春一番がやってきて、いよいよ本格的な春が近づいてます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2a/54/ef7f635fd8a9d513ee36de0c0193127d.jpg)
そろそろ卒業シーズンに入ったのか、今週は晴れ着姿をよく見かけました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/44/3a/d32331cfde7bfb1f227600635ba87f47.jpg)
二戦連続のホームゲームに迎えますは、去年と真逆の絶好調でスタートした名古屋。You'll Never Walk Alone♪
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5a/8e/9f7ae0a575748f4da8c9a415c401d70a.jpg)
作戦通りにきっちり仕事を仕切って、クリーンシートの快勝です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/70/57/aa40bb35a506319683b810614c69acbf.jpg)
東京は心配された謙佑が、元気に古巣対決に参戦です。シフトはスクウェアの4-4-2。GKは彰洋。CBはヒョンスとモリゲ。SBは成と諒也。CMは洋次郎と拳人。メイヤは右に建英左に慶悟。2トップはディエゴと謙佑です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/03/a7/f607b72921c9acf089ce3bced2e2dd92.jpg)
名古屋は前節と同じ布陣です。シフトはスクウェア型の4-4-2。GKはランゲラック。CBはまると中谷。SBは右に宮原左に豊。CMはシミッチとヨネ。メイヤは右にガブリエル・シャビエル左に和泉。2トップはジョーと赤崎です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2c/bf/b27c41f0d2476aea0a9e87b3f1c420e9.jpg)
絶好調の名古屋と絶好調のうちに対戦できることはホントに幸せなことだと思います。好調同士の試合は、変なエクスキューズがなく、やりたいサッカーの剥き出しのぶつけあいを堪能することができました。はやくも今シーズンベストマッチといってよく、90分間があっという間でした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3d/40/c86633a5156c929f107eee5b2d28ff82.jpg)
名古屋を観るうえで欠かせないのは、どうしても風間さんのサッカーです。風間さんといえば、現在のJリーグの頂点である川崎の礎を築いたかたですから、近い将来に同じ結果を期待する名古屋のサポのみならず、ぼくらも川崎的なサッカーを想像します。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/23/8b/004bdafe5329359e64caaf5f314ed308.jpg)
でも、現在地の風間さんはリアリストです。エキセントリックなイメージがあるわりには案外と現状をふまえる王道派で、結果を出すために、持てる布陣に応じたサッカーをするといったほうがよいかもしれません。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/77/51/31e6d4f451e1653cbcd51cc167ff3214.jpg)
もちろん、攻撃権を持つことが最大の守備の安定という根底の思想は変わってないのですけど、名古屋での攻撃方法は川崎の奇妙奇天烈なそれとは異なり、オーソドックスな方法を採用しています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/47/5c/280c6ba7e857c0b5fefdff5f18c993fe.jpg)
もうひとつの今年の名古屋の特長は、絶対エースジョーです。ジョーの圧倒的な得点力は、昨シーズンの成績を引き継ぎ、今年も脅威です。名古屋での風間さんのサッカーは、つまりジョーに点を取らせることから逆算したサッカーということです。それが結果的にジョーのゴール量産を生んでいるのでしょう。超簡単にいうと、ジョーで基点をつくってSBを上げ、シャビエルと和泉がサイドへのルートとタイミングの判断を司り、最後はジョーをターゲットにズドン。ね、シンプルでしょ?
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/32/01/6a628e57cdf402ef89cd1f91ddd6650f.jpg)
さて東京は、同じ風間オリジナルとはいえ、複雑怪奇な川崎と異なりシンプルで分かり易い名古屋のサッカーを封じにかかります。これには攻守両面での対策が施されていました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/08/9c/40834b15e5226f65f416dec1a3a43f94.jpg)
まずは攻撃から。今日の東京は、ポゼッションを一切合切封じて、徹底してロングカウンターを狙い続けます。CMから後ろがボールを持つと、間髪いれずアタッカー全員が裏のスペースを目指してスプリントを開始します。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/60/fb/d1011def43989a907d52f83eb00968ce.jpg)
これには名古屋の守りかたのポリシーが影響しています。名古屋はSBの攻撃参加が肝です。なので、基点であるジョーにできるだけ高い位置で渡したいのです。そこで中盤のチェイスを厳しくしてトランジションを図るわけですけど、これを実現するために4バックが非常に高いライン位置を設定し、中盤のプレッシングが効きやすくします。当然のことながら、名古屋の最終ラインの後方には常に広大なスペースができます。マリノスと考えかたのベースは似ていますけど、GKをリベロとしてセーフティネットをはるマリノスに対し、名古屋はスペースをスペースのままど解放しています。名古屋の失点が多いのは、必然でしょう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/37/f3/14fcd6a8e13bb1a885669fb8d7c4103c.jpg)
風間さんのチームとの対戦が楽しい試合になるのは、風間さんに相対性に対する発想が薄いからだと思います。当時の川崎も名古屋も、自らのサッカーに準じることを最良としますから、チームとして非常にノーブルです。だからそういうつもりはなくても潔くなります。さながら「スペースを狙いたいならどうぞご自由になさってください。我々の視点はそこにはありませんから」といっているようです。そしてもちろん、絶望的な守備発想のなさを補ってあまりあるほど攻撃が魅力的ですから、試合を通じてオープンな印象で進みます。だから、相手チームもやりたいことができますから、観ていてもストレスがなく爽快です。東京は、名古屋の後方のリスクに脅威を与え続け、決壊する瞬間を待ち続けます。そろそろ東京サポのDNAに組み込まれつつある、高速ロングカウンターに対するエクスタシーが今日は満載です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0e/0e/d1ba220c8435d4045c22abd53779f0cb.jpg)
東京の名古屋対策の守備編は、攻撃同様シンプルでした。それはマンマークに近いかたちで各アタッカーにマーカーをつけ、名古屋の連動性を遮断することでした。名古屋は川崎のサッカーを目指していないにしろ、そこは風間さんですから、アタッカーのポジションレスなスペースメイクは大前提だと思います。名古屋が発展途上なのは、スペースへのフリーランニングがまだ洗練されていないところです。ゲームメイカーは基本的にボールを欲しがります。なのでボールをフリーで受けるための動きは見せるのだけど、それはあくまでも個人の視点であって、組織的な連動性はありません。東京はこの名古屋のクセをつきます。ジョーにはヒョンスかモリゲ、和泉には成、シャビエルには諒也がつくことで、アタッキングサードでのポゼッションを機能不全にします。これは、和泉とシャビエルがポジションを入れ替えても、あるいはマテウスと相馬が入っても変わらず、東京の守備陣は90分を通じて高い集中を維持していました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/05/c8/e249b486356bf3a367067215fae089e2.jpg)
まず、絶対エースジョーを完封したヒョンスとモリゲに、あらためてJ屈指のCBコンビがいることに対する安心感を覚えました。さらにタイプの違うアタッカーを向こうに回し、1on1で勝ち続けた成と諒也は、謙佑に並ぶMOMと呼んでよいでしょう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0e/da/071dded31c7248733fc1389c55620316.jpg)
加えて東京は、名古屋をサイドに追い出します。名古屋の怖さは、サイドアタック基調でありながら、実は中央だと思います。中央のスペースをファンタジーあふれるパスでいつでも狙えるシャビエルと、それをいつでもゴールに変換できるジョーがいますから。東京は名古屋の攻撃をワンパターン化することで、自ら守り易い態勢をつくります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1d/ef/fd8719e0e7e2da1bf7e7c4b326a628dc.jpg)
開幕以来、建英、謙佑、ディエゴ、ジャエルとアタッカーにスポットライトが当たり、どちらもいうと目立たなかった守備陣ですけど、ここぞという試合では、やっぱり守備を基軸とする東京らしく表舞台に出てくるんだなとあらためて思いました。こうして、一見、名古屋が攻めているようでいて、その実完全に東京が試合をコントロールする状態で進みます。前半は、まずはプラン通りの理想的な展開に持ち込めたところで、スコアレスのまま終了。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/31/b8/f316f9256a4bd92c22e5055a112b0c4a.jpg)
後半頭から風間さんが動きます。赤崎に代えてマテウスを投入します。同時にシフトを4-2-3-1に変更します。マテウスは右WG。シャビエルがトップ下に回り、1トップはジョーです。基点がつくれない問題に対してシャビエルを真ん中に置いて対処します。構成上ひとり余りはするものの、基点ができないので実質無力化されていた赤崎を下げます。代わってスピードマンであるウインガードリブラーアタッカーであるマテウスを入れて、縦の推進力を得ようという意図だと思います。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4a/d7/c9e97efb71efb6cbe78ff13973db21f9.jpg)
この作戦が奏功します。シャビエルを真ん中に置きながら、実は左サイドを基点にします。和泉をスライドさせてインサイド寄りに置きます。基点潰しを担っていた東京の中央のボックスから少しポイントをずらす意図でしょう。和泉が基点になることによって、シャビエルにジョーカーとしての自由を与え続けられます。そしてなにより、ジョーを消すことができました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6f/8c/8024824389e60d7d73610414f7212797.jpg)
名古屋の攻撃が、推進力を持ちつつポジショニングが流動的になり、カオスを得やすくなります。前半とうってかわって名古屋に躍動感がでてきました。でも東京は慌てません。この危険な時間帯をしのぎきったことが今日の勝利を呼び込んだ一番の要因だろうと思います。作戦が変わっても名古屋の力点がサイドに置かれていることには変わりありませんから、成と諒也の今日の1on1の集中力をもってすれば、危険性は最小限にとどめられまていました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/29/be/b6f5d79f59a695afaf8f91ea551c952f.jpg)
そしてついに、守備陣のがんばりにむくいる先制ゴールが生まれます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/00/69/e0c395bb37dde41bc25b8204d1e1a149.jpg)
54分。諒也のスローインから。モリゲのクリアボールを名古屋がセンターラインやや後方の右サイドで拾います。東京はボールを回す名古屋に対し、ボールホルダーに執拗にプレスをかけます。右ライン際の宮原に入ったところでついに捕まえます。諒也がコースを塞いでいたので、宮原は前方のマテウスにホスピタルパス。そこを拳人が狙います。拳人がカットしたボールをすぐに洋次郎が拾い、諒也に戻します。前を向いていた諒也はチェック。前方に慶悟がフリーだったので、ダイレクトで渡します。慶悟は後ろを向いてパスを受けるのですけど、直前に前方を確認していたのでしょう。この時慶悟の前方にディエゴと謙佑が揃って動き出していました。慶悟は諒也のパスをトラップ、倒れながら強引に前方にスルーを送ります。これが抜け出した謙佑にぴたりと収まります。独走の謙佑は、ランゲラックを引きつけて右足で流し込みました。東京1-0名古屋。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3e/4a/0c1be59923f5e16853e762dc26b92991.jpg)
再三のチャンスを逃していた謙佑ですけど、そのすべてが自らをヒーローとして輝かせる演出だったのでしょう。謙佑はこれで名古屋戦三戦連発です。東京は、このゴールで名実共に今日の優位性を確保します。せっかく活性化した名古屋の攻撃がふたたび停滞します。風間さんのサッカーはサッカーの本質をストレートに表現しています。サッカーにおける優位性の要素はいろいろありますけど、普遍性は個人のスキルにあります。風間さんがタレントを重視する以上、タレントを消されるリスクは常につきまといます。川崎もそれを克服し得ませんでした。名古屋で風間さんのサッカーが完成するのか、これからの名古屋が楽しみです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/71/c0/e806018d340f3a507b21c1a617b21e96.jpg)
さて、風間さんが動きます。宮原に代えて相馬を左WGに投入します。和泉が右SBに回ります。左右にドリブラーアタッカーを揃えることでサイドアタックの選択肢を増やします。それに、マンマークの守備に対し個人の能力で上回ってやろうという意地もあったろうと思います。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/78/93/a545bbc3e1d94c7a2249edb2d3b8c126.jpg)
一方、ここからの成には凄みすら感じました。売り出し中の相馬に一度も仕事をさせず、完封します。マテウスも盛大に空回りしましたから、名古屋は結局作戦変更が仇となり、両翼がもがれます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7a/b9/41297da658821d0fec36fa6ca1407e2e.jpg)
すぐに健太さんが動きます。建英に代えて晃太郎を同じく右メイヤに投入します。建英のコンディションを考慮したリフレッシュだと思います。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5d/2e/36916dcdc519e9baafeeb6b211476bb3.jpg)
さらに健太さんが動きます。しばらく試合の動きを様子見して、前線を代えても流れに影響しないと確認してから、謙佑に代えて田川を同じくトップに投入します。前線の走力をリフレッシュする意図です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/20/02/fc3bc3b40b67e59eee0e15257b27a214.jpg)
最終版はほぼ名古屋に攻撃権があるワンサイドマッチになります。名古屋は両SBも中盤中央に入ってMFのような役割を担わせます。これによって前線の数的優位をつくるとともに、マークのカオスを生み出そうという意図だと思います。名古屋の意に反して、ポゼッションからではなかなかペナルティエリアに進入することができません。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/11/8b/b26d81430096cd480349366c317a5432.jpg)
東京はただ単純に引いたわけではありません。ここで最終作戦を繰り出します。名古屋のSBが積極的に前に出たようにみえますけど、これは東京が誘引したこと。東京が引くことによって誘い出されたかたちです。東京が狙ったのは、シミッチとヨネに攻撃のオーガナイザーをやらせることです。案の定、名古屋の攻撃はかならずCMを起点とするようになります。名古屋をコンペティティブにしているのは中盤の守備の強度です。中盤でトランジションできるからこそ、前線のタレントを活かせるようになっています。もちろんシミッチとヨネは攻撃に積極的に絡みますけど、あくまでもボール回しの受け皿になってリズムを作る役割にすぎません。でも、守備強度に対しては絶大な安定感を持つシミッチとヨネですけど、ゲームメイク能力はまだ欠いてます。東京は、名古屋に攻めさせつつ、名古屋が最も攻撃力を失うかたちに導いていきます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6e/0e/c9fe8b275e2c3c25c2464d1b8192e046.jpg)
それでも名古屋は攻撃の選択肢がついえたわけではありません。困ったらジョー。ジョーはやっぱりすごいです。これまで国際的に著名な選手を何人も見てきましたけど、純粋にすごいと思ったのはジョーがはじめて。最終的に名古屋は、ジョーにアーリー気味に強引に合わせる以外の攻め手がなくなりますけど、それでも可能性のあるシュートまで持っていけるんですから。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/29/62/16f00b4b926a3c53f73fc634960eb8d2.jpg)
風間さんが動きます。ヨネに代えてアーリアを同じくCMに投入します。ちょっと遅きにしっしましたね。ヨネはカードをもらっていましたし、もっとはやくスキルフルな選手を入れるべきだったと思います。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/09/40/4b314613cadb23fea3b39dea50138bb8.jpg)
東京の仕掛けに名古屋が見事にはまり、蟻地獄に落ちていきます。最後の最後にアクシデントがあり、ディエゴがコンタクトで負傷したので、大事を取って下がります。代わりにジャエルが入ります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7f/f2/95cfc212ea89be328884de77d0f39f75.jpg)
このまま試合終了。東京1-0名古屋。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3f/23/6f38e268bc5189ec0a07f92d1e2949e2.jpg)
サッカーの醍醐味が詰まった、濃厚な一戦でした。長く継続して観ているからこそ、今日のような相互のポリシーのぶつかり合い、まさに文字通りの試し合いの場に立ち会えるのだと思います。眠らない街♪。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0d/8e/80f2fdbc347ce36c3f191802708f0c86.jpg)
東京に長らく欠けていたのは継続性です。今年は、去年から一貫して超高速カウンターサッカーに取り組んできたので、精度が上がるにしたがって威力も増しています。カウンターが発動する瞬間にセクシーさすら感じます。毎度繰り返しになるのだけど、一見シンプルなカウンターサッカーでありながら、実際にはひとり一人の技術とタイミングの繊細な連携の上に成り立っていることは、目撃しているぼくらは知っています。だからシーズン後半の優勝争いのためには、チーム全体のクオリティアップが不可欠。謙佑のシュワッチ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4f/c9/cf3d5ea4f555b5a11c3caea6b31b7771.jpg)
開幕シリーズは3勝1分の不敗で終えました。まずはスタートダッシュに成功したといっていいでしょう。一週お休みの向こうには、いよいよカップ戦を含む14連戦がスタートです。そのスタートが苦手埼スタ。過去を払拭して、お休み明けも勢いを保ってほしいと思います。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2b/1d/7dac89ee9bbd5ced35f5d0bfaa015841.jpg)