ぽちごや

FC東京のディケイドSOCIOです。今シーズンは丹羽ちゃんとともに闘います。

2019J1リーグ第1節川崎フロンターレvsFC東京@等々力20190223

2019-02-23 22:16:55 | FC東京

開幕ましておめでとうございます。今シーズンもぽちごやをよろしくお願いします。

今シーズンも丹羽ちゃん推しです。

例年よりも動きが多かった今年のJリーグのウインターブレイクでした。東京はちょっと遅めで年明けから活発化して、ここにきて前線が俄然豪華になりそうです。

開幕戦はクラシコです。人気に実力がともなったチャンピオンチームは、年々チケット獲得が難しくなってめんどくさいです。俺の東京♪You'll Never Walk Alone♪

開幕戦は激闘のなか、あっという間の90分で満足のドロー。

2019年シーズンのスターティングオーダーです。シフトはスクウェアの4-4-2。GKは彰洋。CBはヒョンスとモリゲ。SBは室屋と諒也。CMは洋次郎と拳人。メイヤは右に建英左に新キャプテン慶悟。2トップはディエゴと謙佑です。

王者川崎は毎年少しずつ布陣を変えてリフレッシュをはかっています。今年は懸案のトップにビッグネームを獲得です。シフトは4-2-3-1。GKはソンリョン。CBは彰悟と奈良。エウソンが抜けたSBは右にマギーニョ左に車屋。CMは守田と僚太。WGは右に悠左にアキ。トップ下は憲剛。1トップはレアンドロ・ダミアンです。

まずは2019年健太東京の印象から。基本的な闘いかたの方向性は変えていないようです。前線にパワー系とスピード系をバランスよく揃え、かつ中盤でのトランジションの支配力を高める補強の方針がそれをわかりやすく証明しています。今日は期待の新加入選手をスタートから使わなかったこともあって、いっそう昨年と同じようにみえたかもしれません。

というわけで今年の健太東京を確認するというよりかは、昨年の振り返りをした印象が強いです。ただ、今日は相手がよかったかもしれません。カウンターを作戦の軸とする東京ですけど、相手によってはボールを持たざるをえない場合がありますから。今日は、フォアチェックを基軸とした、東京本来の守備主導のカウンターサッカーがとてもよく機能しました。

圧巻は試合のリズムを90分間変えなかったことです。これが強弱をつけようとする川崎のリズムとシンクロして、川崎のゲームコントロールを狂わせる要因になりました。

今日の試合のキャスティングボードを握ったのは春を呼ぶ強風です。強い南風は、前半は東京、後半は川崎にネガティヴに影響します。この風に対するそれぞれのとらえかたの違いが試合の妙味を生みます。両チームの基本的な闘いかたを考えると、向かい風の不利は東京により強く現れます。なので東京は、前半はある程度耐えることを不可避と考えていたと思います。

一方川崎は、前半のうちに主導権を握りたかったと思います。ですから、試合開始早々から圧を高めます。ダミアンを起点とするフォアチェックから、東京に攻撃権を渡すことを避け、攻め続ける選択をします。

さてマイナーチェンジとはいえ近年にないクリティカルな補強をした川崎について。川崎に違いをもたらす最も影響力を持つポジションはSBです。なかでも右サイドは、エウソンによってSBの守備的なイメージを完全に払拭してきました。エウソンのクオリティが外見には落ちていないにも関わらずチェンジすることは、最大のリスクを伴うと思います。

現時点の状態は、とてもじゃないけど昨年のクオリティを維持することすらできていません。マギーニョはまだまだ順目のプレーしか披露できないようです。致しかたないと思います。なにしろ比較相手がエウソンですからね。今日にかぎっては、作戦の都合もあるのですけど、馬渡のほうが脅威に感じました。

一方のダミアンは、さすがに存在感があります。ブラジル人アタッカーには難しい日本のハイスピードガテン系サッカーに、ダミアンははやくも順応しているようです。シンプルにトップをターゲットするサッカーは川崎にはないテイストですから、味スタでの再会で川崎がどんな風に進化しているか、楽しみです。

川崎の連覇の要因は、変化を厭わないことだと思います。2018年はショートカウンターを取り入れることで攻撃パターンの幅を広げました。前半風上をとった川崎は、カウンターを選択してくるのだと思っていたのですけど、まずはオリジナルのポゼッションで臨みます。条件と対戦相手を無視した選択ですから、おごり以外のなにものでもありません。

川崎の可変ポジションに対し東京は、落ち着いてゾーンで対応します。抑え処は川崎の仕掛けのタイミング。川崎は、たとえ狭くても可能性のあるスペースをアタッカー全員が狙ってきます。ですから集中力を一瞬でも切ると、それがセキュリティホールになります。東京は、スペースに送る仕掛け人にボールが渡る時点でプレスをかけます。これでチャンスそのものを消します。ただしこれはゾーンを乱すリスクテイクなのですけど、今日はゾーンのバランス、つまりスペースのフォローが完璧でした。

攻めきれないとみた川崎は、いったん試合を落ち着かせて経過をみる選択をします。これに東京アタッカーがつけいります。バイタルエリアやや内側に絞った位置にたつ左右のメイヤに長めのパスをつけ、一気に加速します。とくに開幕スターターを名を連ねた建英は、ドリブルにスペースへのパスにと、縦横無尽の存在感を発揮します。建英も昨年は日本のガテン系サッカーに苦労していたのだとすると、仕掛け続けるチャレンジマインドとそれを成功させる力量をみせられるほど、クオリティが上がっているのだと思います。今年の建英は、東京の主武器足り得るでしょう。

いかんせん、風下ながらも試合の主導権を導くことに成功した東京が得点できなかったのは、やっぱり風のいたずらか。タイミングのよいロングカウンターをディエゴに発動しても、肝心のディエゴに合わないアタックが何度かありました。この昨年からの課題は今年もまだ続いているようです。なんとなくディエゴの発動が遅いようにみえますけど、駆け引きをしているなかでのことですから、そうではないのかもしれません。今日に関してはもっと無条件にスペースを狙ってよかったと思います。

川崎の拙攻と風のいたずらで、前半はイニシアチブを握りながらもスコアレスのまま終了。

後半から、東京も川崎も作戦を変えます。まず東京は、当然のことながら風上の利点を最大に活かします。SBの位置をぐんと上げて、いきなり総攻撃モードで入ります。川崎がアドバンテージを活かせず失敗したのを受け、早々に物理的な主導権を確保しようという意図でしょう。

これは成功しますけど、それに勝る川崎の選択が意外でした。風下にもかかわらずカウンターを選択します。いまさら感がありながらも、この作戦が後半のオープンな試合展開を生み出します。東京が攻めては川崎も対抗する、シーソーゲームの様相を呈します。

意図通りにオープンファイトを作り出せた鬼木さんが動きます。マギーニョに代えて馬渡を同じく右SBに投入します。ポゼッションの基点としての役割が求められる川崎のSBには、直線基調の広島のウインガーは合わないと思ったのですけど、2019川崎の変化の方向性は、まさに広島のようなサイドアタックのテイストを組み込むことなのでしょう。カウンター基調の作戦のなかで、直線的で迷いのないドリブルやフリーランをみせる馬渡がジャストフィットします。このため、どつきあいのイニシアチブは川崎に渡ります。

健太さんはどうするかなと思っていたのですけど、チョイスしたのはどつきあいを続けることでした。謙佑に代えて田川を同じくトップに投入します。カウンターの要素を維持するコンディションアップの作戦です。ひとつにはシーズンインの試合で受けの姿勢を取ることを嫌ったのでしょう。もうひとつはもちろん新戦力のテスト。田川も、さらに最終盤に出るサンホも、ごりごり系のスピードアタッカーの片鱗をみせてくれました。カウンターを仕掛ける体勢の川崎守備陣に脅威を与える仕掛けを再三みせてくれます。

阻んだのは奈良を軸とした川崎伝統のダーティーディフェンスです。これは川崎の余裕を完全に剥ぎとった証拠です。

ただ、今日輝きをみせた建英もディエゴも田川もサンホも、スコアを残さないと評価は確定しません。今年のエース争いははじまったばかり。ジャエルも含めてハイレベルな競争をしてほしいと思います。

来月にはACLもはじまる川崎が先にターンオーバーです。鬼木さんが動きます。ダミアンに代えてまなを左WGに投入します。アキが右、悠がトップにそれぞれ回ります。ダミアンは東京にシュートチャンスを封じられましたけど、得意だと想像する空中戦は風は阻んだので割引いてみなければならないでしょう。パワーはやっぱり圧倒的ですし、なにより献身的に守備に走る姿に本物を感じました。

左右ともドリブラーが揃った川崎のごりごり迫る攻撃は、これもこれまでの川崎にはなかったものです。今年は桁違いの攻撃力を手にいれそうです。ちょっとだけ、はやめに当たっておいてよかったなと思いました。

健太さんも動きます。建英に代えて晃太郎を同じく右メイヤに投入します。あくまでも闘いかたを変えず、コンディションアップと競争を起こすことを狙った作戦でしょう。トップ同様、とくに右メイヤは競争がもっとも激しいポジションになりそうです。だれが結果を残して出てくるのか、楽しみです。

鬼木さんが最後のカードを切ります。憲剛に代えて知念を投入します。同時にシフトを4-4-2に変更します。鬼木さんにしてみれば、強風という不可抗力のなかでも、コンディションの浪費を抑えつつ試合をコントロールする難しい運用をしっかり実行できたのですから、負けさえしなければ及第点だったでしょう。最終盤を迎えて、ちょっとだけ勝ち点3への意欲をみせて、フィニッシャーを増やしてみようという作戦だと思います。

健太さんも最後のカードです。ディエゴに代えてサンホを同じくトップに投入します。今日の交代はすべて同じ意図。

互いにオープンファイトを望んだ結果は、局面の攻防でヒートアップする、開幕戦にして肉弾戦のエンターテイメントでした。どちらも最終局面での守備力が優ったため、アタッカーは消化不良だったかもしれませんね。このまま試合終了。川崎0-0東京。初ゴールは次節へおあずけ。

心身ともに素晴らしいコンディションでシーズンインしてくれました。既存戦力はよいリフレッシュができて、モチベーションが十分なことが伺えます。新戦力も、アルトゥールが入らなかったことが心配だけど、最低限のフィットをしてくれているようです。優勝をリアルな目標に、長いシーズンを闘う準備は万全だと思います。

同じスコアレスでも、ゴールが入っていればさらに満足なのですけど、それは次節におあずけ。今年はどんなパターンでだれがスコアを重ねるのか、昨年より充実した編成のなか、ポジティブでハイレベルな競争をみせてほしいと思います。

まだ冬の気配が残る二月の寒いデーゲームも、はじまってみるとそこはかとなく春を感じました。来週から弥生。今年は桜の開花がはやいそうですから、毎週Jリーグを追っているうちにきっとあっという間に春でしょう。次節は自分にとって未踏の平塚です。


まんぷくロケ地の旅 -20190126 淡路島-

2019-02-10 14:39:45 | 連続テレビ小説まんぷく

もう今年は降らないかなと思っていたら、二月も中旬になって雪模様の東京。

ようやく萬平さんがチキンラーメンを作りはじめましたね。それにしても、ラーメン作りの話が長い^^;

先月末に土スパのまんぷくイベントがありましたけど、今年もあえなく落選。傷心をいやすべく、ロケ地めぐりの旅でございます。

やってまいりましたのは淡路島の南端。

吹上浜です。

浜の西端にキャンプ上がありますけど、そちらは有料施設ですので、駐車場などは利用できません。浜には駐車場が見当たらなかったけど、堤防に寄せて停められるスペースがあります。

それではロケ地めぐりの旅をスタートします。

実際にいってみるととても広い浜です。浜の西側に向かいます。

オープニングで福ちゃんが行進してる浜です。ちょうど夕暮れが訪れる時間帯だったので、オープニングの雰囲気にぴったりでした。

 

 

 

 

「昭和21年(1946)5月」。

「ああ、海だ。ハハハ」「海だ~!」「福子!もう、子どもみたいに!」。

「昭和21年5月、福ちゃん、萬平さん、鈴さん、神部さんの4人は、大阪の中心部から、南に20キロ離れた、泉大津という所に住むことになりました」。

「萬平さん!」「冷たいな、まだ」。

「萬平さん、気持ちいいですよ」「うわ~!冷たいな、これは」「濡れますよ」「ああ、濡れちゃった。ああ…」。

「お母さん」「お義母さん!気持ちいいですよ! うわ! ハハハハ!」「あっ!」。

「おるおる。来い来い来い来い!」。

「おっ!よっしゃ! ハハ、こら入れ食いやあ」。

「波頭が青白く光ってる」「何で?」「夜光虫だよ」「夜光虫。面白い」。

「心配してるんだろうな、お義母さん。こんな所に引っ越してきて、暮らしの目処も立たなくて」「すごく心配してます。そやけど私は、ワクワクしてますよ。新しい土地に来て、目の前には、海があって」「ハハハ」。

「萬平さんはあの鉄板をどうしようかずっと考えてる。今度は何か、すごい事を思いつきそう。世の中の役に立って、みんなを喜ばせるような何か」「ああ」。

「それとね… お母さんの心配事がもう一つ。孫が欲しいんですって」「そうだな。ここなら子どもも伸び伸び育ちそうだ」「え?そしたら萬平さんも…」「ああ」。

「萬平さんたちの予想通り、次の日は、青空が広がりました。5月なのに、真夏のような陽気」。

「よし!」。

「集めてきました!」「おおそうか」「手伝うてくれる人がいたの?」。

「腹減った~」「わいもや」。

「神部君」「こんなに!?」「頑張って集めてきました!」「福子!」。

「翌日から、塩作りの準備が始まりました」「萬平さん代わりましょか?」「大丈夫だ」。

「81枚の鉄板を並べるんですから、その土台になる杭も、大変な数です」「よいしょ」。

「あんな萬平さん初めて見た」。

「いよいよ、鉄板が海岸に運び出されていきました」。

「この81枚がずらりと並べば、塩作りが始まるのです」。

「神部君」「はい」「あそこは少し、角度つけすぎだ」「はい」。

「次はこっちの持ってこい。おいちょっと待て待て!」。

「張り切っている萬平さんを、福ちゃんは頼もしく見つめていました。ところが…」。

「あ~っつ!あっつあっつ!」「熱ないと塩は出来へんぞ」「何でこんなに重いんじゃ」「重ないと鉄板が風に飛ばされますよ」「分かってるね、小松原君」。

「もうすぐ塩作りが始められる。みんな頑張ってくれ!」「はい」「よし」。

「皆さ~ん!飯の時間です」「ああ、腹減ったわ」。

「若い女がいます」「女?」「新しいお手伝いさんやて」「女、女~!」「女~!」「女~!」「女、どこ~!」。

「ついに、塩作りのための準備が整いました。倉庫には、塩の花からにがりを抜くための、居出場が作られ、外には、鹹水を煮詰めるための大釜。雨よけの屋根もついています」。

「そして…砂浜に並んだ、81枚の鉄板」。

「砂を混じらせるなよ」「はい」。

「こんなもんか」「おい!多すぎるぞ野村!」「水分蒸発する前にこぼれ落ちるぞ」「あっ!バケツ置くの忘れた!」「あほじゃ」「これはなかなか大変や」。

「水が足りなくなったらすぐに汲みに行け」「よし」「ほら!」「走れ走れ~!」「よっしゃ~!」「もたもたするな!」。

「ああ」「こりゃがばいきつか!」「あと何杯や」「あ~腕がパンパンや」「そんなんやと先が思いやられるぞ」「こんな力仕事とは思わなんだ」「同じことばっかり繰り返すのはもう嫌や」。

「萬平さん…」「よし。じゃあみんなで歌を歌いながらやろう」「歌?」「黙々とやってるだけじゃ確かに気が滅入ってくる」。

「よし、歌おう!」「何を歌うんですか?」。

「守るも攻むるもくろがねの~」「やめい!」「えっ?」「軍歌はもううんざりじゃ!」「僕もです」「戦争はもう終わったんや」「今の、はやり歌でええんやないの」。

「赤いリンゴにくちびるよせて」「そんな歌じゃ…」「だまってみている青い空」「リンゴはなんにもいわないけれどリンゴの気持ちは~」。

「青い空 リンゴはなんにもいわないけれどリンゴの気持ちはよくわかる~」「リンゴ可愛や可愛やリンゴ」「これが鹹水?」「なめてみろタカちゃん」「うわっ、しょっぱい!」「これを煮詰めていくんですね」「うん」。

「萬平さ~ん! 認可が下りました~!」。

「下りた!」。

「よしっ!」。

「福子!」「ついに、製塩業に認可が、国から下りたのです」。

「おいみんな!見ろこれ!ほら!」。

「これから、萬平さんたちが作るお塩が、納品されていくのです」。

「ええっ! あれが、全部鉄板。鉄板で塩作るやなんて初めて聞いた」「でもまめにさびを拭き取らないと、塩が、茶色くなってしまいますから大変ですよ」。

「もうどのくらいの塩が出来てるんや」「かます22個だから、大体880キロですね」「十分納品できる量やないか」「ええ」。

「よし、今から僕の車で専売局まで運んだる」「本当ですか」「ああ」。

「ありがとうございます。僕も一緒に行きますから」「相手は役人や。誰が行っても手続きは変わらん。君はどんどん塩を作れ」。

「その日から、仕事は一層大変なものになっていきました」。

「な~んでわしはこんなことしとるんじゃろうか。住み込みのええ仕事があるからって誘われて来てみたら、毎日毎日鉄板に海水流して、すずめの涙ほどの給料しか出んで。あげくの果てには、自分の食いぶちは自分で釣れってか」「ほんまや」「誰に誘われたんやったっけ」。

「ほしたらけえへんかったらよかったやないか。今からでも出てったらええ」「帰ったかてしかたありませんよ」「仕事なんかなかっちゃけ」「ほしたら文句言うな。社長らは、自分らは飯を食わずに俺らを食わしてくれてんねんぞ」「分かってるわ、そんなこと」。

「俺はな、盗みに入ったんや。社長や奥様たちがいる家に」「盗み?」「戦争から帰ってみたら、家族は空襲で死んでしもてて。もう、やけになってな。せやけど、社長は俺を許してくれた。俺は社長に恩義があるんや。どんだけ会社が苦しくても、絶対に辞めへん」「わしもおんなじや。戦争から帰ったら、家はなかった。家族も行方知れずや」「わいもです」「僕も」。

「ひどい話や。お国のために戦って、戦争から帰ってきたら、子どもから石投げられたわ。戦争に負けたんはお前らのせいやって。こんな戦争最初からやらんかったらよかったんやって」「そんなんあるか」。

「あのまま大阪うろついてたら、今頃、俺もやけになって、何か悪さして、捕まってたかもな」「神部には、感謝してる」「俺もや」「俺も、感謝してますよ」「社長にも、神部さんにも」「ありがとう。そう言うてくれたら…」。

「おお~!来た~っ!」。

「釣れんなあ」「明日も仕事か…」「楽しみは週末だけですよね」。

「昭和22年(1947)春」。

「昭和22年、季節は春になりました」「よし、ええ塩加減や」。

「もちろんその日は、たちばな塩業は臨時休業でした」。

「ほ~ら、海よ」。

「広いだろう源」「やっと元の元気を取り戻したのは、梅雨が明けた頃でした」。

「何してるの、萬平さん」。

「ああ、動物性タンパク質の材料を探してるんですよ」「タンパク質?」「ええ」。

「捕まえました!」「わしもや!」。

「お義母さん!」「うわあ~っ!」。

「何じゃ」「何か爆発しませんでした?」。

「なしてこがん暑かとや」「社長全然こっち来えへんな」「わしらに任せっきりでなあ」「塩には興味なくなったんとちゃうか」。

「こんくらいでええやろ」「せやな」「行こうか」「行こう。ようとれたな」「うまく行くかなあ」「いくわ」「のう、あれがあいつらの仕事なんか」「海水浴できてええのう」「わしらはこんなきっつい思いしてんのに」「不公平や」。

「何でわしらがこんなこと…」「ダネイホンはあいつらが作ったらええねん!」。

「これが鹹水作りか」。

「実は真一さんは、福ちゃんと萬平さんにうそをついていました。いずれみんなも知ることになるのですが…」。

「あ~あ。これ終わったら今日もワカメとるんか」「やってられへんのう」。

「ダネイホンは、栄養もとれて消化もいいと、病院関係者に知られるようになり、みるみる注文が増えてきました。塩作りも、みんな職人さんのように手際よくなって、萬平さんの会社は、すっかり軌道に乗りました」「何もかもが順調。ところが…」。

「ごめんなさい。萬平さんたちがいない間にこんなことになってしもて」。

「みんながいない間に、海岸の鉄板はこのありさま。大釜も、さびだらけになっていました」。

「こんなものはすぐ作り直せる。鉄板のさびを落として、土台も作り直して」。

「萬平さん」「ん?」。

「もう…お塩作りはやめませんか」「え…」。

「この鉄板に海水を流すのは重労働やったなあ」「真夏はほんま死ぬかと思うたわ」「こんなことやってられへんって、何べん思たか」「ほんでも、塩作りをやめるとなったら、何や寂しいのう」「これからはみんな、ダネイホンを作るっちゅうことか」「みんなでできるとは思えんな」「どういうこっちゃ」。

「こんなに人数はいらんて、半分ぐらいクビになるかもしれんぞ」「えっ!」「社長がそんなことするわけないやろ」「そういうこともありえるって、言うとるだけじゃ」。

「社長は優しい人やぞ」「社長の頭の中には、新しい会社の姿がちゃんと見えてんねや」。

「初めてここに来た時のこと思い出すなあ」「あの時はまだ、源ちゃんも産まれてなくて、お金も、会社も、何にもなくて…。そやけどうれしかった。今から何が始まるんやろうってワクワクしてた」。

「もうあのころには戻れない。戻れない。せやけど…せやけど大丈夫源ちゃん。絶対…絶対なんとかなるから」「絶対…」。

この岬をめぐって押登岬のほうに向かうと、手りゅう弾事件の現場のロケ地なのですけど、岩場が続くようなのでとても危険だと思います。キャストとスタッフがどうやって行ったのかなあ。

冬とはいえサンセットのアンニュイな雰囲気も手伝って、浜にたつと、塩軍団の雄姿を想い出してサウダージな気分になりました。

キチンラーメン作りも佳境。本収録もそろそろクランクアップだと思います。

ラーメンが完成してからもまだ放送期間は一か月くらいありそうです。どんな展開が待ってるのか楽しみです。