去年、シンビジュームなど鉢植えの蘭の植え替え時を逸して、そのまま年を越させてしまった。
それでも綺麗に花を咲かせてくれた鉢もあった。
健気にも、二本の花を咲かそうとしたものの鉢一杯に広がった株に邪魔され、上手く伸び上がれなかったようで、一本は株と株の間で花芽を付けまま可哀想に朽ちてしまった鉢もあった。
ペトロ 自身を曰く、「よく食べることとよく眠ることだけが取り柄?」だったのに年の初めから体調を崩し、2月ほどの間に入院、手術、再入院、手術を重ね、バタバタと忙しなく時間を送ってしまったこともあって、わさわさと野放図に伸びた鉢植えの蘭、それに椿などが手入れを待っていた。
そんな訳で、連休前半のお天気のいい日、せめて鉢の中で根が溢れている蘭だけでも何とかしなければと、「せまっくるしかったねえ」と声をかけてやりながら、絡み合った根を、それこそ根気よく解(ほぐ)し、植え替えてやることができた。
六十代も後半になり、以前は一日で出来たことが出来なくなり、また、その時は頑張れても後でお釣りのように疲れが尾を引くことが多くなった。
老いとともに近頃は、スリムに暮らすことを念頭に要らないものは処分するよう心掛けているつもりだが、こしらえたり育てたりが好きな性分でなかなか思うようにいかない。
当たり前のことだが体力は年々落ちる。
迷惑をかけるから、気力が補ってくれる間にやれることはやっておかないと、とも思う。
ベランダに所狭しと育てている植木たちを眺めながら、棺に入れて一緒に焼いて貰いたい物や父母の若い頃の写真などなど、旅路のお供以外のグッズは元気なうちに片づけておかないとね、と、ペトロが見ているのか、連休の行楽を伝えるTVの賑やかな声を遠くにしみじみ思った。
のだけれど、老いてはいられない、連休後半は風炉の道具に入れ替えをしなくっちゃ! 取り敢えずは、苦手の灰形づくりをやらなきゃね、楽しい稽古が待っているもの。
高槻 Niさんが今年もお持ち下さった日本原産の古来種「海老根」(下)、貴重種でもある。 ()
Peter & Catherine’s Travel Tour No.463