強い冬型の気圧配置に覆われ、北や東だけではなく西でも日本海側が大雪に見舞われる年明けとなった。
地球温暖化による異常気象なのだろう、日本列島のみならず欧米などでも厳しい寒波に襲われているらしい。
一昨年だったか、12月前だというのにドイツ全土が雪まみれになったことがあった。
丁度、ハンブルクからカッセルへ移動する途中で、エリカ街道の南端ハノーファ駅もメルヘン街道のほぼ中央にあるゲッティンゲン駅も横殴りの雪。
黒と緑の平原がみるみるうちに白く変わっていく様を、ICEの車中から呆れる思いで眺めたことがあった。
北国で暮らす方には生憎の空模様で申し訳ないが、典型的な西高東低型の阪神間、風は冷たいものの初日の出にも恵まれ、穏やかなうちに初春を迎えた。
仕事のことや日々の暮らし向きのことを少しの間だけ忘れて、ドラマやお笑い、スポーツなどのテレビ番組をお供に手枕でうたた寝、なかには寒空に初打ちを楽しむ御仁もおられよう。
この、三が日の和やかな時の流れが好きだ。
ぼんやりとそんなことを考えていたら、暮れの天声人語に、“ 地道とは、元々馬を普通の速さで進ませることで、その反対語は早道だ ” というようなことが載っていたことを思い出した。
地道とは、地味で堅実なさま(大辞林)ということは理解していたが、馬を普通の速さで進ませるという、もともとの意味があったとは。
地道に人生を過ごすとは、華やかなことなどと無縁に堅実に暮らすということになろうが、英訳では、live an honest life となるらしい。
その、Honest という単語、幾ら英語に弱くても、正直にとか偽りないという意味であることぐらいは知っている。
地道に暮らすということは、正直に嘘偽りなく暮らすこと、なんだ、英語の方が座りが好いじゃないか、と変なところで感心。
よしひとつ今年は正直を旨としと年初に誓うペトロに、酔っ払いが何をとりとめもないことをとカタリナ、端から信じる気にもならないようで、「それこそ三日も続けば?」とにべもなく言われたところで目が覚めた。
何はともあれ三が日、ゆったりと時間は流れているようで、それだけで気持ちが和む。
若松はカタリナ(祥甫)、下は梅結び、ど知らも縁起がいい。