この週末が連休であることに昨日気づき、すべてを忘れて街に出ることにした。日本橋、人形町のあたりを彷徨い、迷い込もうという魂胆である。朝、外に出るとむーんという熱気が体を包む。その中を歩く。熱いが朝の空気は新鮮で気持ちがよい。東京駅のあたりを過ぎるとブリジストン美術館が見える。この美術館には今は亡き叔父に最初に連れてきてもらった思い出がある。当時は絵画 (広く美術) には全く興味がなかったが。40年ほど前に思いを馳せ、ここで数時間過ごす。この詳細は改めて書いてみたい。
それから人形町の方へ歩き始める。古い町並みを見ながら、景色の中に身を委ねる。午後、ヴォーヴナルグでも、と思いカフェで休んでいると突然の雷と雨。傘を持ってこなかったことを少しだけ悔いる。ほんの少しだけ。近くのビルに雨を避けられるところがあったのでそこへ向かう。今日は不思議である。いつ止むとも知れぬ雨とともにいるという感覚。あなたまかせなのだ。雨宿りという言葉を思い出す。こんな精神状態になるなど、想像もできなかった。すべてを忘れると自然と一体になれるということか。この世に生きている過程で溜まってきたものを捨て去ると自由なこころがついてくるということか。今書いた文章を見て、自然体とは自然と一体になれる心のことなのか、と感じている。