ぽちごや

FC東京のディケイドSOCIOです。今シーズンは丹羽ちゃんとともに闘います。

2019J1リーグ第28節サガン鳥栖vsFC東京@駅前スタ20191005

2019-10-08 21:31:18 | FC東京

10月になり、爽やかな中秋を楽しめると思ったら、台風がつれてきた高気圧のため、30度を越えた週末。

とはいえ湿気は低いので、九州旅でもあり、どこかしら避暑地にきたようなバカンス気分を楽しめるはずでした。

1ヶ月強ぶりに東京に参戦です。離れていた9月は、リーグ戦は1分1敗。ルヴァンカップも敗退と、一勝もできず停滞期に入りました。初優勝にむけて正念場です。

アウェイ八連戦も折り返しです。残りは今日をいれて四試合。いずれも残留争いのチームですからシリアスな闘いが予想されます。本日はちょっと鬼門になりつつある鳥栖。

残留争いの闘いかたを前に、非常に後味が悪い試合になりました。

東京はほぼベストメンバーです。シフトはスクウェアの4-4-2。GKは彰洋。CBはモリゲとつよし。SBは成とジェソ。CMは洋次郎と拳人。メイヤは右にたま左に慶悟。2トップはディエゴと謙佑です。

鳥栖もシフトはスクウェアの4-4-2。GKは高丘。CBは秀人と祐治。SBは右に金井左に三丸。CMはジョンスと原川。メイヤは右に福田左にクエンカ。2トップは豊田と夢生です。

Jリーグは、たしかにサッカーであることには変わりありません。でもプロなるがゆえ、われわれも興行として供される娯楽として捉えるがゆえ、サッカーがもつすべての要素を受け入れることが難しい場合があります。なかでも初優勝がかかる争いの渦中にいるチームとサポにとってはなおさら。

基本的に、プレー以外については東京オフィシャルの立場と見解に準拠することにしています。とりわけレフリーのジャッジメントは、それが誰のものであれ原則受け入れています。人間の認識と判断による偶発性は、ある意味気象条件と同じだと思っていて、その影響によるチーム間のその瞬間の優劣はありながらも、長い目でみればお互い様だと捉えていますし、それは今も変わりません。だけど、あくまでも主観なのですけど、今日の最終局面のジャッジメントは不快でした。是非ではありません。個人的感情として。

仮に勝ち点1で優勝を逃したとして、もちろん勝ち点は一年の成果ではありますけど、今日の結果を思わないわけにはいきません。そんなこんなで振り返りたい動機がなく、むしろこの不快のやり場をどうしたらいいのか戸惑います。ただし、不快は結果のみに起因するものではありません。東京、鳥栖双方の闘いかたが起因しているものも少なからずありますので、理性の許す範囲で最低限に振り返りたいと思います。

東京は2試合ゴールから離れています。鹿島戦も山雅戦も見ていないので最新の原因はわかりません。それにサッカーは相対的なスポーツですから、一概に東京にのみ原因はありません。むしろ、鳥栖の闘いかたをみる限り、原因は相手にありそうな気がします。東京の得点源はいうまでもなくショートカウンターです。首位のチームはそこにいるだけで目立つものですね。相手の事情はともかく首位チームのベストプランは封じられる性にあるようです。

鳥栖の東京封印策は単純で、理念より実利を取る、残留争いのチームにありがちな作戦です。その内容は印象通りなので割愛します。興味があるのはただ二点。鳥栖は今の、是非はともかく調和してかつ集中力があるサッカーを最初からやれば残留争いに巻き込まれないだろうにという一般的な疑問。もう一つは、東京は今日の鳥栖のようなサッカーへの対策を持ち合わせているにも関わらずなぜ実行できなかったのかという局所的な疑問。

一点目については、おそらくプロなるがゆえだと思います。プロとアマチュアの違いは理念の有無。サッカーを職業にするために自然に発生する自己実現欲求は、サッカー感を生み出します。当然、理念には個人差がありますから、それを束ねるためにはより大きく明解な理念が必要です。鳥栖の理念が、最初から残留を目標にすることに成り立っているならば、理念を共有する監督、例えば反町さんや曺さんあるいはミョンヒさんのようなかたとともに選手を編成するでしょう。実際に、法的には個人事業主で自己責任のもとにあるプロにも関わらず、ある種の父性のようなリーダーシップを求める選手が少なからずいるのは確か。ところが所期の鳥栖はさにあらず。魅力的な個性の集団で、ポテンシャルはトップクラスに比すると思います。つまりいわば現在は、残留という短期的な目標があるがゆえに一時的に野獣が調和しているに過ぎません。ちなみに東京というクラブは、良くも悪くも伝統的にこのような調和が成立しない特質を持っていますよね。それが東京のアイデンティティであり、それに魅力を感じる人が東京サポーターになっているのだと思います。

二点目は、ここにきて方向性の舵取りにミスがなければいいなと思います。能動的なサッカーへの転換は、チームもサポも求めてはいけないパンドラの箱だと思います。むしろ今年練り上げてきた受動的サッカーを貫き、それでダメなら仕方ないくらいの割りきりで良いと思います。

フォアチェックスタイルのチームは、チェックの前線を越えれば本陣は脆いという共通したウィークポイントがあります。それでもコレクティブでハードなプレスに対応する技術とモチベーションを持つのは難しいので、J1でも有効な作戦です。鳥栖の場合はさらに多重防御網を敷いていますけど、それもCMまで。つまり事実上のクリティカルネットであるCMが今日の争点でした。結局東京はそれを越えられないまま、先制の代償としてリトリート作戦の選択に失敗するわけですから、その意味においてはミョンヒさんの術中にはまったといわれても抗えません。

なんとなくですけど、東京に以前のようなやわらかさが見られないような気がします。同じリトリートでも、相手に攻めさせてその気にさせて必殺カウンターを狙うツンデレができなくなっています。むしろあえてポゼッションして、狭いゾーンのポジションメイクで崩そうという意図のほうが高まっていると思います。残念ながら今年はそのオプションを持っていませんから、機能するはずがありません。無為にサイドに押しやられることを繰り返すだけ。もう一度、ストロングはなにかを見つめなおして欲しいと思います。

ただ一つ、観戦者にとってはメリットがありました。鳥栖の野卑なハードプレスは、ぼくらサポの血あるいはアドレナリンを逆に沸き立たせます。鳥栖を徒労にするゴールを期待しながら前半はスコアレスのまま終了。

後半から様相が少し変わります。ティエゴと謙佑が裏のスペースを狙えるようになります。これは二列目がフリーで前を向いてボールを持てるようになったためです。前半はディエゴの基点に固執するあまり、ジョンスと原川に安易に狙われることになっていたのですけど、シンプルにサイドに出してロングスルーという、東京本来のカウンターリズムを作ることに成功します。そして、良い流れのなかで先制します。

49分。たまの右CK。ニアに多重に飛び込むつよしとモリゲに合わせたクロスがそのままファア側のポストに当たってゴールに吸い込まれました。鳥栖0-1東京。

さて、先制したのは良いのですけど、問題はここから。東京は徐々に鳥栖に攻撃権を渡し、リトリートします。この選択自体は常套なのですけど、結果からみると失敗するわけですから、リトリートのやり方に問題があったと言わざるを得ないと思います。まず、リトリートを補完するカウンターがほぼ不発になります。これは攻撃方法が安易だったためです。東京のカウンターが有効になるのは、ロングボールで直接裏のスペースを狙う場合が多いのですけど、今日はドリブルもしくはショートパスに頼り過ぎました。そもそも守備網が堅い鳥栖に対する選択としては、ちょっと状況判断が足りなかったと思います。

つぎは守りかた。攻撃の重心が下がることの要因になるのですけど、守備網を優先するあまり、過剰に下がります。これはおそらく、前半の守備の成功による過信だと思います。前半は、守備網を固持することで鳥栖の攻撃をサイドに追いやることに成功しました。これにより鳥栖はほとんどペナルティエリアにすら入れない状態になります。後半もこの安定を維持したかったのでしょうけど、いくぶん守備網の位置が低くなっていたのではないかと思います。ゆえに鳥栖に、はじめはサイド深くを使われるようになり、やがて前半にはなかったペナルティエリア内のシュートが出てくるようになります。依然安定はしていたけど、そこはかとない不安がよぎりはじめます。

そこでミョンヒさんが動きます。福田に代えてヨンウを同じく右メイヤに投入します。縦への仕掛けをより鮮明にする意図だと思います。

さらにミョンヒさんが続けます。原川に代えて裕二を同じくCMに投入します。CMは二人とも序盤からハードに動いていたので、交代はプラン通りでしょう。

カウンターが機能不全になったことをうけ、健太さんが動きます。謙佑に代えてサンホを左メイヤに投入します。慶悟がトップに回ります。単独での縦の推進力をつける意図だと思います。でも不発。シーズン後半になってサンホが輝きを陰らせているのが心配ですね。代表もありますし、初の海外シーズンですから、疲労が表面化する時期なのかもしれません。

さらに健太さんも動きます。ディエゴに代えてジャエルを同じくトップに投入します。明確な基点を前線に立ててたまとサンホをフリーにする意図だと思います。残念ながら、依然としてジャエルはディエゴ以外とはコンビネーション不全のままです。いっそジャエル自身が単独で仕掛けたほうが無慈悲感が出そうだけど、現状のコンディションでは難しいでしょう。いまさらフィジカルが整わないということはないでしょうから、タイミングがつかめないのかな。チーム復調のかぎはジャエルだと思うので、はやくフィットしてほしいと思います。

同時にミョンヒさんが動きます。パワープレーです。ジョンスに代えて金森を投入します。同時にシフトを3-3-2-2に変更します。祐治をトップに上げて豊田と並べます。夢生が一枚下がって金森と並んでシャドウ。裕二がアンカー。ヨンウとクエンカがWGです。ままよどうにかなりまっしゃろなやけくそ放り込み大作戦です。ところがこれが、いろんな意味ではまります。

86分。高丘のスローインから。裕二が自陣から放った超ロングフィードは正確に豊田に届きます。ジェソと競った豊田がイーブンボールを拾い、ヨンウに落とします。ジェソと対峙したヨンウはステップで時間をつくり、左足でクロス。この時ゴール前はニアから豊田、夢生、祐治。ここから二つのミスが続きます。まず夢生のマーカーの洋次郎がつききれず夢生をフリーにします。ヨンウの狙いはその夢生。夢生のシュートはそれほど威力なく、カバーのつよしの正面に飛びます。これをつよしがクリアミス。こぼれたボールが運わるく豊田の前に転がってしまいました。鳥栖1-1東京。

直後にアクシデントが起こります。モリゲが足を痛め、下がります。代わってマコが同じくCMに回ります。そして...

後半アディショナルタイム+5分。洋次郎がクエンカを倒して与えた裕二の左FK。ここでさらにアクシデントが重なります。慶悟が足を痛めFKの間一時下がります。アクシデントが重なり、東京はマークが整理できていなかったかもしれません。鳥栖はファア寄りに単横陣。ニアから金井、クエンカ、豊田、夢生、祐治、三丸、秀人。東京は珍しくフルゾーンを同じく単横防御です。数的には優位。裕二の狙いはファアの祐治。東京は、この時点でもゾーンのままで、各マークが立ち遅れています。これは本来ならエラーなのですけど、結果的に鳥栖の例の三つの連続ペナルティ未遂を誘います。記録上は金井。鳥栖2-1東京。どなたか教えてください。あの状況でオフサイド取りにいくことってあるのでしょうか。あるとしたらミスジャッジ、ないとしたらマークミスという始末。

このまま試合終了。鳥栖1-2東京。

鹿島が勝ったので、ついに首位陥落。ちなみに仮にドローだったとしても二位。

追う立場になりました。勢いの差は歴然。いわゆる流れという意味では非常に苦しい状況で、追う側の優位性はまるでありません。むしろジリ貧の予感のほうが強くなってきました。

幸いになるかどうか結果はわからないけど、多忙な首位鹿島と違い、残るアウェイ三戦はほぼ隔週開催で比較的間隔が開きます。ジリ貧を回避するために課題に取り組む時間は、わりとあると思います。ジャッジメントの陰で目立ってはいないけど、ミスやコンディションエラーが見られました。その意味では取り組むべき課題はあると思います。

ここまで来たら迷わず、ただ前をのみぞ向いて、行きたいですね。