ぽちごや

FC東京のディケイドSOCIOです。今シーズンは丹羽ちゃんとともに闘います。

2017J1リーグ第27節柏レイソルvsFC東京@日立台20170923

2017-09-24 15:59:33 | FC東京

雨予報が夜のうちにあがって爽やかな秋の陽気になりました。

本日は柏。だいたい例年早春のイメージがある柏に、今年は秋に来ました。路線が違うと何度来ても戸惑います。You'll Never Walk Alone♪

監督交代のリフレッシュ効果もひと試合限りとなったゴレアーダ敗戦です。

東京は前節の布陣を踏襲です。シフトは3-4-2-1。GKは彰洋。3CBは右から徳永、ヒョンス、まる。ボランチは洋次郎と拳人。WBはやっちと宏介。2シャドウは嘉人と慶悟。1トップは永井です。

柏は布陣を少しアジャストします。シフトは4-2-3-1。GKは航輔。CBは中谷と中山。SBは右に小池左にユン・ソギョン。ボランチは大谷とキム・ボギョン。WGは右にIJ左にハモン・ロペス。トップ下は武富。1トップはクリスティアーノです。

ぼくらのようなファンレベルであれば、サッカーの観戦は案外簡単です。サッカーは原則として攻撃を基準にしています。攻撃を基準にしない対戦スポーツがあるのかは知りませんけど。よく、チームのスタイルを攻撃的、守備的と表現します。的というのが、サッカーが攻撃基調であることを表わしていると思います。理由はしごく単純で、点を取らないと勝てないから。もちろんリーグ戦の文脈では勝たなくて良い状況がありますから、実際には点を取らないことを志向する場合もあります。でもすべての試合でそれをやると順位が上がらないわけですから、特殊論です。

つまりサッカーは、チームがどのように点を取ろうとしているのかを理解することができれば、ぼくらでもピッチ上で何が起こっているのかを割合簡単に理解できるのです。ただし予備知識があったほうが理解の速さと深さが増すのはたしか。馴染みのない試合の内容を瞬時に理解できるのは、やっぱりサッカーを仕事にしているかたや観戦技術が非常に高いかたなのでしょう。憧れますけど、自分には無理です。その意味で、J1と一部のJ2クラブに限ってですけど、予備知識のおかげで相手の闘いかた、すなわち攻撃のアプローチの理解は簡単にできると思います。

リーグ上位のチームと下位チームの見た目上の違いは、観戦時の攻撃アプローチの理解の速さに表れると思います。観る側が状況をはやく理解できる相手はおそらく闘いかたが洗練されているのだと思います。洗練されているということはチームとしての練度と経験知が高いことを表わしていますから、同じ攻撃アプローチを継続できていることを意味します。このようなチームは、必然的に上位にいるでしょう。

さて、柏はとても理解し易いチームです。ネルシーニョさん後期の倦怠感から、達磨さんの混乱期を経て、下平さんによって非常にはやく軌道修正がなされました。たぶん修正の方針はとてもシンプルだったと思います。それは柏の攻撃アプローチを再構築することだったと思います。ともすれば観念的になってしまっていた闘いかたを改め、攻撃こそがサッカーの基準であること見つめ直し、チームのなかで徹底されていることが伺えます。いま、東京がおかれている状況を考えるとコントラストが明確です。いまこの瞬間は悲しくもあり羨ましくもありますけど、中期的に考えると学ぶべきプラクティスが柏に限らずリーグにはいっぱいあるのですから、希望を感じます。

ファンレベルで攻撃アプローチを確認するポイントは、いわゆるストロングポイントとなる選手を見つけることです。サッカーは相対的なスポーツです。団体競技ですけど、競技のレベルが上がるにつれ、原則は1on1の局面の連鎖で構成されるようになります。ですからストロングポイントというのは対峙する守備側の選手に対し絶対的な優位性を持てる選手を意味します。現在の東京の問題は、このような選手がいないこと。柏においては、クリスティアーノとIJ。つまり突き詰めていうと結局良い選手がいるチームが強いのです。もうちょっと足すと、良い選手を活かすサッカーをするチームが強いと言えます。柏は、クリスティアーノとIJがいて、彼らを活かすサッカーをしているから強いのです。

陰陽学のような話になりますけど、ものごとには表と裏があります。サッカーの攻撃アプローチにおいても然り。表となるクリスティアーノとIJを活かすためには、裏となる相棒のアタッカーの組み合わせの選択が重要になります。八戦負け無し、三位の好調柏をかたち作っているのは、というわけでクリスティアーノとIJの裏方役のチョイスにあるのだろうと思います。今日は武富とロペス。ロペスは、IJが典型的なライトウインガーアタッカーなるが故、左サイドにも同質のクオリティとなる脅威を置きたいということだと思います。実際柏は、序盤は左サイドに荷重を置いていました。これは試合中盤から後半にかけてIJを使いたいという考えに基づく作戦だったと思います。

武富は、あるいは今日は一枚下がっていたけどボギョン、もしくは中川が入ったとしても、ウイングとはまた違ったかたちで裏役を担います。それは影。クリスティアーノがその身をさらして守備側の意識を集めることによって生まれるスペースに、忍者のように忍び込むことが仕事です。このことは二つの柏の特長を表わしています。トップ下は、ボギョンにしろ武富にしろ中川にしろ、誰が入ってもクオリティに違いはなく、相手に応じた様々なオプションが使えることを意味します。もう一つは、クリスティアーノの圧倒的な技術こそが柏の要だということです。

柏の攻撃プランは愚直です。今日の試合展開なればこそなのかもしれませんけど、90分間基本的に同じ作戦を貫きます。中央で高い重心と時間を作る間にサイドアタックの状況を生み出します。サイドはシンメトリーで、左右ともWGと攻撃力の強いSBを絡ませることで局面の数的優位を作ります。柏は、この反復的な攻撃を非常にクイックに実践します。ここがネルシーニョ後期と達磨時代との大きな違いです。柏の攻撃には迷いがありません。パス回しにも淀みがなく、ただゴールをまっすぐに目指すという意思が明白に伝わります。まさに攻撃アプローチを洗練させているが故に成せる技だと思います。

東京は、継続して観ているぼくらだからこそ何をしようとしているのか分かるのだけれど、たぶん対戦相手の一般的なサポは、何をやりたいのか理解できないと思います。これもやっぱりストロングポイントが鍵です。東京には分かり易いストロングポイントがありません。なのでゴールに至るシナリオがありません。だから攻撃アプローチが不完全です。パスを回すという理念があったとしても、それは攻撃の組み立ての一部でしかありません。誰がどうやってゴールするのか、フィニッシュのかたちがありません。ピチーチ経験者が三人もいますけど、嘉人にしろ遼一にしろウタカにしろ、極めて有能なゴールゲッターではあっても、攻撃アプローチを形成する鍵になる選手ではありません。それは、彼らがいずれも技術に秀でた選手で、超絶的なフィジカルを持っていないからだろうと思います。

というわけで、試合を通じた作戦は、柏が迷いなくマイペースで臨めるのに対し、東京は受動的にならざるを得ない状況に最初からありました。柏のもう一つの特長は中盤のハードコンタクトです。東京のFK数の多さが中盤の主導権争いの激しさをものがたります。これは柏の伝統。このことも現在の東京の状態を想うと対象的に感じます。かつては、おそらく相手チームは東京を嫌な相手だと思っていたと思います。それはハードコンタクトを基調とするチームだったから。これによって、東京にも相手にも高い集中が生まれ、観る側も試合をタイトに感じられたのだと思います。今日の東京は、これを取り戻そうとします。もしかすると安間東京のテーマのひとつに、ハードコンタクトの回帰があるのかもしれません。

加えて、今日はパス精度に気を配っていました。とくに中盤で互いにタイトに守り合うなかでも、ボールロストやパスミスをしないように、高い集中で臨めていたと思います。攻撃アプローチが確立されていなくても、中盤を支配できれば自ずと重心が上がり、シュートアテンプトも増えていくだろうという考え方だったろうと思います。中盤の我慢比べの試合になると思いました。

でも、残念ながら決壊します。終わってみれば、我慢比べを維持できるのは、やっぱり洗練した攻撃アプローチを持っている側だと、当然のことなのだけど感じました。東京は、柏のサイドアタックの圧力に屈したのです。

28分。左ライン際の慶悟がなかの拳人に送ったパスが流れます。拳人とボギョンの争いはボギョンが征し、これをカット。このボールが武富に渡ります。ターンした武富は、ルックアップ。コースが見えたのでしょう。ペナルティエリア外からでしたけど迷わず左足を振り抜きました。柏1-0東京。

気をつけていたパスミスの、たぶん最初のクリティカルなミスを柏が逃さなかったというところです。東京にとっては、今日の唯一絶対の作戦が根底から崩れたのですから、この時点で実質終戦でした。とは言え、サッカーにはセットプレーという合法的なパワープレールールがありますから、もう一度集中を取り戻してワンチャンスを待つべきだったろうと思います。

そして、東京はその選択肢を採用します。先制された東京は、あらためて柏のサイドアタックの威力に敬意するかのように、WBを下げた5バックモードにし、リトリートします。中盤の個の能力と集中でイーブンな状態を作ることが難しいことが分かったので、支配することは断念し、いったん厚い守備網を作るという意図だと思います。

この作戦は成功します。前半の残りの時間は柏に攻め込まれますけど、ゴールを脅かされる危険なシーンはほとんどありませんでした。このままミニマムなビハインドで終了。

後半頭から安間さんが動きます。やっちに代えてウタカを投入します。拳人が右WB、慶悟がボランチにそれぞれスライド。ウタカは右シャドウに入ります。さて、今日の問題はここから。ハーフタイムにどのような確認があったのかとても興味深いところですけど、結果的には再攻撃を選択します。前がかりになります。シフトを少し変えて、シャドウではなく3トップになります。

前半の課題は中盤の主導権争いが劣勢になったことなのですけど、もう一つあります。それはチームの重心が下がってしまったことです。前節も同じ傾向にありました。前節はシャドウがつるべの動きをすることで基点を作り、重心を押し上げることができました。今日もまったく同じ課題に直面します。嘉人と慶悟に納まる位置が低いため、WBのサイドアタックにしろ永井のスプリントにしろ、単発に終わってしまっていました。

前半に興味深いシーンがありました。ヒョンスがやっちに対し高く位置取るよう指示するしぐさをしきりに見せていました。これは安間東京が攻撃志向であることを示しています。と同時に、WBのポジショニングこそ、攻撃志向を実現する鍵なんだと伺えます。宏介もしかり。ただWBにしてみれば、もちろん自らの守備技術と走力に負う部分がありながら、攻撃的なポジションを取るためにはインサイドの裏付けが必要でしょう。だから重心を高める必要があり、そのための基点作りこそが最重要課題なのだと思います。今日は、完全に失敗します。

そして、3トップにすることで、中盤の負荷が大きくなります。慶悟と洋次郎が基点の役割も担います。中盤の守備が一枚になる場面も増え、リスクが高くなります。さらにWBの位置を高くします。アグレッシブになりますけど、当然背後にリスクができます。CBが三枚いるとは言え、まる裸な状態になる危険性が生まれます。そして、現実になります。

60分。ソギョンのスローインから。左ライン際でクリスティアーノからのパスを受けたロペスが縦に仕掛けて徳永を振り切ります。ロペスはルックアップ。このときゴール前は武富にまる、IJに宏介がついていて、2on2。ただ少し宏介がIJから離れていて、マークミスになっていました。ロペスはミスを見逃しません。ピンポイントのクロスに備えるIJに宏介はつききれません。IJはフリーで合わせました。柏2-0東京。

さらに追い打ちをかけられます。

67分。柏の自陣からのビルドアップから。右ライン際に流れたクリスティアーノが起点になります。クリスティアーノは、寄せる宏介とまるの間を通して中央の武富に渡します。武富はダイレクトでIJに落とします。このパス交換につられて洋次郎がIJに寄せます。これを見たIJは武富にタベーラ。フリーで抜け出した武富は、彰洋の位置を確認。ワントラップでタイミングを整えてゴール右隅に決めました。柏3-0東京。

そして、消沈した東京の気持ちを粉砕する、インテリジェントなゴールでとどめをさされます。

69分。ほぼゴール正面のFKを、クリスティアーノが跳ぶ壁の足元をゴロで抜くスライダーで決めました。ゴラッソ。柏4-0東京。

これを受け、安間さんが動きます。拳人に代えて遼一をトップに投入します。永井が右WBに回ります。意図した作戦変更はなく、ただ単純に攻撃系の選手を加えただけです。

それでも一矢報いることができました。

75分。ウタカが中山に倒されて得たPKを見ずから決めました。柏4-1東京。

安間さんが動きます。宏介に代えて諒也を同じく左WBに投入します。セットプレーキッカーのテイストを変えようとしたのだと思います。セットプレーに関しては、今後も期待ができると思います。ターゲットマンができましたから。今日も明らかにヒョンスと拳人をターゲットにしていました。見え見えであっても頭にヒットさせられたシーンが何度かありました。キッカーの精度とタイミングによっては、残り試合のひとつの武器になるような気がします。

となれば、いっそ攻撃アプローチをセットプレーに依存してみるのも良いかもしれません。超つまんないのであくまでも今年残り試合限りだけど。セットプレーをコンペティティブにしておくことは来年以降のことを考えても無駄ではないと思います。

さて、失点するまではとても良い内容だったので静観していた下平さんが一気にクローズにかかります。まずソギョンに代えて輪湖を同じく左SBに投入します。

続いて武富に代えて中川を同じくトップ下に投入します。

〆は、小池に代えて古賀を同じく右SBに投入します。すべてコンディションを考慮したセットアップだと思います。

このまま試合終了。柏4-1東京。

アイロニーではなく、監督交代後、早々と完敗したことは結果的に良かったと思います。変に未練を残すことなく、ここ数年の迷走の清算する決心がつくから。ぼくらも、今年の残りは、東京のひとつの時代の終焉を、サウダージとともに感じる機会になると思います。これは、ひとつのチームを点ではなく線として捉えることを選んだ者にとって不可避な経験だと思います。微妙な紆余曲折はあったにせよ、基本的には右肩上がりで登ってきたわけですから、ほぼはじめての真の下降線を耐えることは心理面で結構難儀です。それでもJ1にいられればまずは良いかなと個人的には思います。

季節は本格的な秋へ。来年の浮上のきっかけを、ほんのちょっとでもいいから垣間見たいなと期待しつつ、残り試合のひとつ一つを楽しみたいと思います。


わろてんかロケ地の旅 ―20170918 阪神甲子園球場―

2017-09-20 00:07:36 | 連続テレビ小説わろてんか

天高く鯉肥ゆる秋。

秋は、朝ドラファンにとって改編の時期です。

本日の主旨は、いよいよはじまる連続テレビ小説わろてんかのロケ地巡り最初の旅でございます。まだ本放送がはじまる前に、しかも偶然ですけど、ひと足はやくロケ地巡りをスタートします。球場でポストカードをいただきました。スコアボードのわろてんか告知

本日は、わろてんかのヒロインの葵わかなさんがファーストピッチを務められました。

わろてんかロケ地巡りは以上^^;。

ここからは野球。プロ野球シーズンも佳境を迎えています。阪神甲子園球場でございます。六甲おろし山本彩さんバージョン♪

長月の三連休の〆に、もしかしたら優勝争いをしているかもねって妄想でチケットを買ったのは数ヶ月前。お天気のイタズラで、17日のカープファンと16日のタイガースファンに申し訳ないと思いつつ、ラッキーです。ラッキーセブンファンファーレ♪それ行けカープ♪

奇跡が二つ。

鳥谷敬選手の2000本安打達成記念セレモニーが開催されました。

そして、カープのリーグ連覇がかかった試合になりました。

甲子園が半分ビジター色に染まるなんて、もしかしたら球場史上初かも?

試合は投手戦のシーソーゲームになりました。初回に松山さんのタイムリーで先制したカープは四回にも野村さんのスクイズで順調に加点します。でもその裏中谷さんのバックスクリーンアーチで追い上げるタイガースは、七回に陽川さんのプロ初ホームランで同点に追いつきます。方程式の一角一岡さんが打たれてムード良くないなと思っていたら、直後の八回、バティスタさんがタイムリーで突き放します。これが決勝点となって、最後は中崎さんが〆ました。夕焼けに染まるころ、カープの優勝の瞬間が訪れました。

広島東洋カープ連覇V8!。カープファンの皆さん、おめでとうございます!!。緒方監督の胴上げ。選手がレフトスタンドに優勝報告に来ました。

関西人、なかでも大阪人は、愛すべきフレンドリーなアイロニストだと思ってます。カープはマツダスタジアムで優勝できたほうがよかったのですけど、ビジターのなかでも甲子園で優勝したことはよかったんじゃないと思います。三塁側のタイガースファンは、自虐をこめた暖かさでカープファンを受け入れていました。たぶん大量のタイガースファンのチケットがカープファンに渡ったのだと思うので、今日来ていたタイガースファンは、物珍しさもあって、少しばかりカープの優勝を見てもいいかなって思ってたんじゃないかと思います。周りのタイガースファンと話しててそんな雰囲気を感じました。

広島でございます。広島駅の皆さんの仕事のはやさに驚きました。

カープロードも。

福屋さんは優勝セール中。

マツダスタジアムにお祝いのお酒が届いています。

優勝祝賀会で選手・スタッフの皆さんが来ていたTシャツ。

昨年はあっという間に売り切れたので、今年はいっぱい。

次はクライマックスシリーズ、そして悲願の日本一ですね。

あと二週間でわろてんかの放送開始です。ロケ地巡りの次回は、恒例通りスタジオパークのわろてんか展です。本格的なロケ地巡りはいつスタートできるかな。楽しみです。


ひよっこロケ地の旅 ―20170916 相模原―

2017-09-19 23:27:27 | 連続テレビ小説ひよっこ

台風の影響が直撃だった三連休でしたけど、関東では最終日には晴れ間が見えたようです。

いよいよ残り二週となりましたひよっこ。残り二週間でありながら、終わりの見えない展開が楽しいですね。

今回は、神奈川県唯一のひよっこロケ地です。

マップ上でいうと上側、方角では東側に向かいます。

それではひよっこロケ地巡りの旅相模原編をはじめます。「でっけえな!」。

県立相模原公園のフランス式庭園です。

 

「ね~! こごよく映画で出てくるとこだよ」「そうけ?」「うん」「すっごいね!」。

「お~い! お~い!」「あっ!」「あっ!」「アハハ!」。

「お~い! よう!」「ちょっと~」「何だよ? 何がおがしいんだ?」「だって…」「だって何だよ?」「どうしたの? その服」。

「どうしたっておめえ、買ったに決まってっぺ。かっこいがっぺ? ほら、三田明みたいだっぺ? 惚れ直したが? 時子」「は? 惚れ直すもなにももともと惚れてないわ」「あれ? そうだったっけが? おがしいな」「は? 何がだよ?」「何がって…」「すごいなって思いました。一瞬で、茨城にいた頃に、戻ってしまうんだなぁって…」。

「仕事、大丈夫だったの?」「おう…」「行ってきます」「行くの? やっぱり? どうしても?」「えっ?」「俺たちを2人にして、それでもどうしてもおめえは行くのか?」「すみません。行ってきます!」「おう…全然大丈夫だったよ」「いいお店なんだね」。

「よし! 銀座に繰り出すか!」「んだね」「んだ。楽しみ!」「よし、行くべ!」「行ごう!」「行ごう! 行くぞ!」「やめて、恥ずかしいから。「いいっぺ!」。

「3人は、銀座のどこへ向かったんでしょうね。うわ~すごい人ですね。当時、銀座をブラブラすることを銀ブラと言い、とても流行ったんです。銀座通りやみゆき通りをブラブラ歩いて、デパートやブティックで買い物をしたり、おいしいものを食べたり、映画を見たり、多くの人たちが銀ブラを楽しんでいました」。

「はぁ~!」「あ~」「あ~」「あ~疲れだなぁ。しかしどこさ行っても人だらけだな。どっからわいてくんだっぺ、あんな人が」「私たちもそんながの一人だよ」「あっ、そうが」。

「フフフ! でも楽しかった。いろいろ見られて」「そうか? いがった」「うん」「高くてぜ~んぜん何も買えながったけどねえ」「んだね」「んだなぁ。みんな金持ってんなぁ。ちきしょう」。

「でも私、頑張ろうって思ったよ。いづになっかわがんねえけどさ。頑張ってお金貯めて、買えるような人になりてえなって思った。大したもんじゃねえけど。そりゃ世のながにはさ、根っからのお金持ちもいんのかもしんねえけど。今日デパートとがにいだ人は、頑張った人たぢなんだろうなって。だってみんな、すんごく楽しそうな顔して買い物してたよ」「うん」「あれは、頑張った人たぢなんだよ、きっと」「そうかもねえ」「確かに、みんな楽しそうだったなぁ」「うん」「でも買わなくても楽しかったよ。ね?」「うん!」。

「ありがとう…みね子でしょ? みね子がさ、私のために三男に頼んだんでしょ? 今日のこど。三男もさ、無理してくれてありがとう。本当は休むの大変だったんでしょ? ごめんね。ありがとう。あ~あ…。人から心配される人になってしまったなぁ」「どういうこど?」「私さ、何で女優さんになりたかったっていうとね。もちろんお芝居好きだし、いろんな役になれるの素敵だなとも思うしね。華やかで、みんなに「きれい」って言われたりとが、そういうのももちろんあっけど」「うん」「映画とか見でっとぎってさ、私はいろんなこと忘れちゃうんだよね。嫌なこどとか、心配なこどとか、忘れちゃうんだ。それってすごいなぁって小さい頃から思っててさ。そんな人になれたら素敵だなって、思ってた。私なんかさ、恵まれてる方だと思うんだよ。でも、もし恵まれてんだったら、弱ってる人とが、つらいこどたくさんある人とかがさ、私の出てる映画とが見てさ、その間だけいろんなこど忘れられるような人になるべきなんだって…。そう思ってた。でも逆にみんなに心配される人になってしまった。参った」「諦めたわげじゃないでしょ?」「うん。でもさ、何だろ…。私、自信があったのかな。何だかね、東京来てさ、放送局とが行ったらさ、「君を待っていたんだ!」なんて言われんの想像してたんだよね、どっかで。バカだけど。どっかで思ってたんだ、私。でも違うんだなってわがった。全然待ってながったんだなって。星の数ほど私みだいな女の子はいて、その中の一人なんだなって…。そう思ったら急に怖ぐなった。どうなんだろう、私って…。ダメだったらどうなんだろうって…。怖い…。なりたいって気持ちが強くなればなるほど、怖いんだよ」。

「よし、決めだ! 時子!」「何?」「女優諦めろ。で、俺の嫁さんになれ」「はぁ?」「ちょっと三男。今それはねえんじゃねえの?」「うっせ、俺はもう決めだ! 女優ダメなら、俺は絶対おめえを嫁さんにすっかんな。絶対だ! 絶対そうしてみせる!」「何だそれ! ダメって決まったわけじゃないよ。最初だから緊張しただけだ」「ダメダメ、もう諦めろ! な?」「冗談じゃないわ。絶対やだね。あんたの嫁さんなんて!」。

「だったらなってみろよ。泣ぎごど言ってねえでよ! めそめそしてっと、嫁さんにすっと。わがったか?」「バカじゃねえの! 分かったよ! なってやるよ! 死んでも嫌だね、あんたの嫁なんて!」「「死んでも」っておめえ、そごまで言わなくてもいいだろうがよ。死ぬよりマシだっぺ!」「あぁ、なろう! 絶対なろう! 死んでも諦めないわ!」「うだうだしてっともらいに行くぞぉ!」「やめて! もう! 神様! どうか私を女優にして下さい! お願いします!」「神様~。どうか、女優を諦めますように!」「ふざけんな!」「危ねえ、危ねえ、危ねえ!」「神様、女優にして下さい! お願いします!」。

「神様…」「ちょっと!」「まだ言ってねえよ!」「神様~!」「バカじゃねえの、あんたら!」「バカだもん」。

「お父さん。三男はいいやつです。そして、切ない恋心です。恋をしてんだなって、思いました。三男は本当に、時子に恋をしていて、時子は、女優さんという仕事に、恋してんだなって…」「あ~見て!」「うわ~!」「私はまだ恋をしていないのかなと、思ったりしましたよ」「神様~!」「うお~!」「うわ~!」。

「これすげえな! うわ~すげえな!」「俺のこと祝ってくれてんだよ、今。祝福だ」「何の祝いだよ」「俺と時子のだよ」「結婚祝いか?」「みね子!」。

ちょっとお天気が下り坂でしたけど、広々とした公園に遊ぶひとも多くて気持ち良さそうでした。次はどのロケ地に行けるかな。


2017J1リーグ第26節FC東京vsベガルタ仙台@味スタ20170916

2017-09-19 23:08:01 | FC東京

台風が過ぎて、なまあたたかい空気とともに晴れ間がやってきました。

せっかくの三連休も荒れ模様。今年はシルバーウィークというほどの感じではないけど、初週を楽しみにしていたのに残念です。

個人的に連休はスポーツ観戦三昧です。初日は新装開店のわが軍。本日はたまのおかえりマッチ。仙台です。You'll Never Walk Alone♪

二年間の紆余曲折のクロージングは、めぐりめぐってシンプルでした。しっかり闘ってスミ1を守りきりました。一か月ぶりのクリーンシート。

ニュー安間東京は、基本的には篠田東京のマイナーチェンジです。シフトは3-4-2-1。GKは彰洋。3CBは右から徳永、ヒョンス、まる。WBは右にやっち左に宏介。ボランチは洋次郎と拳人。2シャドウは右に嘉人左に慶悟。1トップは永井です。

仙台は前節と同じオーダーです。シフトは3-4-1-2。GKはシュミット・ダニエル。3CBは右から平岡、大岩、椎橋。WBは右に古林左に中野。ボランチはたまと奥埜。トップ下は野津田。2トップは石原と西村です。

安間東京の短い航海の船出は、勝利を得られましたからまずは順調です。スクランブルリリーフとなった安間さんの選択は、指揮官を変える以上なにかを変えないといけないのですけど、編成の変更はありませんから、コンサバティブな選択になります。そのなかで安間さんは、リリーフのセオリー通りの選択をしました。

安間東京サッカーの基礎となるポリシーはポゼッションです。テーマは守備の立て直しです。直感的には、守備的なアプローチとしては守備陣形を整えることを優先したリトリートスタイルを発想しますけど、ポゼッションという選択肢もあるのですね。サッカーにおける方法論はまだまだ学ぶべきことがありそうです。

ポゼッションスタイルと守備の安定は、攻撃こそ最大の防御の発想と原点は同じです。ポゼッション率を高めることはそのまま攻撃される機会を少なくすることを意味します。ポゼッションスタイルを実現する能力が求められるとともに、それでも守備機会を0%にはし得ない以上、ミスの削減やカウンターへの対処など、守備の安定はいずれにしろ必要です。つまり、守備を安定させるためのポゼッションスタイルではなく、チームのなかに漂うナチュラルな思考、ようするにポゼッションスタイルをやりたいという欲求が安間さんに選択を促したのだろうと思います。その意味では、ポポさんのアンチテーゼとしてのフィッカデンティさん時代を名残る選手と今年新加入した選手との方向性の相違は、これにてようやく決着したことになるのでしょう。

ちょっと心配がありました。ポゼッションスタイルを成功させるためには、コンサバティブな相手を崩すという不可避なミッションがあります。成熟していないポゼッションスタイルは、得てして見る側にフラストレーションに耐える試練を与えます。耐えられなかったぼくらはポポさんを見限った過去がありますから、過剰反応が起きないといいなと思いました。

東京がバックパスを見せはじめたときのザワザワする微妙な反応は、長く東京を観てきてもはじめての体験でした。それはぼくらのひとり一人のなかにサッカー体験が進み、好むスタイルが確立されていることを現していると思います。ニュー安間東京のアプローチは、初見では残念ながら受容されませんでした。

とはいえ、今日の初のプレゼンテーションのなかで、バックパスの理由と意図を片鱗でも表現する必要はあります。そして東京は成功します。後半は、少なくともゴール裏とホムセンからはバックパスに対する過剰反応はまったく聞こえてきませんでした。バックパス自体の本数はあまり変わらないにもかかわらず。

というわけで、安間東京のポゼッションスタイルには、コンサバモードとアグレッシブモードの2モードがあるということがわかりました。最終盤のディフェンシブモードを加えると、今日だけで三つのモードを使い分けられることがわかりました。もっとも普遍的なコンペティティブさを持っているかはまだ霧のなか。

おそらく前半の東京は、チームを変えた初戦であり、守備の改善がテーマであり、かつ仙台の出かたの様子伺いを兼ね、コンサバモードを選択したのでしょう。モードをはかるバロメーターはトランジションポイントです。前半は相対的に低めでした。安間東京の守備は少しばかりユニークです。5+2+3のラインを作ります。特長は最善線。トップ下の慶悟を真ん中に置いた三枚をフラットに並べます。とりたててフォアチェックをするわけではありません。意図はよくわからないけど、構造上低めになりがちなサイドの補完なのかもしれません。もしくは起点となるボランチのスペースのケアか。

いずれ、トランジションポイントが低くなると縦へのルートの選択肢は少なくなります。必然的にバックパスが増えます。むろん90分間アグレッシブに攻め続けなさいなどというサポはいないと思いますから、バックパスに対する反応は、その基本姿勢に向けられたのでしょう。90分トータルで見ると、攻める勇気、技術、意思がないゆえのバックパスではないことがわかるわけですから、状況的に仕方なかったなと思いますけど、ちょっと早とちりでしたね。

奇しくも仙台も同じ志向のサッカーです。試合展開の綾かもしれないけど、今日の仙台には可変モードはありません。おそらく仙台が目指すポゼッションは、中盤のダイナミックなポジション移動によって守備側に混乱を起こすことを狙っていると思います。もともと仙台の中盤は、富田が象徴するように可動域が広い印象がありました。でもアンカータイプとセットにする選択が基本だったと思います。今日のたまと奥埜は言うなればダブル富田。アタッキングサードでの仕事もこなす攻撃志向の強いセットでした。

加えて、アタッカーのポジションも流動的です。野津田は頻繁に左サイドに顔を出しますしときには中盤に降りてボランチの攻撃参加を促します。なかでも中野は、ときに古林と同サイドで意図的にかぶることもあります。仙台がサイドで基点を作ることを意図していることがわかります。

仙台のこの可変システムに対し東京は終始落ち着いて捌けていました。これは、仙台のポジションチェンジを視界にできていたためだと思います。それはつまり、仙台が二列目の動きを隠せなかったことを意味します。理由は石原にあります。ポジションチェンジを繰り返すアタッカーのなかで、石原だけは最前線にはって動きません。これは石原がポスト役を担っていることを示します。そして、石原にポストが収まらなかったことが、仙台が攻撃を機能し得なかった最大の理由です。

石原のマーカーはヒョンスでした。ヒョンスは石原に密着するだけでなく、石原にポストを収めるタイミングを見切ってインターセプトも見せるようになります。リベロのポジションの可変性も安間東京の特長のひとつです。ヒョンスは、基本的には自分がインターセプトしたとき限定ですけど、攻撃参加を数回見せました。ヒョンスが上がると明らかに仙台守備網の緊張度が上がっていましたので、今後有効な攻撃パターンになるかもしれません。加えて、ヒョンスが上がったときの徳永とまるの対応もスムーズでした。徳永とまるが上がるシーンもあって、後方も含めたダイナミズムは秋の楽しみになるかもしれません。

仙台がアタッキングサードで有効な攻撃を見せた状況は、最終盤を除くと二回だけでした。いずれも最終ラインのミスから。守備のかたちよりもミスこそが不安定の原因です。ミスをなくすことは、個人の守備力を上げるためにも地道に取り組んでほしいと思います。

まずは仙台の攻撃を封じることに成功して、今日の序幕は、安定した状況にスムーズに持ち込むことができました。前半はスコアレスのまま終了。

後半から東京がモードを変えます。起因はシャドウです。嘉人と慶悟は前半からポゼッションの中心として、交互にリズムを作る役を担っていました。後半は、嘉人と慶悟のつるべの動きを整理して臨んだようです。シンプルに交互に縦の上下動を繰り返します。全盛期のポイチ広島のシャドウのイメージに近い役割です。これによってシャドウのポストが安定します。これが相乗効果を生みます。

まず中盤で仙台のアタッカーを捉えられるようになって、トランジションポイントが上がります。中盤は前を向いて仙台に対峙するようになりますから、コンタクトの精度が高くなります。

さらに、攻撃モードの象徴であるWBの位置が高くなります。ちょっと面白いのが宏介のプレーの変化です。宏介は、攻撃がアタッキングサードにかかると、中央に絞ることがあります。慶悟や永井がサイドに流れることによるバランス調整なのかもしれないけど、宏介がラストパスを送るシーンや、宏介自身がペナルティーエリア内でシュートするシーンが見られるかもしれません。

シャドウのポストに安定をもたらすことに永井がひと役買っています。中央にはる永井は再三裏を狙う姿勢を見せます。このことで3CBに後方の脅威を植え付けます。仙台のボランチセットが高機動型ということもあって、バイタルエリアにスペースができやすい状況だったと思いますけど、それを能動的に実現できたことは、今日の最大の収穫と言っても良いと思います。

攻撃のかたちはできているようですけど、シュートパターンは確認できませんでした。ただ、中央の展開が可能なことを考えると、クロス一辺倒ではなく、中央を崩すか、あるいはスルーに抜け出すパターンもできるかもしれません。今日は流れのなかのゴールがなかったので、次節の楽しみとしましょう。

さて、攻撃が機能してきたことを受け、安間さんが動きます。永井に代えてウタカを同じくトップに投入します。

直後に試合が動いたので、ウタカ投入の真の意図はわかりませんでした。なので機会は少なかったのですけど、ウタカとシャドウとの距離感が改善されている気がします。慣れている広島スタイルに近いからかもしれません。そして、ついに先制ゴールが生まれます。

67分。宏介の右CK。仙台は例によってフルゾーン。ニアに3+3、中央に二枚、ファアに一枚のストーンを置きます。東京はここまでファアにお団子を作るスクリーンを選択していましたけど、ウタカが入ったここは分散配置します。ゴール前に洋次郎。ニアにウタカ。ファアに嘉人。主力は中央にヒョンス、まる、拳人です。宏介のキックモーションと同時に、ヒョンスがたまと平岡の間に後方からフラフラと顔を出します。たまは気づかず、平岡はヒョンスに一瞬気をとられます。宏介はクロスをピンポイントでヒョンスに合わせます。ニアのストーンの石原の図上を越えるクロスは、反応が遅れた平岡の手前をとったヒョンスに合いました。ヒョンスは頭を振って角度をつけます。これがゴール左に決まりました。東京1-0仙台。

これを受け、晋さんが動きます。二枚同時代えです。奥埜に代えて梁を同じくボランチに投入します。西村に代えてクリスランを同じくトップに投入します。梁は中盤をオーガナイズすることでたまを上げ、より攻撃的にするという意図だと思います。

そしてクリスランにボールを集めます。仙台はカウンター中心のテンポのはやいサッカーに移行します。これが機能します。仙台に攻撃権が渡ります。

そこで晋さんが動きます。古林に代えて蜂須賀を同じく右WBに投入します。イニシアチブをより堅実にするために、宏介のアタックが目立っていた右サイドの脅威を除く、守備の強化だと思います。

これで仙台にイニシアチブが渡ります。東京は最終モードに入ります。前半と同じ守備重視ですけど、ポゼッションではなくリトリートスタイルです。ちょっと不安を感じました。なまじ攻撃権を明け渡すことで失点した記憶をやまのようにしていますから。

仙台に攻め込まれる状況になったことで、逃げ切りに舵を切ったのでしょう。安間さんが動きます。慶悟に代えてヨネをボランチに投入します。洋次郎が左シャドウに上がります。今日勝ち切ったこともあるので、しばらくこの布陣で固定しそうです。クローザーヨネは安心感があって良いですね。

このまま試合終了。東京1-0仙台。眠らない街♪ヒョンスのシュワッチ

とにもかくにも勝利できたことが最上の成果ですね。サポの過剰反応は結果が出れば自然収束します。言い換えると結果を残し続けることこそが残り試合のミッションです。

J1残留を除くと目標がなくなった東京です。実質残留も目標ではありません。プレーする側のモチベーションは様々あると思います。ぼくら観る側はモチベーションを持ちづらい状況だけど、ここから先は、ある意味内容はどーでも良く、純粋にただ勝利だけを期待して観ることができます。それぞれの試合をひとつ一つ楽しみたいですね。

2018年の東京は、大失敗に終わった2012年から2017年までの反省を経て、これから先のロードマップを示す大切なスタートアップのシーズンになります。そのためにも残りのシーズンは、来年につなげることなぞ考えず、一気に清算してほしいと願います。


ひよっこロケ地の旅 ―20170908 大森―

2017-09-10 21:48:30 | 連続テレビ小説ひよっこ

小雨の小田原から新幹線で戻ってきますと、東京は晴れ。関東は広いのです。

続いてやってまいりましたのは、大森。JR大森駅西口です。

西口を出て大井町方面に向かいます。

すぐ、この階段が見えます。

ここを下ると別世界。山王小路商店街です。

それでは大森編をはじめます。「1965(昭和40)年5月」。

「お父さんを見かけたって場所、この辺りなんだって。すいません。この辺りでこの人見かけませんでしたか?」「いや、見たことねえな」「そうですか。ありがとうございます」「すいません。この人、見かけませんでしたでしょうか? すいません。ありがとうございます」。みね子が実さんを探しに時々来てた路地。

「お父さん。こんな東京の知らない場所で、お父さんを知ってますかって聞くのは、何だか不思議な気持ちがします」。

「すいません。この人見かけたことありませんか?」。

「1965(昭和40)年7月」。実さんが突然ぼんやりと現れた路地。

「実さん…ですよねえ。生きていたんですねぇ、実さん。でもどこか雰囲気が変わったように見えますよね」。

「さて、私はというと…」。向島電機時代のみね子も実さんを探していました。

「お父さんがいたというここに、時々来てみるけど、お父さんにはいつになっても会えないし、都心に出ると、まだ怖くて、おどおどしてしまいます」。

「東京に住んでいるのに、東京の人でもないし、茨城からは遠く離れてしまっているし。私は、何なんだろうと思うことがあります」。

「長い暑中見舞いになってしまいました。どうかお元気で、お過ごし下さい。みね子」。

「あの! すいません。この方見ませんでしたか?」「見たことないね」「そうですか。ありがとうございました!」「あんちゃんもしつこいね。人探しは警察に任せた方がいいぞ」「ハハ…そうですよね。はい」。綿引さんも実さんを探してくれてましたね。

「すいません! この方見ませんでしたか?」「分からないです」「そうですか…。ありがとうございました」。綿引さんは高萩に帰る日も探してくれてました。

「胸にまことの 霧がなけりゃ恋はすぐしぼむ 花のさだめ♪」「お父さん…」「綿引さんが、茨城に帰りました」「熱い思いを 胸のこめて疑いの霜を 冬にもおかせぬ わが心の ただひとりよ♪」。

「次の日、すずふり亭に行く前に、愛子さんと寄り道をしました」。

「ここで?」「はい。確かに、お父ちゃんがいた、見たって人がいて」「そう…」。

「結構赤坂から近いんですよ」。

「そうだね…よかったね」。

「はい」。

「お父さん。暖かくなってきましたね」。すずふり亭時代のみね子も時々探しに来てました。

「今日は、この近ぐにある料亭に、出前を届けました。何だか見たこともない世界で、ちょっと怖かったです」。

「今、5分だけサボって、ここに来てみました」。

「また来んね」。

「そうがぁ…。こごで見だ人がいんのが」。みね子が宗男おじさんと来た路地。

「うん。手ががりっつうの? こごしかないんだよね」「そうがぁ」。

「兄貴~! 俺だよ、俺! 宗男だよ! 兄貴! みね子もこごにいんだど! みね子は、東京にいんだど! 帰ってこいよ! 兄貴~! 兄貴! 兄貴~! 兄貴!」。

「兄貴~!」「人捜してんのかよ?」。

「お父ちゃ~ん! お父ちゃん! みね子だよ!」。

「兄貴~! いい年して、かくれんぼとがしてんじゃねえぞ! いい加減よ、出でこねえどよ、父ちゃんに、頭ただかれっど!」「あんまし帰ってこねえと、忘れちまうよ、お父ちゃんのこど! 知んないよ、もう! お父ちゃんのバガ!」。

「兄貴~!」「お父ちゃん!」。

山王小路商店街はほんの1~200mくらいの狭い路地なのですけど、ここだけ時間が止まったような異空間でした。実さんが戻ってきたのでもう登場しないと思うけど、朝ドラは知らない東京に連れてってくれます。

首都圏で判明しているロケ地はあと一つ。本放送中に行けるかな。