ぽちごや

FC東京のディケイドSOCIOです。今シーズンは丹羽ちゃんとともに闘います。

2012シーズン開幕 ポポビッチFC東京テイクオフ!

2012-03-01 23:27:04 | スポーツ

開幕ましておめでとうございます。

ことしもまたサッカーシーズンがやってまいりました。平穏なシーズンを祈ります。J1開幕の日は3月10日。東日本大震災から一年を迎える週末です。そんな特別な日にはじまるシーズンだからこそ、失われた多くのサッカー好きの魂と、被災地ならびに福島第一原発の周辺避難地域の復興を願いつつ、自分が、普通に本当にごく普通に、ことしもサッカーライフをスタートできることを喜びたいです。

ことしの東京は、2012年を真に「強く愛される」クラブに脱皮するエポックメイキングなシーズンにするべく、アグレッシブな編成を用意してきました。まず、新監督にランコ・ポポビッチ監督を迎えました。J1昇格、J2優勝、天皇杯優勝の功労者である大熊監督を優待させる決断は、東京が目指す場所の高さを宣言しているんだと思います。J1初制覇と、その後も安定して優勝争いができるチーム。さらにアジアを制覇し、ヨーロッパやブラジル・アルゼンチンにまで名が知られるようなクラブになるためには、モダンで志の高いサッカーが必要になります。世界への扉を開いてくれるのは、やはり扉の向こう側を知っている外国人監督が必要。なおかつ、日本の文化にあう外国人であることが望ましい。ポポさんは、J1での実績こそ少ないものの日本での経験も長いですし、日本に馴染むことが証明されているイビチャ・オシムさん門下ですから期待できます。東京のチームカラーから言っても、実績のある監督に比べてリスクはあるけど、フレッシュなひとと一緒にキャリアを築いていったほうが適していると思います。その意味で、ポポさんは最高の人選だと思います。クラブは選手の自立を求めていますが、日本人の特性として指導者に父性を必要としますし、ただでさえ選手に優勝経験がないですから、なおのこと方向性を示してくれる監督の存在が大きいと思います。自分が今シーズン一番注目する新戦力は、そんなわけでポポさんです。

東京は今野をガンバに放出しました。そのこと自体はポジティブに捉えてます。今野にとってもキャリアアップのために良い選択だと思います。ボランチ今野にずっと違和感を持ってました。今野はどちらかというと感性でプレーする選手だと思います。ボランチにはオーガナイザーとしての役割がありますが、ロジカルに考えるプレーの割合を増やさないと、今野は将来成長が頭打ちするんじゃないかと心配していたのです。その意味でCBに入って本当によかった。さらにDFラインのなかでは、360度の視野がある位置でプレーできる選手だと思うので、SBよりもCBのほうが適していたと思います。今野がロジカルなプレーを身につけるために、国内で最高のお手本がいるガンバは、チョイスとしてベストでしょう。一方、東京にとっても良かったと思っています。もちろん短期的に今野の不在は、確実に総合的な守備力の低下になりますから痛いのですけど、メリットもあります。ひとつはチーム内競争の激化です。レギュラーを狙う選手が多くなれば、チームの雰囲気が活性化すると思います。モリゲが引き続きCBの柱となるでしょうが、加賀、チャン・ヒョンス、徳永、丸山、吉本、(怪我から復帰したら)平松が横一線で良い競争をしたら、ぜったいCBのレベル向上に繋がると思います。技術的に今野がやっていたタスクをそのまま引き継ぐことは困難ですから、ポポさんには、モリゲのパートナーとしてまずスピード系の選手をチョイスして欲しいなと思います。モリゲは積極的に前に出てあたりに行くスタイルですから、抜かれるリスクと裏を取られるリスクがある。そこをフォローできる選手が必要ですね。これはなにげに、昨シーズンからの課題でしたので、その意味でも今野OUTは、東京のDF底上げと安定に繋がる英断だと思っています。

SBに太田宏介が加入しました。CB同様、競争が一気に活性化しました。平松や谷澤に対抗するパフォーマーという意味だけじゃなくw。徳永、椋原、北斗に太田。太田はCBの経験もありますから、徳永と同じくユーティリティな使い方も期待できますね。場合によっては、モリゲを真ん中におき、徳永と太田が左右につく3バックも可能ということです。自分は4バックが好きですけど、3-4-3が見られるなら、オプションとしてそれもありかなと思います。ヒョンス、加賀、丸山がフィットするまで、いっそ3バックを試すチョイスもあるかもしれませんね。東京のSBには長友という範がありますから、それを基準にみると、やっぱり左サイドが課題でした。椋原、太田、北斗で競争してレベルをあげてくれることを期待します。太田は待望の左利きだしタッパもあるので、ケネディやアジアのデカイFW対策として、デカイDFが4人並ぶと安心感がありますね。もちろん生え抜きの椋原には活躍してほしい。新選手会長ですし。椋原のストロングポイントは、安定感とシュート力(シュートできるポジショニングも含め)です。オーバーラップのタイミングや1対1の守備に課題がありますけど、攻撃力を大切にして頑張ってほしいです。

MFは河野、アーリアジャスール、橋本が加わり、大竹と幸野が戻ってきました。さらに米本が怪我から復帰したのでバックアップの厚みができました。というのも、MFは主軸が堅いです。梶山、ナオ、谷澤、羽生は、東京のサッカースタイルを形作る心臓部ですので、ドラスティックに変革しようとしない限り、すぐに変わるものではないと思います。ポポさんのMFのチョイスに一番注目していたのですが、ここまでの練習試合のスタッツを見るかぎり、コンサバティブなチョイスです。2011シーズンに東京がみせたスタイルが、ポポさんにとってもベースになるということでしょう。気がかりだったのが秀人。天皇杯セレッソ戦で、秀人のミスからピンチを招くシーンがあって、J1トップレベルで戦うにあたり、梶山の相棒を誰にするのかが当面の課題だと思ってました。もちろん秀人が大好きな自分としては秀人の成長を期待していますけど、アーリア、下田、米本との競争ですね。いまのところポポさんのチョイスはアーリアのようです。米本が本調子になったら、さらに競争が激化しますね。よいことです。梶山を除く他のベテランも安泰ではないです。昨シーズンのキーマンだった草民はJ1でも面白いアクセントになると思いますし、河野、大竹の永遠のライバルコンビが熱く競り合ってくれたら、ベテランを越える選手が出てくるかもしれない。それこそが「強い東京」に飛躍するジャンプボードになってくれると思います。

梶山について。梶山にはできるだけはやくヨーロッパに行ってほしいです。以前自分は、選手の海外移籍に関心がなかったのですけど、長友、長谷部、本田、香川、麻也、岡崎の成功を見ていると、東京が強く愛されるクラブになるために、海外移籍は不可欠だと思うようになりました。あくまでも推測ですけど、長友のヨーロッパ移籍が東京の選手にもたらした影響は、ネガティブなものだったんじゃないかと思うのです。長友のような強い向上心を持ち、弛まむ努力ができる選手が身近にいることは、チームにすごくポジティブな影響を与えていたと思うんです。たしかに長友の成功により、「あんな風に努力したら成功できるのか」というモデルを残したと思うのですが、努力を継続しようとするとチーム内のコンテクストが大切な要素になる。人間は環境に影響される動物ですから、向上しようとする選手が多く集まったほうが、チームは活性化します。長友が抜けた東京は、かならずしも向上心を外に見せる選手ばかりじゃなかった。残念ながら当時実質的な選手の目標だった今野は、向上心を剥き出しにするタイプじゃない。知らずしらず、目標を失った感はあったと思います。それは今も変わっていません。ナオの代表選出は嬉しいですけど、ナオじゃない。だから、梶山に期待したいんです。キャラ的に、梶山に長友や長谷部のようになれるとは思いませんし、その必要もないと思います。明確な目的意識を持って日々のサッカー生活に取り組んでほしいということ。そんな大エース梶山の姿を見て、チーム全体が活性化してほしいということです。それから、生え抜きの梶山がヨーロッパで成功することで、都内のサッカー少年たちに大きな夢と目標をプレゼントしてほしいという期待もあります。東京が強く愛されるクラブになるためには、世代を超えて、地元からいい選手があらわれ続ける必要がある。梶山の成功は、エポックメイキングになれると信じています。現在の東京は、ロゴスさんが仰るように「ザ・梶山システム」を原型にしてます。なので、梶山がいなくなるとチームの根幹がゆらぎます。たとえば今夏の移籍も視野に、ポスト梶山を目指してボランチの選手は頑張ってほしい。

さて、アタッカンチですね。千真と林が加わり、オレのけんたろが戻ってきました。平山が待望の復帰。セザーが抜けそうです。アーリアというオプションもあります。天皇杯の神的なパフォーマンスが今シーズンも継続できるなら、ルーカスが大黒柱なのは昨シーズンと変わらず。今のところポポさんはオーソドックスな2トップをチョイスしているようですから、「ルーカスの相棒を誰が務めるか」という競争です。ポポさんのファーストチョイスは千真。実績から言って、とりあえずノーマルなチョイスだと思います。逆にいうと、横一線に競争できるということだと思います。本質的に千真はポストプレイヤーではないと思いますから、その場合はルーカスが中央で千真がフリーマン。けんたろうの場合は、もっとその傾向が強いです。一方平山が入ったら、中央に平山を置き、ルーカスは好物の左サイドでフリーマン。ナオとのポジションバランスを考えたら、ルーカスと平山が組むのがいいかなと思いますけど、コンビネーションは組んでみないとわかりませんから。けんたろには、寿人のようなプレーを目指してほしいんです。そのために、「存在感を消す」技術と、「一瞬でマークをはがす」クイックネスが必要。練習で身につけるのは限界があるので、どんどん試合に出てほしいです。場合によっては、J2に武者修行に行くチョイスも視野にしていいのではないかと思います。

セザーの離脱は残念なのです。プロチームには人を惹きつける魅力が必要です。「強い」というのが魅力形成の正攻法なんですけど、新体制で臨む今シーズン中に、いきなり普遍的な強さを身につける保証はないです。しかも消費者は飽きやすいので、勝つのに慣れてしまうと勝利が魅力(購買動機)ではなくなります。そこで大切になってくるのが、選手のキャラクターなんです。たとえばキングカズやゴンさんは、その存在だけで客を呼べるわけです。ちょっと亜流ですけど、槙野の存在も同じような効果がある。残念ながら今の東京にはそんな選手がいません。プレーなら、ルーカスやナオ、モリゲのセットプレーで集客できますけど、プレーは水物。メッシやクリスチアーノ・ロナウドじゃないんだから、毎試合ゴールを見せられるわけじゃない。そこで、いつも「ちょっと笑える」とか「可愛い」とか「変なの」って気持ちにさせてくれる選手はものすごく大切なんです。セザーはそんな数少ない選手です。セザー以外では、平山と谷澤ですけど、二人とも同時にストレスも感じさせてくれる選手ですから、アイドルにはなれないキャラです。レギュラーである必要はないので、できればもう一人、魅力的なブラジル人のアタッカーが欲しいところです。

システムについては、いまのところポポさんのチョイスはオーソドックスな4-4-2のようです。選手はルーカス、梶山、モリゲが軸になると思います。この3人をセンターラインに据え、周囲のポジションを調子のよい選手で組み合わせる。さながら去シーズンの柏のようですね。つまり、東京が優勝争いする一番の要素は、選手たちのポジティブな競争意識にあると思います。残念ながらいままでの東京は、競争意識が必ずしも高くなかったと思います。今野が移籍した理由のひとつにそういうところもあるんだと思います。この点は、ポポさんにすごく期待しています。ポポさんなら、選手を上手に刺激しながら競争意識を高めてくれることでしょう。

いままで「強く愛される」は実感がわかないビジョンだと感じていたんですけど、2012シーズンを迎えるにあたり、ようやくぼんやりと尻尾が見えてきたように思っています。自分にとってもJ2を勝ち抜いた2011シーズンは、「強く愛される」というビジョンを受け入れる助走になったのかもしれません。阿久根社長を信頼し、大いに期待しています。ボクらを「強く愛される」東京に連れていってくれるかもしれません。2012シーズンは、そのためのエポックメイキングな一年になるような気がして、すごくワクワクしてます。ボクらサポーターが心がけることは、焦らないことだと思います。シーズンは長いですし、J1はどこが勝ってもおかしくない激戦区。おまけに東京は元来のんびり屋さんな上に、新体制。まずは勝敗に一喜一憂せず、阿久根社長とポポさんが作るニュー東京をあたたかく見守り、支えることから始めましょう。

「王者」東京の今シーズンはひと足はやく、3月3日ひな祭りゼロックススーパーカップから始まります。ACLもあります。冬眠から覚めて、春先からいきなりサッカー漬けです。楽しみです。そして、秋にはみんなでJ1シャーレをかかげましょう!