瑞浪に続いてやってまいりましたのは、岩村。
昨年は、もうふとつの女城主の城、岩村城の城下町で話題になりました。
建物はこぶりです。
ちょうど、七年に一度の石室千体仏のご開帳でした。
この巨大な一枚岩をくりぬいて石室が作られています。
石室千体仏です。
岩村を守護する本尊、阿弥陀如来像。
岩村市の中心部に来まして、綺麗に整備された商店街に参ります。
ロケ地は枡形の西側です。
それではロケ地めぐりを再開します。ふくろう商店街です。
「さっきまでみんな来とったんやよ。ケイちゃんとか」「もう帰ってまった?」。
「うん…。ベストテンごっこやっとって、ケンカみたいになって」「ケンカ?またあれか? 聖子ちゃんの取り合いか? 聖子ちゃん、誰がやった?」「マナちゃん」。
「ずるっ!マナちゃんばっか。菜生ちゃんは誰やった?」「黒柳徹子。司会。歌いたかった」。
「♪~あ~私の恋は~」「♪南の風に乗って走るわ~」「♪あ~青い風、切って…」。
「スズちゃん、前からすごいの来る」「外車や。あれ、1000万くらいするやつや」「ふぎょぎょ!」。
「あ~ら、こんにちは。菜生ちゃん、鈴愛ちゃん。お外遊び? 元気があってよろしいこと」「こんにちは」「でも遊んでばかりで大丈夫かしら。世の中競争だから。うちの龍之介は今、英語のお教室よ」。
「では、ごきげんよう」「ごきげんよう」「犬も高そうやった…。ところでスズメちゃん。私たちどこ行くの?」「あっ、言ってなかったっけ?川!」「川!?」。
「じゃあな」「うん」。
「律~!」。
「何だよ?」「呼んだだけや!」。
「おばあちゃん、鈴愛、どこ行けばいい?」。
「いや~そんな所でおばあちゃんに話しかけられても、おばあちゃんも困っちゃうなあ…」。
「♪うさぎ追いしかの山 小鮒つりしかの川夢は」。
ふくろう商店街のアーケードは、これを利用して立ってます。
「♪いまもめぐりて忘れがたき故郷」「もう!起きてんなら歩きなさいよ」「やだ~!」。
「あっ、ちょっと、危ない! コチョコチョコチョ…」「フフフッ、やめて!落ちる~」。
「あ~!こら、待て!」「ワニ~!」。
「♪夢はいまもめぐりて忘れがたき故郷」「ここに、サンバランド行きのシャトルバスが通るんか」「どうなんかなあ」。
「どうなんやろうね。でも私は、ウーちゃんがいたら、どこだってふるさと。故郷」「え?」「ウーちゃんのいるところが、私の、ふるさと」「フフフ…。何や晴さん、酔っ払いかあ」「フフフッ」。
「貴美香先生」「おっ、律君!」。
「今までいたんですか?」「今日病院半ドンやったでね。ちょっと飲んじゃった~」「ぎふサンバランドの話で来てたんですか?」「あれ、バレとった?」「この町の大人たちは今あれに夢中だから」。
「律君は、どう思う?」「う~ん。正直どっちでもいいかな」「若い人はそうやよね。年寄りは、変わるのが怖いかなあ…。私は、この町には、私が取り上げた子どもたちがたくさんおって。まっ、律君もそうやけど。ほして、その子たちが、大きくなってこの町離れて。ほんでも、その子たちが、たま~にでもいい、帰ってきた時に、ホッとする場所やったらいいと思っとるんや。この町も私も。あっ、私は余計か」。
「そんな事ないです。貴美香先生に会うと、何か、心底ホッとします」「ほうかね~?」「ハハハッ」。
「忘れんといてね。高校卒業して遠く行っても、この町忘れんといてな」「はい」。
「♪Holdmetight,darling~」。
「♪舞い上がる砂の嵐~ 世界でいちばん熱い夏休み~」。
「ちょっと外出たいって思ったとこ」「勉強大変?」「うん…まあ」「こっち聞こえない」「ああ、そやった」「聞こえるか。夜だと静かでどっちでも聞こえるな」「いいよ、こっちで。鈴愛のこっち側慣れた」。
「みんなさあ、夢っていうか、やりたい事しっかりあって驚いた」「うん…」「私何にもないんやよね。就職してけばいいと思っとった」「お前明日とあさっての事しか考えてないもんな」「普通はしあさってまで考えるか?」「う~ん…もうちょっと先までな」「先か…」「えっ?律?ちょ…待ちゃ~!」。
そのまま商店街を西に下ります。「おっ、鈴愛ちゃん! キャベツ持って、どこ行くんや!?」。おしゃれ木田原です。
「芋虫!」。
「芋虫…。キャベツと言えば、芋虫? いやそれ青虫やろ! 気を付けや~よ! これが来るでね~今年は!」「あ~かっこええわ。私着てみよっか」「ハハハ…入らんわ」。
「ほうかあ、農協かあ。よかったねえ!」「うん。ねえ、入社式のスーツとか、まだ気が早いかね?」。
「ああ、見るだけ見てって! いいとこの入れとるよ! これとか、イタリア製やて! 鈴愛ちゃん、美人さんやで、着映えする」。
そのまま、やすだやさんの三差路を西北側に入ります。
ここを橋のある右手に進みますと、すぐです。
「どうしよう…。ウーちゃんは、どうしたい?」。妊娠した晴さんが宇太郎さんと話してた道。
「俺は、そりゃ…」「そりゃ?」。
「晴さんが、元気なのがいい。晴さんが第一や」「嘘!えっ、私は!?」。
「でも、先生言っとったやないか。今やったら、安定してるから産めるって。先生も応援するって。だから、俺は晴さんのしたいようにするのが一番やと思う。晴さんの体だ。俺はどっちでも応援する。晴さんが決めた事に賛成する」「ウーちゃん! 私…産む!産みたい!」「うん」。
「でも、何で川なの?」「まずは木曽川」「まずは?」「最終的には、さんずの川の向こうとこっちで…」「さんずの川?」。
「知らんの? 死んだ人は、そこを渡る。私はそれでばあちゃんと話す。じいちゃんはばあちゃんが死んでから元気がない。鈴愛はじいちゃんとばあちゃんを糸電話で話させてやる! おばあちゃ~ん!」「本気なのか?」。
「律は、喘息があるでな!大変や!」「俺、代わろか」。
「デブは足が遅い! 頑張れ律!もう少しや!あ~っ!」「うっ!」。
続いて、明和鉄道の岩村駅の南側で線路を渡ります。
ちなみに、明和鉄道では、半分、青い。ラッピング列車が運行中。
一色一号橋を渡ります。
公園内を川沿いに歩いてすぐです。
「いいよ、言わなくて」「言わないと怒られる。うちのお母ちゃんは恐ろしい。川に律が落ちた事も、ド叱られた」「ド叱られたか。何ともなかったんだからいいよ」。
「本当か?」「うん」。
「よかった。ド叱られるのはいいんだけど、何でゴミ箱投げたか聞かれる。そうすると、名前、からかわれたって、お母ちゃんに言わないとあかんくなる。言いたない」「俺、鈴愛、いいと思うけど」「ん?」「いい名前やん。お前のお母ちゃん、センスいいよ」。
「そうか!?うちのお母ちゃんは、律に負けたくなくて、同じ日に生まれた、律の名前がかっこいいって思って負けたくなくて、鈴愛って名前付けたんや。いっつも、ちょっとずれとる」「お前もな。
「その時、初めて鈴愛の世界が、揺れました」「鈴愛!」。
「鈴愛!大丈夫?」「何か、ふらっとなった」。
「めまいかな」「もう平気や。治った」。
鈴愛ちゃんが足をふみはずしそうになっていた飛び石です。
「律君は、鈴愛に近づこうとしていました」。
律が耳栓をして川を渡っていた飛び石。
増水してたからか飛び石は渡れませんでしたけど、増水してなくてもちょっと危険だなと思いました。
川の反対側に回ります。ここを降ります。
「あっ、そうや。これ持ってきた!秋風羽織」「お~」「ありがと」。鈴愛ちゃんと律がジュースを飲みながら話してた川端。
「これで鈴愛ほとんど秋風羽織制覇」「うん。この夏でみんな読んだ。すばらしかった。霧が晴れるようやった。もやっとしたのが…。自分の感じてる事がはっきり分かった。秋風羽織、すごい、天才!憧れる!こんな人がいる!」「そんなにか…」「私ははまった」「ほうか…」。
「とにかく秋風羽織はすごかった! 世界の色が変わった。こんなふうに世界を見る人がいるのかって思った。模写してみた」「えっ、すげ…」「秋風羽織の漫画には、私の思ってる事がみんな描いてある! 私は世界が分かった。私の中の何かが開いたような気がする!」「そんなにか…」。
「夢中や。就職も決まったし、暇やし、駅前のスーパー岩田屋でバイトして、お金ためて、秋風羽織、全部買おうと思っとる」「お前漫画描けば?」「え?」。
「絵も描けるし、鈴愛言う事面白いから、セリフも書けるんやないの?」。
「は?まさか、無理無理。ほんでも、秋風羽織ってどんな人やろう? 基本秘密やろ?考えるとワクワクする」。
「美少女って気がするなあ…。それかきれいなおねえさん? いってても、28ぐらいの?」「えっ、私は美少年やと思う。すっごいきれいなさ、この漫画に出てくるような、東京のカサノバみたいな男の人」「どんな人かなあ…」。
岩村は、商店街をあげて朝ドラで盛り上げているようです。通常、ロケ地にいくと、当然セットが取り除かれているので雰囲気がちょっと違うのですけど、岩村はふくろう商店街の雰囲気を再現してくれていました。嬉しかったです。ただ問題は、商店街の道路が生活道路だということです。観光地で観光客がいっぱいいるのに、ひっきりなしに一般の車が通ります。なんどか危険な思いをしました。お客さんのなかには小さな子どもやお年寄りもいます。岩村がきちんとした観光立地を目指すのであれば、熟考すべきだと思います。
商店街のなかに朝ドラの展示がありました。今再放送しているカーネーションの岸和田以来で、びっくりしました。続いては、岩村の盛り上がりをご紹介したいと思います。