昨日今日と天候が思わしくない。こういう時には何か違うもの、ゆったりと心に染みるものを聞きたくなる。そこで iTunes を探したところ、ひとつのCDに行き当たった。
ディディエ・スキバン Didier Squiban というブルターニュ出身のピアニストのアルバム "Rozbras" 「ロスブラス」である。
12のイメージがピアノソロにより奏でられる。おそらく、彼の土地ブルターニュのイメージだろう。ただこのタイトルの意味はよくわからない。
2003年夏、セーヌ河畔を当てもなく彷徨っていた。しばらく歩くと、スポーツコンプレックス Omnisports を過ぎたあたりに、古い町並みの中にアメリカの郊外で見かけるような小さなお店が集まったところを見つけ、そちらに向かった。ベルシー地区 (実はこの名前を思い出すのに30分くらいかかった。そこに関連のあることを思い出そうとするのだが、なかなかうまくいかなかった。結局、それを繰り返しているうちに突然飛び出してきた) のモール?である 。
その中にあった明るい、ユニークな音楽の流れている、アフリカの品も置いてある店に入り、流れている音楽について店の若者に聞いてみた。その時、フランスのキース・ジャレットのような人でバックグラウンド・ミュージックとしてはよいのでは、と紹介してくれたのがこのCDである。アフリカ音楽とあわせて記念に手に入れた。思い出の品である。
それ以来余り聞いたことはなかった。しかし今日は静かに、まさに心に染み入るように彼の音楽が入ってくる。なぜかわからないが、この天候とパリのその日の空気を思い出させるこの音楽との相性がよかったのかもしれない。
ネットサーフしてみると、彼は昨年春に日本に来ていたことがわかった。その時はアンテナは全く張られていなかったということになる。
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(version française)