ミッドウィーク開催のリーグ戦です。土曜に続き、梅雨の中休みです。シーズン序盤は雨にたたられましたけど、その分の天気貯金ができてたのでしょうか。
スーツ組が多いミッドウィークです。自分もごたぶんに漏れず。東京ネクタイで臨みます。ゲートで阿久根さんにかっこいいと誉められちゃいましたw。
Jリーグチャンピオンのレイソルでございます。スーパーカップに続き、今シーズン二度目の対戦です。あの時はレイソルのコンディションが上がってないなかにもかかわらず、ジョルジ・ワグネルの文字通り一発に沈み、タイトルをさらわれました。いまレイソルは好調ですから、さらに難しい試合になることが予想できました。
マッスーの一発にやられました。東京相手に、自分たちのサッカー好きで真っ向勝負を挑むチームはいまのJリーグにはそうそういません。レイソルはそのひとつ。
東京は、梶山が怪我で離脱です。故障リストが溢れてきました。アーリアをトップ下に沿え、草民が左アタッカーに入ります。アーリアのポジションにはヨネ。バックラインは前の試合と一緒です。梶山不在の東京は、よく言えばスピード感が増します。言い替えると、試合のリズムを落ち着かせる選手がいません。よくも悪くもアーリア次第です。アーリアが前を向ける状況であれば、有効な攻撃を展開できます。アクセントは草民です。左サイドを浮遊していますけど、攻め時になると力強くかつクイックに変化します。優れたアスリートは、リラックスした状態で効率的に力を使えますけど、草民のプレーを見てると、そんなことをイメージさせられます。アーリア、草民にルーカスを加えたトライアングルは、イマジネーション溢れる絡みでレイソルゴールに迫ります。見ててとっても楽しい。
レイソルの印象的な東京対策はないんですけど、あえて言うと、トップに澤と工藤を使ったことでしょうか。守備も攻撃も武闘派として潰れ役に徹します。当然、二人ともシュートアテンプトはほぼゼロです。でも、レイソルのアタッカンチは、時としてそれでOKなんです。なぜなら、レアンドロ・ドミンゲスとジョルジ・ワグネルがいるから。レアンドロはそれほど動かず、右サイドにどっしり構えています。チームの攻撃における芯となっているんでしょう。レアンドロがいるポジションを他の選手が見て、攻撃ルートをイメージするんじゃないかと思います。一方のジョルジはフリーマンです。攻撃の時はピッチ上のどこにいてもいいとなってると思います。レアンドロとジョルジは、たった一本のパスで局面を変えてしまいます。まず、ポジショニングが絶妙です。よほどの密着マークがなければ、相手が気づかないうちにフリーゾーンに立ってます。周りの選手は、彼らのパスコースを作るために動きます。トップの二人、あるいは酒井宏樹。とくに酒井とレアンドロとのコンビネーションは芸術の域にあるようです。攻め上がりのタイミングが速いです。レアンドロがボールを持つと、酒井はすでにクロスで勝負できる体勢にあります。レアンドロとジョルジに加えて酒井がいることでレイソルの攻撃は成立しているのですけど、ヤッカミ半分、やっぱりズルいですねw。一方で、レイソルのおかげでスペシャルな選手を見れているわけですから、感謝しています。
レイソルの守備は、トップとボランチの4人の仕掛けとCB級を3人並べる最終ラインで形作られています。トップは東京のパス供給源である秀人に対し、ボランチはリンクマンであるトップ下に対し、それぞれプレッシングを担当します。東京のパス回しを始まりから遮断しつつ、仮にパスを繋がれても、バイタルエリアを自由に使わせないという意図です。最終ラインの仕事はポストプレイヤーを潰すことと、酒井の攻撃参加に配慮するリスクマネジメントです。サイドエリアを使われても、最終局面のゴール前を堅く守るという考え方だと思います。
レイソルがサイドを開けますから、東京はサイドでボールを持つことができます。加えて東京がピッチを広く使うと、レイソル中盤のプレスを分散させることができました。でも、その後が問題です。今日は草民がゴール前に侵入するアイデアを見せてくれましたけど、レイソルが慌てるまでには至りません。
レイソルのパフォーマンスも、必ずしも良いとは言えなかったと思います。レアンドロとジョルジは確かに脅威ですけど、二人にシュートチャレンジを許さなければ、決定的なシーンを作られる心配はありません。流れのなかでは、緊張感をもってしっかり守れていたと思います。
しかしレイソルにはセットプレーがあります。今日唯一のゴールは、セットプレーから生まれました。前半アディショナルタイム、ジョルジ・ワグネルが蹴った、センターライン近くからの左足FKは、糸を引くように近藤に向かいます。近藤がヘッドで合わせますけど、これは権田がセーブします。でも権田弾いたボールは、まっすーの目の前にこぼれました。何かと話題のまっすーは出場開けだったんですね。東京0-1柏。
東京はアーリア、ルーカス、草民を軸に攻めますけど、柏にゴールの脅威を感じさせるまでに至りません。今日のところは、千真、河野、志有人は状況を変えるまでの威力を持つオプションではなかったです。逆にレイソルは、鋭いカウンターこそないですけど、レアンドロとジョルジで試合のリズムをコントロールできますから、攻勢にでる東京の一方的な展開になることを防ぎました。ようするに、完全にレイソルの試合です。というわけで、このまま試合終了。東京0ー1柏。
負けはしましたが、プロの試合を堪能しました。試合後にブーイングがなかったのは、東京が現有選手でがんばっていたことと、いまのJリーグで望みうる最高のプレイヤーを、しかも二人のコンビネーションを含めて堪能できた満足感があったからではないでしょうか。残念ながら、真っ向勝負を挑むなら、レイソルに勝つにはスーパーな時の梶山が必要ですね。
それともう一つ。酒井宏樹のJラストゲームです。レアンドロに育ててもらった感覚を武器に、ヨーロッパで暴れてほしいです。
梅雨時は草民の季節です。確実にリズムを変えられる選手ですから、感性を磨きながら、安定感も身に付けてほしいです。
ヨネはジョルジ・ワグネルを抑える仕事を懸命にこなしてました。今日の仕事をシンプルに考えることができていたのかもしれません。試合後、いちばん悔しそうでした。ヨネの一番良いところは、無尽蔵のスタミナで中盤を守り続けることです。ポポさんの中盤は攻撃面で難しいタスクを求めますから、迷いもあると思います。自分の特長をしっかりと抑えて、成長してほしいです。
厳しい相手との連戦です。連敗は優勝に向け、禁物ですから、つぎの磐田戦は勝ちたいものです。