手の甲じゃなく、親指と人差し指で涙を拭う。
傍らでしきりに溢れる涙を拭っていて、目を悪くするからとハンカチを差し出すと、「いらないの!」と拒む。
昨年のこと、誕生日のプレゼントに、小1には少し早いかと思いつつも英語の本を、と電話したところ、R 君、「○曜日と○曜日はスイミング、英語している時間多分ないと思うよ」と、婉曲に断る。
その上で、ラジコン飛行機が欲しいと言い、ラジコンする時間はあるの? の問いに「休みの日に」と、少し矛盾していることに気づかない。
飛行機は危ないから車では? と言うと、「うん!」と嬉しそうな返事が返ってきた。
そして、先だっての高知行、そのラジコンカーを見せたくてたまらなかったらしく、「明日しようね」と眠りについた。
次の日の公園、彼は得意気に車を走らせて見せる。
途中、弟の I 君が、「僕もしたい」と催促、貸してあげてと言うと、日曜日にもその前の日にも貸したと言う。
何度かそんなやり取りがあって、そんな意地悪をするのなら I 君に新しいラジコンカーをプレゼントすると言うと、彼は、「同じのだったらいい」と反論する。
それでつい、「新しいのは馬力が強く、坂も楽々越えると思うよ」と言ってしまった。
彼の車は急坂に弱く、少しもどかしく思っていたらしく、「なんで、馬力の強いのを買うなんて言うの!」と、冒頭の場面になった。
カタリナに、「意地悪な言葉は、他人の痛みが分からない子になるよ」と諌められ、「ご尤も・・・」と返す言葉もない。
弟に少しの時間貸した彼、悔しさが納まらないのだろう涙が止まらない、カタリナが宥めるが、「じいじいとは一生口利かないから」とまで言う。
後日、カタリナが R 君に手紙を出したところ電話があった。
手紙に、“ じいじいが意地悪をしてごめんと謝っている ” と書いたらしく、それに答えて、「今までで、あんな意地悪されたのは始めて」と言い、その後、キャハハと大笑いしたそうだ。
その電話で、カタリナ、「頑張ったね」と褒めている様子。
電話を変わって訊ねると、「ボーイスカウトの募金ね、14万円も集まったんだよ!」と、向こう側で声が弾んだ。
Peter & Catherine’s Travel Tour No.318
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