ぽちごや

FC東京のディケイドSOCIOです。今シーズンは丹羽ちゃんとともに闘います。

2018J1リーグ第18節FC東京vsV・ファーレン長崎@味スタ20180727

2018-07-28 15:42:39 | FC東京

台風12号が近づいていて、先週までの酷暑がうそかもと思えるような秋のような涼しさがやってきました。台風が列島を横断しそうで、西日本の被災している地域が心配です。

今年からレギュラー開催のフライデーナイトマッチ。なかなか良いですね。ご家族がいらっしゃるかたは週末をサッカーに取られずにすみますし。それに週末が控えているから心おきなく騒げるかも。

残念ながらヴィヴィくんには会えませんでした。はたらく人たちに優しいフライデーナイトマッチに迎えますは、長崎。You'll Never Walk Alone♪

二重の意味でゴレアーダ後の試合を不安に思ってましたけど、長崎の見事な作戦にはまり、10試合ぶりの敗戦。ホームにいたっては四か月以上負けてませんでしたね。

東京は今日もターンオーバーです。シフトはスクウェアの4-4-2。GKは拓生。CBはモリゲと初スターターの丹羽。SBは室屋と宏介。CMは拳人と洋次郎。メイヤは右に慶悟左に晃太郎。2トップはディエゴと永井です。

長崎はほぼ前節と同じ布陣です。シフトは3-4-2-1。GKは徳重。3CBは右から徳永、ヨルディ・バイス、高杉。WBは右に飯尾左に翁長。CMは黒木と島田。2シャドウは右に澤田左に武蔵。1トップはファンマです。

前節のゴレアーダはまだ記憶に新しいですけど、その前の5得点の試合はアウェイの長崎でした。ディエゴ砲が咆哮してハットトリック。自然な流れというか、不敗が続く好調ですから、東京は基本プランを変える必要がありません。そこに落とし穴がありました。

東京の好調なリスタートは、ファストブレイクのキレと精度が前半戦を上回っていることに起因しています。それはもちろん、東京自身のトレーニングの成果だと思いますけど、一方で相手がいずれもポゼッションスタイルだったことにも理由があります。むしろそっちのほうが要因の加重としては高いのかもしれません。長崎戦を終えて、そう思います。東京のファストブレイクの起点はいうまでもなく中盤です。チームプレッシングからの中盤のトランジションが、攻撃のスピードとキレを支えています。これは、とりもなおさず相手ボールが中盤を渡ることが前提です。

さて、今日の長崎のプランです。結論をいうと、長崎は中盤を省略しました。攻撃ルートは二つ。最終ラインから直接ファンマ、武蔵に長いフィードを送り、一気にアタッキングサードに入るルート。もう一つは、島田から左右のWBに渡すルート。前者は東京の守備陣形が整っている場合に、この重心を下げる目的で使われます。後者こそ、今日の長崎の真意が含まれていました。

ワンプッシュで東京の重心を下げることで、長崎は守備網を囲い込む、3バック独特の攻撃布陣を敷きます。左右のWBが最前線に上がり、3トップは中央に集まります。その下に黒木がいてシャドウの役割を引き継ぎます。扇の要に島田が入ります。3バックは基本的に動かず、東京の宝刀ロングカウンターに備えます。ポイントは島田をフリーにすること。フリーになった島田からどちらかのWBに渡りますけど、これはブラフ。長崎はWBtoWBのサイドチェンジを多用します。これによって守備網をゆさぶり、アタッキングサードのサイドにスペースを作ります。そこから長崎は一気に加速します。空いたスペースにアタッカーが流れこみ、躊躇なくクロスをゴール前に供給します。そこには3トップに逆サイドのWB、さらには黒木も参加していて、厚みのあるクロスアタックを仕掛けられるようにしてあります。これを繰り返すことで、延々とつづく長崎のオーガナイズの源が形成されます。

東京は、長崎がいさぎよく完全に中盤を省略したので、プレスが無力化されてしまいます。これではファストブレイクの効きようがありません。時折長崎がオーソドックスにバイタルエリアを使おうとしますので、その時だけは拳人を中心としたトランジションが効くのですけど、これも、ある意味で長崎の罠です。

東京のファストブレイクのもう一つの鍵は、前線のコンビネーションです。ファストブレイクの基点となるポストのクイックなフリックに相方が反応し、攻撃が加速します。長崎はまず、ディエゴを封じにかかります。ディエゴに対し、バイスを頂点として黒木と島田で形成する中央の逆三角形で応じます。これで、ディエゴのポストを不発にできなくとも時間を作り、攻撃を加速できないようにします。

東京側の要因としては二つ。ディエゴと永井のコンビネーションが戻っていません。永井が怪我で離脱をしていましたから、その影響だろうと思います。永井にまだ躍動感が戻ってきていないように見えます。

もう一つは、中盤の構成です。中断前はダイヤモンド型で上昇気流に乗りました。再開後はシーズンイン当初の二枚CMに戻しています。それでも機能しているのは洋次郎のポジション故ではないかと思います。洋次郎が前線を浮遊してスペースメイクをすることで、もうひとつのファストブレイクの基点になり得ていました。洋次郎が下がることで、基点としてのディエゴの負担が増えているように感じます。なので、シュート数とFK数で長崎に完全にオーガナイズされる状況を変えるためには、洋次郎を上げることを選択肢にするべきかなと思っていました。

それから今日は、イージーなパスミスも目立ちました。チームの重心が低く、かつ長崎がハイプレスを基調としていたのでミスは起こり易い状況ではありました。それにしても、いやそれだからこそ、状況を打開するためのコンセントレーションは、パスの出し手、受け手ともしっかりと高める必要があったのではないかと思います。

前半は長崎に完全に試合を掌握されたまま終了。

後半頭から健太さんが動きます。永井に代えて敬真を同じくトップに投入します。永井の状態を考慮したのだと思います。それでも基本プランに変更はなく、試合の状況は変わりません。

リズムを変えたのは丹羽のワンプレーです。モリゲが、たまたま高い位置でフリーでボールを持ったので、そのまま攻撃参加します。このアタックはバイタルエリアで防がれ、例によって長崎のカウンターが発動しかけます。このとき、長崎がファンマに入れようとするポストを、その寸前で丹羽がチャレンジして防ぎます。これは長崎のカウンターを予防するだけでなく、非常に高い位置でトランジションをすることにもつながり、直前の攻撃陣形をそのまま使うことができました。これにより、しばらくの間長崎の重心を下げることに成功します。こうなると、ディエゴのポストが安定し、慶悟と晃太郎のスペースメイクが機能しはじめ、さらに室屋と宏介が高く位置取れるようになり、攻撃のリズムが生まれます。

こことばかりに健太さんが動きます。晃太郎に代えて草民を同じく左メイヤに投入します。前節ゴールを決め、躍動感高く貢献した草民を入れることで、攻撃力をアップさせる狙いだと思います。

この作戦は期待通りに機能し、また健太さんマジックが発動するのかと思った矢先、長崎の宝刀、セットプレーから失点します。

77分。島田の左CK。ペナルティエリア外の黒木に渡すサインプレーは、ふたたびボールを持った島田のクロスを拓生が弾きます。これを拾った黒木がミドルシュートしますけど、これも拓生が弾きます。このボールが三たび左サイドの島田に渡ります。セットオン。島田はゴール前にクロス。ゴール前にはファンマとバイスがそびえますけど、モリゲと慶悟がついてます。島田はその奥、フリースペースに蹴り込みます。そこに高杉が追いつきました。ゴールライン際で高杉がダイレクトで折り返します。これは慶悟がクリア。これをふたたび拾った黒木が、ゴール前にロブを上げます。そこに武蔵がフリーでした。武蔵はフリック。これにファンマが反応します。シュートは慶悟が弾きますけど、ファンマが押し込みました。東京0-1長崎。

先制したことを受け、高木さんが動きます。島田に代えて前田を同じくCMに投入します。東京のリズムができてきていたので、中盤の守備力を高める意図だと思います。

それにしても、長崎のオーガナイズを牽引したのは、精度の高い中距離パスの技術です。島田、飯尾、そして翁長で形成する大きな逆三角形の間で、スイスイと中距離のパスが交換される様は、小気味よく脅威でした。三人ともメインストリートを歩んできたフットボーラーではないけど、技術の高さゆえ高木さんが選んだ人材なんだろうなと思います。飯尾と翁長のサイドチェンジの凄さは、アタッキングサードのなかですら易々とこなせることにあります。ここで攻撃方向を一気に変えられてしまうと、守備側の対処が難しく、脅威になります。長崎スタイルのアイデンティティを見た想いです。

ワールドカップロシア大会では、自力に劣るチームが超コンサバティブな選択をする作戦が目立ちました。わかり易いけどアイデアに欠けるなと思っていました。長崎は客観的にみて編成が充実しているとはけして言えないけど、かつての湘南、山雅、福岡のようなエスカレーターチームを象徴する昇格スタイルをあえて採用していません。そのチャレンジスピリットは感動的ですらあります。サッカーは、なにもワールドカップやスーパースターだけのものではありません。サッカーの本当の楽しさは、長崎をはじめ列島のそこかしこのぼくらの身近なところにあります。

健太さんも動きます。洋次郎に代えてリンスを投入します。同時にシフトを4-3-3に変更します。アンカーは拳人。トップはディエゴ。リンスは右WGに入ります。前線の預けところを増やして、カウンターの基点となる機会を多く作ろうという意図だと思います。

ここから先の長崎は、作戦が明確でした。サイドチェンジをやめて、とにかく長いフィードをじゃんじゃん東京陣に放り込みます。
1点を守り切るという意図がチームに統一されていました。そして高木さんが動きます。ファンマに代えて平松を同じくトップに投入します。これも平松に預けて時間を作るという、逃げ切り作戦の延長戦上です。

東京は猛攻したくても肩透かしをくらったようなかたちで、最終盤を無為に過ごしてしまいました。このまま試合終了。東京0-1長崎。

島田にプレスをかける、あるいは両WBの背後を狙うといった対策を取り得たと思いますけど、東京をしてそれをさせなかった今日の長崎を称賛すべきと思います。今日は東京にこれといって落ち度はなく、完敗でした。長崎におみそれしました、ごちそうさまでしたと言うだけだと思います。まだちょうど折り返したばかりですからシーズンは長いけど、来年も対戦できたらなと思います。リベンジしたいから。徳永と志有人が挨拶に来てくれました

トップ3のなかで最初に足踏みをしてしまいました。広島が落ちてくるまで粘り強くついていかないといけない立場ですのに、痛い敗戦です。でもまだまだ紆余曲折がありそうなシーズンですし、広島、川崎とも直接対決の機会があります。長崎は特異な作戦でしたから、これが東京対策のトレンドになるとは思えません。なのでとりあえずは基本プランを維持して、コンビネーションの再構築につとめることが喫緊の課題でしょう。

ミッドウィークのアウェイ鹿島は行けるわけがなく、次は満員になりそうな神戸に参戦です。神戸の事情はいざ知らず、神戸を見たい人もさておき、ぼくらはなにしろ、優勝争い。相手が誰であれ、もう一度上昇気流にのるきっかけになってほしいと思います。


2018J1リーグ第17節FC東京vs横浜F・マリノス@味スタ20180722

2018-07-26 00:02:19 | FC東京

今年何度おなじことを言うかわかりませんけど、ホントに今年の暑さは酷いですね。くれぐれも体調にご注意ください。

ぼくらの日常に青赤が戻ってきます。ハレの日も楽しいけど、普段着のサッカーこそ、ぼくらがぼくら自身を投影できるサッカーなのです。

今週末は小金井阿波踊り。

ホーム再開戦の相手は、前節夢スコを達成して、悩ましかった前半戦の鬱憤を晴らす快勝をみせた好調マリノス。You'll Never Walk Alone♪

夢スコには届かなかったけど、マリノス史上最多失点のオマケもつけてのゴレアーダ勝利です。

東京はターンオーバーです。シフトは今日も4-4-2。GKは拓生。CBはモリゲとマコ。SBは室屋が戻り左は前日誕生日の宏介。CMは拳人とJリーグ200試合出場達成のヨネ。メイヤは右に慶悟左に今日は草民。2トップはディエゴと洋次郎です。

マリノスはポステコグルーさんが帰国されて、ピーター・クラモフスキーさんが代理を務めます。デゲネクが中断期間中に移籍。補充はなく内部解決です。シフトは4-1-4-1。GKは飯倉。CBはボンバーと金井。SBは右にマツケン左に山中。アンカーはタカ。IHは右にキー坊左にあまじゅん。WGは右仲川左に渓太。1トップは翔です。

試合はマリノスのイニシアチブではじまります。ハイプレッシングで東京の重心を下げ、トランジションポイントを有利にします。ひとたび攻撃権を握ると、マリノスの個性的なスタイルが発動します。マツケンと山中がタカと並ぶ位置に絞って3センターを形成します。ボンバーと金井が開き気味にバックアップポジションを取り、飯倉が上がって中央におさまります。これによりあまじゅんとキー坊のスペースメイクの稼働域が広がります。バイタルエリアの高い位置で二次基点ができるので、仲川と渓太がゴールに向かって仕掛けやすくなります。

マリノスの中盤はさらにポジションレスです。タカが上がる場合はかならずバックアップがいて、バランスを保つことを心がけているようです。SBとGKのポジショニングに独自性がありながらも、どことなくネルシーニョさん柏の最後のほうか達磨さん柏の初期のかたちにテイストが似ていると思います。

マリノスが試合を動かしながら、先制点はこれを受ける東京に入ります。

8分。宏介のゴールに向いてやや左寄りのFK。蹴る前から雰囲気がありました。左足で壁の外側をまいてゴール左隅に決まりました。ゴラッソ。東京1-0マリノス。

マリノスの超主体的なサッカーの評価はほかならぬマリノスサポにのみ権利があると思いますので、控えます。対戦相手側の立場としていうと、今日のような結果が毎回保証されるのであれば、このスタイルを常に歓迎します。マリノスには伝統的に守備的、受動的なイメージがありますけど、それをふりほどくための反動的な情動に由来するサッカーなのであれば、マリノスのアイデンティティを再認識する必要があるかなと思います。

主体的な攻撃サッカーがおもしろいかと問われると、かならずしもそうではないと答えるでしょう。サッカーは相手があって成立するスポーツであり、それゆえサッカーのたのしさは両者の関係性のなかで成立するものですから。それでも、圧倒的な彼我の差をおもしろく感じたことがないわけではありません。オシムさんジェフやミシャ浦和、風間さん川崎などなど。残念ながらいまのマリノスには、圧倒的なカリスマ性が欠けています。もちろんこれは簡単に成り立つものではありません。現時点のマリノスには可能性こそすべてということなのでしょう。

東京はマリノスの個性をしっかりと受け止めてます。ようするにスペースメイクの優位性に主眼を置いたサッカーですから、圧倒的なタレントでもなければゾーンを安定させれば対処は案外容易です。東京は先制以降も、守備網を安定して維持し、マリノスの左右の仕掛けを止め続けます。

やがて、東京本来のサッカーが機能しはじめます。序盤は消えていたディエゴにポストがおさまるようになります。そこで東京は、イニシアチブを奪いにかかります。ディエゴに少しばかり強引に中央で仕掛けさせることで、ただでさえ中央過重になりがちなマリノスのサイドをかっこうの狙いところにすることに成功します。これにより東京は重心が上がり、縦に加速するようになります。そして追加点が生まれます。

27分。アタッキングサード右サイドでボールを持ったディエゴが渓太と山中にはさまれながら強引にカットインします。この動きにタカとキー坊が引き寄せられたため、ゴール正面で草民がフリー。草民の右足ショットは、ディエゴに当たってコースが変わります。飯倉が触りますけど、そのまま決まりました。東京2-0マリノス。

理想的な時間帯での得点配分となりました。東京はさらにらしさを強調するようになります。カウンターのキレにこだわった鋭利なサッカーに切り替えます。その裏付けとして、中盤の支配力を増します。試合序盤は控えめにしていたプレスですけど、マリノスのポジション変更パターンを確認すると積極的にトランジションを狙うようになります。ファストブレイクの発動。そして前半のうちにさらに試合を優位な展開に持ち込みます。

45分。自陣でインターセプトしたモリゲが、前が開いたのをみて、そのままするする上がります。これを慶悟がフォロー。モリゲのパスを受けた慶悟がフリーで進撃します。このとき左サイドを草民がスプリントしてました。慶悟がスルー。これに抜け出した草民が追いつきます。一気にペナルティエリアに入ります。寄せる飯倉を左スワーヴでかわした草民は、走りながらシュート。これがコロコロゴールになります。東京3-0マリノス。

絵に描いたような美しいカウンターでした。いい変えると、マリノスの中央のルーズさは致命的でした。前半をはやくも3点リードで終えます。

サッカーは攻守が一体化したスポーツですけど、攻撃と守備でメソッドは異なります。どんなに圧倒的であってもボールポゼッションは100%にはなりません。であれば、常に反撃のリスクは内在し続けます。もしもマリノスの主体的なサッカーを成立させるのであれば、その根拠としての守備メソッド整備は必須だと思います。

東京のカウンタースタイルが確立された状況ですから、後半も早々と前半同様の展開になります。そこでクラモフスキーさんが動きます。キー坊に代えてウーゴを投入します。同時にシフトを4-4-2に変更します。ウーゴは翔と並んでトップ。あまじゅんがCMに下がります。エキセントリックなサッカーからオーソドックススタイルに切り替える選択です。ここからは打ち合いになりますけど、スコアは2-2のイーブンでした。結果的には、このスタイルのほうが現実的だということなのだと思います。

どつきあいのインファイトのオープニングブローを決めたのは、リードしている東京の、やっぱり華麗なファストブレイクでした。

60分。拓生のGKを前線で慶悟が競り、洋次郎が拾います。洋次郎からディエゴを経由してボールを引き継いだ草民がそのままドリブル。アタッキングサードに入ります。金井の寄せでロストしますけど、イーブンボールを洋次郎が拾います。これに山中がつきましたので、右で慶悟がどフリー。洋次郎のパスを受けた慶悟が、ダイレクトで右足を振りぬきました。東京4-0マリノス。

直後にダメ押しゴールが決まります。

64分。宏介の左CK。東京は、ニアに拳人一枚を置いて、主力はファアに固まるパターン。モリゲ、マコ、ディエゴ、洋次郎、草民です。マリノスはハイブリッド。マークはボンバー、タカ、山中、マツケン。つまりこの時点で、すでに東京は数的優位です。マリノスの不思議なシフトでした。東京はニアでマコを跳ばせて囮にし、宏介が飯倉とボンバーを越えるクロスを送ります。そこに大外からモリゲが飛び込みます。これはモリゲの胸に当たってこぼれますけど、そこにいた草民が押し込みますけど、これは渓太に当たります。イーブンボールになったところでさらに押し込んだのはマコでした。マコはJ1初ゴールです。東京5-0マリノス。

これを受け、クラモフスキーさんが動きます。渓太に代えて大津を同じく左メイヤに投入します。テイストを変える程度の意図だと思います。

同時に健太さんも動きます。洋次郎に代えて仕上げのリンスです。シーズン後半戦に向けて、健太さんのゲームマネジメントの方向性を決める重要なキーワードを内在している作戦です。それはファストブレイクの加速装置です。前半もカウンターをベースとするスタイルを維持することを前提とした試合進行でしたけど、スタータースコッド以上の切れ味を持つことはできていませんでした。今日は偶然、永井もオプションスタートでしたから、ファストブレイク加速装置が二枚。これは圧倒的な脅威だと思います。結果的には永井自らの「ゴール」しかなかったけど、後半戦に向け、頼もしいパターンになり得ると思います。

クラモフスキーさんが続けます。金井に代えて山田をCMに投入します。タカがCBに下がります。中盤をよりコントローラブルにするとともに攻撃への寄与を期待した作戦だと思います。そしてようやく反撃がはじまります。

69分。ウーゴがPKを決めます。東京5-1マリノス。

ゴールがいっぱい入って楽しかったけど、どことなく緊張感に欠ける印象になってしまったのは、やっぱりクリーンシートを果たせなかったことでしょう。よく大味な試合の次の試合は難しい試合になったりしますけど、因果関係は不明ながらも、チームのバイオリズムのバランスが狂うということはあるのかもしれません。事実目の前のマリノスがそうですし。次節長崎戦に向けてしっかりトレーニングしてほしいと思います。

健太さんが動きます。ディエゴに代えて永井を同じくトップに投入します。コンディションを考慮しつつ、永井とリンスの二人で仕留める省エネカウンターを狙った作戦だと思います。

マコは、目立ったミスもなく、それ以上に攻撃の起点にもなっていて、CB二戦目ですけど安定感が際立っています。ネガティブに目立つことがなく、いい意味でマコが入っていることを忘れるほどです。それに案外モリゲとの相性が良いのかもしれません。マコに注目して観てると、モリゲと指示の仕草がシンクロナイズドすることが多く、視野や判断が似ているのかもしれません。

最終盤にマリノスらしい人数をかけた攻撃がようやく機能します。

89分。山中からのスルーをペナルティエリアで受けた大津が後ろのウーゴに戻します。ウーゴは拳人、モリゲ、草民を引きつけます。さらにゴール前に翔がいて、マコと室屋がみてます。この時ウーゴの前方で山田がフリーでした。山田は、ウーゴのパスを拳人が触れたボールを拾って、左足でトラップして右足を振りぬきました。山田もJ1初ゴール。東京5-2マリノス。

そして健太さんが〆ます。慶悟に代えて晃太郎を同じく右メイヤに投入します。リフレッシュする意図でしょう。なんだかメイヤのポジション争いが活性化しそうです。草民が結果を残しましたから。このことが、ひとつのわかり易い基準をチーム内に芽生えさせたと思います。そうだとしても健太さんが草民を使わない限り競争は生まれませんから、あらためて慧眼に感服です。

このまま試合終了。東京5-2マリノス。

アウェイ長崎戦以来の、今シーズン二回目のゴレアーダは、全ゴールの得点者が異なる、華やかな試合になりました。陽が陰っても暑気が去らない夜が続きますけど、今夜ばかりは爽やかな気分になれました。宏介とディエゴのシュワッチマコのシュワッチWE ARE TOKYO♪眠らない街♪

これで9試合負け無しが続きます。2位で折り返しを迎えました。ワールドカップですっかり忘れていたけど、例年にない安定した成績に、あらためて期待がわいてきました。いや、忘れてるくらいがちょうどいいのかもしれませんね。

次節はその長崎。ゴレアーダのあとですから、緊張感をもってしっかり闘ってほしいと思います。


祈り

2018-07-24 00:44:12 | 加賀さん

一通のレターが届きました。

モンテディオ山形所属の加賀健一選手がトレーニング中に負傷し、チームドクターによる検査を受けた結果、次のとおり診断されましたのでお知らせいたします。

選手名:
加賀健一選手

診断名:
右膝前十字靭帯断裂 全治6ヶ月

フリエ戦が直前に欠場となり、以来、風の噂で膝の不調を伺ってましたけど、これほどの重傷だとは思いませんでした。今年は、数試合のコンディション調整のためのおやすみをはさみながら、近年になくコンスタントに試合に出てました。欠場するまでは公式戦9試合連続出場。いつの間にか、元気に出場してくれることを当たり前に感じていて、この感覚は2014年以来絶えてなかったことですから、とても幸せな時間でした。

あらためて、加賀さんがプレーする姿が発する魅力は怪我と表裏一体であり、常にリスクがついてまわることを思い知らされました。誤解を恐れずに言えば、それをこそ、ぼくが加賀さんを想い愛しむ理由のひとつ、なのかもしれません。全力でプレーする姿を追いながら、ぼくはいつもなにかを心配し、そのなにかが訪れることを恐れています。

これまでは、怪我があったとしてもただただ純粋に復帰を期待し、待っていました。でも、どうしても年齢のことを気にしないわけにはいきません。でも今回の怪我をして以降の加賀さんの明るいふるまいを目にすると、ぼくの余計な心配は杞憂であり、加賀さんご自身が全快に向け、はやくも始動しているのだなと思います。とにもかくにも、まずはじっくりと時間をかけ、なんの違和感もなくプレーできるように、ゆっくりと治療とリハビリに専念してほしいと思います。

前十字は、加賀さんご自身ははじめてのことだけど、ベテラン選手を含め、多くの挑戦者を目にしてきました。加賀さんも身近に感じていたでしょう。記憶に新しいのは、昨年引退したナオさんです。加賀さんが小平でリハビリしている同じころ、ナオさんも膝と向き合ってました。ナオさんは数多の怪我を経るなかで、スポーツ医学やトレーニングメソッドの知識を獲得されてきました。加賀さんのことですから、きっと転んでもただでは起きない。いろんな知識と実践で多くの貴重な学習をして、さらに大きくなって帰ってきてくれると思います。

そして、来年もまた、山形の地で多くのファンに再会されることを心から願います。

復帰が叶えば、はやくて来シーズンのキャンプ、実際は来シーズンの後半戦以降になると思います。小平で、いつ終わるとしれない長い時間のなかで、黙々とリハビリにはげむ姿を想い出すと胸がしめつけられる想いです。でも加賀さんは、常にネバーギブアップ。ただ前を向いて、自分のペースで一歩一歩進んでくれると思います。

スピードスターの復活を信じて。


半分、青い。ロケ地の旅 ―20180716 千葉・群馬―

2018-07-21 14:49:10 | 連続テレビ小説半分、青い。

連日、酷暑が続きます。体調管理には、くれぐれもご用心なさってください。

今月から新章に入って、ずいぶん雰囲気が変わった半分、青い。漫画家編を振り返るために、三連休を利用してロケ地を巡ります。

まずやってまいりましたのは、群馬。赤城山麓をはしる、わたらせ渓谷鐡道です。

それでは、半分、青い。ロケ地巡りの旅関東編をスタートします。鈴愛が菜生の車でやってきた夏虫駅。

わたらせ渓谷線の沢入駅です。

「ありがとう!」。律が友達と話してたホーム。

「待っとる」。

「うん」。

到着する列車。

「律!」。

からっぽのホーム。

鈴愛が見送った列車。

「ひどい格好…」。

「鈴愛」。

「律…。あ…。こんな格好で…」「久しぶり」。

「うわっ、ブッチャー!」「おう。貴美香先生から聞いてきた」「ああ…。あんた、今日もおしゃれ間違っとるよ」「ほうか?」。

「これ待っとってどうするの?」「ともしび、でも行くんやないの?」「ほうか。ほしたらつきあうか。菜生ちゃん、車洗った方がええよ。窓ガラス曇っとる」「余計なお世話や」「清さんとは、別れた?」「うん。3年くらいしかもたんかったんやない」「そうかあ。そのあとは?」「いや~ 誰もおらんのやないの? 聞いとらん」「ふ~ん…。ブッチャーは、彼女いない歴、生まれた年と同じやろ?」「はい。生き続けるとともに更新し続ける彼女いない歴!」。

次の列車を待つホーム。

「最初はグー、ジャンケンホイ!」「パイナップル」。

「ジャンケンホイ!」「またか」「ヘヘヘッ。パイナップル」「これ面白いの?」「時間つぶし。もうすぐ電車来る」。

「鈴愛。俺就職決まった」。

「うん?」「大阪の菱松電機の中央研究所。そこでロボット作る」「すごい。誰でも知っとる!一流や。おめでとう」。

「ありがとう」「ジャンケンホイ!勝った。チヨコレイ…」。

「レイトで戻る」「えっ、嘘!」「本当」。

「レイト」「あっ…」。

「あ…。短冊が…」。

「まあ、いいよ。もう夢かなったし。鈴愛とも会えたし」。

「律…」。

「鈴愛。結婚しないか?」。

「結婚しないか?。京都に、一緒に行かないか?」。

「ごめん。無理だ」。

「そうだよな。いや、冗談」「あ?」「いや、冗談じゃなくて、本気だったんだけど…。俺と鈴愛はそういうんじゃないもんな。何つうか、おんなじ日に生まれて、兄妹っつうか、ソウルメートっつうか…。ごめん。今のは忘れてくれ」。

「忘れられなかった。そして、そういうんじゃなくなかった。私は、律が好きだった。きっと、多分…絶対に」。

続いて土浦に来ました。

鈴愛が東京に向かうバスに乗ったバスステーションのシーンです。旧土浦市役所。

残念ながら非公開でした。

続いては、こちら。「気持ちいい~!」「最高~!」。鈴愛の引っ越しのトラックが通ってた道。

「空は青~!」「何だそれ?」。千葉ニュータウンです。

「クレヨンで塗ったみたいな青。青~!」。

「♪あなたの事思うとすごく胸があつくなるのいつもはユーウツな雨も~」。

今回のロケ地巡りの旅、最後に訪れますは、海。ふなばし三番瀬海浜公園です。

北側の桟橋です。

「うわ~!」。引っ越しの途中で鈴愛と裕子とボクテが寄った海。

「海だ~!」。

「あっ!」。

「♪それが私のすてきなゆめそれが私のすてきな……」。

「♪ユメ~ユメ~ユメ~」。

苦しくて切なくて悲しくてそして美しかった漫画家編のラストは、短いシーンだったけどとても清々しかったですね。最終盤はどうやら東美濃に戻るみたいです。また岐阜ロケがあるかな。


2018J1リーグ第16節柏レイソルvsFC東京@日立台20180718

2018-07-19 22:51:24 | FC東京

西日本の広範囲に甚大な被害をもたらした豪雨の傷跡は、まだ生々しくメディアを通じて心に飛び込んできます。

被害にあわれた方々がどうか安らかであられますように。そして、被災されたみなさんに一刻もはやく平穏な日々がもどりますように。

ワールドカップの余韻がまだ熱いたぎりとして実感するなか、J1がいよいよ再開です。今夏は格段に気温が高く感じます。身の危険すら感じますから、選手、スタッフ、観戦のみなさんはくれぐれも体調管理にお気をつけください。

東京はまるが名古屋、カズが福岡に移籍。仕上げのリンスと丹羽ちゃんを広島から獲得です。その東京の再開初戦はミッドウィーク。仕事帰りに常磐線に揺られて反対方向に向かい、ここは柏。You'll Never Walk Alone♪

航輔のアクシデントであきらかに流れが変わり、再開初戦をものにしました。

東京はスクランブルでJ再開戦に臨みます。ヒョンス、彰洋、ディエゴ、永井、室屋が不在。シフトは4-4-2。GKは拓生。CBはモリゲとマコ。SBは右に諒也左に宏介。CMは拳人とヨネ。メイヤは右に慶悟左に晃太郎。2トップは洋次郎と敬真です。

柏は編成に重要な変更がありました。監督を下平さんから望さんにスイッチです。さらに中谷も移籍。ニュー望柏のリーグ戦初戦のシフトは4-2-3-1。GKは航輔。CBは次郎とパク・ジョンス。SBは右に小池左に亀川。CMは大谷と萌。WGは右にIJ左にクリスティアーノ。トップ下はキム・ボギョン。 1トップは江坂です。

中断前の東京は、攻撃をディエゴと永井のコンビネーションを基軸としていましたから、両エースの離脱はスタイルの変更を余儀なくされます。幸なことにアジャストの時間は十分にありました。まずはとりたててウィークポイントが見つからないことをポジティブに感じます。お世辞にも攻撃を強く牽引するストロングポイントは見当たりません。いうなれば、チームの成熟度で安定感を獲得している印象です。

いずれにしろ攻撃の成否がポストプレーにかかっていることには変わりません。ここは洋次郎を最前線に上げることで、対処しているようです。敬真が体をはったポスト役を担っていましたけど、むしろ敬真、洋次郎ともスペースに流れたほうが有効な基点を作れていました。このポジションはしばらく苦労しそうですから、実戦を経てそれぞれの役割をアジャストすることになるでしょう。

両メイヤの運動量と攻守の切り替えのはやさは、中断明けも堅実です。酷暑の影響をもっとも受けそうなポジションですし、ポゼッションの成否の鍵を握るキーポイントです。慶悟と晃太郎のクオリティにはあらためて感動ですけど、後半戦はいきなりタイトスケジュールではじまりますから、バックアップも必然的に求められるでしょう。

いちばんの改変はCMです。二枚にしました。新しい総力戦を象徴するポジションだと思います。健太さんはもともとこのコンビで中盤をコントロールする予定だったのだと思いますので、アクシデントとはいえオリジナルの姿を観ているのかもしれません。拳人とヨネの役割はシンメトリーです。ともに広範囲なプレーエリアを誇り、ボールロストの少ない技術とパワーを兼ね備えていて、中盤の支配力は拳人一枚時代と遜色ありません。中断前は守備時に洋次郎が下がることでバランスを取っていました。新しい布陣は逆にCMが上がることで攻撃時の縦への推進力を生み出していると思います。

これまたアクシデントとはいえ、はじめて諒也と宏介という左右の高精度なフリーキッカーを揃えることができました。右の諒也は左に比べてよりアグレッシブに感じます。ダイアゴナルに中央に入るシーンやゴール前に飛び込んでフィニッシュに絡むプレーもありました。あくまでもスクランブルだと思いますけど、違和感はなかったです。結局今日は宏介がすべてFKを担当したけど、ダブルキッカーは楽しみが倍増します。

東京の攻撃モデルはとてもオーソドックスです。サイドアタック基調ですけど、左右のバランスが良く、サイドチェンジが有効なのが特長。中盤中央の支配力を裏付けに、サイドプレイヤーが積極的に攻撃に絡み、ファストブレイクの起点となります。なので攻撃の成否のバロメーターは中盤の支配力。

試合を経過するにつれ、ピッチのそこかしこで目立つようになっていったヨネは、中盤の支配力を裏付ける最重要なキープレイヤーかもしれません。少なくとも守備は獅子奮迅でした。もともと攻撃面はパス、スペースメイクとも課題ですけど、まだその傾向はあります。拳人とともにダブルエースと呼べるようになると心強いです。

試合の序盤は、柏がリトリート気味に入ったことと、柏のバイタルエリアがルーズだったせいもあって、東京が中央深い位置で基点を作ることができていました。これは柏の守備が整いはじめると収まります。変わって東京は、慶悟と晃太郎をサイドにはらせて、数的優位を作りはじめます。フィニッシュはクロス基調です。ただ、柏のゴールには航輔が立ちはだかっていました。

一方、拓生も安定していました。シュートは柏13本東京12本と、比較的オープンに打ち合った印象ですけど、あまり柏にゴールの香りはしませんでした。これは拓生が快調だったことをあらわしているのでしょう。慌てるシーンは皆無で、スクランブルとはいえ試合感は万全だったようです。

注目の望柏は、オーソドックスなスタイルです。酷暑ということもあってか、フォアチェックはせず、守備網を維持するリトリート基調です。これは柏が低い位置から一気に攻撃モードに局面を移せる特質をもっているからこその作戦です。その意味では、望さんは順当な選択をしているような気がします。

柏を特長つけるのはなんといってもクリスティアーノです。近年アタッカーの入れ替えが多い柏ですけど、クリスティアーノが軸であることに変わりはありません。望柏がゼロトップを採用するのは、クリスティアーノをコンダクターとして使うことに重点を置いているからでしょうけど、おそらくセカンドアタックの局面でクリスティアーノをフリーにする意図も含まれていると思います。柏の3トップは流動的です。基本的には江坂とボギョンの縦移動を基軸としますけど、IJとクリスティアーノが前に出ることもあります。このアジリティの高い前線の流動性こそ、柏の攻撃を魅力的にする理由です。

そしてIJ。なんとなく好調時のIJに比べるとキレと迫力にかけているような気がします。暑さのせいなのかモチベーションなのかわかりませんけど、もはや柏唯一無二の絶対的な顔になっていますから、調子を取り戻してほしいと思います。

柏の前線の流動性がスタック気味にみえたのは、柏の問題もあるでしょうけど、やはり健太東京の基盤である、自己犠牲にあふれたタイトな守備の成果だと思います。誤解をおそれずいえば、クリーンに守る柏に対し、東京はファールが多かった印象です。FKの機会も柏が三倍近くです。意志の差というか、それだけ東京が試合に厳しく臨んでいたことを表していると思います。スクランブル登板のマコでしたけど、クリスティアーノや江坂を向こうに回してもパワーとスピードで負けるシーンは皆無でした。諒也と宏介もしかり。東京は実に献身的でパワフルでした。

そんなわけで、前半は互いにやりたいサッカーをみせつつもゴールには至らず、スコアレスのまま終了。

後半頭から望さんが動きます。萌に代えて手塚を同じくCMに投入します。同時に前線の布陣も変更です。ボギョンを左、江坂をトップ下、クリスティアーノを 1トップにそれぞれ回します。手塚投入の意図はよくわからなかったけど、攻撃に関しては、軸を固定する作戦だと思います。流動性のデメリットとして攻撃ルートが定まらないことがありますけど、それを回避したかったのだと思います。

それでも状況は変わらず、暑さゆえの省エネな展開に入っていくかなと思っていたら、望さんの意志に反する方向に試合が動きます。

61分。拓生のスローインから。拓生からのパスを受けたマコは素直に右に展開。この時諒也がとても高い位置を取れていましたので、このまま攻撃スイッチが押されます。前方ライン際に慶悟が流れるのをみた諒也は、慶悟に勢いをつけるロングスルーを送ります。このパス一発で慶悟は亀川を振り切ります。柏のラインが下がり基調になります。慶悟はダイレクトでゴール前に折り返します。敬真が飛び込みますけど、その前ジョンスの足に当たってゴールに吸い込まれました。柏0-1東京。

このゴールシーンで柏にアクシデントが起きます。航輔が負傷し、退場します。代わって桐畑が入ります。航輔は中断前にも頸部から頭部の負傷で脳震盪を起こしていて、今回も状況は違いますけど脳震盪です。とても心配です。将来のある選手ですから、大事ないことを心から願います。

航輔の退場で、あきらかに柏の動きが止まります。動揺というか、心配が先立ってしまうのはやむを得ないでしょう。ここから、ほぼ一方的に東京がイニシアチブを握ります。中盤の支配力が上がり、セカンドボールも東京に入るようになります。

そこで健太さんが動きます。敬真に代えて輝一を同じくトップに投入します。前線をフレッシュにしてスペースメイクをはげしくして、柏の意識を後方に向ける意図だと思います。

さらに健太さんが続けます。洋次郎に代えて草民を右メイヤに投入します。慶悟がトップに回ります。これも前線の運動量を増やす意図でしょう。

一方、望さんも動きます。江坂に代えて中川を同じくトップ下に投入します。クリスティアーノシフトをより鮮明にする意図だと思います。セカンドアタックの機会を確実に拾おうということでしょう。

この作戦の出し合いは健太さんに軍配が上がります。東京はフレッシュな運動量だけでなく、集中力を手に入れました。健太さんが意図していたかはわかりませんけど、作戦変更によって歯車が噛み合うようになってより積極的にチャレンジができるようになったことで、高揚感とともに時間をおうごとに集中が増していったことが傍目にも伝わりました。東京ゴール裏も感じたのかボルテージが上がり、日立台があにはからんや青赤劇場になります。

そこで健太さんが動きます。晃太郎に代えてうっちーを同じく左メイヤに投入します。これもコンディションを考慮したのでしょうけど、シリアスな局面で若手を使う健太さんの覚悟に感服です。

最終盤は柏の逆襲にあいましたけど、慌てるシーンは皆無で、終始安定していました。このまま試合終了。柏0-1東京。

試合内容は、柏の不調と航輔のアクシデントに助けられた印象です。とりもなおさず再開戦で勝ち点3を得ることができてよかったです。それもこれも、チームとしてやるべきことをやったからこその成果でしょう。眠らない街♪

天皇杯の新潟戦を観てなくて、状態があまりよくなかったと聞いていたので不安でした。ましてディエゴが不在でしたから。けして明確なストロングポイントなかったけど、チームの総力でチームの成熟度と可能性を表現できたと思います。

すぐに、8ゴールと、後半戦を好調にスタートしたマリノス戦がやってきます。プレシーズンのテストマッチ以来。今年随一の特異なスタイルのマリノスとの対戦が楽しみです。