ぽちごや

FC東京のディケイドSOCIOです。今シーズンは丹羽ちゃんとともに闘います。

2017J1リーグ第30節FC東京vs北海道コンサドーレ札幌@味スタ20171021

2017-10-22 16:36:46 | FC東京

10月になって雨の日が続きます。梅雨みたいです。週明けには季節外れの台風が縦断するみたいです。お気をつけくださいね。

個人的に三週間のブレイク明け。ひさしぶりのサッカー観戦です。

本日は、残留争いの渦中にある札幌。モチベーションがありますから、やっかいな相手です。You'll Never Walk Alone♪

二度だけすっぽり空いたジェイに二度ともやられました。

東京はウタカがサスペンションのため欠場。嘉人が戻ってきました。シフトは3-4-2-1。GKは今日も拓生。3CBは右から徳永、ヒョンス、まる。WBは室屋と宏介。ボランチは洋次郎と慶悟。2シャドウは右にインス左に嘉人。1トップは永井です。

札幌は三試合負け無し中。布陣はほぼ前節と同じです。シフトは3-4-1-2。GKはク・ソンユン。3CBは右から菊地、横山、福森。WBは右に早坂左に直樹。ボランチは宮澤と荒野。今日のトップ下はチャナティップ。2トップは都倉とジェイです。

現在の、というか今年最後のシステムは嘉人がいてこそ成立する作戦だっと思っていました。前節の甲府戦は、その嘉人が不在でしたので少なくともビルドアップの組み立てができるのか心配していました。結果はセットプレーの得点のみのドローですけど、シュート数は安間体制以降の平均7.4本を上回りましたから、それほどの影響はなかったのかもしれません。とすると、嘉人を中盤で使うことが現状の最善だと思っていたけれど、けしてそうでもないのかもしれません。

嘉人を中盤で使うデメリットはシューターがいなくなることです。遼一やウタカを前線に置ける場合はともかく、今日のように永井とインスでは、実質チャンスメーカーだけで前線を構成することになり、生粋のシューターがいません。安間体制になってシュート数が一試合二桁に満たないのは、ビルドアップシステムに変更したことばかりが原因ではないと思います。

それにしても、ひさしぶりに観た嘉人を中心とする中盤の構成はクオリティを増しています。嘉人と慶悟、洋次郎のコンビネーションが出来てきているのでしょう。中断前の嘉人のポジショニングは左寄りに立つ比率が高かったのですけど、今日はより中盤を浮遊できるようになっています。それから、嘉人を囮にして、直接永井につけるパターンも出来ているので、より組み立ての幅を作ることができるようになると思います。なによりも、嘉人が縦にチャレンジするコースを作ってくれるので、さんざ指摘されたバックパスの頻度は格段に少なくなっています。これは、後方から見て前方の視界が良好になっていることを表わしていると思います。前線のスペースメイクがスムーズになって、パスコースを作れているからでしょう。インスを使う意味は良く分からないけど、案外そのあたりにあるのかもしれません。

札幌はシーズン序盤から、とくにホームマッチで勝ち点を積み重ねていました。アウェイは勝ち点ゼロ。ホームとアウェイの顕著な違いは、札幌ドームの魔力という非論理的な理由ではかたずかないと思っています。たしかにドームに行くと、国内唯一の全天候型サッカースタジアムの密封感と、それ故の音響効果で一種独特の雰囲気を持っていますから、魔力がないわけではなさそうです。札幌のアウェイマッチを観る機会は二回目なのですけど、初回は昨年のJ2時代でしたので参考になりません。東京戦のホーム&アウェイを観る限り、サイドの処理のしかたに違いがありました。今日はWBを下げ5バックのかたちを維持することを優先していたようです。残留を確実にするために勝ち点が欲しい状況ですから、アウェイ戦の通常モードとは言えないかもしれません。ただ、コンサバティブなモードは札幌の攻撃に厚みをもたらしてくれないことは確かなようです。

というわけで、サイドアタック基調の札幌に前への圧力を加えるWBが、その役割を担わず自重をします。本質的にDFである直樹はともかく、むしろ攻撃特質の高い早坂がほとんど攻撃に加わらなかったことは、今日の札幌の意志を最も体現していたと思います。

札幌の守備はオーソドックスです。ボールの在処に対してプレッシングするもぐら叩き戦法です。東京の縦へのチャレンジを予防するとともに、守備コースを限定する意図だと思います。札幌のサッカーはけして志が低くはありません。むしろビルドアップが熟成されていて、札幌スタイルと呼んでいいほどの独特のモデルをかたち作っています。昇格チームにあり勝ちなアグレッシブな守備を前提とするショートカウンタースタイルではなく、ステレオタイプに流されない誇りのようなものを宿しています。その意味でリスペクトしていますし、来年も札幌に行きたいなと思います。

札幌のストロングポイントは明確。福森です。福森の左足の精度を活かすべく、攻撃方法が定められていると言ってよいと思います。基本的にサイドアタック偏重です。クロスをシュートパターンの主戦としています。さらにアーリークロスを多用することが札幌の特長。これはアウェイモードになると一層顕著かもしれません。WBの選手の選択によって異なるかもしれませんけど、ホームではWBを積極的に攻撃参加させ、アタッキングサードでの数的優位を志向していると思います。ただし、いずれにしろクロス基調ですから、ターゲットマンに優位性がなければ成立しません。都倉とジェイのツインタワーは、中央のオポチュニティを増やす意味で重要な武器です。

さらにもっとツインタワーを置く意味があります。それは、最終的にクロスに繋がるために、つまりクロス供給者がルックアップできる状況を作るために、攻撃の基点、すなわちポストプレーです。ジェイが磐田時代よりも活き活きして見えるのは、コンディションが戻っていることだけでなく、ポストの重責を都倉と分散できているからのような気がします。最終局面のオポチュニティでは、たんにターゲットを二倍にするだけでなく、一方がシャドウ、つまりゴール前から存在を消すことができます。結果的にこのかたちで先制ゴールを生み出しますから、あきらかに武器のひとつになっていると思います。札幌はおそらく、チームもサポも等しくこれでダメなら納得できるという、迷いのない闘いかたを確立できているのだろうと思います。

基本的にクロス基調の札幌に重要なアクセントをもたらすのがチャナです。チャナのロングドリブルはDFの注意を引き付ける効果がありますから、クロッサーがよりフリーで勝負し易い状況を作ります。少なくともアタッキングサードに入る手段のひとつとして、チャナのドリブルは有効です。まだペナルティエリアで勝負するクオリティにないようで、ドリブルインからのシュートはありませんでしたけど、若いころのまなのような勢いを感じました。来年以降が楽しみな逸材ですね。

東京は序盤、5バックでひきこもる札幌を予見して、中盤を省略したフィードを直接前線につける作戦で臨みます。永井が落としたボールをインスが拾って裏に抜ける意図だと思います。対する札幌は札幌らしくポストからのサイド展開を経由したアーリークロスでリズムを作ろうとします。この静かな主導権争いは札幌が少しばかりアドバンテージを持ち、札幌に主導権が渡りかけました。

札幌に傾きそうな流れを断ち切って、逆に東京にリズムを生み出したのは永井のワンプレーです。20分過ぎころに左サイドライン際で嘉人からのパスを受け、守備網からのプレッシャーを受けながら宏介を走らせるチャレンジングな縦パスを成功させます。この勇気がチーム躍動感をもたらします。同時に札幌の中盤に脅威を認識させます。これにより、嘉人を軸にした中盤の構成が円滑になります。東京がアタッキングサードでチャレンジする機会が増えていきます。

今日は、結果的には負けてしまったけど、試合内容はけして悪いものではありません。むしろ観ていて面白かったです。ボールが回りますし、繰り返しになるけど縦にチャレンジする意欲もありました。なによりリズムが良く、ギクシャクするようなストレスがありませんでした。この、ある種の爽快感をもたらしたのは東京だけではありません。サッカーは相対的なスポーツです。当然、札幌も貢献してくれています。札幌は、残留争いというシリアスな状況にありながら、基本的にはガチで臨むことを信条としているのかもしれません。東京がリズムを掴んでくると縦にはやくなりますけど、札幌も負けじと縦にはやい展開を挑んできます。それゆえ、前半にしてはやくもオープンファイトの様相をていしてきます。ガチのどつきあいこそ、理屈抜きで楽しいサッカーです。勝利至上ではない、エンターテイメント性を重視する意志が札幌にはあるのかもしれません。

双方にとって、互いに良いかたちができて、めずらしいほどに噛み合った試合になりました。前半はスコアレスのまま終了。

内容は悪くなかったので、あとはアタッキングサードでのチャンスを多く作ればゴールもそのうち生まれるだろうと思っていたら、逆にはやばやと先制を許します。

47分。福森のセンターサークル内のFK。福森はペナルティエリア内の都倉にフィードを送ります。札幌はペナルティエリア中央に宮澤ファアにジェイを押し出します。東京はそれぞれヒョンスと徳永がつきます。このフィードで東京は下がり加減。ところがジェイのみステイ。そのジェイに向けて都倉がフリーでフリック。ジェイはペナルティエリア内でどフリーです。トラップしたジェイは右足を振り抜きます。これがゴール右隅に決まりました。東京0-1札幌。

セットプレーでありながら、都倉とジェイをやすやすフリーにしてしまったミスです。今のチームは、攻撃の組み立ての改善に重点を置いていますから、局面の守備はある程度個々の選手の質にゆだねていると思います。もはや順位に対するモチベーションがありませんから、やっていて楽しくサポもそれなりに楽しめるサッカーをせざるを得ない状況だから許される選択であることは間違いありません。本質的な問題は、局面の守備のミスの多さです。ヒョンスが入って中央の安定感は得られたのですけど、1on1の勝負に持ち込まれるとウィークポイントをさらけ出してしまいます。来年への課題として、技術的な補完に取り組んでほしいと思います。そして、同じようなミスで追加点をあびます。

59分。センターライン付近から福森が左ライン際アタッキングサードにかかるあたりにはっていた直樹に出します。直樹はすぐに後方同じくライン際にいた都倉に渡します。都倉はルックアップ。このときゴール前はジェイとチャナにまるとヒョンスの2on2。そしてジェイが呼び込んでいました。都倉はジェイに合わせるクロスを送ります。まるの後方から一瞬前に出たジェイはフリーで合わせました。東京0-2札幌。

2点先行されたことを受け、安間さんが動きます。セットプレーのタイミングで、インスに代えて遼一を同じく右シャドウに投入します。この効果は、直接ではないですけど、すぐに表れます。

65分。宏介の右CK。東京は中央に永井と遼一をダミーで置き、ヒョンスがスクリーンです。ヒョンスのマーカーは都倉ですけど、ヒョンスではなくポジションを意識します。宏介のクロスは、その都倉の頭上を越えてファアに合わせます。そこにヒョンスが流れました。ヒョンスは綺麗に合わせます。東京1-2札幌。

セットプレーに関してはJ1でも優位性足り得る得点源を、都倉とジェイの二枚を持つ札幌のほうが有利だと思っていました。前節まるが決めたとは言え、基本的にはヒョンスだけですから。そこに遼一が加わることで、選択肢は増えます。みえみえのヒョンスのスクリーンでしたけど、ニアに遼一がいた効果はあったと思います。現状では得点をセットプレーに頼らざるを得ない状況ですから、可能性を失するようなスターターの選択はできれば避けてほしいと思います。

さてクロージングに向けて四方田さんが動きます。チャナに代えて稲本をボランチに投入します。荒野が右WBに出ます。早坂がトップ下に回ります。中盤の守備の安定感を確保する意図だと思います。今年アウェイで勝ち点3を得る機会はこれまでありませんでしたから、残留を引き寄せるためにもものすごく貴重な機会だったでしょう。

これを受け、安間さんが動きます。徳永に代えて梶山を投入します。同時にシフトを4-3-1-2に変更します。3CHは右から洋次郎、慶悟、梶山。トップ下は嘉人です。前線の枚数を増やす作戦です。それから、嘉人の役割をシューターに切り替える意図だと思います。嘉人は前半を含め、フリーのシュートアテンプトが二回ありました。いずれも守備側にはばまれました。怪我明けで感覚が戻っていないのかもしれません。

四方田さんが動きます。ジェイに代えて金園を同じくトップに投入します。ジェイのコンディションを考慮したのだと思います。

安間さんが動きます。永井に代えてリッピを同じくトップに投入します。好調リッピが流れを呼び込んでくれることに期待したのだと思いますけど、テストの意味のほうが強かったと思います。

永井のプレー選択については、永井本人の目線でしか確認はできませんけど、客観的に見ると、シュートがファーストチョイスではなかったのだろうと思います。1トップに入っておきながら、永井は本質的にはチャンスメーカーなんだなとあらためて思いました。イージーなシュートアテンプトだっただけに悔やまれます。もっとギリギリの難しいプレーだったら、お洒落ハヤブサが発動したことでしょう。

四方田さんが〆ます。早坂に代えて河合をボランチに投入します。宮澤をトップ下に上げます。守備網を盤石にする意図です。

札幌サポの願い通り、このまま試合終了。東京1-2札幌。

かつて、昇格初年度の湘南に初勝利を献上した記憶があります。札幌の今年アウェイ初勝利は、よりによって味スタでした。しかも札幌の得点源と東京のウィークポイントがシンクロした完敗です。もはやどう闘うかなんてどうでも良いという観念をしているとはいえ、選手もサポもお互いにできるだけ笑顔で終わりたいという気持ちもありますから、もうちょっと豪快にやってほしいなと思います。攻撃面ではミスしても気にしませんから。

残り四試合。ホームは、次節清水戦を終えると、最終戦まで一か月以上開きます。そろそろシーズン終盤の雰囲気が漂ってきて、そこはかとなくサウダージです。この状況で遠方アウェイ遠征の酔狂をするモチベーションが起こらないので、実質観戦はあと二試合かも。願わくば、単純に楽しめる試合を観られたらと思います。


わろてんかロケ地の旅 ―20171011 京都①―

2017-10-12 23:38:54 | 連続テレビ小説わろてんか

晩夏のような暑気の関西。

京都でございます。

こんなにはやく、本格的なわろてんかロケ地巡りの旅をスタートできるとは思いませんでした。観光地京都ならではです。

やってまいりましたのは、烏丸通の左、下立売通沿いのこちら。

京都府庁の旧本館でございます。

嬉しいことに、わろてんかロケ地の案内がありました。

それではさっそく、わろてんかロケ地巡りの旅京都編第一弾をスタートします。「お父はん、ドイツの薬会社と、どうしても取り引きしたいと思うてはるんや」「何で?」。儀兵衛さんがドイツの薬商人を探しにきてたホテル。

「きっと、新一のためやろなぁ。ドイツには、いろ~んな病気を治す、魔法のようなお薬があるらしいんえ。けど、何や、取り引きが思うようにいかんようで…。お父はん、こっそりお酒を飲むようになったんや」「やっぱり、うちのせいで…」。

「それは違うえ。お商売にはな、いろ~んな駆け引きがありますのや。そやからあんたが気にすることあらしまへん」。

京都府の旧議場です。府庁旧本館の一部で、建物の北側、正面入り口の反対側の入り口です。表と裏で表情が違う建物もめずらしいかも。

「まだ帰らんと、京都にいてはったんや」。中庭の北側。

中に参ります。「あっちこっち家族で見物してはるらしいわ」。ドイツ商人に謝るためにてんちゃんと風太がやってきたホテル。正面入り口の階段です。

「あ!」。

「ここで何をしているんだ?」。

「すみまへんどした!」「何?」。

「うち、あなたをわろたんやのうて、ただチョウチョがお嬢さんのリボンみたいで楽しゅうて楽しゅうて…。みんなで一緒に笑えたらええなて…。そやから、お父はんの事見捨てんといて下さい。お父はんは、魔法のお薬を手ぇに入れて、兄さんや、苦しんでいる人たちを助けたいんどす。お願いします! お願いします! お願いします!」。

「お願いします! お願いします!」。

続いては中庭に参ります。「テンテンテンゴのおてんちゃん。元気にしてはるか? 俺は今、伊予の宇和島から、大阪に戻ってきたとこや。戻った理由は、聞いて驚くなかれ。法善寺近くの南北亭いう寄席で、トリを任されたからや」。てんちゃんの女学校の中庭。

「トリいうても、空飛ぶ鳥やないで。トリいうんは、寄席の最後に出る主役や。すごいやろ。苦節8年、いよいよ俺の時代や。日本一の芸人になったら、会いに行くから。楽しみにしててな」。てんちゃんが藤吉からの手紙を見てた中庭。

シンメトリーでロケ場所がわかりにくいのですけど、北側です。このマップだと左手。ちなみにこの中庭は桜の名所だそうです。中央は、京都らしい枝垂れ桜。

「追伸、今日の笑いを一つ。手紙と掛けて、お弁当と解く。その心は。開けて見るのがお楽しみ」。

「何? これ」「お手紙?」「ううん」「まさか…」「恋文!?」「ああ…ちゃうちゃう。恋文なんて、そんなんや…」「どんな方?」「何してはる人?」。

「え~と…旅してはる」「旅してはる?」「芸人さん!」。

「芸人さん?」「芸人さんって、何?」「あっ、人に笑われてお金をもらう人たちちゃう?」「あぁ、その日暮らしの旅ガラスやてお父はんが」「え!」「落ちこぼれや半端もんがなるもんやいうて」「ちゃう! このお人は、みんなを笑顔にして、幸せにしたい、そない思てはる立派なお人なんえ。このお手紙は、そういう夢がぎょうさん詰まった…」。

「何が詰まってますて?」。

「すんまへん」「いつから?」。

「昔お父はんにわろたらアカンて言われたの覚えてはる?」「あぁ、あったなぁ」。

「あん時のくすり祭りで」「いや、あんな前から?」。

「年に1度か2度、もう来いひんか思てると、忘れた頃にまた。けどそれだけや。あれきり会うた事もないし」。

「あんたは藤岡屋の娘として、いずれはどこぞの商家へ嫁ぐ身。それが生まれ持ったさだめや。お父はんには絶対言わへんさかい、忘れよし」。

また中に入って二階に上がります。マップの右上です。

「思いも寄らぬ火災で、儀兵衛がドイツから仕入れた大量の洋薬が、全て、灰となってしまいました」。儀兵衛さんが薬倉庫の焼失の影響を最小限にするために出資を頼んでいた銀行。

「そこをなんとか、お宅さんとうちは、長いつきあいですやろ」。旧知事室の食堂です。

「どないかしてさしあげたいのはやまやまですが、これだけ大きな損害では、担保もなしに、お金を貸す事はできしまへん。何でそない強引に、洋薬への転換を…。伊能さんとの提携話はどないなりました? 伊能製薬の後ろ盾があれば、なんぼでも、お貸しできるんですけど…」。

本日最後にやってまりましたのは、こちら。

おなじみ、東寺でございます。

東寺は、わろてんかのクランクインの場所でもありますね。

「待っとくれやす。そないに急ぎ足で」。てんちゃんとりんちゃんとおトキさんの通学路です。

小子房です。

「急いでなんかいてへんえ。あんたらが遅いだけとちゃう?」。

「おてん様は、「お手紙の君」に恋してはるんですね」「何言うてんの!」。

「そやかて、お手紙が来るといっつもお顔がニタァニタァ、こ~んなふうにとろけてはるし」「そっくりやわ」。

「ふ…普通にわろてるだけやわ。大体、昔会うたきりやんか? 顔もよう覚えてへんし。うちはただ、行った事ない土地の話を聞くのが楽しいだけや。藤吉さんがいろ~んな人笑わせて、み~んながおなか抱えて、笑い転げてはる姿を想像するだけで、うれしなるんや」。

「それが、恋、いうんちゃいますか?」。

「きゃ」。

「これが、恋? ちゃう…ちゃうわ!」。

「てん! そこまで一緒に行こう」。通学するてんちゃんに新一さんが追いついた往来。

「今日も研究所どすか?」「ああ。論文を書いててな」「論文?」。

「藤岡屋は、これから大きな転換期を迎える。伊能製薬との提携は、確かにした方がええんやが。せんでもやれる考えが、ここにあるいう事や。そやからお前は、好きに生きたらええ。手紙の事で、風太とケンカしたんやろ」「お手紙の事、知ってはったの!?」。

「これでも、家の事は隅々まで、よう目ぇ配らせてるつもりやで」。

「あ~…さすが後継ぎさんや」「風太の事やさかいな。前からバレとったわ。けど、お父はんだけには見られんとこと、必死やったんやろな。何年もお父はんの目ぇ盗むやなんて、大変やったやろなぁ」。

ロケ地巡りをしているときは主題歌が脳内リフレインしているのですけど、明日はどこから♪はいいですね。ほっこりします。

夏のような陽光のなか、朝ドラロケ地巡りは例によって歩き回りますから汗だくになりました。それにしても京都は、ロケ地巡りの場としてはゴージャスですね。普通の観光をしてるような気分になります。まだまだ京都編は続きますので、また京都にまいります。


わろてんかロケ地の旅 ―20171008 連続テレビ小説「わろてんか」展―

2017-10-09 12:44:06 | 連続テレビ小説わろてんか

10月の三連休は秋晴れになりました。

平成29年度後期連続テレビ小説「わろてんか」がいよいよはじまりました!。

今回のわろてんかは、いよいよついに、BKが地元関西のエンターテイメントの王様、吉本興業のルーツをとりあげた、意欲あふれる作品です。おまけに毎日笑わせる宣言までしていますから、自らにプレッシャーをかけまくってますね。でもなかなか好調なスタートで、おもしろそうです。なにより、葵わかなちゃんの笑顔を毎日観られるのですから、半年間楽しみです。

というわけで、わろてんかのロケ地巡りスタートです。

BK朝ドラロケ地巡りのスタートは恒例はスタジオパークなのですけど、わろてんかは甲子園球場でした(^^;。でもやっぱり、本格的なロケ地巡りの前に今年もスタジオパーク。

本日は無料公開デーでした。お客さんがいっぱいで、にぎやかでした。スタジオパークはこども達が楽しめるアトラクションもいっぱいありますよ。

連続テレビ小説「わろてんか」展を開催しています。12月27日までを予定していますので、お時間がおありのかたはぜひスタジオパークに足をお運びください。

第26週までの、わかった範囲ですけど主要なロケ地です。
・小てんちゃんと風太が演芸を観にあそびに行ってた神社は、油日神社です。
・小てんちゃんと藤吉が出会った舞台がある神社も油日神社。
・おしずさんとてんちゃんがお百度参りをしていたのも油日神社。
・藤岡屋の表は松竹撮影所です。
・小てんちゃんと新一兄さんと風太が歩いてたのも松竹撮影所。
・小てんちゃんと藤吉が屋根の上で俄して笑ってたのも松竹撮影所。
・藤吉が走っていた小川沿いの林の道は、大覚寺大沢池の北側です。
・てんちゃんが風太をお饅頭でなぐさめていたのも大覚寺。
・小てんちゃんと風太がドイツの薬商人に謝りに行ったホテルは、京都府庁旧本館です。
・てんちゃんが通う女学校も京都府庁です。
・てんちゃんとりんちゃんとおトキの通学路は、東寺の小子房です。クランクインのシーンですね。
・南北亭のある千日前は、東映太秦映画村です。
・伊能家のお屋敷は、京都文化博物館です。
・てんちゃんと栞さんが歩いていた小川の小道は上賀茂神社です。
・栞さんがリリコの映画を撮っているのは、博物館明治村の聖ザビエル天主堂です。
・風太が入ってきた玄関と、藤吉が文鳥師匠に会いにいった料亭は、明治村の西園寺公望別邸「坐漁荘」です。風ひな寮もこちら。
・文鳥師匠と団吾師匠が口上してた寄席は、明治村の呉服座です。
・おてんさんが契約金を運んでいた安来の河原の道は、東近江市の栗見橋のたもとです。ごちそうさんで悠太郎さんがめ以ちゃんのプロポーズを断ったボートレースの会場です。
・おてんさんと藤吉が話してた砂浜は、琵琶湖のビワコマイアミランドです。こちらもごちそうさんのロケ地で、め以ちゃんと桜子と民ちゃんが海水浴に来てた千葉の海水浴場ですね。
・隼也の小学校は、明治村の三重県尋常師範学校・蔵持小学校です。
・藤吉が入院した病院は、明治村の北里研究所本館・医学館です。花子とアンの修和女学校ですね。
・伊能商会は、神戸税関です。
・加納家は、明治村の西郷従道邸です。
・わろてんか隊の上海の居留地は、明治村の和小物雑貨「楽」です。
・わろてんか隊が慰問会場は、明治村の旧名古屋衛戍病院です。ごちそうさんで、悠太郎さんが亜貴子さんとベンチで話していた病院ですね。
・おてんさんたちが疎開した滋賀の村落は、服部緑地の日本民家集落博物館です。

それではわろてんか展を見学しましょう。

恒例通り、スタジオギャラリーがメインの展示です。スタジオギャラリーの展示の全景はこんな感じ。

反対側から見るとこんな感じ。

ヒロイン藤岡てん役の葵わかなさん。

北村藤吉役の松坂桃李さん。

ちなみにキャストのパネル写真は、ほぼ等身大。背面に身長が書いてあります。

武井風太役の濱田岳さん。

伊能栞役の高橋一生さん。

わろてんかの作品紹介パネル。

人物相関図。

藤岡屋です。

藤岡屋の看板。

薬種の袋。お店の天上からぶら下がってましたね。

こちらも薬種の袋。

店内の衝立。

薬の品札でしょうか。

薬種の箪笥。

上がりかまち。

寄席。

小てんちゃんのお衣装。

芝居小屋にかかってた名札や演目。

提灯。

めくり。

藤吉のいのししのかぶり物。

アサリのかつら。

北村屋ののぼり。てんちゃんと藤吉が結婚してから登場するのでしょうね。

福楽座ののれん。

写真パネル。

風太のおもたせ鞄。

てんちゃんの藤吉からの手紙入れ。

藤吉からの手紙。

藤吉からもらったてんちゃんの鈴。

新一の教科書。

てんちゃんのお見合い写真。

新一さんの論文を栞さんに送ったてんちゃんの手紙。

藤吉が作った生玉人形。

ゆかいな折り紙。

てんちゃんが大阪ではじめた商売。北村屋はこれなのかな。

Bフロアのわろてんかの展示は、キャストさんのサインと作品の紹介パネルです。キャストさんのメッセージです。
葵わかなさん「笑顔いっぱいのドラマ、ヒロイン!目指します!! 応援よろしくお願いします」
遠藤憲一さん「笑いは人を幸せにするクスリなんやな」
鈴木保奈美さん「今日も朝から、わろてんか」
松坂桃李さん「わらかします。」
堀田真由さん「皆様、初めまして 堀田頑張ります」
濱田岳さん「てんのために」
徳永えりさん「「わろてんか」を観て、沢山笑って下さい!」
竹下景子さん「〝笑いはいちばんの薬〟」
高橋一生さん「宜しくお願いいたします。」
広瀬アリスさん「応援よろしくお願いします。」
大野拓朗さん「〝いつでも笑顔でいられますように〟応援よろしくお願いします!!」
鈴木京香さん「北村啄子」
前野朋哉さん「一生懸命がんばります!」
内場勝則さん「笑いが一番!」
藤井隆さん「うしろ面…」
枝元萌さん「旦那様を立てます」
兵動大樹さん「ギンギンに楽しみます!!」

作品の紹介パネルです。

まだはじまったばかりですけど、宣言通りに笑いにあふれてて、観ていてほっこりします。笑顔いっぱいの半年間になると良いですね。京都編のロケ地は京都市内が多くて、本格的に京都ロケ地巡りができそうです。楽しみです。


ひよっこロケ地の旅 ―20171008 渋谷―

2017-10-09 12:24:02 | 連続テレビ小説ひよっこ

秋らしい爽やかな晴天です。

半年間つっぱしってきたひよっこも、一度もペースを落とすことなく快調のまま最終回を迎えました。10月になっちゃったけど、最後のロケ地旅です。

それではひよっこロケ地巡りの旅ファイナルをはじめます。「よっしゃ~! すげえ! やった、時子! おめでとう!」「♪好きなんだけど だまってるのさ 大事な宝 かくすように」「♪君は僕の 心の星」「♪君は僕の宝 壊したくない なくしたくない だから好きなんだけど 離れてるのさ 」「♪好きなんだけど だまってるのさ」。時子がツイッギーそっくりコンテストで優勝したとき、三男が喜んでた会場の玄関。

NHKホールです。

ロケ巡りは以上です(^^;。明治神宮に花嫁さんがいらっしゃいました。綺麗でしたー。

続いて、スタジオパークでございます。

Bフロアのスタパの朝ドラコーナーに、はやくもアーカイブとしてひよっこ展示でございます。

わが家はこう見たってイベント毎週やってたんですね。

すずふり亭の看板。

玄関の屋根。

屋根の内側。

ランプ。

OPENのボード。

玄関。

玄関の基部。

ドアノブ。

ショーケース。

すっかり見なくなった3Dピクチャーメニュー。

マッチ。

テーブルセット。

メニュー。

展示コーナー。

向島電機時代のみね子の制服。

乙女寮の規則。

向島電機のAR-64。

ひよっこの台本。

時子が見ていた雑誌。

青春のあかしのポスター。

Cフロアのイベントホールで、オープニングCGの最後の印象的な夕景のミニチュアを観られます。

実際にオープニングで使われたものではなく、田中達也さんがリメイクされたレプリカだそうです。全景①全景②

タイトルバックの作りかた。

小窓からドラマのオープニングちっくに観られます。

小窓からの風景はこんな感じ。

ミニチュアの風景。

田中達也さんがひよっこの奥茨城編の田植えのシーンをオマージュして作った作品。

進が寝てたシーンを再現してあります。

このミニチュアセットには、過去の朝ドラのロゴが8個潜められてます。まずはひよっこ。

うず潮。

たまゆら。

おはなはん。

ゲゲゲの女房。

このスタンプはちゃんと押されてます。

てっぱん。

スタパのスタッフさんも知らなかった作品を見つけてしまいました。おひさま。まだ潜んでいるかもしれませんね。

このミニチュアセットをいつまで観られるのか分かりませんけど、行かれたときはぜひ見つけてみてください。

これにてひよっこロケ地巡りの旅はおしまいです。ひよっこは朝ドラ史上最強のファンタジーでした。ひよっこほどメッセージ性も悲壮もない作品は記憶にありません。良い意味で中身のない、完全なフィクションでした。だからこそ、毎日気楽に観られたのだと思います。どの作品にもかならず倦怠期があるのですけど、ひよっこはまったく感じずに一気に半年間駆け抜けた印象です。本当に楽しかった。キャスト、スタッフの皆さん一年間おつかれさまでした。ありがとうございました。


2017J1リーグ第28節FC東京vsジュビロ磐田@味スタ20170930

2017-10-01 16:22:44 | FC東京

9月と10月を跨る週末は、さわやかな秋の陽気になりました。

秋のお祭りがはじまると、自然に秋を受け入れて、秋が楽しくなってきます。

今シーズンは、天皇杯もルヴァンカップも敗戦していて、ホームマッチの残りも今日を入れて四試合です。ちょっとずつ寂しくなってきますね。本日は磐田。You'll Never Walk Alone♪

10月1日はドロンパのお誕生日です。おめでとうドロンパ。

試合前にネマがあそびに来てくれました。

ポゼッションスタイル同士の闘いは、噛み合い過ぎてドロー。

東京は前節の大敗を受け、布陣を少しアジャストします。シフトは3-4-2-1。GKは彰洋。3CBは右から徳永、ヒョンス、まる。WBは右に室屋が復帰、左は宏介。ボランチは今日の洋次郎の相棒は慶悟。2シャドウは右に今日は遼一左に嘉人。1トップは永井です。

磐田は大記のスターター復帰によってか、シフトを大きくアジャストします。4-2-3-1。GKはカミンスキー。CBは祥平と森下。SBは右に櫻内左に宮崎。ボランチは川辺とムサエフ。WGは右に俊輔左にアダイウトン。トップ下は大記。1トップは堅碁です。

サッカーは相対的なスポーツです。

今更まじめくさって言うことではないのですけど、前節柏戦と今日の磐田戦を連戦で体感して、あらためて相性を強く感じました。

帰りがけにお話しした見知らぬ男性は、磐田が東京に合わせてくれたと言ってました。競技ですからそのようなことは無いのですけど、言い得て妙なおもしろい表現だなと思いました。結果的にはスコアレスドローだったので残念だったけど、今日の東京の内容は柏戦とは比べものにならないくらい上質でした。これは、東京が前節の反省を踏まえてアジャストをしていたことも理由のひとつなのだと思います。でも、むしろ相手が磐田だったことのほうが影響が強いと思います。

というわけで、現在の名波磐田を確認します。磐田はセオリーに反する選択をします。三戦負け無しのけして悪くはない状況でありながら闘いかたをアジャストします。おそらくエース大記の帰国後のコンディションが戻ってきて実戦で闘えるクオリティになってきたからだろうと思います。あらためて大記を中心にし、俊輔のテイストを加えたチーム作りにチャレンジしようという意志なのでしょう。

でありながら、俊輔がいるチームは発想の基点を俊輔に置きますから、どうしても俊輔システムになってしまいます。それによって、メンバーに関わらず一定レベルの結果を得られますし、組み合わせるアタッカーの質によっては優勝争いもできるのですから、選択として必然です。名波さんもまた然り。ですので課題は、まだ大記のほうにあろうと思います。俊輔システムは、カウンター基調にしろポゼッション基調にしろ、俊輔を必ず経由します。俊輔が流動的かつ広範囲にポジションを移動することで攻撃パターンとルートを可変にします。ただし、さしものの俊輔もポジションによって選択肢がある程度限定されます。バイタルエリア付近でボールを持つ場合はシュートに直結する最終的なパスを選択できますけど、後方でボールをさばく場合はアタッキングサードまでボールを運ぶための仕事をします。つまり俊輔が後方にいる場合は、少なくとも俊輔によってゴールをおぼやかされる危険性は無いということです。なので、俊輔を後方に追いやることが、俊輔システムに対峙するチームのテーマになります。

前半、とくに10分過ぎころまでの磐田はビルドアップに苦しみます。それは東京の対策にあります。今日の東京は守備を少し改善しました。5バック基調になることは変わりません。アタッカーが前に三人並ぶ5+2+3のかたちをとっていましたけど、今日はボランチの横に、遼一を右永井を左に置く5+4の2ラインで臨んでいました。これによって、前節まではマンマーク気味に守ることであいまいになっていたゾーンの役割分担が整理されました。磐田の攻撃が機能不全になっていたのはこのせい。堅碁に対しヒョンスがしっかりマンマークできました。大記のスペースは洋次郎と慶悟が消します。そして俊輔に対しては永井と宏介が自由を許しません。これは、言い換えると、序盤の俊輔はポジション移動を控え右サイドにはっていたことを示します。おそらく俊輔と大記の関係性を試合のなかでさぐるために、まずはオーソドックスに役割分担しようということだと思います。

10分を過ぎたころ、磐田がアジャストします。俊輔とアダイウトンを入れ替えます。理由は宏介と永井の密着マークを受けていた俊輔がこれを嫌ったためだと思います。ただそれだけではありません。俊輔がポジション移動をはじめます。これによって、少なくともビルドアップは機能をはじめ、磐田のパス回しは動くようになります。ただしそこまでは。結局のところ、磐田をゴールに向かわせるための基点である堅碁のポストが最後までヒョンスによって封じられたことが、ひいては大記の居場所を定めることをはばみ、磐田から推進力を奪った原因だろうと思います。磐田は、東京のサイドの守備のミスによって散発的にサイドアタックを見せますけど、崩し切っているわけではないのでゴールを脅かせません。ようするに今日は、東京にミスが無い限り磐田にチャンスは無かったと思います。

ただし磐田には、言わずもがなな圧倒的なストロングポイントが二つあります。ひとつはアダイウトンのオラオラドリブル。そしてもう一つは、ストライカー堅碁を蘇らせた俊輔のセットプレー。アダイウトンのドリブルのほうは、磐田が選択した、大記中心の今日の闘いかたで自ら封印しました。アダイウトンにパスを供給する俊輔がアダイウトンから遠くはなれてしまっていたので、アダイウトンが仮にボールを持ったとしても、有効なドリブルを行えるスペースがありませんでした。

それでもやっぱりセットプレーは脅威です。今日は結局、集中を最後まで保った東京守備陣が、俊輔が送り出すクロスをすべてはね返しました。一度彰洋のミスから堅碁に狙われましたけど、サッカーの神様も今日の東京守備陣に味方をしてくれたようです。

さて、今日の東京です。守備に関しては前述の通りですので、攻撃について。おそらくリーグ戦では今年初めて、拳人が怪我以外で出場しませんでした。売り出し中の拳人は何があっても使い続けるのだろうと思っていたので、ちょっと驚きました。それほどパス回しを円滑にしたいということなのでしょう。攻撃方法にもアジャストがありました。拳人に代わって慶悟がボランチに入ったことと関係して、ボランチの役割分担が変わります。洋次郎は攻撃時に右のCBの位置に下がります。これによって徳永が右まるが左に開き、4バックのかたちになります。これに連動して慶悟が中央にずれます。お気づきだと思いますけど、そうです。広島スタイルです。安間体制になってからそこはかとなく感じていた広島オマージュが、今日はより鮮明になっていました。

ただ、違いもあります。それは嘉人です。今日の嘉人はよりポジションレスな、攻撃面でのリベロのような存在でした。洋次郎が下がった4バックのかたちになると、嘉人が中盤に下がります。おそらく慶悟のパスパートナーとなる意図だと思います。この作戦が非常に機能します。慶悟が中盤の真ん中で活き活きと躍動します。慶悟はもともとボールを保持することで試合をオーガナイズするスタイルのサッカー感を持っているのだと思います。なのでリスクテイクしてまで一様なパスの選択をするのではなく、セーフティネットを常に持っていることを第一義としていると思います。これまでは、それは後方にしかなかったのだけど、自分の前方に嘉人という預け処があることで、より広範囲なパスコースの選択肢を持つことができたのではないかと思います。

今日は選択肢そのものも多彩でした。最前線にスピードスターがいますから常に最終ラインの背後を狙えます。バイタルエリアに遼一がいますからとりあえずの納め処も確保できます。宏介も最前線に並んでいますから左サイドに基点を作ることもできます。そしてなにより、右に室屋が戻ってきたことが攻撃面ではとても大きかったです。常に攻撃姿勢を貫く室屋は、チーム全体に攻撃志向をもたらしました。東京の攻撃を活性化させた今日のMVPは室屋だと思います。

磐田の攻撃を機能不全に落とし込むことに成功した東京は、作戦のアジャストが奏功し、磐田の作戦変更もものともせず、次第にイニシアチブを取るようになります。東京が試合を主導する様を観ることができて、ひさしぶりにワクワクしました。東京の攻撃が機能した理由は東京の作戦だけが理由ではありません。相手が磐田だったからです。ポゼッションスタイルの磐田ですから、守備もリトリートスタイルを選択しています。ゾーンを維持することを優先します。磐田はゾーンのなかがそれほどタイトではありません。なので随所にスペースができ易くなる傾向があります。東京の縦のポジション移動は、この磐田のクセを見越した作戦だったのでしょう。いわば、双子のように似通ったポゼッションスタイルのチーム同士の対戦ゆえ、東京の作戦がはまったということなのだと思います。現状ではこれが精いっぱいでしょう。前節と今日が対象的になった理由は相手の闘いかたの相違によります。

言い換えると、今の東京のサッカーは相手次第ということです。今年の残り六試合のうち、純粋なポゼッションスタイルは最終戦のガンバのみ。今日は良かったけど、まだまだ苦しむ可能性があります。それゆえ、今日は勝っておきたかったなと思います。前半はスコアレスのまま終了。

後半に入ると東京の安定感が一段と増します。5+4の守備網のバランスがますます良くなります。今日の一番の収穫はクリーンシートだったことです。しかもそれを、選手の頑張りという精神論ではなくシステマティックに成し得たこと。ポゼッションスタイルとゾーンディフェンスの両立ができれば、少なくとも前節のようなゴレアーダをくらう試合は少なくなるのではないかと思います。

なかなかペナルティエリアに入ることができない磐田は攻撃をアジャストします。俊輔を下げて中盤を三人構成のようにします。川辺とムサエフを前に出し、より攻撃に絡めるようにします。櫻内と宮崎の位置も押し上げて、サイドに厚みを加えようという意図だと思います。

そこで名波さんが助長します。大記に代えて松浦を同じくトップ下に投入します。松浦は純粋なセカンドアタッカーの役割を担います。これによって俊輔システムの純度が増します。それでも前節までの1トップ2シャドウにしなかったのは、あくまでも大記を軸にすることは変えないという意志だったろうと思います。

さらに名波さんが動きます。堅碁に代えて齊藤を同じくトップに投入します。堅碁は結局ヒョンスのマークを振り切ることができませんでしたので、人を代えてみようということだと思います。

安間さんが動きます。永井に代えてウタカを同じくトップに投入します。今の東京はここからが問題です。今日のスターターのセットで、少なくともアタッキングサードまでボールを有効に運ぶことができていました。直近二戦はそれすらできていなかったので、一歩だけでも改善されたことはとても嬉しかったです。もちろんシュートが6本に終わったことは課題だけれど、まずはアタッキングサードに入れないことにはポゼッションをやっている意味がないので、そこを喜びたいなと思います。でも、さて、選手が代わるとどうなるのか。

案の定、心配は現実のものとなります。東京のポゼッションがとたんに機能しなくなります。慶悟を中心としたパス供給側にとっては、永井という飛び道具の選択がなくなったことは攻撃の視野を確保する意味でとてもネガティブなことなんだろうと思います。ウタカは決定的な仕事を時折してくれます。ロングカウンターの基点になることも証明してくれています。でも、ポゼッションのなかではまだ機能を見せてくれていません。

それから、磐田に言えることは東京にも言えます。東京が攻撃を組み立てられたことは嘉人を中盤で使う効果によるものです。ところがこれにはジレンマが伴います。チームとしてのシュートアテンプトが低下してしまいます。これは嘉人が加入したときから注目していた命題です。たぶん嘉人がこれまで過ごしてきたすべてのチームで通過した課題なんだろうと思います。東京は、今年は解答を示すことができませんでした。嘉人と慶悟の関係がより良くなり、嘉人が安心して動くことができるようになれば、嘉人が二列目から長躯抜け出すことができるようになると思います。まずは嘉人をセカンドアタッカーにできるように取り組んでいくことが良いのかなと思います。

再度攻撃を活性化させるためにどうするかなと思っていたら、安間さんが動きます。室屋に代えて諒也を同じく右WBに投入します。これは室屋のコンディションを考慮したのでしょう。室屋が下がって右サイドの重心が10mほど下がります。攻撃を活性化させるどころか、むしろ磐田の攻撃が活力を増し、守勢に回ることになります。興味深かったのは、右サイドができてより攻撃的な拳人がいながら、左を本職とする諒也を使ったことです。セットプレーを重視して、プレースキッカーの選択肢を増やしたかったのかもしれません。

安間さんが続けます。遼一に代えて梶山を左シャドウに投入します。嘉人が右に回ります。バイタルエリアでアグレッシブにスルーパスを狙い続けられる役を置く意図だと思います。

最後に名波さんが動きます。宮崎に代えて大貴を同じく左SBに投入します。フレッシュな選手によってサイドアタックを活性化させる意図だと思います。

結局東京も磐田も、作戦変更によってチーム力を上乗せすることはできませんでした。このまま試合終了。東京0-0磐田。

まずは守備網が改善したことと攻撃の組み立てができるようになったことを素直に喜びたいです。繰り返しになるけど、直近二試合の試合後の脱力感を体感している身としては、やりたいことをやれている様子を見て、嬉しいというか安心しました。

来年の編成方針がまったくわからないので、今年これからの取り組みは来年を見据えたものではなく、あくまでも今年限りのことだと思っています。なので、より一層目の前の一戦を大切に闘ってほしいです。それとともに、ぼくらもここまでのしがらみを少なくともシーズンオフが来るまではいったん納めて、純粋に試合を楽しめたらなと思います。今日の内容で選手たちは、やろうとしていることを具現化できるという手ごたえをつかんでくれたと思います。ゴール、そして勝利はその先にあります。自信がそこに導いてくれると思います。

次の観戦まで三週間開きます。ちょっとはやめのオフが来たような気分になってなんだか寂しいですけど、サッカーを楽しむ気持ちをチャージする良い機会かなと思います。