カタリナ、実に嬉しそうに、笑顔で帰ってきた。
高槻のお茶の仲間である H さんから「お人形」を戴いてきたのが、その理由らしい。
「可愛いでしょう!」と感想を求められた。
お茶に限らず、この手のものにまったき疎く、「そうだね・・・」ほどのことしか述べようもないのだが、「とても素人、趣味の域の作品とは思えないね」と、遠慮がちに印象を伝えると、「そうでしょう。お人形作りで、とても有名な方なのよ」と言う。
そういえば、昨年だったか H さん、作品集、「心のふるさと わらべ人形の世界」を上梓、カタリナも贈られたことがあった。
ペトロ も、その折にその本を拝見。
昔ばなしや童謡などの場面が、四季折々の中でほのぼのと再現されていたのを思い出した。
それで、今回の人形のこと、思いつきに「もう少し小振りでも?」と言うと、「お茶席の床に軸代わりに置くとなれば、このくらいの力がないとね」と答えが返ってきた。なるほど、「言われてみれば」と得心した。
新聞を読みながら、見るともなしにちらちらと眺めていると、茶席で神妙に畏まるわらべを通じて、作り手の息遣いみたいなものを感じた。
で、改めてしげしげと見つめた。
顔はもちろんのこと、懐紙にとった生菓子を食べようとする仕草、お茶碗を持つ小さな手など、ディテールのひとつひとつにも表情があり、素朴な味わいがあって可愛い。
この 《わらべたち》、同市の I 公民館で行われる文化祭の茶席の待合で、多くの方の心を和ませることだろう。