雨模様の10月最後の日曜日、《ヴィンタートゥール展》 にいる。
美術展、大雑把に言えば、フランス・ロマン主義のドラクロワから始まり、モネ、ルノワール、ゴッホなどの印象派からルドンなどの象徴派を経て、スイスのヴァロットンから20世紀芸術のクレー、ピカソ、ジャコメッティ、カンディンスキーなどの抽象へと続く構成になっていた
最後に、印象派時代に活躍した素朴派のルソーに戻っていたけど、この展覧会の注目作品のひとつということ
展示は、ドラクロワ「グレーハウンド犬を伴うアルジェの女」を先頭に、シスレー「朝日を浴びるモレ教会」、ルノワール「水浴の後」、ゴッホ「郵便配達人」など、馴染みある画家の絵から始まっていた
ルノワールのブロンズ「小さな立つウェヌスと小さなパリスの審判」にしても、ドガ「立っている馬」にしても、彫刻も上手いと思った
スイス表現主義の奇才パウル・クレー、<金色の魚>(ハンブルク美術館蔵)などが有名だが、ここでは「ごちゃごちゃに」がユニーク
印象に残ったのが、クレーが占い棒で水脈を探り当てる様を描いた「水脈占い師のいる風景」
ジョヴァンニ・ジャコメッティの「自画像」など、絵としてはそれなりなのだけど、息子のアルベルトへと繋がる血を感じさせた
そのアルベルトの彫刻「林間地」は全てを削ぎ落とした作品だけど、彼の油彩「座って新聞を読むディエゴ」は、削ぎ落とす前のリアリティが残っていた
カンディンスキーの「はしごの形」(写真上)は、計算されつくした絵として印象に残った
愛らしさに程遠い赤ん坊を描いたアンリ・ルソー「赤ん坊のお祝い!」(写真下)、逞しい迫力で前を見据える子供が彼独特の視点で面白い
安藤忠雄さんが影響を受けたという著名な建築家ル・コルビジェ
建築作品も好きだけど、「ヴァイオリン、骨、サン=シュピルス聖堂の構成、または、バロック様式の聖堂とヴァイオリンの静物」という長い題のこの絵も面白かった
フランス象徴主義のオディロン・ルドン、ふたりとも印象に残ったが、紙数の都合で次回に。(続く)