ペトロとカタリナの旅を重ねて

あの日、あの時、あの場所で
カタリナと歩いた街、優しい人たちとの折々の出会い・・・
それは、想い出という名の心の糧 

いじわる ‐ 高知行

2011年04月27日 | 小さな旅/駅

 手の甲じゃなく、親指と人差し指で涙を拭う。
 傍らでしきりに溢れる涙を拭っていて、目を悪くするからとハンカチを差し出すと、「いらないの!と拒む。

 昨年のこと、誕生日のプレゼントに、小1には少し早いかと思いつつも英語の本を、と電話したところ、R 君、「○曜日と○曜日はスイミング、英語している時間多分ないと思うよ」と、婉曲に断る。

 その上で、ラジコン飛行機が欲Photoしいと言い、ラジコンする時間はあるの? の問いに「休みの日に」と、少し矛盾していることに気づかない。
 飛行機は危ないから車では? と言うと、「うん!」と嬉しそうな返事が返ってきた。

 そして、先だっての高知行、そのラジコンカーを見せたくてたまらなかったらしく、「明日しようね」と眠りについた。

 次の日の公園、彼は得意気に車を走らせて見せる。
 途中、弟の I 君が、「僕もしたい」と催促、貸してあげてと言うと、日曜日にもその前の日にも貸したと言う。

 何度かそんなやり取りがあって、そんな意地悪をするのなら I 君に新しいラジコンカーをプレゼントすると言うと、彼は、「同じのだったらいい」と反論する。
 それでつい、「新しいのは馬力が強く、坂も楽々越えると思うよ」と言ってしまった。
 彼の車は急坂に弱く、少しもどかしく思っていたらしく、「なんで、馬力の強いのを買うなんて言うの!」と、冒頭の場面になった。

 カタリナに、「地悪な言葉は、他人のPhoto_2痛みが分からない子になるよ」と諌められ、「ご尤も・・・」と返す言葉もない。
 弟に少しの時間貸した彼、悔しさが納まらないのだろう涙が止まらない、カタリナが宥めるが、「じいじいとは一生口利かないから」とまで言う。

 後日、カタリナが R 君に手紙を出したところ電話があった。
 手紙に、“ じいじいが意地悪をしてごめんと謝っている ” と書いたらしく、それに答えて、「今までで、あんな意地悪されたのは始めて」と言い、その後、キャハハと大笑いしたそうだ。

 その電話で、カタリナ、「張ったね」と褒めている様子。
 電話を変わって訊ねると、「ボーイスカウトの募金ね、14万円も集まったんだよ」と、向こう側で声が弾んだ。
 
Peter & Catherine’s Travel Tour No.318

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« また・閑話休題 ‐ ラファエロ... | トップ | 感謝 ‐ 4月がゆく »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

小さな旅/駅」カテゴリの最新記事