ぽちごや

FC東京のディケイドSOCIOです。今シーズンは丹羽ちゃんとともに闘います。

2019J1リーグ第13節セレッソ大阪vsFC東京@ヤンスタ20190525

2019-05-26 15:16:43 | 連続テレビ小説あさが来た

5月なのに真夏日。

ちょっとはやいのですけど、今年も短パーニに衣替えです。

5月は大阪ではじまって大阪で終わる。大阪ダービーの仲人は東京なのかもしれませんね。You'll Never Walk Alone♪

ついに、今シーズン初敗戦です。

東京はヒョンスがサスペンション。シフトはダイヤモンドの4-4-2。GKは彰洋。CBはモリゲと剛。SBは成と諒也。CMは洋次郎と拳人。メイヤは右に建英左に慶悟。2トップはディエゴと謙佑です。

セレッソは曜一朗がお休みです。シフトは4-2-3-1。GKはジンヒョン。CMはヨニッチと木本。SBは右に陸左に丸橋。CMは直之とデサバト。WGは右に宏太左にキヨ。トップ下は奥埜。1トップはメンデスです。

苦手三連戦の中日は、実績としても連敗中のヤンスタです。

ロティーナセレッソ船出となった2019年。ロティーナさんのサッカーは、申し訳ないけど宗旨上の都合で前任チームの試合をみるわけにいかないので初見です。スペイン出身というイメージだけで、積極的に主導権を握ることを狙うスタイルだと思っていました。実際に観ると、たしかにその通りなのですけど、いわゆるバルサスタイルではありませんでした。スペインにもリアリストはいるんだなと、ちょっと新鮮な気分です。

2019年のJ1のトレンドになりかけたスペイン風邪は、現時点では流行することなく、神戸の瓦解をきっかけにもはやマイノリティに下がっています。唯一存続しているロティーナさんは、残っているだけのリスペクトすべき理由があるのだと思います。その理由のひとつはクラブとしての揺るぎないポリシーがあること。つまり一時の流行を追ってのスペインではなく、セレッソイズムの延長線上としてのロティーナさんであること。ふたつ目はサポーターの品格。セレッソサポは都会的で常識的な振る舞いをするイメージがあります。データがあるわけではないけど比較的平均年齢が高めなのと、大阪中心街だけでなく奈良や和歌山を生活圏としているかたが多いためだと思います。三つ目はなんといっても歴史。Jリーグこそ無冠ですけど、かつての第一人者ヤンマーですから。

さて、ロティーナさんのアプローチはとてもリアリスティックです。就任初年度は、ロティーナスタイルを確立することを優先しているようです。まあそれは誰しもそうなのでしょうけど、理念を優先してかたちにこだわるのではなく、結果を優先していることが、他のスペイン人監督と違い、ロティーナさんを好意的に感じる理由かもしれません。2019ロティーナセレッソは、守備を優先したチーム作りを進めているようです。

その核になるのがCMの二人。ロティーナセレッソの布陣の変遷をみると、CMは必ずしも当初想定通りではなかったようです。そういう意味では、今日もベストマッチングではないのかもしれません。でも、今日のデサバトと直之のパフォーマンスをみると、このコンビをしばらく継続すべきなんじゃないかと思います。それほど今日のコンビは強力でした。

セレッソは、謙佑のマークを捨てたと思います。これは東京対策として、ユニークな発想でした。東京の好調は、いうまでもなく攻撃陣が引っ張っています。今年の好調の理由は、とるべきときに点を取れているから。負け試合や引き分けを勝ち点に変えられるようになっているためです。守備陣単体でみると昨年とそれほどクオリティに差はないと思います。

攻撃陣にフィーチャーすると、もちろん建英です。ディエゴと謙佑、それに慶悟は、すべてのピースが揃うと強力なことは昨年証明できました。でもコンディションの問題であったりあるいは相手の対策によって分断されることで攻撃力を減衰したこともまた、体験したことです。そこに建英が加わることで、既存の攻撃陣の負担を分散することができました。ただ、サッカーはあくまでも個人が集合したスポーツである原則は変わりません。つまり建英が加わったとしても、本質的には個人のコンディション不良のリスク分散ができたに過ぎません。

セレッソは、東京攻撃陣の分断をはかります。そのターゲットにしたのがディエゴと建英です。まず建英。建英がボールを持つと、丸橋を中心にキヨと直之が絡み、ダブルチーム、ときにトリプルチームを仕掛けます。これにより、建英がフリーになる状況はほぼ皆無になりました。建英に対する不安は未知数の部分です。トップカテゴリーでフルシーズン闘った経験はもちろんありませんから、体と判断力と視野のキレに波が起こることは不可避でしょう。丸橋、キヨ、直之クラスの守備能力に対し、今日の建英のコンディションはストロングポイントには成り得ませんでした。建英は、逆サイドに流れた場合を除き、ほぼ存在感を消されます。

つぎはディエゴ。建英に増してディエゴのマークはタイトでした。ディエゴは下がり加減でボールを受け、そのまま前を向いて仕掛けるプレーを得意にしています。セレッソはそこからのカウンターを嫌います。ポストを受けるディエゴに対し、デサバトと直之がタイトコンタクトを辞さず、マークします。これが成功し、ディエゴの自由が奪われます。

一方謙佑に対しては、セレッソはある程度の仕掛けを許容したのではないかと思います。もちろん東京が重心をあげるきっかけを作るリスクが伴うのですけど、実験的な意味も含め、東京攻撃陣の組織的な連携の鍵は、謙佑ではなくディエゴと建英とみたのでしょう。そして、結局試合を通じ、この割りきりが奏功しました。

セレッソの攻撃は、守備を優先するためまだまだ発展途上です。基本スタイルはポゼッション。この点はさすかにスペイン的な発想です。攻撃ルートはほぼサイド。時間をかけてビルドアップしながら、高く上がったサイドで基点を作ります。攻撃のリズムは二列目の三人が作ります。奥埜、宏太、キヨは頻繁にポジションを変えます。これにより生じる混乱から、スペースのギャップを作ることが狙いです。ポジションを入れ替えますけど、二列目三人の役割は明確に別れています。キヨがゲームを作ります。奥埜は豊富な運動量からフィニッシュにも絡む仕事。宏太は左サイドに固定され、陸との絡みで数的優位を狙います。今日のセットは、このためバランスがとても良かったと思います。これに主戦である曜一朗と都倉が加わるとどんな化学反応を起こすのか見てみたかったけど、ちょっと心残りです。

バランスが良いとはいえ、セレッソは東京守備網を突破するまでには至りません。かたちを作ることはできますけど、ペナルティエリアに効果的に入ることができません。やはりもう一枚、セレッソも中央でごりごり状況を作ることができる選手が必要でしょう。

その意味では、東京もセレッソも、攻撃に一味足りないと感じました。東京はディエゴのマークを分散させられる基点です。セレッソはようするにメンデス。前半はスコアレスのまま終了。

後半は前半の流れを踏襲します。東京は、必ずしも良いとは言えなかったけど、試合が動いたわけではないので、とりあえずコンサバティブに様子みる選択でしょう。はやめに建英を真ん中にもってくるかなと思っていたのですけど、建英もコンディションがいいわけではなかったですから。この辺りは現場と傍観者の立場の違いによる見方の差でしょう。

東京はカウンターの機会が訪れず、セレッソもチャレンジングな仕掛けがなくジリジリする展開が続くなか、先に動いたのは健太さんでした。洋次郎に代えてアルを同じくCMに投入します。直前に剛が負傷したのでどうするのかと思いましたけど、プラン通りでした。まずアルが構想のなかにあること。アルのフィットが遅れていたのでしょうけど、おそらくミッドウィークのカップ戦のパフォーマンスが良かったこともあるのでしょう。編成の変更の可能性が否定できないなか、布陣のテストを兼ねたと思います。

作戦面では、リーグ戦デビューですから実戦でのアルは初見です。アルはコンダクタータイプですね。思ったよりも広範囲に動き、攻守両面で局面に積極的に絡みます。見た目通りパワーもあるので中盤の起点としてがんばりも効かせられます。この点で、トランジションの軸に成り得る存在だと思います。カウンターの起点でもいいし、ポゼッションの根拠としても貢献できそうです。作戦としては、パワーにはパワーを。中盤の支配力を高めることを狙ったのでしょう。アルの課題は、主役に成りたがりの選手にありがちですけど、志向と結果がまだ合ってないことです。コンディションと選手との距離感が改善されるともっと組織のなかでも機能できると思います。

健太さんが続けます。謙佑に代えてサンホを投入します。同時にシフトを4-2-3-1に変更します。はからずも、魔界ヤンスタの魔の時間帯に入ったので、リスクマネジメントを兼ねて主導権を握りにいったのだと思います。

ところが今日はトップ下建英が機能しません。中央はデサバトと直之の防御圏が建英に対しても機能しました。逆に、魔界の扉が開きます。

78分。例によって後方でポゼッションするセレッソ。東京がセットしたのを見た直之は、大きく右にフィードし、上がっていた陸につけます。フリーの陸はステイで受け、ルックアップ。このときゴール前は、セレッソがニアに宏太、中央にメンデス、ファアに奥埜を配置しているのに対し、当然東京はラインが整っていて、4on3の数的優位です。この状態で、陸は果敢にアーリーを上げます。おそらく陸とメンデスの間のコンビネーションなのでしょう。陸はメンデスの動きを予測してクロスを上げたのだ思います。メンデスは最初剛とマッチアップしていたのでモリゲの視界には入っていません。モリゲも剛に任せるつもりだったでしょう。でもメンデスは、ここから急にモリゲの前に出てきます。よくあるFWの駆け引きですけど、シンプルなるがゆえにはまったのでしょう。向かってくるクロスに対応しようとしていたモリゲの前にでたメンデスが陸のクロスに合わせ、逆サイドのゴール隅に決めました。ちょっと止めようがないゴールでした。セレッソ1-0東京。

これを受け、健太さんが動きます。剛に代えて輝一をトップに投入します。同時にシフトを4-4-2に戻します。拳人がCB、慶悟がCMに回ります。剛の負傷による不可抗力だと思いますけど、建英に前節のような圧倒的な存在感がなかったのもまた事実。

試合が動いたのをみたロティーナさんがようやく動きます。キヨに代えて亜土夢を同じく左WGに投入します。ロティーナさんは状況をじっくり観察するタイプのようですね。今日は作戦通りに進んでいたし、先制もできたので作戦変更を急ぐ必要無しと踏んだのだと思います。

ロティーナさんがたて続けに仕掛けます。メンデスに代えてトシを同じくトップに投入します。亜土夢もトシも、前線をフレッシュにすることで東京守備網をかき回し、東京が攻撃に専念することを予防する意図だと思います。

そして、アディショナルタイムにはいってロティーナさんが〆ます。宏太に代えて片山を同じく右WGに投入します。作戦変更がすべてアタッカーのコンディション維持だったのは、守備陣の安定に満足したためでしょう。

東京の猛攻はむなしく。ディエゴのシュートが残念だったけど、今日はサッカーの神様もセレッソのパフォーマンスを認めたのでしょう。このまま試合終了。セレッソ1-0東京。

今シーズン初敗戦の状況はイメージできなかったけど、らしい負けかただったと思います。本質である守備網を攻略されたわけではないので、許容範囲の波ととらえて良いと思います。切り替えというよりも、見つかった課題に前向きに対応することで、また新しい流れをつかみたいですね。ヤンスタは魔界だけど、バイオリズムを狂わせた実績はなく、むしろさらにパフォーマンスが上がるきっかけになることが多いですから、過剰な心配は不要でしょう。

とはいえ、今年はじめて自慢の攻撃陣が止められました。やっぱりディエゴが気持ちよくプレーできないとカウンターの威力を出せません。そして鍵を握るのは、建英。まだシフトチェンジの判断ははやいと思います。まずは建英自身のコンディションと、建英を活かす周囲の絡みかたが課題だと思います。とはいえしばらく建英不在になりますけど。

さあ、つぎはいよいよ、楽しみなニューカマー。おかえりなさいの大分です。片野坂大分を観ることは今年の楽しみのひとつ。どんなサッカーをするのでしょうね。


あさが来たロケ地の旅 ―201600410 姫路・淡路島―

2016-04-13 23:22:37 | 連続テレビ小説あさが来た

春風吹いて過ぎし時を想う。

また寒さが戻ってきた移り気な春日ですけど、少し前には初夏の陽気でした。

そんな来る季節を感じる週末、いよいよ連続テレビ小説あさが来たとのお別れの旅です。

あさが来たロケ地巡りファイナルの地は、姫路と淡路島。奇しくも初回と最終回、半年間の時を超えたロケ地巡りになりました。

軍師官兵衛のロケ地巡りの旅で一昨年に訪れた姫路に、今年また来るとは思いませんでした。

折しも桜どき。隣県岡山の出身で姫路には子どもの頃から何度も来てますけど、桜の時期はたぶん初めてです。

おしろいのほほに薄紅をさしたような、艶やかな装いの姫路城でございます。

来月下旬に予定されているサミットの一連の行事の影響で、姫路内のコインロッカーが使えず、駅外の最後の一個にギリギリ荷物を入れることができました。西口の駐輪場に向かっていると、なんと波瑠ちゃんが迎えてくれました。

姫路の相棒はこちら。

向いまするは、姫路城の西の丸の内堀沿いを通って、お城の西北を目指します。

とうちゃこしましたは、兵庫県立大学姫路環境人間キャンパスです。

南側の門、たぶん正門をくぐってすぐ右側に見えます。旧制姫路高等学校講堂です。

公立大学でかつ休日とは言え、セキュリティの都合もあると思いますので、保安室で守衛さんに一言お声がけしましたら、とても気さくなかたでした。

「こんにちは。NHKの朝ドラのロケ地を観に来たのですけど、ちょっとだけ見学させていただいてもいいですか?」
「ああ、いいですよ。中には入れないですけどねー。残念だけど」
「大丈夫ですよ。外からで十分です」
「もしトイレお使いになるんでしたら、講堂の脇のトイレの中には入れますから」
「www。大丈夫です。えっと、撮影で使われたのはこっちの講堂ですよね」
「はい。そうですね。あさが演説してんのがこっちの講堂です」
「そうなんですねー」
「はい。それで、花吹雪のなかを廊下を歩くところがあるでしょ?」
「ああ、ありましたね」
「あれはこっち。ゆりの木会館」
「え!。そうなんですね。それは知りませんでした。へええ」
「そう。このね、二階の部分で撮影されたらしいですよ」
「撮影のときはNHKの人でいっぱいでしたか?」
「私はその日勤務じゃなかったんで直接見てないんやけど、賑やかやったそうですわ」
「ですよね。どのくらいの時間撮影してたんでしょうね」
「朝から夕方までいたそうですよ。今見ると近代的なものがいろいろ見えますけど、撮影の時はぜんぶ隠してたそうです」
「そうですよねー」
「撮影の日は学校はお休みでした。演説のところは女学生がいっぱいおって、ウチの学生がエキストラで使ってもらえると思っていたんですけど、そうじゃなかったですね。NHKが事前にエキストラを用意してたみたい」
「それは残念ですね。母校が出るドラマにエキストラで出演するって、最高の想い出ですよね」
「せやろ。あそこに看板あるの分かります?。反対向いてるんで分かりにくいですけど、あれ、あさが来たのロケのこと紹介してますわ」
「そうなんですか」
「こっちのね、ゆりの木会館の二階の、ちょうどこの辺り。真ん中あたりで外から桜吹雪を入れて撮影しとったそうです」
「そうなんだー」
「中に入れんで申し訳ないけど、ゆっくり見ていってください」
「はい!。ありがとうございます!」。てっきり講堂だけで撮影されたと思っていたのですけど、廊下のシーンはゆりの木会館、旧制姫路高等学校本館の、二階北側の廊下で撮影されたそうです。

姫路ロケ地は、南側の門を入ってすぐの左右の建物です。

それでは、あさが来たロケ地巡りファイナルの旅、スタートします。まずはその廊下の場面のひとつから。外側から失礼します。「そして、ついに、日の出女子大学校は、創立の日を迎えました」「ここに女子を人として、婦人として、国民として、3方面より教育するのであります」「おめでとさんでございます。いよいよだすなぁ」「ありがとうございます。白岡さんのおかげです。この成功は大きく、経済の面でも支えて下さったあなたの功績です」「いいや。こちらこそおおきに。女でも勉強できるいう夢がかないました。長い間願てきたことが。そやけど…」「もう、校長さんだすさかいなぁ。そろそろそれ、新調しはったらどないだす? うちが買わしてもろたのも、えらい前で…」「いいや! 私はこれがいいのです。シェークハンズ、握手を」。あさ姐と成澤先生が握手してた廊下。

「入学生は、家政学部80名。国文学部90名。英文学部10名と、予想をはるかに上回り、また、北海道から鹿児島まで、既婚者や母親、職業経験者など、出身も年齢も様々な学生が集まりました」「まあ、いい景色だこと」「へぇ」「ただいまより、日の出女子大学校、入学式を執り行います。続きまして、祝辞、白岡あささん」「いらしたわ」「あの方よ」「素敵だわ」。懐かしいですね。初回のオープニングシーンがふたたび使われていましたね。あさ姐が桜吹雪のなかさっそうと廊下を歩くこの時だけ、カメラもカメラワークも他のあさが来たのシーンと違っていて、とても印象的でしたね。

「え~皆様。この度は、我が国初の、女子の大学校、日の出女子大学校に、入学、おめでとうございます。こないなご挨拶致しますと、何や、仰々しおますのやけど。学問いうのは、実は何も、特別なもんやあらしません。みんなが笑って暮らせる世の中をつくるには、女性のね、やわらかい力が、大切なんです」。あさ姐が祝辞を述べていた講堂。

「ナウ イズ ティメ?」「ちゃうちゃう。タイムや。ナウ イズ ザ タイム! 今こそ!。行きましょ」。宜ちゃんが颯爽としていた廊下。

「加野屋の大奥様の、よのが亡くなりました。和歌山では、養之助が、無事に家に戻り、東京では、あさの支援していた日本初の、女子の大学校が、創立の日を迎えました」。

「そして、あさは、新次郎と東京へ足を運び、念願だった、女子大学校の授業に出席しました」「ディナイ ザイ ファーザー アンド リフューズ ザイ ネーム オア イフ ザウ ウィルト ノット ビー バット スウォーン マイ ラブ アンド アイル ノー ロンガー ビー ア キャピュレット。ジュリエットはこう言うてます。「おお、ロミオ! ロミオ! なぜあなたはロミオなのじゃ?」。

「え~本日は、成澤先生が、皆さんの前でお話をと言うてくれはりましたので、一つ、お話しさしてもらお思います。先週出ました、この新聞の記事読みましたか? 東京で学ぶ女子学生がこのような書かれ方をしてる事は、私は心外でなりません。この大学校に、ここにあるような、堕落した学生がいてるやなんて決して思いませんけど。それでもここで学ぶ者は、己の行いにもっと深う責任持たなあかんのだす。「ああ、女子大学校なんて、あない立派な建物や、理想を持ってても、ちょっとも実が上がれへんのやなぁ。やっぱり女子高等教育なんて意味ないなぁ」やなんて思われたら、決してあかんのだす」「話長いなぁ」「成澤先生も絹田先生も、女子教育のために、身を犠牲にして働いてくれはりました。私が望む事は、誠実に日々を過ごし、勉学にいそしむ事だす。あなた方の行い一つで、たちまち世間からの信用落とす事を、お忘れになりまへんよう!」「フッ。いけ好かない傲慢おばさんですこと」「この学生の名前は、平塚明。のちの、平塚らいてうです」。

「東京や九州の会社と手を組み、加野屋の最大の事業となる、生命保険会社を設立しました。また千代と啓介の祝言も、盛大に行われました。一方、大学校では…」。

今回のロケ地旅最西端、桜の姫路を離れ、ちょっと東に戻ります。

西明石。

続いては、いよいよあの感動のシーンのロケ地に向かいます。次なる相棒はこちら。

隣県に住んでいながら、淡路島に初上陸です。もちろん明石海峡大橋を渡るのもはじめて。

淡路島でロケと知って、ちょっと距離的に難しいかなと思っていたのですけど、最終回のロケシーンを観てロケ地を確認しましたら、島の北側で案外西明石から近い(渋滞が無ければ車で40分くらい)とわかり、にわかに思い立ってやってまいりました。あわじ花さじきでございます。

あの、感動のラストシーンは、こちらあわじ花さじきで撮影されています。最終回でも印象的だった菜の花が見頃なのでお客さんが多かったのですけど、何人かにお話をお聞きしたら、やっぱりあさが来たの最終回を観て来たってかたがホントに多かったです。駐車場は遠くの臨時までいっぱいでした。

展望台の上から見た、あさが来たロケ地の全景です。

ロケ当日は強風で、ロケハン時に決まっていた撮影場所とは異なる場所で撮影されたそうです。

ロケ地に向かいましょう。割合と撮影場所の案内ポスターがそこかしこにありますので、すぐに見つかると思います。案内所でも教えてくれると思います。

案内所のなかに波瑠ちゃんのサインがあります。

あわじ花さじきのロケ場所は、図の真ん中上部の天空の花園と、図の左上のふれあいの花園です。

その案内所の前からスタートします。

こちらを右手に。展望台には上がらないでください。

展望台の下を道なりに進みます。ここを左折。

するとすぐ目の前です。

それでは、感動の最終回のロケ地巡りをスタートしましょう。「そして、春になり、あさの勉強会が開かれました」。あさ姐たちが勉強会の用意をしていた別荘の前の庭。

「私は今日は西洋料理をお教えできたらなぁて」「そうですか。私は、諸外国の女性についての話をします」。

「皆さん、知ってのとおり、うちは、江戸の世の、嘉永生まれのおばあちゃんだす。うちらの若い頃はなぁ、電話はもちろん、郵便もあらしまへん。馬車や汽車かてあらしまへん。誰かに何か伝えたい思ても、脚絆はいて、ひたすらいくつも山越えるしかあれへんかったりしたもんだす」。あさ姐たちが勉強会をしていた別荘の庭。

「近頃じゃそんなことも想像できないでしょうね」。あさ姐のお話を聴いてるみんなが座ってたのはこの辺り。

「へぇ。それがほんま便利になって、うちは、昔の方がよかったやなんてちょっとも思てしまへんのやで。せやけどなぁ… 何でだす?」。

「国が育ったら、もっともっとみんな幸せになれる思てたのに。こない生きづらい世の中になってしもたんは、何でなんだすやろなぁ? 戦争は、銃や大砲で人傷つけて、新聞は世論は、人を悪う言うたり、勝手な批評して、人の心傷つけるばかり。みんなが幸せになるための武器は、銃でも、大砲でも、悪口でもあらしまへん。ここ、と、ここだす」「ここと、ここ?」。

「そうだす。人の気持ち慮ることのできる優秀な頭脳と、やらかい心。それさえあったら、それで十分なんだす。その分野で言うたら、おなごはんは、決して男はんに引け取らしまへん。いや、男はん以上に、その力、大いに使う事がでけます。まあ、うちの旦那さんは、うちよりやらかいお人だしたけどなぁ」。

「へぇ」。

「若い皆さんは、これからどないな職業に就いても、家庭に入っても、その2つがあったら、大いに人の役に立つ事がでけます。日本どころか、世界の役に立てる事が、この先ぎょうさんありますのや。どうか、どうかしょげてなんかいてんと、よう学んで、頑張っとくはなれな」。

「白岡さん、ありがとうございました。では少し休憩して、次は、田村君の話にしましょう」「はい」。

あさ姐が振り返った木の前。

「お母ちゃん?」。千代さんがあさ姐の様子に気付いた木の前。

最後に、あさ姐と新次郎さんが再会したラストシーンのロケ場所に向かいます。右手にふれあいの花園を見ながら下ります。

少し下ると、右手の足元に見えてきます。

ロケ地の案内ボードです。ラストシーンは、実は三か所に分けて撮ってあります。新次郎さんが立っていたのは、この案内ボードのところです。

あさ姐と新次郎さんが再会したのは、ボードの前をまっすぐ進んだところです。

あさ姐が杖を落として走ってたのは、そこから下って、このK字路を右斜め下に入ったところです。

それでは、名残り惜しいですけれども、連続テレビ小説あさが来たロケ地巡り、ホントのホントのファイナルの地を巡りましょう。新次郎さんを見つけたあさ姐が走ってた道。

新次郎さんが立ってた道。

あさ姐が新次郎さんのもとに走っていってた菜の花畑。

「あさ」。

あさ姐が新次郎さんを見つめて笑ってた菜の花畑。

「あっ!」。新次郎さんに抱きあげられたあさ姐が舞ってた菜の花畑。

「ご苦労さん。今日もよう頑張ってはりますな」。あさ姐と新次郎さんが手を握り合ってた菜の花畑。

「へぇ。旦那様」。新次郎さんがあさ姐のほっぺをふにふにしてた菜の花畑。

あさが来たロケ地巡りの旅はこれにておしまいです。

ロケ地巡りをはじめたのは、去年の先取りの旅の飯塚からでした。あの頃はもちろん飯塚には何もなく、あさが来たが、こんなにも大人気で多くのファンに愛される傑作になるとは思いもよりませんでした。

おおきに!。ありがとう!!。そして、あさが来たよ永遠に。


あさが来たロケ地の旅 ―201600409 連続テレビ小説『あさが来た』セット公開―

2016-04-12 21:27:53 | 連続テレビ小説あさが来た

花冷えを通りこして、もはや冬かのような寒さですね。皆さま、くれぐれも体調にはお気をつけください。

春は出会いと別れの季節。BK朝ドラにとっては後期が終了する季節です。例年は三月いっぱい朝ドラ祭りがあるのですけど、今年は最終週が4月にかかる珍しい年ということで、昨年のマッサンと違って最終回を観る会に合わせての、連続テレビ小説あさが来たセット公開の開催です。

というわけで、今春もやってまいりました、NHK大阪放送会館です。

BKにつきましたらなんと行列が出来ていました。スタッフさんにお聞きしたら、平日は並ぶようなことはないのですけど、公開最終日となるこの土日はたいへんな賑わいだったそうです。セットに入るのに30分待ちと言われました。実際にはそれほど並ばなかったけど。

今回観られるのは、加野銀行と母屋部分です。あさが来たはロケが少なく、また予算の都合でセットを使いまわししていたので、毎日毎日ほとんどの放送時間でこのセットを観てきましたね。たぶん、ファンそれぞれの想い出のシーンがつまった、サウダージいっぱいのセットでしょう。

セットは加野銀行の正面向かって左から店内に入って、反時計回りに白岡家をぐるっと周ります。セットの中に入れるのは、BKワンダーランドの時と同じく、加野銀行のエントランスの部分だけです。後は外側から眺めます。マッサンもごちそうさんもセットに入れた記憶がなく、純と愛以来かな。

北側から見たセット全景。

西側から見たセット全景。

南側から見たセット全景。

あさが来たへの感謝の寄せ書きが綴られたタペストリーです。

それでは白岡家を巡ってみましょう。エントランス部分はこんな感じにぎゅうぎゅう詰め。

店内の上部です。

店員さんの下駄箱かな?

傘置きです。

ソファー。

店員さんの名札ですかね。加野屋時代は反対側にありましたね。

カウンターはこんなに高いんです。

カウンターの下部。

カウンターの上部です。

係の札。

店内の全景。

執務机。

奥の執務机。

神棚の位置は変わりませんね。

書類棚ですかね。

手続き用の用紙入れですかね。

ランプ。

あさ姐。

新次郎さん。

お父ちゃん。

あさ姐のお衣装。

榮三郎さんのお衣装。

二階に上がる階段。そう言えば二階のシーンはついに出てこなかったですね。ごちそうさんもマッサンも二階は別のセットを作っていたのですけど、この辺りも予算の都合でしょう。

逆側から見た店内。

正面玄関の加野銀行のステッカーはこんな感じについてます。

カーテン。

エントランスの天井。

では、想い出の小道具を辿ってみましょう。ファースト・ペングウィン。

五代さんがイギリスから送ってきた写真。

よのさんの張り子。

あさ姐とおはつさんの御守。

あさちゃんが相撲をとっていた時の軍配。

幕末の不渡り騒動の時の約束手形。

正吉さんの証文。

今井家と山王寺屋の店印。

この箱はなんだったかな?。

加野屋の店印。

宜ちゃんの切り抜きコレクション。

小道具コーナーには、よのさんの折り鶴がいっぱい置いてあります。

あさ姐のメモ帖。

加野屋の提灯。

加野屋の大福帳。

パチパチはんだす。

ほとんど蔵に残ってなかった小判と小判箱。

新次郎さんの巾着シリーズです。

千代ちゃんの七夕の短冊。

千代ちゃんの新選組キット。

あさ姐のピストル。

加野炭礦の譲渡書。

新次郎さんが千代ちゃんに贈った簪。

加野屋の手ぬぐい。

おはつさんの簪。

千代ちゃんの家族写真。

角付きあさ姐。

惣兵衛さんがおはつさんに贈った万金膏。

あさ姐の髪飾りと簪と櫛。

成澤先生の「女子の教育に就いて」の原稿。あさ姐の付箋がついてます。

あさ姐が大隈卿に渡したバージョンの原稿。

製本版の「女子の教育に就いて」。

加野銀行の行印。

閻魔紙。

あさ姐のティケツ帖。

旧傘入れです。ここから先は加野屋の頃とほとんど変わっていません。

梁。

蔵の扉が鉄製に変わっていました。セット内に入れるのはここまでです。

セットの西側に出ます。加野屋の暖簾。

居間です。手前が正吉さんとよのさんの居間で、奥があさ姐と新次郎さんの居間として使われていました。撮影ではそれぞれ二間ずつだったので、同じセットを使い分けしてたんでしょう。

襖。

床の間。

ドラマでは、季節や行事によって掛け軸を変えていましたね。和服の柄でも季節感を感じられました。

居間の廊下。

よのさん。

新次郎さんのお衣装。

最終回を観る会のときの波瑠ちゃんのサインです。

スピンオフ「割れ鍋に綴じ蓋」の告知パネル。

看板たち。

あさ絵。

あさが来たのイメージボードです。

続いて、加野銀行の役員室です。

あさ姐の椅子。

あさ姐と榮三郎さんの机。

榮三郎さんの机の上。

なぜか綿がありました。

書籍棚。

大阪の地図。

役員室がモダンに見えた理由は、このブラインドだと思います。

平十郎さんの机。

役員室の全景。

役員室の上部です。

役員室と執務室の境の扉。

役員室の通路側。

応接セット。

あさ姐と成澤先生のお衣装。

白岡家のお庭です。

お店側の廊下。雁助さんとうめさんが手を触れあった廊下ですね。

廊下の中はこんな作り。

小石だけは本物を使っているようです。

ぼんやりしてごめんなさい。おはつさんです。

お庭にあったお稲荷さん。これはごちそうさんにもマッサンにも出てきましたね。BK朝ドラ御用達でしょう。

母屋の屋根。

廊下の庇。

灯篭。

うめさん。

居間側の廊下です。いろんな名シーンがありましたね。あさ姐と新次郎さんが梅を眺めていたのが記憶に新しいです。

セット見学、最後は加野銀行の正面です。

加野銀行の壁面。

加野銀行の看板フレームワークは加野屋の時と同じですね。

玄関の門の上部。

玄関のステッカー。

瓦の背面はこんな感じです。実はとても軽いんですよ。

溝蓋も良く使われますね。

格子窓がいくつかの木材で組み立てられているのがわかります。

正面玄関のランプ。

加野銀行の看板。

そして、平成28年度前期連続テレビ小説とと姉ちゃんへと、朝ドラのバトンは引き継がれました。

お客さんがいっぱいでゆっくり想い出にひたることはできなかったのが残念だけど、これも人気の現れですからね。あさが来たのセット見学はこれにておしまい。あさが来たロケ地巡りの旅は、いよいよファイナル。感動のラストシーンを観に行きます。


あさが来たロケ地の旅 ―20160213 日吉大社―

2016-02-13 23:50:46 | 連続テレビ小説あさが来た

関西の週末は雨予報だったのですけど、朝がたには上がり、和歌山を出るときにはやんでました。

大阪についたら晴れ間が見えてました。

今日は湖西、大阪に4年住んでいながらにして比叡山には来たことがありません。はじめての坂本です。てか、湖西に足を踏み入れたこと自体はじめてです。電車で通過したことはあるのですけど。

とはいえ湖西は毎年のように朝ドラのロケ地になってます。ごちそうさんの悠太郎さんのプロポーズのシーンが記憶に新しいですね。

やってまいりましたは、比叡山のふもと、京の町の北東の守護神、日吉大社でございます。

JR比叡山坂本駅から歩くこと約20分です。ここから桜並木が続いて雰囲気が変わります。春は綺麗でしょうね。

上り切った突き当り、正面の階段を真っ直ぐ上がると延暦寺に至ります。左にみちなりに行くとすぐロープウェイの駅。

今日は右手に入ります。日吉大社です。

日吉大社は、後で出てきますけど猿にゆかりがありまして、境内にもニホンザルが神猿(まさる)くんが二匹買われています。なので今年は日吉大社ロケ地巡りに最適w。なおなぜ猿が日吉大社の象徴になっているのかは、今もってよくわからないのだそうです。

日吉大社には、東西に受付があります。どちらから入ってもいいのですけど、ロケ地は西側の受付の目の前です。

それでは今回のあさが来たロケ地巡りの二日目をスタートします。「すんまへん。そないなもん持たせてしもて」。新次郎さんがおはつさんの荷物を持ってあげてた橋

「いやいや、あさから聞きました。また、ややこがおなかにて。それに、家に帰っても、「嫁さんがいてへん時にまた遊び歩いて」言うて、お母ちゃんに怒られるだけだす」。

「ちっちゃい子みたいだすなぁ」。

「へぇ。わてなんか大きい子供だすわ」。

「惣兵衛はん、どないしてはります?」「それが…また、帰ってけえへんのだす」「はぁ? まただすか?」「へぇ。うちの漬けたお漬物、売ってくるいうて出ていったさかい、そのうち帰ってくるて思てんのだすけど…」。ちょうど惣兵衛さんが和歌山に行ってたころで、難儀してないかちょくちょく新次郎さんが様子を見に来てたころですね。

「わてら、おんなじだすなぁ。置いてけぼりの、さみしい者同士や」。あさ姐も九州に行きずっぱりのころですから、新次郎さんもさみしい気持ちがあったのかもしれませんね。

「あんた初めは、うちの嫁になるはずやったんだす」「おはつさん?」。

「あ…。いや、それ、持ちます。持たしとくなはれ。うちが手ぶらで歩いてたら、やっぱりおかしおます」。

「いやいや…ややこに、障りますよって」「いっつも一人で持ってますさ…あっ」「あっ」「あっ」。もしかして、あのままあさ姐も惣兵衛さんも帰ってこなかったら。

「あかん!」「あっ!」。

「ああっ、新次郎様!」。

大宮橋です。

今日のロケ地はこれだけ。

せっかくなので、日吉大社にお詣りしました。さすがに都の北東の要だけあって、国宝と重要文化財の宝庫です。日吉大社の境内の坂道でよくみかけたのは、この逆V字状の石畳です。コスモタイガーの発進ゲートみたいでかっこいいですね。由縁をお聞きしなかったのですけど、興味深いです。

神仏習合の象徴的な山王鳥居。

それでは西側から。ここを見ずしてという西本宮楼門(重要文化財)。

屋根の四隅を神猿くんが支えているんです。

西本宮拝殿(重要文化財)。

西本宮本殿(国宝)。

宇佐宮拝殿(重要文化財)。

宇佐宮本殿(国宝)。

白山宮本殿(重要文化財)。

こちらを上がりますと、牛尾宮と三宮があるのですけど、往復一時間かかる山道とのことですので、修行はよしにしました。

樹下宮本殿(重要文化財)。

東本宮拝殿(重要文化財)。

東本宮本殿(国宝)。

二宮橋(重要文化財)。

手前が走井橋、奥が先ほどの大宮橋。

これにて、今回のあさが来たロケ地巡りはおしまいです。あさが来たはロケ地がとても少なくて、助かるやらさみしいやら。もう直オールアップだと思いますので、ロケは有田が最後だろうと思います。というわけであさが来たのロケ地は、あと二か所を残すのみ。そのうち野洲川、おはつさんや惣兵衛さんがお洗濯をしてたシーンですね、は諦めるとして、どうしても後一か所には、あさが来た祭りのときにでも訪ねたいと思います。


あさが来たロケ地の旅 ―20160212 有田―

2016-02-12 22:56:07 | 連続テレビ小説あさが来た

今週末は、春一番とも噂される風が吹くそうです。荒れ模様が心配ですけど、春の足音が聞こえてくるようですね。

年明けからのあさが来たは、加野屋をずっと支えてきたひと達が去って、入れ替わるように新しいメンバーが加わって、世代交代を感じさせますね。さみしいけど、常に新しいことに挑戦するあさ姐らしくて、楽しいです。

そんな、いつも突っ走るあさ姐ですけど、今週は新次郎さんと一緒に、ちょっと息抜き。ひさしぶりの山王寺屋さん、眉山家との出会いでした。

有田ロケは昨年末のニュースで報じられていましたし、有田市観光協会のブログでも紹介されていたので知ってはいたのですけど、その時の映像だけでは場所が特定できませんでした。今週の本編を観て、なんとなく、おおまかに場所がわかりそうな予感がしたので、折しも四連休がとれたので、にわかに思い立って有田にやってまいりました。

ロケは昨年末の12月上旬で、その頃はまだ温州みかんがあったんですね。今は夏みかんの収穫もおわって、農閑期に入っているようです。

来てはみたものの、やっぱりロケ地探索は難しいです。事前にめぼしをつけていた候補の二つがダメで、途方にくれて千田港の浜でたそがれていたら、背後の山肌のみかん畑に、そこはかとないロケ地の香りが漂ってきます。結局、有田のみかん畑がある山をふた山分、あっちこっちと三時間歩いて、ようやくたどりつきました。

なお有田のロケ地は、もちろん一般の農地ですので、くれぐれもご迷惑にならないように気をつけましょう。まずは有田市の須佐神社を目指します。有田市内から千田に向かって須佐神社が左手に見えましたら、ここを右折します。

このようにとても道幅が狭いので、車のサイズには注意が必要です。お邪魔にならないよう歩いたほうがいいでしょう。

ここを右折。

ここを道なりに左折。

そのままみちなりに上ります。尾根に出たら右折です。

しばらくみちなりに上ります。有田のみかん畑の道はこのようにコンクリート舗装されているところがほとんどです。撮影のように土道が残っている畑はほとんど無いんじゃないかと思います。

それから、こんな風にネットがある畑も多くて、ロケハンは苦労したでしょうね。

ミラーのあるここを左折して下ります。

10mほど下ったここを右折。

そうすると、土道になります。しばらく歩くと見えてきます。

大変ながらくお待たせいたしました。それではあさが来たの有田ロケ地めぐりをはじめます。「はぁ~やっぱり風の匂いが違てますなぁ。雨降ってへんでよかった。船でパラパラ降ってきた時はどないしよか思いましたわ」「わてが楽しみにし過ぎたさかいな。う~寒! はぁ…どっこも風よけるとこあれへんがな。やっぱり温泉寄ってから来たらよかった」「はぁ、温泉なぁ。そういうたら忠隈山からそない遠ないとこに、ええ温泉が湧いてるて亀助さんや坑夫のみんながな…」「あ~っ、もう! 亀助や坑夫の話はやめてんか。ええか? あさ。今はわてら夫婦初めての旅だす。炭坑や銀行の事とか、不粋な事は一切考えたらあきまへん」「へぇ」「それからなぁ、お姉ちゃんとこ行くからいうて、よそ様の子供の将来の事、口出すやなんて事は…」「分かっております。な~んも、言わしまへん」「うん。それやったらよろし」。あさ姐と新次郎さんが、息抜きのために有田の眉山家に向かって歩いてたみかん畑の道

「何な? あれ。どこの者よぉ?」「おっかし格好して歩いちゃあるで!」。

「ほんまじょ! 養にいちゃん! 養にいちゃんも見てみいなよ!」「何や? へ? 何や、何や…!? あ…ほんまじょ! 腰にミノムシぶら下げちゃあるでぇなぁ!」「そない言われたら違いあれへんわ」。

「こら! お前ら、道草食うてんと早いんでお父ちゃんお母ちゃん手伝わんかいな!」「はい」。

「お前も、今日は早帰れてお母ちゃんに言われたたやろが」「アイタタタ!」「あぁ?」「堪忍、堪忍!」。

「惣兵衛さん?」「あ? 妹さん…? おおっ、新次郎さん!」「やぁ、惣兵衛はん!」「やぁ! ようよう会えたがな」「えらいたくましええ男はんになりはって。たまげましたなぁ」「なぁ」。再会の道。

「おまはんこそ何や… あんたはちょっとも変わりまへんなぁ」「へぇ」。

「羽振りのええ事で。はぁ…。相変わらずあんたの嫁さんは、変わってますなぁ」「は?」。

「そないミノムシみたいな格好してこの辺歩いてたら、おなかすかした小鳥に、つっつかれるで」「え!? そら困ります!」「そらあかんなぁ」。

「旦那様。藍之助はこれから…」「おっと…あきまへん」「人様の家の事に口出したらあかん、言いましたやろ?」「そうだすなぁ。うちはうちの事だけ考えまひょ」「そうだす」「千代にも、うちの思いとは関わりのう、好きな道選ばしたげなあきまへんなぁ」「そうだすなぁ」。あさ姐と新次郎さんがのんびり日向ぼっこしてたみかん畑は、風景の角度からいってこの下だと思います。でも、眉山家が一家でみかんを収穫してるシーンを含めてみかん畑のなかですし、みかんの木の根っこを痛めるかもしれませんので、農閑期といえ控えました。

「おおきに、旦那さま」「ん?」「やっとひと息つけたような気ぃします」「はっは。今頃だすか?。ま、帰ったらすぐ、慌ただしぅなりますやろからな」「へぇ」「ほんま言うたらな。わてが一番休みたかったんや」「ん?」「加野商店が出来て加野銀行が出来て、阪神紡績も出来てて、こないしてあさの手を握って、ゆっくり歩く暇も無かったさかいな」。眉山家を出て、大阪へ帰ろうとしてるあさ姐と新次郎さんが歩いてた道。

「旦那さま。やっぱり。一泊だけ行ってみまひょか? 温泉」「は。ほんまか?。よっしゃ行こ。わてな、実はいろいろ調べてきましたんやで」「ん?」。

「紀州の温泉言うたら、白浜に龍神に湯の峰に。いや、そやけどやっぱり龍神がよろしいなあ。龍神の湯は紀州徳川家御用達で、美人の湯、言われてな」「美人の湯?。そらよろしおますなぁ」「うん。ええやろ。はっはっは」「美人になれますやろか?」。ちなみに龍神温泉には、有田から今でも車で2時間以上かかります。

「二人は、温泉の宿に泊まって、大阪に帰ってきました」。

「そして、和歌山では、藍之助が大阪に旅立つ日となりました」「須佐神社のお守りは持ったか?」「うん。持った」「陀羅尼助のお薬は?」「持った」「船賃は? お財布も」「あ」。大阪に旅立す藍之助をおはつさんが見送ってた道。ロケ地に来た、まさに今日の回ですけど、早朝に東京を出たのでチェックできませんでした。残念。なのでイメージだけで失礼します。

「ありがとう」。

「お母ちゃん。もう、ここでええよって」「せやな」。

「大きうなろやなんて思わんかてええ。地に足つけて、しっかり歩くことさえできたら、それでええんだす」「はい。お母ちゃん。おおきに」。

つづいては、さっき右折したところに戻って、さらに下ります。

ここを右折。

ロケ地の全体が見渡せます。

ここを右に上ります。

「あの時はなぁ、わしよりはつが怒ってしもてびっくりしたわ」「へえ~」。新次郎さんと惣兵衛さんが話ながら歩いてた道

「わしはなぁ、はつが思てるほど、傷ついてへんのやで。ほれ、わしは、自分が親にひかれた道離れて、ようよう楽になった身ぃやさかいなぁ」。

「はぁ、そないだしたなぁ」。

「親の決めたとおり歩かせるのが一番やあれへんいう事は分かってる。それに百姓はきっついしなぁ。わしは銭金の商いのきつさ知ってるさかいこっちの方がええ思うけど。子供らにとっては、何がええのか、まだ分からんやろ。せやけどまあ、お父ちゃんもお母ちゃんも年取ってしもたし。養之助は、まだまだやし…。男手がわしだけやったらやっていかれへんいうのもほんまの事やしなぁ…」。

「ん? 何や、珍し。ちゃかしもせんと黙ってしもて」。惣兵衛さんがみかんをもいで新次郎さんに渡したのはこの木です。

「ヘヘヘ。いや、惣兵衛はん、いつの間にかほんま立派なお百姓のお父ちゃんになりはったんやなぁ思てな」。

「せやで。銭や銭や言うて走り回ってた頃がうそみたいや。わしにはこっちの方が向いてる。な~んも要らんわ。家の者さえいといてくれたら…。 う~ん!」。

「わての娘は、どないしてますのやろなぁ」。

最後に、おはつさんが言っていた須佐神社にお詣りします。

瑞光。

上り切ると境内です。

拝殿。

須佐神社の名前の通り、須佐之男命が主神なのでしょう。須佐之男命といえば八岐大蛇伝説ですね。八岐大蛇伝説といえば、岡山出身の自分としてはやはり因幡。ここ紀州にも伝説があると知って、びっくりぽんです。

灯篭に八岐大蛇。

絵馬にも八岐大蛇伝説。

絵馬で気付かれたと思いますけど、さらにびっくりぽんなのは桃が描かれていること。神社のあちこちに桃があります。縁起が見当たらなかったのでわかりませんけど、もしかすると桃太郎伝説?。岡山出身の自分としては、ちょっと待ったぁ、です。しかも桃太郎は須佐之男命ではなく吉備津彦命ですから!。

来てみたもののなかなか見つからず、あきらめかけてたところにロケ地ファンの直感が降りてきました。桃太郎と八岐大蛇の縁で、須佐之男命が導いてくれたのかな。みかん処南国有田は、やっぱりあったかかったです。太平洋のうららかな日差しをうけて、奇跡に感謝な一日でした。