ペトロとカタリナの旅を重ねて

あの日、あの時、あの場所で
カタリナと歩いた街、優しい人たちとの折々の出会い・・・
それは、想い出という名の心の糧 

ゴヤ 「悔悛する聖ペトロ」

2016年11月07日 |  ∟アメリカの美術館

 ※ ワシントンDC/フリップスコレクション(4) ‐ DC&NYの美術館にみる泰西名画選(4)

 前々回、マニエリスム期の画家エル・グレコ(1541-1614)の 「<悔悛する聖ペトロ>」を投稿した。

 そのグレコ、バロック期に活躍したベラスケス(1599-1660)、近代絵画の創始者ゴヤの三人を指して、スペイン絵画における<三大巨匠>と呼ばれることはこれ迄にも投稿した。

 余談だが、個人的にはこの三人にベラスケスと同時代の画家<ムリーリョ>(1617-1682/セビーリャ派)を加え、四大巨匠と呼んでいる。

 またしても前書きが長くなったが、「<裸のマハ>」や 「カルロス4世一家の肖像」(何れもプラド美術館蔵)などの問題作を描いたフランシスコ・デ・ゴヤ(1746-1828/ロマン主義)。

 そのゴヤのグレコと題も同じの 「悔悛する聖ペトロ」が今回の作品。

 大病の後遺症で聴覚を失っていたゴヤ、1819年にマドリッド郊外マンサナレス河畔、聾者の家と自称する別荘へ移り住んだ翌月、三度目となる重病に罹るものの一命をとりとめる。

 本作は、その翌20年頃、別荘の壁に描いた問題作 「<連作・黒い絵>」とほぼ同時期に描かれたとされる。

 そんな状況の中で描かれた本作、主題は改めて説明することもないが、グレコのそれと比べるといかにも重く、悔悛する聖人に画家自身の苦悩が塗り込められているように感じたのだが、さて、どうだろうか?
 Peter & Catherine’s Travel. Tour No.1209

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