ペトロとカタリナの旅を重ねて

あの日、あの時、あの場所で
カタリナと歩いた街、優しい人たちとの折々の出会い・・・
それは、想い出という名の心の糧 

えべっさん ‐ 散歩道

2010年01月08日 | 散歩道/山歩き

 関西以外でも、十日戎のことをえべっさんと呼ぶのかどうかは知らない。

 散歩道のひとつに、西宮市の中央図書(本館)への道がある。
 本館は、灘五郷のひとつ西宮郷を東西に走る酒蔵通りと、勝手にさくら道と呼ぶ夙川公園の堰堤、夙川オアシスロードとハイカラな名前の道が交わる閑静な一角にあることは前に、<痕跡本が人気・・・>の稿で書いた。

 Photo_2その散歩道の中ほど、阪神西宮駅の南口から少し南西に行ったところに、全国の戎宮の総社、西宮神社がある。

 話は少しそれるが、この南口にある商店街、驚くほどに姿を変えた。
 25年ほども前、阪神地区を統括する支社に勤務していた頃、仕事でこの商店街にも何度か足を運んだことがあった。

 その頃はアーケードを構えた大きな商店街で、魚屋や八百屋の店先では威勢のいい声が飛び交い、活況に溢れていたように覚えている。

 Photo_4個人商店が大手の安売り攻勢になす術もなく一敗地に塗(まみ)れ、そこにあの大震災が追い討ちをかけ、見る影もなくなったといえば気の毒か。

 しかし、最近、櫛の歯が欠けたような商店街も、舗道や街灯などが整備され、どっこい、まだまだ!と、甦りつつあるようで嬉しい。

 話がそれた、元に戻そう。
 寝正月の枕代わりにした本を返すため図書館に向かったその帰り道、何時もは静かな神社に車の出入りが慌しい。

 Photo_6Photo_5年初の交通安全祈願は、この神社の西隣、勝手にこのように呼んでいいのかな、成田さんの阪神別院があり、そちらに頼む筈だから、それでもなさそうと思いながら広い境内に入ると、紅白の幔幕を巡らしたテントや屋台(写真上)が並び始めていて、その設営のための車だった。

 拝殿(写真中)には大きな賽銭箱が特別に設えられ、名物?の巨大マグロの奉納は未だが、菰樽や米俵などが積み上げられている。
 「そうか、えべっさんか!」と独りごつながら境内を出ると、駅への広い道にも境内同様の縄張り(写真下)がしてあって、三桁の数字が記された荷符が等間隔で並ぶ。

 昔ながらの香具師(やし)がいなければ、場所によって売り上げに大きな影響がある露天商を取り仕切ることができないんだろうなあと思いながら、九日の宵戎から十一日の残り戎まで、露店ひしめく参道が、商売繁盛を願い縁起物の吉兆を手にした参詣客で身動きも困難なほどごった返すであろうえべっさんを後にした。

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする