ペトロとカタリナの旅を重ねて

あの日、あの時、あの場所で
カタリナと歩いた街、優しい人たちとの折々の出会い・・・
それは、想い出という名の心の糧 

エル・グレコ 「悔悛する聖ペトロ」

2016年11月03日 |  ∟アメリカの美術館

 ※ ワシントンDC/フリップスコレクション(2) ‐ DC&NYの美術館にみる泰西名画選(2)

 コレクションの紹介もあって、<ボナール>(1867-1947/フランス/後期印象派)から始めた小編。
 表現形式の年次からみればちょっと変則、で、美術館に入ったところから仕切り直すことに。

 新しく増築された建屋に入口があって、そこのエントランスロビーのインフォメーションでチケットを買った。

 階段を上って展示室に入る手前、少しほの暗い右手の壁だったと覚えている、黒ずんだ背景のなかで色鮮やかな黄色い衣を纏い、腰に鍵を提げた男の肖像画が嫌でも目に入った。

 イタリアやスペインで活躍、<マニエリスム期>最大の画家エル・グレコ(1541-1614 /ギリシャ・スペイン)の 「悔悛する聖ペトロ」だった。

 グレコは、生涯に六点ほどこの聖ペトロを題材に描いたとされている。

 傑作 「<トレド眺望>」(メトロポリタン美術館蔵)とほぼ同時期、晩年に描かれた本作、彼による聖人画の大きな特徴である、潤んだような上目使いの眼差しで聖ペトロを描いている。

 この聖人のことは何度も投稿したので重複は避けるが、グレコは、何時も布切れを懐に入れ涙を拭っていたという<泣き虫ペトロ>の気質を巧みに捉えてい、聖人の名を洗礼名に頂くペトロ、絵を前にして足が動かなくなってしまった。

 そんな感傷とは無縁のカタリナ、目指す作品があるのだろう、さっさと展示室に入ってしまったけれど。
 Peter & Catherine’s Travel. Tour No.1207

コメント
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