今頃は、白夜のサンクトペテルブルクにいる筈だった。
カタリナ、世界4大美術館のひとつエルミタージュで美術館巡りの掉尾を飾る、なかでも、大好きなレンブラント・ファン・レイン(1606-1669/オランダ絵画黄金期)の傑作、「放蕩息子の帰還」「ダナエ」「フローラに扮したサスキア」などとの出会いが夢だった。
ANAのマイレージ特典交換、ビジネスクラスから埋まっていくご時世、2月に申し込んでこの時期になった。
それとても伊丹から羽田、そして成田からイスタンブール、ミユンヘンを経由してサンクトペテルブルグへと、たっぷり機に揺られる旅程を組む仕儀に。
♪ 左から順に、世界4大美術館のひとつとされるパリのルーブル、マドリードのプラド
♪ そして、NYのメトロポリタン美術館です
僅か三泊で帰国もないだろうと旅の前半、JALパックのランドオンリー・現地集合のプランを加え、5月28日にエーゲ海の真珠とも言われるイズミルで団と合流。
その、後六泊の予定でざっとトルコを周り、6月3日にイスタンブールで離団、ミュンヘンを経てペテルブルクに入ることにしていた。
イスラムの優等生トルコ。
一昨年の<イスラエル巡礼>でイスタンブール・アタチュルク空港を通過したことがあるが初めての国。
15世紀にビザンツ帝国を滅ぼしイスタンブールを都とする大帝国を打ち立てたが、そのオスマントルコの栄光や如何に、と楽しみにしていた。
カッパドキアの気球ツアーは爆発事故で、勿論、取り止めになったが。
♪ ビザとホテル・バウチャーです
♪ ロシアの旅行社はアカデミサービス社、ここが招待状?を出してくれたようです
一方のロシア、通貨ルーブルしか使えない、空港やホテルを除いてロシア語以外はまず駄目と言う、この摩訶不思議な超大国、入国査証・ビサの取得からして大層。
旅行案内を読む限りだが、航空機やホテルのバウチャーは勿論のこと、招待状がないと下りない。
ペトロ 如きのスキルで個人手配は到底無理、で、ロシア専門旅行社ユーラスツアーズの手を拝借した。
餅は餅屋と言う、ビサの取得から美術館に徒歩圏内のホテル予約、フライト便が深夜着の早朝発となったため空港とホテル間の送迎、半日だけだが日本語ガイドの観光など、痒いところに手が届く手配をして貰った。
自前は、エルミタージュ美術館の、二日間通し入場券をインターネットで買ったことぐらい。
♪ エルミタージュ美術館のバウチャーです
♪ 紙面には、「貴方は長蛇の列に並ばなくてもいいよ」なんてことが書いてあるようです
♪ この日の朝(31日)のカタリナですが、そんなこと忘れたかのようにお絵描きに夢中です?
ところが、カタリナが思わぬことに。
ファースト・オピニオンで彼女、「ペテルブルクだけでも」と懇願、主治医は勿論、「なんぼビジネスクラスでもあかん!」。
その夜、玩具を取り上げられた幼子みたく悄気ていました。
そんなこんなの皐月・五月、「また、いつの日かふたりで」、感謝と祈りとともにゆきます。
Peter & Catherine’s Travel. Tour No.616