ぽちごや

FC東京のディケイドSOCIOです。今シーズンは丹羽ちゃんとともに闘います。

2019J1リーグ第25節名古屋グランパスvsFC東京@パロマ瑞穂20190830

2019-08-31 15:09:27 | FC東京

八月さいごの週末。

北海道から帰ってくると内地も夏の盛りはすぎ、ちょっと涼しくなってきました。

台風の季節がやってきます。九州北部と中国地方西部の豪雨被害にあわれたみなさまにお見舞いも申し上げます。水の災害が心配な季節になりました。

北海道から帰ったその足で、荷物もほどかず名古屋出張です。今年は平日のほとんどを名古屋で過ごしてますから、はんぶんホーム感があります。

はじめての金J。そういえば東京は金Jなかったですね。残念ながら師匠ユニは、仕事でスタジアム入りがギリギリになり、ゲットできず。

ぐだぐだ名古屋にリードするも名古屋のモードチェンジ後に粘られ、からくも逃げ切りました。

東京は成が復帰です。シフトはスクウェアの4-4-2。GKは彰洋。CBはモリゲとつよし。SBは成とジェソ。CMは拳人と洋次郎。メイヤは右に晃太郎左に慶悟。2トップはディエゴと謙佑です。

名古屋は前節の大敗をうけ、オーダーを代えます。シフトは3-4-2-1。GKはランゲラック。3CBは右から中谷、まる、藤井。WBは右に成瀬左に宏介。CMはネットとシミッチ。シャドウは右にシャビエル左にアーリア。1トップはジョーです。

ぼくらはかつて、ポゼッションサッカーの負をいやというほど経験しました。もとい、負というよりもプロセスの前半といったほうがよいかもしれません。実際にポゼッションサッカーで成功しているチームを、例えば川向こうですけど、目撃していますから、ポゼッションで成績とエンターテイメント性を両立できる可能性は確認しています。だからぼくらは、ある意味で志なかばで挫折した種族といえなくもないです。

仮にそうだったとして、顕在的支配権確保とショートパスによる崩しが絶対的な正として、ぼくらはその効用を満足した経験がないわけです。その結果残ったものは、ポゼッションに固執することへの生理的嫌悪感です。もちろん個人差はありますし、近年しか知らないかたはそんなトラウマはないのだと思いますけど、現在のサッカーにエクスタシーを感じてしまったこころと身体にとっては、トラウマは必要以上に増大していて、ポゼッションをみるだけで苦しかった時代がフラッシュバックするほどです。みなさんはいかがですか?

名古屋は、もう少しひろくみると愛知県は、一次、二次産業とも安定していることを背景に、比較的おっとりした気風があると思っています。その意味では、もしかするとぼくらよりもポゼッションの確立に至る苦痛、喉元への耐性が強い県民性なのかもしれません。たまたま今日まわりにいた名古屋サポが異口同音に洩らしていた「ここまではいいんだわ。この先がいかんのだわ」という言葉は、現状、つまりまだプロセスの前半にいる名古屋を極めて的確かつコンパクトに表現していると思います。

前節の4バックから急遽変更したということは、今日の偏執的なポゼッションはあるいはブランニューなのかもしれません。それゆえ、序盤の東京は可変、つまりポジションレスポゼッションに混乱します。おもなポジション変更はアーリアとシャビエル、シミッチとネットの左右ですけど、フリースペースを狙う前提ですから守備側が整理できるまでは捕まえ辛いのは事実。とくにシャビエルのテクニックには手を焼きます。名古屋に勝機があったとしたら、序盤の混乱期に先制することだったと思いますし、それを狙ったのでしょう。

とはいえ風間的可変ポゼッションは、東京にとってみれば永世ライバルチームの基本スタイルですから、対応は体に染み込んでいると思います。整理にさして時間はかかりませんでした。名古屋の可変ギミックは前述の通りで、ようするに可動域が限られています。本来、可変ポゼッションの肝はサイドにあるはずで、今日であればWBがチャンスメーカーもしくはフィニッシャーになる必要があります。その意味で成瀬と宏介はその任に応えられていませんでした。宏介の場合はクロッサーとしてキャスティングされていたようなのでアクセントマンだったのでしょうけど、成瀬は二、三のプレーを除き中央で絡めていませんでした。

ただし、名古屋は守備にいくばくか加重していたようです。さすがに大敗のあとですから当然だと思います。名古屋の基本プランは、支配権を持つことでネガティブトランジションのポイントを上げること。これにより東京の起点が下がりますから、帰陣をはやめ5+4のブロックを作る時間を作ることができます。東京は、名古屋のポゼッションに対応しながらも、カウンターの発動には結びつきません。

ただし基本的にゾーンではなく個の守備力を前提とする名古屋の守備思想ですから、守備陣の負担は他チームの比ではありません。いずれ対人防御でほころびがでるだろうなと思っていたら、割合はやくそのときが来ました。

29分。ディエゴが藤井に倒されて得たPKを、ディエゴ自身がなんとか決めました。ディエゴのPK半成功は二回連続ですけど、それはまあ良いとして(^_^)。名古屋0-1東京。

これで名古屋の思惑は完全に裏目に出ました。名古屋の可動ギミックは、整理してみると案外単純なことが判明すると、東京は守備で逆に優位を取ることに成功します。いわゆるマウントポジション。中盤のボールの動きを読めるようになるので、インターセプトの確率が上がります。こうなると、やがて支配権そのものが東京に移ります。名古屋は自身がポゼッションスタイルでありながら、いやそれゆえにポゼッションに弱いようです。東京のスペースメイクについていけません。トランジションを狙うことすらできず、無為に東京の二次三次攻撃を受けるサンドバッグ状態になります。

他方、ボールを持てたとしても、東京のプレスに威圧されてサイドに押し込められます。窮屈なパスを強いられ、消極的な発想しかできず、意思のないバックパスが増えていきます。これこそトラウマ。当事はわが子は可愛いですからそれでもポジティブに捉えたけど、よそさまの子には容赦なく、嫌悪感すら感じます。せっかく金Jで動員して満員にしたのに、雨もあってか、前半で空席ができるようになります。前半は、リードしたまま終了。

後半頭から両監督とも動きます。風間さんは、成瀬に代えて前田を同じく右WBに投入します。この時点で風間さんは、可変ポゼッションをあきらめ、個の推進力に頼るプランに変更していました。この合理性が次第に実をむすびます。

一方の健太さんは、晃太郎に代えてたまを同じく右メイヤに投入します。支配権をもてたので攻撃加重に移る意図だと思います。これがのちのち裏目に出ます。名古屋が持ち直すのに比例して東京がいつものディシプリンを失います。

とはいえ、作戦変更直後は奏功します。支配権が最高潮になり、もはやボールを失う気すらしなくなりました。立て続けにショートカウンターで裏を狙ったアタックがかたちになります。

49分。ランゲラックのGKから。モリゲがジョーに競り勝って落としたボールを左ライン際で慶悟が拾います。前方のスペースに走りこむ謙佑を確認した慶悟はスルー。追い付いた謙佑はキープ。謙佑は、ディエゴにやや遅れて入ってきた洋次郎に合わせます。洋次郎は右足ダイレクトで合わせますけど、これはランゲラックがセーブ。弾いたところに走りこんだのは、ふたたび洋次郎でした。今度は左足で流しこみました。名古屋0-2東京。

これを受け、風間さんが動きます。アーリアに代えて赤崎を投入します。同時にシフトをスクウェア型の4-4-2に変更します。赤崎はトップに入ります。藤井が右SBに回ります。

ときを同じくして東京もコントロールモードに入ります。名古屋は攻撃ルートをサイドに固定します。このシンプルな攻撃方法がはまり、ようやく攻撃が機能しはじめます。右は前田による単独アタック、左はシャビエルと宏介が絡むクロスアタックとアシンメトリーなサイドアタックが東京に襲いかかります。東京が受けにまわったタイミングも誘因し、じわじわと攻撃権が名古屋に移ります。このじわじわとが東京には効きました。一気に流れが変わったのであれば、一時的な混乱はあったとしてもアジャストは比較的はやかったでしょう。でもジャブが続いたので、知らずしらず泥沼に引きずりこまれていきます。

名古屋に流れが傾きかけたところでアクシデントが起きます。ランゲラックが足を傷め、下がります。代わって武田が入ります。タイミングが良かったと思います。名古屋のポゼッションがポジティブな意味で上がったところだったので、東京のカウンターもいくぶん威力が落ちていましたから。

健太さんが動きます。慶悟に代えてサンホを同じく左メイヤに投入します。流れが悪くなっていたので、独力での縦の推進力を作る意図です。さらにジャエルを用意しているところで、名古屋らしからぬショートカウンターが決まりました。

83分。宏介のアーリーをつよしがクリア。これをディエゴが落とします。でもこれがシミッチに納まります。シミッチはドリブルイン。アタッキングサードに入ります。この時ジョーはモリゲ、赤崎はジェソがマークしますけど、一枚ずつズレています。なので左大外に前田がフリー。これを見たシミッチは前田にパス。ジェソと対峙した前田は、トラップで左にズレながらシュートコースを作り、おもむろに左足を振り抜きました。名古屋1-2東京。

これを受け健太さんが動きます。謙佑に代えてジャエルを同じくトップに投入します。ジャエルをディエゴと絡めて、前線でボールを持てるようにしたかったのでしょう。でもジャエルが機能しません。どうもまだまだジャエルはコンビネーションができませんね。ボールを持っても周囲が見えてなく、無理に仕掛けて失敗することを繰り返します。せめてキープできれば守備陣も助かるのだけど。

終盤は名古屋に完全に支配権が戻りました。東京は珍しく守備網が整わず後手にまわります。名古屋のジャブが効いていたのと、ちょっと攻撃モードに切り替えるのがはやすぎたかもしれませんね。

ただ、名古屋に追いつくクオリティはなく。ジョーにボールを集めますけど、精度を欠きました。このまま試合終了。名古屋1-2東京。あと少し時間があったら追いつかれていたでしょう。眠らない街♪

雨でしたけど、雨だからなのか名古屋独特の粘りつく湿気はなく、後半はむしろ冷気を感じるほどコンディションは悪くはなかったです。それにしてはスッキリしない試合でした。名古屋のダブルスタンダードに翻弄されたためでしょう。ひさしぶりに内容がよくなかったので、課題を見つけるよい機会になったと思います。You'll Never Walk Alone♪

たまが入るとやっぱり攻撃の威力がアップしますね。セカンドアタッカーとして常にゴールを視野にしているようですから、復帰ゴールも近いのではないでしょうか。今日も何度かチャンスがありました。たまが点を取れるようになると、攻撃のかたちとしては今年の完成をみると思います。洋次郎のシュワッチ

まる、宏介、アーリア、ヨネと、シンパシー満載の名古屋ですから、なんとなく完全によそさまとは思えず。道なかばだと思いますけど、対戦が楽しみなサッカーになるよう粘り強くがんばってほしいと思います。

これにてしばらく東京観戦はお休みします。といってもそんな大袈裟でなく。九月は加賀さん応援強化月間なのとRWCがはじまるのでそちらにシフトします。アウェイが続きますけど、チームもサポもコンディションには気をつけてほしいと思います。


なつぞらロケ地の旅 ―20190825 帯広―

2019-08-29 23:43:39 | 連続テレビ小説なつぞら

お盆明けに北の大地を覆った低気圧が一時的に通り過ぎ、次の低気圧を迎える合間に奇跡のような晴天にめぐまれました。

今年の夏の朝ドラロケ地巡りの旅は北海道。

エゾリスが迎えてくれました。

ゴールデンウィークの十勝は、なつぞらロケ地をほとんど観ることができず残念でした。でもこの夏、帯広観光コンベンション協会さんとNHKさんを中心に、帯広市さん、新得町さん、陸別町さんが嬉しいプレゼントを用意してくれました。ロケ地およびオープンセットを公開してくださっています。詳しくは帯広観光コンベンション協会さんのホームページをご覧ください。

今回は、このうち現在公開されている帯広市と新得町に向かいます。

今日は帯広市内。帯広駅の真南です。

札内川の川沿いにある真鍋庭園です。

土地柄というか、蝦夷地の植生が中心の、雰囲気がいいイギリス風庭園のようです。

庭園内は有料ですけど、なつぞらセットは無料のエリアに設置してあります。

こちらで拝見できるのは、天陽ゆかりのセット。

オープンセットの前に、ガーデンカフェ内の特設情報コーナーです。

地元紙の記事。

セット紹介のパネル。とても貴重な情報を伝えてくださっています。今回真鍋庭園さんでセット公開に至ったのは、実際にオープンセットが設営された場所と山田家の畑が真鍋庭園さん所有の土地だったからだそうです。関係のみなさまには、公開に至るまでいろいろご苦労があったと思いますが、公開にふみきっていただき、朝ドラファンとして非常に嬉しいです。ありがとうございます。

こちらでは、清原翔さんがポートレート撮影をされたそうです。

キャストさんとスピッツさんのサイン。

それではオープンセット見学をスタートします。まずは天陽のおうち、山田家のセットです。

芝生のテラスです。セット全景。

解説パネル。

家屋。

玄関側から。

正面。

反対側は木立にかこまれていて、リアリティがあります。

背面。

ディテールを観ましょう。屋根はリニューアル後も茅葺のまま。

玄関。壁はリニューアル後は板壁になりました。

手押し車。

荷車。

木箱などなど。

玄関前の壁があります。吹雪よけですかね。スキーもあります。

敷地内に切り株があります。

住居の前に木がおいてあります。動物よけですかね。

窓に灯りがともっているギミック。

薪割り。

井戸。

暖炉の煙突。

白樺の支柱の棚。

バケツ。

草鞋。

続いては庭園の入口の隣です。山田家の馬小屋兼天陽のアトリエです。

全景。

解説パネル。

正面。

入口。

脇の立木。

馬具や工具。

古い搾乳缶。

側面。

屋根。

背面。

背面の下部。

こちらは内部を見学できます。玄関の道具。

玄関から見える内部の全景。

天井。

玄関の床。

側面から見える内部の全景。

画材。

火鉢。

真鍋庭園にセットが設置されてから来園されるかたが増えたそうです。セットの周りもとても雰囲気がよく、ゆっくりした気分でセット見学できます。ちょうど今日は、鹿追町の神田日勝記念美術館で吉沢亮さんのトークショーがありましたので、良いタイミングで天陽のセットを見学できました。明日は新得町、しばた牧場に向かいます。


旭山動物園

2019-08-28 20:42:01 | 旅行記

夏休み5日目。

旅のあいだずっとお天気には恵まれたのですけど、今日がいちばんお天気がよかったです。道央をめぐる旅、今日はめずらしく純粋に観光のみです。

旭山動物園でございます。

旭川はちょっと秋模様。紅葉のお化粧がはじまってました。

想像以上に楽しかったです。動物たちの魅力にやられちゃいました。全山まわるのに4時間かかりました。子ども連れやお年寄りはぜったい一日では無理ですね。

では、動物の可愛らしさにはなにも加えることができないので、余計なことばは省いて、画像だけ。

 

この夏、北海道はひぐまのニュースをよく見かけましたね。旅の間もひぐまの話をしょっちゅう聴いたので、びくびくしてました。ちょっとだけこわいものみたさでやっと会えたひぐま。

眺めていたら、のそのそやってきて、いきなり目の前で立ち上がりました。こわかったけど、かっこよかったです。

ちょっとかばに魅了されました。大きなからだで気持ちよさそうに遊泳する姿にいやされました。意外なアイドル。

夏の暑さにげんなりしてる子もいたけど、元気に楽しませてくれました。また会いたいな。


2019J1リーグ第24節北海道コンサドーレ札幌vsFC東京@札幌ドーム20190824

2019-08-28 17:43:29 | FC東京

夏休みです。

今年の夏休みは、北海道。文字通り避暑。低気圧の余波で一気に秋めいている北海道。なんでも北海道としても9月下旬の気候とか。ところよっては朝方ははやくもストーブを使っているという、うわさに聞こえる北海道の夏の終わりのサウダージを感じにきました。

最初の目的地は札幌ドームです。札幌ドームもRWCの試合開催を控えています。でもコンサには厚別があるから、日程の影響は小さいようですね。

というわけで、コンサ戦でアウェイ八連戦のスタートです。長期ロードはどう考えても優勝への鍵になります。

終始コンサにオーガナイズされるも、勝ち点1を拾えました。

東京は成がお休み。シフトはスクウェアの4-4-2。GKは彰洋。CBはモリゲとつよし。SBは右にマコ左にジェソ。CMは洋次郎と拳人。メイヤは右に晃太郎左に慶悟。2トップはディエゴと謙佑です。

札幌は大勝した前節と同じオーダーです。シフトは3-4-2-1。GKはソンユン。3CBは右から進藤、ミンテ、福森。WBは右に白井左に菅。CMは宮澤と荒野。2シャドウは右に武蔵左にチャナ。1トップはジェイです。

鬼門札幌ドーム攻略の鍵はコンサ劇場を不発にすること。つまり主導権を取ることにあります。ところがのっけからミシャ札幌の術中にはまりました。ミシャ札幌の代名詞はフォアチェックと高速カウンター。型こそ違えどコンセプトは案外似た者同士です。

東京は八月のテーマとして省エネをかかげてきました。札幌はただでさえ涼しいうえドームですから、省エネの呪縛から解放されます。この点は歓迎すべきこと。一方で、札幌は少なくともホームでは酷暑対策の必要性がないわけですから、闘いかたを継続できる点で多少の優位性があると思います。札幌は夏休みのファンを15得点3失点の爆発的な攻撃力で魅了しました。それこそコンサ劇場のなせる技。攻撃力の抑止がテーマになることは必定です。もっとも札幌ドームでは2ヶ月半ほど勝ててなくロースコアも続いていて、ドーム自体の劇場濃度はひと頃より薄れているのかもしれません。

さて、札幌は代名詞のひとつ、フォアチェックを封印して静かにメゾピアノで試合に入ります。このときは意図がわからなかったのだけど、これはコンサ劇場に誘う序章でした。序盤からフォルテッシモで臨む作戦もあるのですけど、東京がフォアチェックに対応していて、さらに返し技としてカウンターを備えていることを考慮した選択だと思います。

でもピアノモードは入りだけでした。フォアチェックこそ封印しますけど、変わって繰り出したのは高速カウンター。まずはジェイを基点に、武蔵、白井、菅がどんどんゴール前のスペースを狙います。これに東京が誘引されてできるバイタルエリアのスペースが札幌の狙い目。チャナに加え、進藤と福森がダイアゴナルに入ってくるのが札幌の特長です。さらに荒野が中央前目にはり、さばきとチャンスメーカーの役を担います。前半は荒野にボールが集まります。東京はいつも通り、この札幌のハイテンションを受ける選択をします。でもこれはミシャが用意したブラフでした。東京がリトリートすることで東京のフォアチェックを封じられますし、受けモードの東京はロングカウンターも控えめになります。こうして知らずしらず札幌がオーガナイズする展開に入っていきます。

札幌のカウンターモードは15分ほど続きますけど、そこで突然止めます。東京のカウンターを警戒してというよりも、自ら引いた印象を受けました。ハイテンションになった展開を長期戦に移すために、一度落ち着かせる意図だと思います。札幌にはそのためのポゼッションモード、いわゆる遅攻があります。シャドウが基点になってボールを出し入れします。ただ、対東京という枠内での有効性としては、ポゼッションモードには東京の堅陣を崩すほどのストロングがなく、どちらかというとカウンターのほうが可能性がありました。それに、カウンターが発動したときのドームの沸きかたを観ると、コンサ劇場の主要キャストであるサポーターのちからを動員するためにもカウンターのほうが効果的なよう気がします。このあたりも味スタに似ていてシンパシーを感じます。

札幌が引きますから必然的に東京も攻撃権を持てるようになります。今日はマコがスクランブルでスターターでしたけど、積極的に攻撃に加わっていて違和感はありませんでした。東京は攻撃時の布陣にいくぶん工夫をしていたと思います。慶悟をトップに上げ、代わりに謙佑がチャンスメークを担っていました。2トップへのタイトマークの集中を回避する意図かなと思います。謙佑をフリーにすることでよりスペースを狙い易くするとともに、初速時点で優位に立つことができます。

それでも札幌は5+4の陣形を維持しますので、東京はなかなか有効なスペースを見つけられません。さらに札幌がタイトコンタクトで挑んできますから、チャンスの糸口を作ることもできません。お互いに守備加重の作戦で臨むなか、前半は静かに終わるかなと思っていた矢先、セットプレーで試合が動きます。

38分。ディエゴが福森に倒されて得た慶悟の左FK。札幌の単横陣五枚に対し、東京は前列ニアから拳人、謙佑、洋次郎と後列モリゲ、ディエゴ、つよしの並列横陣の六枚で、すでに数的優位です。慶悟のモーションと同時に後列が飛び出すパターン。慶悟が合わせたのは大外のつよし。拳人がニアに入ったので札幌のDFはニアからつめます。なのでつよしはフリー。クロスに武蔵が対応しようとしますけど、タイミングはつよしのもの。武蔵の背後から武蔵を越えます。つよしのJ1初ゴールが決まりました。札幌0-1東京。

札幌に思い通りなオーガナイズをされているなかでの、前半終了直前のゴールは、つよしの初ゴールというプレミアがつきながら、コンサ劇場の発動抑止に十分な効力があると思いました。前半はリードして終了。

後半開始早々、試合が動きます。

47分。謙佑の左スローインから。慶悟の戻しを受けた晃太郎がゴール前に走り込む洋次郎を狙ったチャレンジパスを入れますけど、これをミンテにカットされます。このボールが前方フリーのチャナにおさまり、カウンター発動にむすびつきます。キープして時間を作ったチャナは左を上がる菅にパス。アタッキングサードに入ります。中央はジェイのみ。東京は最終ラインが揃ってますけど、ジェイに引っ張られて下がり基調。この時やや遅れてフリーで武蔵が上がってきます。これをみた菅はマイナスのクロスを武蔵に合わせます。武蔵の右足シュートはジェイの左足に当たってコースが変わりました。札幌1-1東京。

後半開始も東京が攻撃権をもってスタートしていました。八月の東京の月間プランですけど、札幌が先制されても基本プランを変えなかったことも影響していたと思います。その成果がさっそく生まれ、どカウンターがはまりました。

イーブンに戻ったところで札幌が本来の意図をむき出しにします。タイトなフォアチェックを使いはじめます。これにより試合が鳴動します。東京が真っ向ガチンコを選択したので、試合が一気にオープンになっていきます。それとともにコンタクトが原因の小競合いが増えていきます。荒っぽいお祭り感が出てきて、ドームがわきます。

これこそミシャ札幌が望んでいたことでした。完全アウェイコンサ劇場の準備が整います。札幌はメインスタンドをアウェイサポに開放しない稀有なクラブです。アウェイサポゆっくり観戦派にとっては甚だ迷惑なローカルレギュレーションです。でも本来は、マツダスタジアムのように、そのようなルールがなくとも自然に真っ赤に染まるように札幌はしたいのでしょう。今日のコンサ劇場は、さすがに慣れも手伝ってますけど、東京の抑止力にはなり得ていませんでした。試合はオープンフォイトのまま膠着します。

そこで先にミシャさんが動きます。白井に代えてルーカス・フェルナンデスを同じく右WBに投入します。WBのチェンジは、とくに支障がない場合のミシャさんの常套です。

健太さんも同時に動きます。晃太郎に代えてサンホを左メイヤに投入します。慶悟が右に回ります。ちょっと興味深い作戦でした。オープンだったので健太さんの選択に注目していました。結果は喧嘩上等。

すぐにミシャさんがまた動きます。宮澤に代えて深井を同じくCMに投入します。今日の宮澤は、荒野が上がる分、ときにラインに入って舵取り役を担っていました。とくに問題はみえなかったのですけど、中盤をパワーアップする意図かもしれません。

健太さんが動きます。ディエゴに代えてジャエルを同じくトップに投入します。ディエゴが足をいためていたようなのでコンディションを考慮したのだと思います。

直後にミシャさんも動きます。菅に代えて中野を同じく左WBに投入します。これも常套手段。

さらに健太さんが重ねます。慶悟に代えてたまを同じく右メイヤに投入します。縦の推進力を左右とも揃える意図だと思います。オープンのまま押し切ろうとしたのでしょう。

このまま試合終了。札幌1-1東京。

オープンになった理由には、真夏にありがたいドーム開催試合だったこともあるでしょう。省エネモードのまま秋に入り、それが原因で調子を落としたくないですから、結果はベストではなかったけど、終盤戦に向けた良いアイドリングになったのではないでしょうか。

鬼門シリーズ三戦めもドローに終わりました。三つともドローがなにを示唆するのかわかりませんけど、勝ち点1を拾うことができました。マリノス以外は当該チームがぜんぶドローにおつきあいしてくれたので順位の状況はマリノスが近づいたのみ。

次は一転、残暑の名古屋。今年の名古屋は例年より暑さがいくぶん和らいでいますし、雨予報ですから、秋模様の札幌から続くインパクトは比較的少ないと思います。でも暑いことには変わりないので、コンディションを整えて臨んでほしいと思います。

個人的に今年は半分ホームのような名古屋ですから、ちょっと思い入れもあり。職場から参戦する金Jが楽しみです。


2019J2リーグ第28節東京ヴェルディvsモンテディオ山形@味スタ20190818 -フェニックス-

2019-08-20 20:58:13 | 加賀さん

幸福感。

ぼくは、いつの間にか、雨あがりの味スタで、あたたかく純粋な幸福感に包まれていることに気づきました。

サッカーを観ていながら、試合ではなくただ自分の推しだけをみつめ続けていられる幸せ。あらためて、その贅沢な時間を思いだしました。

加賀さんが現に、いま目の前で極めてナチュラルに存在し、一年半の空白がなにごともなかったように試合に溶け込み躍動する姿を目の当たりにしながら、これは夢なのか現なのか、狂喜するでもなくもちろん平常心でもない、浮き立つようなぼんやりとした幸せがぼくを取り巻きます。

フェニックス

もうぼくは加賀さんをガラスのスピードスターと呼ぶことはやめようと思います。たしかに加賀さんは近年、毎年のように怪我に苦しんでいるけれど、それでも必ずぼくらのもとに戻ってきてくれます。元気にプレーする姿を見せてくれます。だからぼくは、復活を信じて疑わなくなりました。もはや不死鳥以外のなにものでもない。

なんどでもなんどでもなんどでも立ち上がり呼ぶよ。君の名前声がかれるまで!

この一年間は右膝との対話の時間を過ごします。右膝前十字靭帯断裂。今年4月の第8節ヴェルディ戦にスコッド復帰を果たすまで9ヶ月強。試合出場にいたっては2018年6月30日第21節岐阜戦を最後に前節の新潟戦まで途絶え、欠場期間は407日、53試合におよびました。そして今年、右膝内側側副靭帯損傷。選手登録は連続三試合続き、チームが好調ななかでいつでも試合に出られる準備におこたりはなかったと思います。ぼくも心待ちにしていました。そんな期待もむなしく、4月21日第10節山口戦を終えてから112日間、17試合。姿を観ることができなくなります。

思い返せば、去年の第22節フリエ戦はチケット買っていて、スコッドをみて「あれ?加賀さんがいない」といぶかったことを覚えています。そして今年も、いさんで向かった第11節の博多の森で加賀さんの名がなくしょんぼりしました。なんだか加賀さんの負の節目に立ち会っているようで、疫病神な自分をのろいました。

それでも、少しずつ、メディアに姿を見せてくれるようになります。モンテの広報スタッフさんも復帰の足取りをさりげなく伝えてくださいました。モンテ担当のメディアさんも特集をくんでくださったり、本当にありがとうございました。復帰に向けた歩みを確実に進んでくれていることを確認できて安心しました。不在期間が長くなることに慣れっこになっちゃっているのは切ないけれど、最近は焦らずに待つことができるようになりました。そして、感動の前節の復帰。続いていま、味スタへの帰還。おかえりなさい、加賀さん。

ぼくは、加賀さんのプレーひとつひとつを大切に観なければという気持ちを持つようになっています。東京をはなれて以降は、加賀さんが試合にいる間は、出場していてもそうでなくても加賀さんだけをみるようになったのだけど、元来のサッカー好きには抗えず、ボールを追うこともちょくちょくありました。でも今日は、ホントに100%加賀さんだけを追ってみました。

やや内股気味に手を後ろ半分だけ振りながらトコトコ歩く可愛らしい歩きかたや、左手で髪をわしゃわしゃする癖。やや腰を落とした低重心からのスタイリッシュなスプリント姿勢。いつの間にか誰よりも多く身ぶり手ぶりでポジショニングやマークを指示するようになったコーチングスタイルなど。一挙手一投足を繰り返しみていると、飽きるどころか、素直にかっこいいなと想う気持ちが増すばかりです。

あらためて、今日の加賀さんのプレーをふりかえってみます。イーブンな状態の基本的なポジショニングは、栗山さんが作るラインよりやや高めです。モンテのCBの守備ポリシーはゾーンのようですので、加賀さんは右サイドのゾーンを受け持つわけですけど、やや高めのポジショニングが意味することは二つ。攻撃の起点としての役割をもっていることと、カバーエリアの広さです。後者はもちろん脚力が背景にありますが、モンテにおける加賀さんの立ち位置を特長付けるのはむしろ前者。クロスもしくはオーバーラップの精度を根拠とした数的優位形成の起点です。もちろん木山さんのゲームプランによってミッションの加重バランスは変わるけど、たとえば今日のようなコンサバティブな作戦の場合は、ワンチャン一発の可能性を持つキーマンの一人に成り得るでしょう。事実残念ながらオフサイドになったクロスがそれを証明しています。

センターバックの基本といえば基本だけど、右の守備ゾーンのオーガナイザーは加賀さんが担っている印象をスタンドからも感じられます。WBあるいはCMとの会話、指示を加賀さん発で導いていました。加賀さんは謙遜するけれど、加賀さんが右に収まる試合の安定感はデータが証明してくれると思います。今日は加賀さんが直接コンタクトに絡むシーンは少なく(だから普段よりブラブラしてる時間が長かったのだけど)、それこそ加賀さんのリーダーシップによる右サイドチームのディシプリンの高さを表しているんじゃないでしょうか。

今日のモンテがコンサバティブだったので、加賀さんの本気ロングスプリントを観る回数はほとんどありません。前半に逆サイドまでマークを追ったプレーと、終盤のレアンドロさんとのマッチアップ。あと攻撃で半田さんをオーバーするスプリントが一回くらい。怪我明けを考慮した自重ではなく、戦術的な都合だと思います。実は、加賀さんのスプリント回数はモンテの闘いかたのバロメーターになるんじゃないと思います。守備時のスプリントはリスクテイクしていることを意味しますし、攻撃的なスプリントはチャンスの多さを表しますから。観戦の参考にしてなりますから、是非加賀さんに注目してみてください。

待って待って待ちわびていたので、ちょっとセンチメンタルになっちゃったけど、こころの整理はできました。これでふたたびプロの世界で闘う加賀さん全力応援モードに戻る切り替え完了。そういえば見た目にわかりやすくしている加賀さんはあまり記憶になく、それだけ右足のテーピングが痛々しくもあります。願わくば、美しい加賀さんの姿を取り戻すためにも全力プレーのためにも、一日もはやくテーピングが取れますように。

もう少しで、毎年恒例の加賀さん誕生月まつりがはじまります。今年はイブにホームで試合です。去年は悔しいリハビリ生活でしたから、去年の分もちからいっぱいサッカーを楽しんでほしいと思います。

そしてシーズンのおわりに、モンテの仲間たちみんなと最高の祝祭ができますように。