ペトロとカタリナの旅を重ねて

あの日、あの時、あの場所で
カタリナと歩いた街、優しい人たちとの折々の出会い・・・
それは、想い出という名の心の糧 

ゴッホ余話 ‐ ちょっとミステリアスな絵

2016年11月21日 |  ∟アメリカの美術館

 ※ ワシントンDC/フリップスコレクション(8) ‐ DC&NYの美術館にみる泰西名画選(8)

 この小さなギャラリーの作品を拾うだけで四苦八苦、メトロポリタン美術館なんて所詮無理、なんて今、ちょっぴり後悔しているところ。
 そんな弱気の虫は、防虫剤と一緒に箪笥に仕舞って、ここでちょっと横道に。

 幾ら能天気なペトロ とて、旅の前にはある程度の知識は仕入れている。

 それは、旅本の地球の歩き方や美術案内書だったりHPだったりだが、この旅も旅程表とともに作品リストを作って鞄に入れてきた。

 そのリストの作成途中、「えっ、ほんま?」と思う面白いブログ 「White & black」(10-09-28)に当り、機会があれば紹介したいとファイルに保存していた。

 その作品が、ゴッホが共同生活の家を飾るために描いたとされる 「アルルの公園の入口」(1888年/上)、勿論、ここフィリップスコレクションが収蔵している。

 主題はいたって簡単、公園の入口の景色だが、この作品には、偶然なのか画家の仕掛けなのか、公園に入って突き当りの小道が別れる辺り、仰向けの顔が描かれている・・・と、言うのである。

 半信半疑、投稿氏が説明するように、その部分を切り取って(中)、さらに左に90度回転して(下)、目を細めて眺めたらなるほど横顔が浮かんでくるからびっくり。

 投稿氏は、次のように解いている。
 目は、紺色の服を着た道の真ん中の女性、瞳は、その上着の濃紺の部分
 鼻は、その女性の頭部辺りから左下に伸びた細長い柵に沿って
 そして、鼻の穴がその少し下の黒い服
 口は、その下でベンチに座った黒服の人の膝下から靴先
 髪は、右上の黒い服を着てベンチに座った黒い服の二人
 ・・・だと。

 序に加えるなら、口の下の無人のベンチが顎と首、髪の下辺りには耳が、また、上部の茶の塀とその後ろの木が帽子に見えなくもないのである。

 早描きゴッホ(1853-1890/オランダ/後期印象派)、だまし絵を描いたとは到底思えない。
 が、僅か二カ月で破綻した共同生活、その後の耳切り事件、銃による自殺へと続く予兆と考えれば、俄然この絵がミステリアスになるから不思議ですよね。 
 Peter & Catherine’s Travel. Tour No.1216

コメント
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