ぽちごや

FC東京のディケイドSOCIOです。今シーズンは丹羽ちゃんとともに闘います。

2015J1リーグ2ndステージ第12節FC東京vs松本山雅@味スタ20150926

2015-09-27 15:17:58 | サッカー

好天に恵まれたシルバーウィークも終わりました。明けの2日は試運転にならざるを得ず。皆さまはリハビリはお済みでしょうか?。

ずぅーと雨ばっか降らしてたお天道さんが、「しゃあないな」とばかりにシルバーウィーク期間中はお天気にしてくれましたけど、天邪鬼な今年のお天道さんは、また週末に曇天を呼び込みました。地元小金井公園では、今週末恒例のお月見のつどいを開催していますけど、お月様はどこかにかくれんぼ。

本日はわれらがドロンパのお誕生日です。おめでとうヽ(´ー`)ノ。デサントさんがドロンパ専用のアンブロユニをプレゼントしてくれました。これからはみんなと同じアンブロだね。

ゲーフラを貰って(預かって)喜ぶドロンパ

新ユニを見せびらかすドロンパ

本日はややご近所、今年3試合目の松本山雅戦でございます。前2戦はいずれもアルウィンでしたので、やっとJ1での味スタに来てくれました。新潟がJ1に上がってきた頃を思い出すような、バスを連ねての参陣です。ありがとうございます。

本日のYou'll Never Walk Alone♪

中央線♪

徳永がJ1通算300試合出場を達成しました。おめでとうございます。徳永のシュワッチ

山雅の唯一無比の突貫作戦を凌ぎ切った東京が、ホーム連発の遼一のスミ1を守り切りました。

東京は今日まで秀人がサスペンションで不在です。前節の結果を踏まえ、シフトと布陣の選択に注目していました。ポイントはなんと言っても中盤です。オルタネイティブは、本職のアンカー不在のなかで、3CH+トップ下にこだわるかダブルボランチを採るか。ミステルの選択は3CHでした。シフトは4-3-1-2。そうだろうなとは思いました。GKはブラダ。CBはモリゲとまる。SBは徳永と宏介。注目の3CHは右から拳人、ヨネ、羽生。トップ下は河野。トップは今日の遼一の相棒はサンダサです。

山雅は日曜日と水曜日に公式戦があり、一週間で3試合の強行日程です。残留をかけた緊張感のなか、2ステージ制の煽りを食っているのは、声高に批判する上位チームではなく、むしろ山雅をはじめとするレギュレーションに対して発言する余裕のないチームなんじゃないかと思います。その点でシンパシーを感じます。さらにオビナがサスペンションで不在。最近布陣を固定化していましたけど、さすがにターンオーバーです。シフトは3-3-2-2。GKは村山。3CBは右から酒井、飯田、喜山。ホントに喜山はどこでもできる素晴らしいマルチローラーですね。アンカーは岩間。WBは右にはゆま左に安藤。2シャドウは右に岩上左にこれが加入2試合目のキム・ボギョン。今日の2トップは直輝と塩沢です。

最注目はなんと言ってもヨネのアンカーです。少なくとも今年は、リーグ戦では秀人と梶山しか担っていないアンカーに、たぶん初めてヨネが入ります。今年だけでなく昨年を含めて、ちょっと記憶にありません。想えばミステルが3センターを標榜した時に、我々のなかでアンカーは、当時は梶山が復帰してなかったこともあり、秀人なのかヨネなのか、議論があったことを思い出します。結論的には秀人でした。2013年の春先にアンカーの難しさに苦しんだ秀人でしたけど、梶山が入ったりヒデが入ったりして外からアンカーの役割を見て多くを学んだのでしょう。今や秀人は絶対的なアンカーになりました。

そんな大黒柱が2戦続けて不在というスクランブルの対処は、まずはコンサバティブな答えを見せました。ダブルボランチです。前節の問題を振り返ると、重心を下げたが故に前線との間合いがあいてしまったことでした。その課題をボランチだけに課すのはさすがに極論ですけど、いずれにしろ中盤の編成がコンサバティブだったが故の結果だとは言えると思います。

ミステルの選択は、基本布陣に戻ることでした。となるとアンカーはヨネしかいません。という判断なのだと思います。さて、アンカーヨネをどう使うのか。

試合は、背番号7番に熱視線を注ぐ東京サポの想いを他所に、山雅のラッシュで始まります。

誤解を恐れずに言うと、山雅がJ1で出来ることはおそらく限られていると思います。山雅のチームとしての選択は、もちろん反町さんに完全に委ねられていると思います。そして反町さんの選択は、残留を成すこと。つまり内容はともかく勝ち点を積み重ねることです。プロサッカーの興行はなにしろ勝つこと、ゴールすることがシンプルな集客効果を生みます。ただし長期的に見れば、内容が問われます。なぜならば、客であるサポーターは経験のなかで学習しますから。学習することで欲が生まれますから。我々東京サポが15年間のJ1での生活で、そのことを実感しています。ただ、少なくとも今年に限っては、内容よりも残留ということでしょう。そこで、ここまで28試合の経験のなかで、反町さんと選手が確立してきたのが、2015山雅スタイルなのだと思います。

誰が見ても明らかだと思うのですけど、山雅の寄る辺はセットプレーです。正直に言ってJ1で個で優位性を生み出せる力を持つ選手は極めて限られます。岩上と直輝くらいでしょう。とくに岩上の存在は、山雅がJ1でファイティングポーズを取るために不可欠だと思います。岩上のCK、FKの足元だけでなく、ロングスローも山雅の重要な得点源です。山雅のオープンアタックは、セットプレーを獲得するところから逆算しているのだと思います。

つまり、競る形のシュートで終わるかアタッキングサード深い位置でFK、もしくはスローインを得ることです。そのためには、とにかく手数をかけずに一気にアタッキングサードに入ることが最も合理的な方法です。そこで山雅は、まずは攻撃権を持たないことにはそもそもこのプランを始められませんから、山雅なりのやり方でトランジションします。ハードコンタクトです。おそらくどのチーム選手、スタッフ、サポーターも山雅のコンタクトがJ1最高レベルにハードだと感じているでしょう。同じくハードな守備を信条とする東京、鹿島、鳥栖は、個々の守備技術が高いので、ハードプレスと言っても、チャレンジした本人がボールを奪うことを前提としますから、視覚的に自らを犠牲にする感はありません。山雅のコンタクトは、その場でのトランジションというよりかはイーブンな状態を作ることを目的としているように思います。なのでフォローが不可欠。山雅の真骨頂はここにあります。コンセンサスのなかで全員が連動し続けること。しかも個々の走量が高いので、チーム全体の運動量負荷も非常に高くなります。山雅はそれを90分間続けられるディシプリンを持っていることが、チーム最大のストロングポイントだと思います。7日間で3試合目という状況でも変わらず出来ることは、賞賛に値すると思います。

山雅の基本的な攻撃プランはサイドアタックです。シンプルを旨としますから、中盤が左右の攻撃方向をコントロールすることはなく、ターゲットマンの位置で決まります。塩沢はサイドでポストを担います。酒井もしくは喜山から中盤を省略した長いフィードを塩沢につけます。ポストの成功率は高くないのですけど、イーブンボールに対するアプローチに優位性がある山雅ですから、シャドウのフォローからWBを経由して、アタッキングサードのサイドエリアを目指します。これを基本的にはすべてワンタッチのパス&ゴーでこなします。

フィニッシュパターンは、ほぼクロスからです。ゴール前には塩沢とシャドウが入ります。クロスの供給パターンは左サイドが多様です。右は深い位置なら岩上の仕掛けからのクロス、もしくははゆまのアーリーです。はゆまがバランスを取っている分、山雅の左サイドは誰が入る場合もより攻撃的です。安藤は直輝、ボギュンと絡みながら積極的に攻撃参加します。安藤は仕掛けはあまりなく、シンプルな折り返しをゴール前に送ります。

面白いのは直輝です。直輝は比較的自由を与えられているようです。ポストプレイヤーとの距離感を意識するようでもなく、積極的に1on1を仕掛けます。ターゲットにするのは徳永と宏介。前節のまなと同様、アクセントマンを担います。直輝を見るのはこれで3回目ですけど、見る度に成長していますね。しばらくスターターを外れているので、体のキレが戻りモチベーションも高まっているのかもしれません。徳永と宏介をおいてけぼりに出来るドリブルは魅力的です。まだまだプレーが荒く、とくに守備技術に大いに課題がありますけど、とても面白い存在だと思います。正直、序盤にもっと直輝を使われていたら、もしかすると嫌らしい展開になっていたかもと思います。

東京にとっては、山雅の序盤からのラッシュは織り込み済です。すでに2戦していますし、山雅の闘いかたはシンプルですから、詳しくはわかりませんけど抑えところは心得ていたのでしょう。ある程度クロスを入れられるのは計算の範囲内だったと思います。なので中央を固め、フィニッシュを自由にさせません。

それからセットプレーを狙われることも承知の上だったでしょう。東京のセットプレーの工夫はマンツーマンです。通常東京は、セットプレーの際はゾーンとマンツーマンのハイブリッドですけど、今日は終始マンツーマンでした。山雅はトリッキーなセットプレーを見せますけど、マンツーマンでコバンザメマークすれば、個々の守備技術が山雅の個々の攻撃技術に勝るのですから、合理的な選択だと思います。

当然のことながら押し込まれる形になりますけど、マリノス戦と違って押されている感はなく、どちらかと言うと受けていなしている雰囲気を感じました。これは攻撃プランに依拠すると思います。無理につなごうとせず、シンプルにラインの裏にロングフィードを送ります。遼一を真ん中に置いて、左にサンダサが流れます。今日の前線はトップ下を置く配置でしたけど、河野の使い方はハブではなくセカンドアタッカーです。河野も積極的に右の裏を狙います。

サンダサがあえて酒井にコンタクトを挑むことで、攻める山雅の最終ラインに守備の意識を植え付けます。こうして山雅に攻めさせつつも一発の脅威を与え続けるという構図を作りあげました。山雅のセットプレーを凌いで凌いで、ようやく東京にセットプレーのチャンスが回ってきます。東京には宏介という正統派の飛び道具があります。そして、東京に完全にイニシアチブが渡る先制ゴールが生まれます。

20分。宏介の右CK。東京はお団子を作ります。山雅はオフェンスの際のセットプレーとは違って、オーソドックスなマンツーマンとゾーンのハイブリッドです。モリゲに飯田、遼一に喜山、サンダサに酒井、まるに岩間、拳人に安藤がつきます。もしかしたら今日の山雅の悩みは遼一のマーカーだったかもしれません。サイズのあるサンダサに酒井をつけざるを得ず、遼一のマークは喜山になり、ミスマッチがありました。ストーンははゆまと塩沢。宏介の狙いは、喜山を振り切ってニアに飛び込む遼一でした。これは塩沢がクリアしますけど、このボールが宏介へのリターンのような形になります。さながらCKのやり直し。宏介はルックアップ。セットが崩れてますから、東京も山雅もほとんどの選手がボールを見てます。ただ、飛び込んだ勢いでゴールラインの外にいた遼一だけ、戻りながら山雅の配置を確認して、ギリギリオンサイドになる位置でニアにいた喜山の前に出ます。これを見た宏介は遼一に合わせます。遼一はストライカーの感で、ゴールを確認せず頭を振りました。東京1-0山雅。

1stは宏介とモリゲのホットラインでゴールを重ねてきましたけど、さすがにそれだけだと読まれ易くなります。モリゲにエースをマンマークで当ててくるようになりました。遼一がフィットしたことはセットプレーにも好影響を及ぼしています。モリゲと遼一の2枚看板は、相手はとても守りにくいことでしょう。今ファーストチョイスはむしろ遼一なんじゃないかと思います。

さて、ここからようやく今日の主役、ヨネに役どころが回ってきます。序盤はわかっていても山雅の運動量とスピードの前に受けに回った東京でしたから、アタッキングサードへの侵入を再三許しました。山雅の動きに慣れてくるとまるとモリゲが前に出て基点をつぶせるようになります。今日の東京は、トランジションするとヨネに預けます。アンカーヨネはコンサバティブでした。ヨネはダイナミックに動くイメージがありますけど、別人のように中盤の底に張り付きます。攻撃でも、パスが入ると無理をせず後ろに戻します。最近の秀人はダイナミックかつ積極的ですけど、やはりヨネに同じことをやれというのは酷でしょう。結果的にミニマムなスコアになったこととヨネの使い方は因果があるような気がします。

アンカーヨネを堅実足らしめたのは、やはり羽生です。羽生は常にヨネとの距離感を意識していたようで、ヨネが動くと羽生がヨネのエリアをバックアップしていました。この羽生の役割は秀人が入った時も同じです。それを粛々とスムーズにこなせる羽生がいてくれることは、3CHの確立に大きな影響を与えていると思います。

なので、中盤の躍動感を生み出す役割は、今日は拳人が担います。通常はヨネが担うエネルギッシュな犬追いと攻撃参加が、攻守の連動性が高いことがメリットの3CHを闘えるレベルに押し上げています。拳人が試合に馴染んできたことでそれを維持できるようになりました。何より拳人には、ヨネにはないペナルティエリア内でのシュートという魅力がありますから、試合に出続けると一気に成長する予感がします。

反町さんに取っては先制されることも考慮の内だと思いますけど、正直痛かったでしょう。なにしろ先制した東京は無類の安定感と強さを見せますから。前半はリードのまま終了。

ひと度安定期に入った東京を前に、反町さんには流れを大きく変えるアジャストプランは無かったと思います。もちろん細かい作戦は打っていたと思いますけど、素人目には後半も流れはまったく変わらないように映りました。

これは〆時と見たのでしょう。ミステルが動きます。河野に代えて慶悟を投入します。同時にシフトを4-4-2に変更します。ボランチはヨネと拳人。羽生が右メイヤに周り、左に慶悟が入ります。東京お得意の逃げ切りモードのシフトです。

マリノス戦と違って中盤でトランジションできますから、守ることが目的なのは変わらないにしろ、攻めることで守ることができていました。東京は慶悟にボールを集めます。慶悟は左ライン際、アタッキングサードにかかる定位置に構えます。ダブルボランチになって通常モードに戻ったヨネや宏介から慶悟にパスが出ます。慶悟を基点にしてサンダサ、あるいはオーバーラップする宏介にボールが渡り、山雅の重心を下げさせます。このことで山雅の攻撃スイッチである中盤でのトランジションを機能不全にさせることに成功しました。まさにミステルの勝利の方程式。

直後に反町さんも動きます。安藤に代えて石原を同じく左WBに投入します。クロッサーからドリブラーに代えてリズムを変えようという意図だと思います。

さらにミステルが重ねます。サンダサに代えてバーンズをそのままトップに投入します。慶悟を基点にしたカウンターモードが成立しましたので、慶悟と絡んで最終ラインに向かって縦に仕掛けることを意図したのだと思います。もちろん追加点が取れることが最良ですけど、強引にでも仕掛けられるバーンズを置くことで、山雅に後方の脅威を感じさせ続けることを狙ったのだと思います。案の定、バーンズに対して山雅は、ダブルチーム、トリプルチームでの守備を強いられます。

反町さんが動きます。ボギョンに代えて浩平を右シャドウに投入します。左に岩上が周ります。浩平は加入以来スターターをはっていたようですけど、さすがに連戦は難しいのでしょう。今日はボギョンをフィットさせる狙いもあってか、ここからの試合参加になりました。

ボギョンはまだフィットしきれていないですね。セレッソにいたころの存在感は感じられませんでした。山雅のシャドウに欠けるスキルフルなプレーと運動量、なかでもシュートを期待されているのだと思いますけど、フィジカルのフィットを含め、もう少し時間がかかるかもしれませんね。

最終盤、反町さんが最後のカードを切ります。たぶんタイミングを計っていたと思います。なにしろ長い時間は使えないハイリスクなプランですから。直輝に代えて池元をトップに投入します。同時に飯田を前線に上げます。この作戦の味噌は飯田です。山雅の常套でもあります。塩沢を含めたて3トップでパワープレーに出ます。前提としてボールを持ち続けること。放り込んだボールの跳ね返りを拾い続けてまた放り込みます。およそ華麗とは言い難い作戦ですけど、これこそがなりふり構わず勝ち点をもぎ取るんだという、山雅の想いを凝縮していると思います。

アディショナルタイムにアクシデントが起きます。走り続けていた拳人が左足をつって下がります。このあたりのフィジカル面が、まずは拳人の課題でしょう。ミステルは誰を選択するかなと思っていたら、カズでした。シフトが5-2-1-2に変わります。羽生がボランチに入ります。おそらくカズは、池元のマーカーとして入ったのだと思います。山雅が、池元を軸にダイアゴナルに飯田と塩沢をクロスオーバーさせていたので、モリゲとまるがゾーンで対処します。もしかしたらミステルは、山雅のパワープレーを見越して、当初からカズ投入を考えていたのかもしれませんね。これで山雅の前線に、嵐を呼ぶ基点ができなくなります。パワープレーが威力を失います。

一見山雅が猛攻していたように見えましたけど、こうして東京が完全にオーガナイズしました。山雅の攻撃を受け続けることで、守備陣にもリズムと集中が生まれていたのでしょう。不安感なくこのまま逃げ切りました。東京1-0山雅。

遼一のシュワッチ

序盤の守備、ロングカウンター、先制ゴール、試合の安定化、シフト変更、ショートカウンター、パワープレーへの対処と、試合の始まりから終わりまで、ほぼ完璧にプラン通りに進められたと思います。これぞまさにミステル東京の真骨頂を観た想いがします。1-0というスコアだけが象徴的に取り上げられますけど、少なくともゼロという結果は、いろんな作戦を積み上げるプロセスを踏まえています。今日は序盤のロングカウンターでのサンダサ、シフトを変えてからのバーンズとゴールチャンスはありました。2-0、3-0であってもおかしくはなかったと思います。

秀人不在のスクランブルでしたけど、1勝1分で凌ぎました。あと5戦。年間勝ち点で直接のライバルとなるガンバが気になりますね。今日も勝ったのでぴったり追走されています。経験のあるガンバに対するビハインドはありますけど、ガンバも過密日程を控えています。粘り強く勝ち点を拾い続けて欲しいと思います。


加賀健一選手ルーツを巡る旅 ―20150922 大原―

2015-09-23 21:15:05 | 加賀さん

金木犀が薫り漂う秋の入り口。季節はいつの間にか、冬を越え春を過ぎ夏を経て、また秋が巡ってまいりました。

夏の入り口の札幌に続きまして、加賀さんのルーツを巡る旅を再開します。

加賀さんルーツ旅初めて、今回はルーツというよりかは、加賀さんの現在地を感じる旅でございます。

そう。浦和レッズNo.2。加賀健一選手。今まさに、日々サッカーに向き合っている土地に向います。

秋田天王からはじめた加賀さんの過去を遡る旅は今、時を経て現在と交錯します。

浦和レッズサポさんの加賀さんファンの皆さまには、いつも暖かいお心ざしをいただいております。本当にありがとうございます。

多くのかたから加賀さんの日々の様子をお伝えいただき、あれからもう9ヶ月が経とうというのに、ずっと加賀さんを身近に感じることができています。

レッズサポさんから、レッズは東京と違ってファンサデーが限定されていて、しかも抜き打ちテストのように「いいかぁ、明日ファンサやっからなぁ」という具合にオフィシャルから唐突に告知されることを伺いました。でもだいたいオフ明けのフィジカルトレーニングの日のようで、つまり土曜日をマッチデーと基準すると火曜日です。6月頃にそれを教えていただいて、いつ加賀さんに会いに行こうかなとカレンダーをめくりました。しかも学校が夏休みの期間中は、ファンサは抽選とお聞きしました。平日になかなか大原には行けないこともあって、今日9月22日に行くことを、その頃から決めていました。

というわけで、シルバーウィークのなか日、お天気にも恵まれて、加賀さんに会いにまいります。

レッズトップチームの練習場は、大原サッカー場です。サポーター用の駐車場もありますけどスペースは限られていますので、できるだけ公共交通機関を利用したほうが良いと思います。ところが、最寄り駅からは20分強歩きますし、バス停も結構離れています。普段小平に自転車でぴゃーっと行けるロケーションに住んでいますから、サポーターに苦労を強いるレッズのツンデレを感じました。

今回はお天気もいいので駅から歩くことにしました。そして、ここでもレッズマジックがございます。大原の最寄り駅は、実は二つあります。与野駅とさいたま新都心駅です。サポさんにお伺いしても与野派とさいたま新都心派に分かれるようです。オフィシャルホームページには徒歩は与野駅からのルートしか載ってませんけど、オフィシャルモバイルサイトにはさいたま新都心からのルートも記載されているそうです。なかなかのイリュージョンでございます。せっかくなので両方のルートをご紹介いたします。

好みは意見が分かれると思いますけど、メインルート感はだんぜん与野ルートだと思います。そのこころは、滅多に働かない幻のマスコット、レディアがなんと、広報活動をしているからです。与野から大原への道すがら、レディアが「カモン! 浦和レッズ」とばかりにいざなってくれます。なので、まずは与野ルートから。

JR与野駅の改札です。

東口から出ます。

東口の駅前ロータリーを北に向かいます。

すぐを右に折れ、東に向かいます。ここからしばらく真っ直ぐです。大原へのルートは、与野もさいたま新都心も概ね真っ直ぐで、とても分かりやすいです。

道の両脇にレッズのバナーがあります。

すぐに旧中山道との交差点に出ます。真っ直ぐ県道120号線を進みます。

ずんずん歩いてこちら、産業道路との交差点も真っ直ぐ進みます。今度は県道1号線になります。

道なりに進むと左手にコープみらい上木崎店が見えてきます。その手前を左に入ります。

ここを真っ直ぐ進みます。

住宅街のなかを歩きますのでクネクネしていますけど、自分を信じて道なりに進みます。ここも左カーブを道なりに。

ここも前方方向に。

ここも真っ直ぐ。

やがてこの突き当たりに出ます。ここをようやく右折します。

そしたらすぐに橋が見えます。市川橋です。なんとここでもレディアが働いています。今日は運がいいのかな。レディアがいるのに晴れてるとは、奇跡です。

市川橋を渡ってすぐ左折します。

左手に見沼代用水を見ながら、用水沿いの道を北に真っ直ぐ進みます。

大原中学校の前を通ります。

しばらく歩いたら、ここを右折して下ります。

ここを真っ直ぐ行けば、大原サッカー場の正門に出ます。

大原付近から遠くさいたま新都心を望みます。これだけの距離感があります。

それでは次に、さいたま新都心ルートです。

こちらも東口に向かいます。

このエスカレーターを下ります。

地上に降りましたら右に向かいます。

ちなみに申しますと、このルートはレッズをイメージするものは一切ございません。なぜならばここは大宮区だから。

旧中山道を南に少し歩くとコクーンを過ぎた大きな交差点に出ます。南側の横断歩道を渡ります。

地下に首都高埼玉新都心線が走ってるこの道を、ひたすら東に向かいます。

産業道路との大きな交差点に出ます。ここも真っ直ぐ進みます。

首都高が地表に出てくるこの辺りで、首都高沿いの脇道に入ります。

真っ直ぐ進むと橋が見えます。橋を渡ってすぐ右折します。

与野ルートとは逆で、今度は右手に見沼代用水を見ながら、用水沿いの道を南に真っ直ぐ進みます。

しばらく歩くと見えてまいります。大原サッカー場です。

与野ルートもさいたま新都心ルートも、健常なかただと20分強くらいの所要時間です。オフィシャルの通り、幾分さいたま新都心ルートのほうが短いような気がします。

レッズファミリーが集う場所。

練習開始時刻の掲示がありました。

この壁の向こうに。

練習場がございます。天然芝2面人工芝のフットサルコートが1面。練習場の風景

小平を見慣れているせいか、とてもコンパクトに感じました。小平には、クラブハウスとグランドの間にお庭とプールと室内トレーニング施設と見学ゾーンがありますからね。今日はファンサデーということで、コンパクトな見学エリアにサポーターがいっぱい詰めかけていました。

実は翌日も大原にお邪魔しました。前日ほどではなかったですけど、連休最終日ということもあってサポーターはやっぱり多かったです。

クラブハウス2階のサポーターズカフェです。

真夏はここでファンサするようです。

2015シーズンの新加入選手。

レッズはほぼ時間通りに練習がはじまるようですね。小平はミーティングがすごい長いので、これも新鮮です。選手が続々とグランドに姿を見せ、練習がはじまりました。

先日、偶然さいスタで加賀さんに会うことができましたけど、トレーニングしている加賀さんを観るのはほぼ10か月ぶりです。

自分のなかでは時間があの頃から止まっています。だから、みんなと一緒にトレーニングしている姿を観られるだけでも、本当に嬉しいんです。

もちろん、ちゃんとプレーしている記憶もあるのですけど、足と相談しながら、ただ黙々とリハビリに取り組んでいた姿が目に焼き付いていますから、どこも気にする様子もなく元気にメニューをこなせている姿を観て、本当に安心しました。

痩せるてるときはそれとわかるほど顔とシルエットに出ますけど、今はベストなんじゃないかな。

印象的だったのは、いつもニコニコしてて笑顔で溢れていたことです。もちろん小平でも元気なときは、とくにフィジカル系のトレーニングの日はニコニコ笑ってましたけど、ここ大原ではもっとリラックスしているように感じました。常に周りとコミュニケーションを取っていて、本当に笑顔が絶えません。

きっと、とっても居心地がいいんだろうなと思います。大原は、空間がコンパクトなせいか、選手とスタッフとサポーターの距離が近くて、さながらファミリーのような親密な空気が流れています。クラブとサポーターが培ってきた歴史に、フレンドリーな人柄のミシャが加わり、さらに勇樹さんや那須さんや槙野さんのような求心力のある選手が交わったことで、今の雰囲気が作られてきたのでしょう。加賀さんはその輪のなかに身をまかせ、とても自然体でリラックスした様子が伝わってきました。

外見はクールなんだけど、チームのなかでは実はイジリ役のムードメーカーな加賀さんが、既にチーム内のキャラのキャスティングが決まっているレッズに入って、とくに槙野さんとキャラが被ることを心配していたのですけど、ぜんぜん杞憂でした。むしろ一番仲良しそうなくらいでした。面識のある忠成や那須さんはもちろんのこと、観てた限りですけど、周作さん、慎三さん、お寿司ムトゥさん、わたる、みっちゃん、青木さんとも楽しそうに話していました。加賀さんと言えば「ガイジン」。外国人選手との垣根がとっても低いことが特長のひとつですけど、やっぱりズィライオさんとも仲良さそうでした。森脇さんとは何かプレーのことなのかフィジカルのことなのか、真剣に話し込んでいました。それから、たぶん今、レッズで一番苦しんでいる石原さんとも真剣に話していました。リハビリのアドバイスかな?。いろんなことを経験した加賀さんは、もともとの素養をパワーアップして、さりげなく周囲に気を配れるかたになっているようです。これは磐田時代からのようですけど、若手選手の面倒見もいいそうです。レッズサポさんから教えていただいていたのですけど、自分の目で確かめて、あらためてレッズのなかで加賀さんにしかできない立ち位置に溶け込んでいることがわかって安心しました。

レッズサポさんが人多すぎって言ってたくらいですから、休日の今日のファンサはよほど凄かったようですね。

ファンサデーに来たんですけど、ファンサを受けるつもりはありませんでした。この日にしたのは、フィジカルトレーニングの日ならリラックスしている様子を観られると思ったからです。ぼくは、明子姉ちゃんスタイルですから。

それでもサッカーをしている加賀さんを観たくて、二日続けて大原に来ました。

試合出場はACL第6節のブリスベン・ロアー戦以来以来ありません。リーグではメンバー入りしても出場機会は3試合いずれも短時間。プロサッカー選手としての表現の機会を得られず、とても苦しい5か月間だったと思います。残念ながらこれからも出場機会は限られると思います。もしかしたら今年はもうチャンスが無いかもしれません。

それでも、内には口惜しさと闘争心を秘めていると思いますけど、明るく元気にそして真摯にサッカーに取り組んでいるんだろうなと、いつもと変わらぬ美しいランニングフォームを観ながら想いました。

記録だけ見るとしんどいけど、加賀さんの日常に触れることができてちょっと安心しました。試合ごとに一喜一憂してるけど、それでもずっと、ずっとずっとチャンスを期待して待っています。そんな風に想いながら、秋の高い空を見上げながら大原をあとにしました。

そしてふたたび、加賀さんルーツ旅は過去に戻ります。その日まで。


まれロケ地の旅 ―20150920 横浜③―

2015-09-23 00:21:18 | 連続テレビ小説まれ

いよいよまれはラストウィークですね。ようやく徹さんも戻ってきました。そして自分のまれのロケ地巡りもこれで最後です。

横浜編ラストはこちらから。鶴見です。

京急鶴見駅のほうが幾分近いのですけど、今日はJRから。JR鶴見駅の東口を出まして、ロータリーをまっすぐ京急のほうに進みます。

ここを左に入ります。

 

ここを道なりに右に曲がります。

向かって右手の歩道です。

それでは、いよいよまれロケ地巡りファイナルスタートです。能登から横浜に出てきた希ちゃんが大荷物をかかえて辿りついた、想い出の誕生日のケーキ屋さん。パティスリーラプラスさんです。

「ここやあ」。

「はああ。うまそうやぁ」。

「ごめんね。待しちゃって」「いえ、すみません。お忙しい時間に」「いや」。

「津村希です! よろしくお願いします!」。

「びっくりしたよ。本当に来るとは思わなかった。どうぞ。うちで修業したいって、全国から問い合わせあるけど、あさってまでに来いって言って、本当に来るやつ少ないから。何だっけ? うちのケーキ、随分前に食べてくれたんだって?」「はい! あの、そうなんです! その味が忘れられんさけ、どうしてもここで修業したくて」「うち、厳しいよ?」。

「ほしたら…入れてもらえるんですか?」「よろしくね、津村さん」「ああ~! はい! ありがとうございます!」。

「どうぞ」「あっ、これ、うちの新作。評判いいんだ。食べて」「えっ、いいんですか?」「うん」「頂きます!」「どうぞどうぞ」「ん?」。

太鳳ちゃんもフランボワーズ食べてます。

なんと、このシーンの台本が置いてありました。実はあの誕生日のケーキは、大悟さんがここにお店を開いてた時のケーキだったのですね。

この後、希ちゃんはケーキ屋さん巡りをしますけど、順番に。
中区元町2丁目の霧笛楼さん。
中区初音町1丁目のストラスブルジョワさん。
中区山手町の山手111番館さん。
中区元町5丁目の横濱元町洋菓子研究所さん。
中区伊勢佐木町5丁目の洋菓子浜志まんさんです。

次にやってまいりましたのは、横浜で一番大きな公園、みなとみらいの臨港パークです。

「高志! びっくりした~。ごめんえ。心配かけてもうて。最初の試練や、泥棒疑惑や」。高志が希ちゃんを励ましていた公園。

「やっぱし都会はせちがらいわいね」。

「高志は、うまい事いっとるが? バンド」。

「ほの顔、楽しいげんね。みのりじゃなくても伝わるわ。みんな、元気かね?」。

「あん? 何け? どこ行くが?」。

「俺じゃ…ないげんろ?」「えっ?」「何となく、分かるさけ」「ごめん! 希ちゃんすごい喜んでるし、何か言いそびれちゃって」。美南ちゃんと高志が歩いてた公園。

「俺も、おるげんよ」「えっ? 好きな人?」「かなわん相手やけど」。

「そうなんだ…。ありがとう。たくさんしゃべってくれて。能登の人は、村全体が家族みたいだって、お兄ちゃん言ってたの、本当だね。いいふるさとだね」。

続いては、みなとみらい線でひと駅の、日本大通りです。

目指しますは、象の鼻パーク。いよいよあのかたが登場するロケ地です。

「ねえ」「しもた。防犯グッズ…」「キスしたよね? 俺たち。なまり聞いて思い出したよ。ごめんね。俺、なまりに弱くてさ。幼稚園の時の初恋の先生がなまっててさ。すげえかわいくて」「うちはもう忘れましたさけ。大丈夫です」。クリスマスケーキのルセット泥棒疑惑をかけられた希ちゃんが、ばったり大輔さんと出会った高架下。山下臨港線プロムナード高架下です。

「田舎どこなの?」「あん?」「さっき電話してたでしょ。北陸っぽかったけど。富山? 福井? 新潟?」。

「石川です。能登です。何で出てこんがいね!」「能登! へえ~久しぶりに聞いた。能登って地名」「どういう意味やいね?」。

「いいとこそうじゃん、能登って。何でこっち来たの?」「あん?」「いい所なんでしょ? 能登。励ましてもらってたんでしょ? さっきみんなで」「ほうやけど…」。

「分かんないんだよね、俺。せっかくいいとこ住んでんのに、何でみんな都会に出たがんだろうね?」「うちはケーキの修業に来てんわいね」「あ~もっと分かんないわ。そういうの」。

「何がいね?」「ケーキ屋の修業なんて悲惨だよ。早朝から夜中までの立ちっ放しの肉体労働でしょ? 体壊して辞めてく子だっていっぱいいるしさ」「ほんなん覚悟の上や」「ケーキのアイデア盗んだとか盗まれたとか、そんな世界、俺なら嫌だね。みんなさ、何かしなきゃって思い過ぎなんだよ。人生さ、ゆっくりゆったり、毎日を楽しんで生きた方が幸せじゃない?」。

「もしかして、あんた、だめんずけ?」「えっ?」「駄目な人間ほど働かん言い訳や上手ねん。ほんなん聞いとる暇ないわいね!」。

「悪くないね。なまりで怒られんの」。

「あれ? 何してんの? こんな夜中に」「ほっちこそ」。

「俺は夜釣り。寒くて帰ってきちゃったよ」「はあ~ぬるいわいね。何から何まで」。

「で、何してるの? 君は」「クリスマスケーキのルセット。うまいケーキ考えつかんげ」「うまいケーキなんてもうたくさんあるじゃん。何でわざわざ君が作るの?」「禅問答しとる気分じゃないわいね」「真面目に聞いてるのに」。

「あっ! ちょ…何見とるがいね!」「「一子のシュークリーム」?」「ほれは一子っちゅう友達や、スカウトされたお祝いの…」。

「「お母さんのキャロットケーキ」。」「お母さんの結婚20周年や…」。

「あっ、これすごい! 「魔女姫ケーキ」。」「ほれは、東京でお父さんや誕生日に…。ちゅうか、返さんかいね!」。

「東京?」「出身は東京ねん。小学校の時、能登に夜逃げして」「夜逃げ? さらっとハードな事言うね」。

「もう帰るさけ」「能登の暮らしで生まれたんだね。君の作るケーキは全部。寒いね。もう帰ろう。ん?」。

「…ほれかもしれん」。

「どれ? どれ? どれ?」。

象の鼻パークの南続き。山下公園との間にあります、横浜港大さん橋です。

「第2のふるさと、横浜に別れを告げて、希は歩き出しました」。能登に帰る希ちゃんが泣きながら歩いてたさん橋。

「家族が待つ、能登へ」。

大さん橋から、これまた南続きに歩きますと、山下公園です。

「もういっぺん、横浜に行く。修業さしてくれって頼むわ」。横浜に戻ってきた希ちゃんが例によって大荷物で歩いてた公園。

「シェフ…能登で覚悟を決めました。もういっぺんテストをして下さい。よろしくお願いします!」。

「ありがとね。よし!」。

「ごめんね! 早く言わなきゃって思ってたんだけど。やっぱりちょっと恥ずかしくて。あっ、高志にも謝っておいたからね」「待って待って! いっぺん待って!」。

「ん?」「大輔さんは、お兄さんやよね?」「でも本当の兄妹じゃないよ」「ほれはほうやけど…」「子供の頃からずっと大好きだったんだよね。再婚してもお母さんは忙しくて、寂しがってた私といつも遊んでくれてた。これもね、中国の旧暦のお正月に、中華街のお祭りで買ってもらったの。ここに住んでるのに、それまでいっぺんも行った事なかったんだよ。まあ、お母さんも忙しかったから」。

「ほれは…兄として好きなんとは違うがけ?」「それは自分でも考えた。でも違うの。お兄ちゃんって呼んでるけど、心ん中じゃもう、大輔さんだし」「え~! 見る目なくないけ? まともに働きもせん、だめんずやがに」「ああ見えて優秀なんだよ。司法書士の仕事してるし」「し…司法書士!?」「今は友だちの事務所で、働きたい時だけ働いてるの。フルで働いてくれって言われてるらしいんだけど、それは嫌なんだって」「ほれはほれで何か、まんで腹立つわ」。

「ケーキに人生懸けるお父さんも好きだけど、仕事より大事なものがあるって言い切るお兄ちゃんも、かっこいい。一緒にいたら楽しい人生送れそう~! 久しぶりにスーツ姿のお兄ちゃん見ると、新鮮でドキっとするし!あ~! 本当の気持ち、初めて人に言った! 私、お兄ちゃんにチョコ渡してちゃんと言う。結婚を前提に付き合って下さいって、言ってみる!」「結婚!?」。

山下公園からさらに南に向かいます。途中、ナポリタン発祥地で有名なホテルニューグランドがあります。

結婚式がおありだったようで、綺麗なウェディングドレスを拝見することができました。

中村川を渡ったところの公園です。象の鼻パークから歩きづめでかなりキツいところに、この階段(^^ゞ。

登りきりますとご存知、港の見える丘公園です。

「希、よかったな! ん? 何? 断った!?」「昔の方やうまかってんよ。いや、今も普通にうまいげんけど、感動やないっちゅうか…」「そういうもんなの! おいしく感じるの、昔の方が!」「ほうやとしても、目指しとる味と違うげさけ」。そりゃあそうですよね。お店が変わってるんだから。

「お前そんな事言ったって。その店を目指して上京したんだから!」「ほんならいっぺん帰ってきなさい」。

「なんも。このまま探すわ」「あん?」「片っ端から食べて歩いて、理想の味をちゃ探すさけ!」「待ってなさい。今からそこ行くから」「もう、お金もったいないさけ、もう切るよ。店決まったら連絡するさけ」「希! もしもし!」「やるさけね~! よし!」。

「2003年1月末。ようやく大悟の許しが出て、希は正式に、パティシエとして、働く事になりました」。

「とにもかくにも、希はパティシエとしての第一歩を踏み出しました」。

「希たちの恋が、修業が、これからどんなふうに花開いていくのか」「大輔の「おはよう」に、とうとう右脳を動かされた希に、どんな運命が待ち受けているのか。彼らの人生は、まだまだ始まったばかり。どうかゆっくりと、お楽しみいただければ、幸いでございます」。

「寒いね。待った?」「お…お呼び立てして、申し訳ありません」「いいけど、何で敬語なの?」。

「本日は…せんだってより、お申し出頂いております、件につきまして、お返事をと、思いまして…」「はい」「私の右脳が、動いた気が致します」「えっ?」。

「バレンタインデーの翌日、厨房でのあなた様の、「おはよう」と、高級フレンチでの、か…「かわいいね」が、頭から、離れません。うち…」「ゆっくりでいいよ」「うん」。

「どうせ俺、夏までいないから」「ん?」。

「パプアニューギニアっていうところで、日本人相手の民宿があるんだけどね。手伝ってくれって頼まれちゃって」「はあ!?」。

「帰ってきたら、返事聞かせて」「とことん、自由な人生やね」「一緒に来る?」「待っとるわ。夏まで」。

「希ちゃ~ん! ごめんね」「もう!」。

「そして、2年半後」。

「美南ちゃんの卒業祝、選んでくれって言うから時間作ったのに」「ごめん。漫画読んでたらやめらんなくなっちゃった」。

「大輔は相変わらず、友人として、希のそばにいるようでございますが。希は、圭太との約束を守り、ひたすら修業に没頭。今や、中堅パティシエに成長しております」「互いに、一人前になるまで会わないと、誓いを立てた日から、2年半。約束の日まで、あとわずかです」。

「どんなパティシエになるのか、いつか、決める時が来る。よし!」。

「ごめん…できんくなってしもうて、家探し。おばちゃんね、昔この町に住んどってん。この町で徹さんに会うて…。この町で結婚して。徹さんの仕事の都合で、希が生まれる前に東京に引っ越してんけど。やっぱし横浜っちゃ、特別な町ねん。もういっぺん家族で暮らせるって思うとってんけどね。間違うとったんかね、3年前の私」。

「ま…希が…」「あん?」。

「悩んどった時…藍子さんに、言われたって。「間違うたら、やり直せば、いい。お母さん、いぃつも、ついとるさけ」って。ほんなふうに、言える、藍子さんは、素敵やと、思うた。藍子さんも、やり直せば、いいさけ。ぜってえに、大丈夫やさけ」。

「また戻ってこられるよね」「うん」「そうだな…」。

「はい!」「えっ?」「はい!」「はい」。

「ふんばるぞ!」「お~!」。

「こうして、徹の約束の3年間は終わり、藍子と共に、外浦村へと、帰っていったのでございます」。

これにてまれロケ地巡りおしまいです。朝ドラは、出会ったことのない土地に招いてくれるとても貴重な機会です。まれからも能登を訪れるプレゼントをいただきました。まれのキャストとスタッフのみなさん、一年間本当におつかれさまでした。能登は本当に清廉な空気が流れる素敵な場所でした。また訪ねたいと思います。ありがとうございました。


まれロケ地の旅 ―20150919 横浜②―

2015-09-21 20:55:59 | 連続テレビ小説まれ

シルバーウィークでございます。お天気も良いようで、旅心にひかれるかたも多し。皆さまいかがお過ごしでしょうか?。

いよいよまれも、最終週を迎えます。お盆休みに能登のロケ地を巡りました。まれロケ地巡りファイナルは、ちょっとプレイバックpart2しまして、マリノス戦とからめて横浜編を巡ります。

元町・中華街駅の元町口を出まして、首都高狩場線下の中村川を西へ、石川町のほうに向かいます。

右手川向こうに中華街の門、淡いブルーの欄干の橋が見えましたら。それではまれロケ地巡りファイナル、いよいよスタートです。

「お腹いっぱい」。能登から横浜についた希ちゃんが渡ろうとしてた橋。前田橋です。

「もうダメや」。

希ちゃんが食いだおれてた橋の上。

「今高志、横浜でバイトしとるんげん。希ちゃんのこと話たら、いつでも中華街に来てくれって」。

「すいません。あの。ここ、どこかわかりますか?」「ここまっすぐ行って」。希ちゃんがマ・シェリ・シュ・シュの場所を訪ねてた橋。

希ちゃんが信号待ちしてる大悟を見つけた橋。

元町ショッピングストリートに出まして、ちょっと東に戻ります。キタムラK2元町本店を右手に見るこちらを南に向います。

そのまままっすぐ坂を上がります。

ここを右。

ここを左。

見えてまいりましたこの階段を上がります。

希ちゃんがマ・シェリ・シュ・シュに向かって走ってた階段。希ちゃんの通勤路。元町公園の額坂です。

「一週間は伸びたわね。営業開始」。希ちゃんが大悟を追って下ってた階段。

希ちゃんが大悟を探してた階段。

「希少価値のある、マダガスカル産クリオロ種の、カカオ分68%のショコラをふんだんに使用」「希少価値のある、マダガスカル産クリオロ種の、カカオ分68%のショコラをふんだんに使用」。

「うわっ」。希ちゃんがクリスマスケーキの準備の真っ最中のマ・シェリ・シュ・シュに向かっている途中、パンを食べながらこけた階段。

「そしていよいよ、テレビ対決の日がやってまいりました」。

「2003年1月末。ようやく大悟の許しが出て、希は正式に、パティシエとして、働く事になりました」。

希ちゃんがマ・シェリ・シュ・シュに向かって走ってた公園。元町公園です。

横浜元町ショッピングストリートに戻ります。「お。かかか、かっこいい」「おうおうおう」。合コンのための希ちゃんのお洋服を買うために、美南ちゃんが希ちゃんを連れてきた商店街。トミーヒルフィガーの前のベンチです。

「綺麗やねー。宝石箱やー」。

美南ちゃんが希ちゃんを連れてきてたジュエリー店。ヤマト宝飾さんです。

中華街に向かいます。美南ちゃんがお詣りしていた廟。横浜媽祖廟です。

「能登の…」「しゃべった! あっ、ごめん、続けて」。

「あの…希も、変やったし、能登の友達から、電話やあって」。

「落ち着いて聞いてや。誰かは知らんげけど、高志の近くに、高志のことをっちゃ好きでおってくれる子やおるげ。人に理解してもらいづらい高志にとって、これは、大きなチャンスや! しっかり心の準備をちゃして、逃げんと、いいがに考えな駄目ねんよ! うん」。

「おはよう」「うち…」「何やってんの?」。

「おはようございます」。

美南ちゃんと希ちゃんと高志が朝の太極拳をやっていた廟。

希ちゃんが歩いてた聘珍樓の前。

本日のロケ地巡り最後はこちら。「天中殺」。横浜中華街の市場通りです。

希ちゃんが天中殺がある場所を見つけた路地。

「見つかりました。こういうケーキをっちゃ、探しとったんです」。

「ちょっと待ってください。米田さんの娘さん、シンガポールに行ってしまうんです。今日と明日だけお父さんと過ごせるんです」。

「最後の想い出のために、シャポー・アン・コトン、作ってもらえませんか?」「わかった。作ればいいんだろ」「は?。ほんとけ。よかったー。ありがとうございます。は?」「あー」。

「なんだ」「聞こえんしゃべれ」。

「希。ブシュライジ(のように聞こえます^^ゞ)」「日本語だ」「希は、クズじゃありません」「普通の声もいいな、お前」。

「粘りつくような…粘りつくような…。芯を作る。芯を作る。芯を作る」「シェフ…。んっ!?」 「まだいたのか」「何でそうやって…。もういっぺん作ってきました。最初に作った、横浜ロールケーキ。食べて下さい。私、絶対に…もう一度、パティシエになります」「……まずい」。

「おい」「バカ! 違う! 持ってけ」「いや…でも、これはいつもシェフが…」「お前が持ってろ。これで、いつか世界一のケーキを作れ。俺が食いに行ってやる」「ありがとうございました!」。

本日のロケ地はおしまいです。明日はベイエリアに向かいます。


2015J1リーグ2ndステージ第11節横浜F・マリノスvsFC東京@日スタ20150919

2015-09-21 14:26:27 | サッカー

初秋のみなと横浜はとっても華やかな装いで満開です。

横浜には、単なる西洋ではなくもちろん西洋化でもなく、さりとて古来の和でもない、さらには中華を交えた、ドライでクールなんだけど、どこか退廃的な気だるさを持ち合わす、ゴシックのグラマラスとバウハウスの機能美が薫る、横浜にしかない風情がはっきりと漂っています。ようするに文明開化そのまんま。カオスをおおらかに吸収したスタイリッシュ。東京を間近にしながらも、東京に染まらずアイデンティティを主張し続けられる不思議さが、横浜にはあります。

まれのロケ地巡りで訪れた元町ショッピングストリートは、横浜元町チャーミングセール真っ最中で、すっごい賑わってました。みなとみらい線横浜駅で、CKBの横山剣さんがメインキャラクターをつとめるチャーミングセールのポスターを観て、イイネ!って思っていましたら、元町につきますと。

街中が剣さんだらけw。BGMも当然CKBです。

街をぶらぶらしてましたら、時折オリジナルバージョンと違うポスターがあって、なんだろうと思っていました。そんなお店の一つの前でしげしげとポスターを観ていましたら。
「良いでしょ?、それ」。そのお店のご主人がたまたま店頭にいらっしゃいまして、声をかけてくれました。
「良いですねー。見とれちゃいます」
「スペシャルバージョンなんですよ」
「そうなんですか!。さっきから気になっていて」
「そうでしょ?。ウチとあと何軒か、ほんの一部だけなんですけどね、スペシャルバージョンになってます」
「なんでこちらだけスペシャルバージョンなんです?」
「それはですね。プロダクションを通じて横山剣さんにお願いしたんですよ。剣さんってほら、とっても気さくでしょ?」
「(でしょ?って言われても会ったことないんですけど^^ゞ)ですねー」
「快く『あ、いいですよ、やりましょう』って言ってくれたんです」
「そうだったんですねー。剣さんのコメントがひとつ一つかっこよくって、全部探さずにはいられなくなっちゃったんです」
「そうですか。ぜひ探してみてください」。

というわけで、横浜元町チャーミングセール横山剣ポスタースペシャルバージョンを一挙公開。まずはPOMPADOURさん。

近沢レース店さん。

FUKUZOさん。

OZAWAさん。

CHARMYさん。

TRECENTIさん。

CKB充ができたところで、中区を後にしまして、本題に戻ります(^^ゞ。本日は6戦無敗vs5戦無敗の対決。横浜F・マリノス戦でございます。

本日のYou'll Never Walk Alone♪

中学生Rising Sun Project 夢の課外授業SPECIAL 2015

選手入場前のキャンドルサービス

抗いを試みるも、ほぼマリノスにイニシアチブを握られた状態で、ドローやむなしと思っていたら、特別指定選手のJリーグ初出場初ゴールに屈してしまいました。

東京はここのところの好調を支える秀人がサスペンションで不在です。3CHが完成の域に到達しているところですから、秀人不在の影響ははかり知れませんけど、バックアッパーを含めたチームの総合力を問われる試合になりました。ミステルのシフトのチョイスは4-4-2。結果的に、この選択が今日の流れを決定付けることになります。GKはブラダ。CBはモリゲとまる。SBは徳永と宏介。ボランチはヨネとヒデ。メイヤは右に拳人左に慶悟。2トップは遼一とバーンズです。

マリノスは5試合負け無しの好調をキープしています。主力の怪我による不在を乗り越え、いつの間にかチームが固まってきた印象です。エリクさんが辿りついたシフトは4-2-3-1。GKは飯倉。CBはボンバーとファビオ。SBは右にパンゾー左に下平。ボランチは喜田と三門。WGは右にアデミウソン左にまな。トップ下は俊輔。1トップは翔です。

1stでのマリノスとの対戦は、たしかアデミウソンが合流した初戦だったと思います。あの頃はまだ俊輔が不在でした。俊輔が復帰してからのマリノスを観ていませんけど、アデミウソンとのバランスに苦労しているように伝わりました。8月になって、4連勝を含む5戦無敗。12得点2失点。圧巻は浦和戦のゴレアーダでしょう。連携が整った俊輔とアデミウソンの絡みを観ることが楽しみでした。

マリノスは東京と試合の基本プランが真逆ですけど、チームを形作るベースの発想はとても良く似ています。非常にコレクティブなチームです。去年の今頃の東京を想えば、そう言えば夏頃にチームの方向性が定まりました。エリクさんは1年目にも関わらず、ここまで組織を作りあげることができたのですから、とても素晴らしいことだと思います。ミステル東京初年度の今頃と違うのは、攻撃もコレクティブネスが確立されていることにあります。恐らくその違いは、軸としたエースがFWなのかMFなのかに寄ると思います。マリノスのエースは、言わずもがな。

マリノスの攻撃の特長は、極めて高い流動性にあります。前線は、翔だけが頂点で動かず、翔を軸にして俊輔、まな、アデミウソンが常にポジションを入れ替えています。この高い流動性を実現たらしめている、あるいは流動性を攻撃プランの基軸にしている理由は、やはり俊輔の存在にあると思います。そもそもマリノスは、エリクさん就任以前から俊輔に依存したチームでした。エリクさんは俊輔が復帰する前に俊輔をどうみていたのか分かりませんけど、アデミウソンのクオリティを持ちながらも、結果的には俊輔を中心に据えたチーム作りが最も合理的と判断したのだと思います。もしエリクさんが選手に合わせてコンセプトを柔軟に変えられるかたなのだとしたら、マリノスはとても良い選択をしたと思います。

マリノスの流動性は、とてもダイナミックです。単に前線の3人だけが流動的なのでなく、チーム全体でポジションを移します。ただ、そこにはルールがあるように見えました。フランス人っぽくない印象を受けますけど、考えてみれば成功したフランス人監督は、ディシプリンを重んずるかたが多いような気もしますね。この合理性が、マリノスをして早期にチームを組成し得た最大の要因なのではないかと思います。日本人にも合っていますし。ちょっと逸れますけど、反して東京は、少なくとも攻撃に関しては選手のイマジネーションを重視することがコンセプトですので、この点ではミステルとエリクさんは対照的で、とても面白いですね。

先にも言いましたけど、翔は動きません。足が遅い故ではなく、作戦として動きません。もう一人、ファビオも基本的に動きません。この前後の頂点を支点にして、網を様々な形に変えます。ただし、動きかたにはルールがあります。左右のSBは基本的にライン際の幅からなかには入りません。上下動のみ。SBの動きはシンメトリーではありません。ここは面白いです。下平が上がる場合は三門が下がってバックアップします。この時三門は左CBの位置に入ります。ファビオが右にズレます。なのでボンバーが右SBのようになります。こうしてパンゾーを押上げます。SBの攻撃参加は、必ずしも振り子ではなく、ここぞという時には、パンゾーも下平も上がっていることがあります。場合によっては三門も攻撃参加していて、後方に喜田、ファビオ、ボンバーしかいないシーンもあります。これは、ポゼッションし続けられるという、技術的に裏打ちされた自信の上に成り立っている作戦だと思います。

ミステル東京とエリクマリノスの最大の違いは、攻撃のコンセプトにあります。エリクマリノスは、極端なほどポゼッションスタイルです。本来エリクさんが志向するサッカーはなんなのか分かりませんけど、今のマリノスには合っている気がします。

マリノスのボランチは伝統的に役割分担する印象がありますけど、喜田と三門のコンビも同様です。喜田はアンカーでいわゆる5番タイプ。三門は攻撃にも積極的に絡むスタイルで、兵藤や中町と同じタイプです。好調マリノスの失点の少なさは、今日を観る限りでは、中盤の1on1での、とてもタイトなハードディフェンスにあると思います。昨年の今頃のガンバに似たテイストです。攻撃がひとり一人の足元の技術に依拠していると言いましたけど、守備も同様です。マリノスの、特に中盤の選手の守備技術は非常に高いですね。守備が巧みな選手が揃っているチームとの対戦は、東京も同様にレベルが高いこともあって、試合が締まります。

アデミウソンとまなは、基本的にお互いのポジションが被らないように連動します。どちらがポジションチェンジのきっかけを作っているのか、興味深いです。それほどこの二人は頻繁に左右を入れ替えます。マリノスの攻撃プランは、アデミウソンとまなのポジションが微妙な作戦の違いを生み出しているような気がします。

さて、マリノスの東京対策です。おそらく秀人不在の東京が、これまでアンカーはほとんど秀人と梶山しか担ってこなかったことを考えても、4-4-2で臨む推測は容易にできたでしょう。ともかくも、マリノスは宏介と徳永を封じることを企図します。ポイントはアデミウソンとまなです。まずマリノスは、WGの二人を最前線のしかもライン際いっぱいに構えさせます。このことで、徳永と宏介を最終ラインに押し込めることに成功します。

東京の問題はこれを受けてからの選択にありました。マリノスは、アデミウソンとまなに連動して、パンゾーと下平も高く位置取らせます。拳人と慶悟は、これを受けます。この時点での俊輔は、中盤に下がらず高い位置で左右に自在に動きます。つまり時計回りに、翔、アデミウソン、パンゾー、ボンバー、ファビオ、下平、まなで作る大きな円のなかで、俊輔を頂点とする三角形を作るイメージです。俊輔が左右流動的に動くため、基本的にゾーンの東京は、ヨネもヒデも俊輔の対応をしなければなりません。このため東京は、4+4の守備ラインを維持せざるを得ない状況に持ち込まれます。

もちろんミステル東京の4-4-2は、リードしている状況での守備固めのシフトというイメージがありますので、マリノスに仕掛けられたと同時に、ナチュラルに引いたとも考えられます。秀人不在の状況で、ベストメンバーのマリノスに対しイニシアチブを握れるとは思えませんし。ただし、このことは攻撃が機能不全になることに繋がります。東京はそれがわかっていたと思いますので、当初プランでは、必ずしも閉じこもる意思は無かったんじゃないかと思います。ゆえに、マリノスの巧妙な、攻撃と守備の調和を同時に満たす作戦にはまったと言っていいと思います。

東京はサイドエリアの数的イーブンを作りましたけど、それは同時に攻撃の人数を失うことでもあります。今日の試合ほぼ全般を通じて、前線と中盤の距離が離れた状態が続きました。昨年や今年の1stのように飛び道具があるならまだしも、遼一を基点とし、ワンタッチ連携を基調とした高速カウンターを主武器にする今の東京が、遼一とバーンズだけで攻める形になりますので、当然二人は孤立します。とくにバーンズは、ワールドカップ予選前のキレがありません。もしかすると代表戦の疲れが抜けていないんじゃないかと思います。ドリブルを仕掛けてもダブルチームで簡単に止められてしまいます。

一方マリノスも、アタッキングサードに運ぶまでのプランはパーフェクトなのですけど、最終局面で有効なシュートを打てません。前半はとくに、ペナルティエリア内のシュートはほとんど無かったと思います。マリノスはサイドアタックを基調とするチームです。左右というよりかは、アデミウソンとまなでテイストが違います。アデミウソンは、キックオフ早々に魅せた、パンゾーを走らせるラボーナのスルーパスに象徴されるように、トリッキーながらも実はシンプルなワンタッチでのチャンスメークで、タイムギャップを活かすプレーを志向しているようです。ラボーナを使う必要性がまったく無い場面で魅せてくれるアデミウソンのエンターテインメント性は、今年のマリノスの宝だと思います。アデミウソンを観るためだけでも、お金を払ってスタジアムに来る価値があると思います。

まなはリズムを作ります。ドリブルを基調として時間を作り、宏介と徳永を引き付けるスペースギャップを志向しています。この、ある意味真逆なテイストのウインガーが頻繁にポジションを入れ替えることは、徳永と宏介に守備の意識を強めされるに十分だったと思います。

ところが、マリノスの計算を上回ったことがあります。東京の守備力です。モリゲを中心とした4+4のラインが、いざ守ろうということになると、ハードコンタクトと無類の集中でペナルティエリア内をガッチリ封じ込めます。エリクマリノスにとって惜しむらくは、前線に魅力的なタレントが揃っていながら、シューターがまなしかいないことにあります。まなは8月のMVPを受賞しましたけど、言い換えるとマリノスに好結果をもたらしたのは、ようするにまななんだと思います。

アデミウソンは、ことチャンスメークに関しては極上のエンターテイナーですけど、残念ながらペナルティエリア内のシュートがありません。今日もシュートを打てる場面でパスを選択していました。アデミウソンに課題があるとしたら、シュートだと思います。ひらたく言うと、楽しいけど怖くない選手。そしてもちろん、マリノスに寿人や嘉人や遼一や豊田がいたら、このチームは優勝争いをするに足るパフォーマンスを見せていることでしょう。前半はスコアレスのまま終了。

後半頭からミステルが動きます。バーンズに代えて翔哉が同じくトップに入ります。

この作戦変更は、二つの意図があったと思います。まずは前線の距離感の問題に対処すること。そして縦への推進力です。ミステルはマリノスと同じことを仕掛けます。まず右サイドから対処します。おそらくマリノスが左サイドでリズムを作ると見たのでしょう。ここに力点を置きます。下平にボールが入った時に拳人がチェックします。この時まなあるいはアデミウソンが受けに下がります。これを徳永がケアします。これでマリノスのサイドアタックを消します。さらにポジティブトランジションの際に、拳人と慶悟を高くかつワイドに位置取らせます。これでパンゾーと下平を最終ラインに押し込めます。

その上で、遼一を少し戻り気味にポストを受けさせます。これで、マリノスの中盤の三角形をフォローする円を崩すことに成功します。中盤の三角形が孤立気味になりますので、ヨネとヒデのチェックが効きはじめます。ようやくアタッカーの距離感を保てるようになり、攻撃が活性化します。

サンダサではなく翔哉をチョイスした理由は、局面を打開するドリブルが縦への推進力を生むと見たのでしょう。でも今日の翔哉は、ドリブルをあまり見せてくれませんでした。むしろ中盤の繋ぎの役割を期待したのかもしれません。ただ、いずれにしろこの翔哉の使いかたが、試合をクリンチ状態に陥らせる要因のひとつになった気がします。

東京が息をふきかえした時間は、残念ながら10分ともちませんでした。きっかけは宏介が治療を受けていた時間です。この間にマリノスはチームのコンセンサスを整えられたでしょう。同時に東京は、宏介の状態を見る必要もあったでしょう。マリノスに見られた対策は、主に二つ。まずは大きなサイドチェンジで、直接高い位置にいるWGにフィードを付けるようになりました。つまり、拳人と慶悟のフォアチェックを無効にする意図です。もう一つは、俊輔と三門が縦のポジションチェンジをしはじめます。これはおそらく、俊輔に対するチェックをかわすことでリズムと取り戻す意図だと思います。

そして試合はクリンチ状態になります。マリノスの対策は、東京の仕掛けをかわし、イニシアチブを取り戻す効果はありましたけど、ゴールに直結するものではありません。東京もあっさりとリトリートモードに戻ります。この時点でミステルは、もしかするとエリクさんも、少なからず勝ち点1を意識していたと思います。とくに年間勝ち点が最も現実的な目標である東京にとっては、秀人不在のピンチを勝ち点1で凌ぐことは大きな価値がありますから。

ミステルがさらに動きます。ヒデに代えて陸を右メイヤに投入します。拳人が右ボランチに入ります。イニシアチブを握られたままでは、パスを散らしてチームを動かすことに特長があるヒデが活きません。陸の積極的な上がりに期待したのだと思いますけど、どちらかと言うと下平を押し込めるための、守備を意識した作戦のような気がします。

直後にエリクさんがようやく動きます。翔に代えて富樫を同じくトップに投入します。富樫は8月に特別指定を受けてマリノスに加入したばかりです。もちろんJリーグ初出場。練習でのフィーリングが良かったんでしょうね。

東京は可能性のあるカウンターが一本だけありましたけど、あとはほぼイニシアチブを握られ続けます。対するマリノスは決め手にかきます。せっかくの全国放送日なのにもったいないけど、ドローも仕方ないなと思いはじめた最終盤に、ついに均衡が破れます。

88分。東京陣深くでの下平のスローインから。アデミウソンの戻しを受けた下平がインサイドの俊輔に渡します。俊輔にはヨネがついてましたけど、マークの意識が薄く俊輔を一瞬放します。この時アデミウソンがひらひらと内に絞ります。これに徳永がつきます。これで下平の前が開きます。下平は当然徳永の裏に突入します。徳永がこれに反応。アデミウソンが依然ひらひらしているので、モリゲが意識を裂きます。つまり俊輔の周囲にぽっかり空間ができます。俊輔はドリブルを開始。この時ゴール前では、富樫がフェイドアウェイでまるから離れます。まるが振り返って確認する瞬間、俊輔が最終ラインとブラダの間に絶妙なクロスを送ります。走り込んだ富樫は合わせるだけ。特別指定の富樫は、Jリーグ初出場初ゴールの衝撃デビューです。ただ、やっぱりマリノスは俊輔ですね。マリノス1-0東京。

直後にミステルが動きます。慶悟に代えてサンダサをトップに投入します。翔哉が左メイヤに回ります。パワープレーの意図だと思います。ただ、そもそも距離感に問題をかかえているところにロングボールを使っても、ますます前線が孤立するだけです。

エリクさんも動きます。俊輔に代えて兵藤を右メイヤに投入します。これ以上のゴールは望めないとふんだのでしょう。気が効くプレーができる兵藤を入れて、守備を安定させる意図だと思います。同時にアデミウソンをトップに入れて、シフトを4-4-2に変更します。

マリノスが虎の子を守り続けて、このまま試合終了。マリノス1-0東京。

勝てなかったことよりも、勝ち点ゼロに終わったことが、これから秋を迎えるにあたって、とてもとても痛いと思います。浦和が勝ちましたので、年間勝ち点は8に開きました。残り試合は6。現実的にはワイルドカードでのチャンピオンシップ出場が目標になってしまいました。

繰り返しになりますけど、大黒柱を失った状態での試合でしたから、残念な結果になったけど忘れていいと思います。いつの間にかガンバがヒタヒタと勝ち点2差まで迫ってきていますので、今日のような勝ち点を拾い損ねることがないように、粘り強くがんばって欲しいと思います。