敷居に近づきました。
茶道をされている方はこの辺で、「扇子を忘れていますよ」とはらはらされていることでしょう。
一般的所作としての動作と茶道の所作の違いは、茶道をする方は右手を丸くして、親指、人差し指、中指の三本で、軽く茶道用扇子を持っています。
女性用は男性用より少し短く、扇の要は右側に向け膝前に右一手で置きます。
扇の竹の部分が上下となり、紙の面が間、相手に向けられています。
前回の八の字型で書きましたが、座った後指先を畳みに付けますので、指先の向こう敷居より手前です。
では、茶道扇子って、夏場に使う扇子とどう違うのかですよね。
この扇子は、暑いから開いて涼風を送る役目は全くなく、“今からこの場所で茶道の修行をします” ということを表しています。
各自が持つ扇子の役目は重要で、結界(けっかい)の役目を持っています。
ですから、いつも自分の目の前か、部屋に入ると自分の修行する場所、位置がきまれば体の後ろに置きます。
この場所に誰彼が座れない、扇子の持ち主の修行場所となるのです。
結界は、寺などでもみられます。
踏み石などの真ん中に蕨縄や棕櫚縄で十文字に結んだ丸い石、止め石(とめいし)や関守石などと言います。が、置いてあるのを見かけますが、これも結界と言えます。
ここからお寺の方の修行場所ですと、石が無言で伝えています。
この石、茶庭や露地の飛び石などに置かれ、主が客を導く役目にも使われますよ。
Peter & Catherine’s Travel. Tour No.679 - 8
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます