した原因は、チームからの発信のとおり、中断期間中に上積みができなかったことにあると思います。前半戦でディエゴと永井の超高速アタッカーコンビがリーグに旋風を巻き起こしましたけど、中断中に永井が離脱した影響が、結局最後まで尾をひきました。スクランブルでリンスを補強しましたけどレギュラーに定着するには至らず、ディエゴの相棒は試合ごとに代わっていました。これではディエゴに負担を強いることになります。21節以降の得点力不足はディエゴのゴール数の減衰が直結しています。本来シュートの上手いディエゴがシュートミスやPK失敗を繰り返していた記憶がありますけど、過度にディエゴに依存した悪影響がディエゴ自身にも及んでいたのだろうと思います。

2018年は、中断期間中のミニキャンプの価値があらためてピックアップされることになりました。川崎の復権には、ACLを失った直後に軌道修正をする時間としてミニキャンプが有効だったと言われています。一方、広島の減衰は、ミニキャンプ中の上積みができなかった影響だそうです。東京もまたしかり。とくに永井、拳人、ヒョンスの離脱は、センターラインを担うチームのキーマンでしたから、計り知れない痛手だったと思います。ぼくらは、夏の中断期間の重要性を認識するという、良い経験をしたと思います。

得点力不足の課題は、カウンターの精度にもあります。カウンターの回数はリーグトップですけど、ゴール率は、ロングカウンターで13位、ショートカウンターで8位と、けして高くはありません。シュート率はロングで12位、ショートで16位。そもそもカウンターを繰り出すわりにはシュートチャレンジしていないことがわかります。カウンターの初動の問題なのか、はたまたフィニッシュの問題なのかはこれだけではわかりませんけど、いずれにしろ改善ポイントとして注目すべきだろうと思います。

総論すると、2018健太東京は、チームとしてやるべきことを整理できたことが大きな成果だったと思います。ファストブレイクというフレームワークで攻守の型を形成しました。結局、ファストブレイクの戦闘力を維持するために、レギュラーメンバーに依存してしまいました。これは、まだまだ編成が十分ではなかったことを表せているのでしょう。世代交代を含め、底上げが不可欠です。

今シーズンは、前半だけだったけど一定の成果が残せたことで、健太東京が取り組む方向性の正しさを確認できたと思います。Jリーグでは唯一無二のカウンターの担い手として、チームの存在感をより一層明確にしつつ、その精度を高めることで、一撃必殺の超高速サッカーで恐れられるチームになってほしいと思います。

シーズン後には、長年チームに尽くしてくれた梶山が引退し、遼一、草民、翼が去りました。おつかれさまでした。そしてありがとうございます。さみしいけど、健太東京を確立するための必要な循環として、ポジティブにとらえたいと思います。

個人的には、マイヒーローの丹羽ちゃんがまさか東京でプレーする日がくるとは想いもしなかったので、サプライズに楽しいやら嬉しいやら。さっそくユニにサインをもらいにいって、あまりのかっこよさにど緊張したのを覚えています。今年はおもしろキャラ全開でよろしくお願いします。

2019シーズンの編成はまだ全容が明らかになっていませんけど、来週には新体制発表会があり、新シーズンがスタートします。新しい年を期待をこめて迎えたいと思います。