市役所に用事があって、不在持ち帰りになった郵便の受け取りなどを序でに済まし、午後も遅く病院に着いた。
途中、小雨に降られて気がついた。五月の連休明けに入院して、以降、一度も雨が降らなかったことに。
余談だが、最初の病院、自宅から徒歩10分足らずということもあって、初夏にしては厳しい日差しの中を、歩行喫煙する不埒者?を避けながら専ら歩いて通ったが、傘の世話になることはなかった。
この日、山は雨に洗われ、田植えを終えたばかりの田んぼに雨粒の輪が広がってい、二日前の日曜の抜けるような青空とはまた違った風景だった。
明りを灯す前の少し薄暗い病室を覗くとカタリナ、カタリナチェアなんて勝手に名前をつけている。椅子に腰掛け煙る山を眺めている。
昼下がり、久し振りのお絵かき、失礼。が、できたのが嬉しかったらしいのだが、頗る上機嫌なのは他にも理由がありそう。
で、「どうしたの?」と、尋ねると、「お手紙にね、“ 培ってこられた、『○○の会』、親交の場として続けて頂ければ嬉しい ” ってお願いしたでしょ。皆様ね、グループを残して下さるらしいの。嬉しくて」と目を潤ませて話す。
彼女の何時もの口癖、“ 素晴しいお仲間の皆さん ” を、想うに相応しい静かな雨の日の夕暮れの病室でした。
Peter & Catherine’s Travel. Tour No.614