○ 60兆個と100兆個の超有機体の人間 ①

人体を形づくる細胞の数は、およそ60兆個。一方、人体に共生している菌の数は、なんと100兆個以上。 私たちはつねに、自分の細胞数を大きく上まわる数の微生物を飼い慣らしてともに生きているのだ。 数年前までは、それらの菌は人間にとって悪玉菌といったようなネガティブな要素をおもに見ていたが、 最新の科学では、それらの菌は、人体の機能や健康などと密接にかかわっていることから、菌は “second DNA”だと指摘する研究者もいる。



「常在菌」はいつも人体でのんびり暮らしている。
常在菌は、「細菌」と「真菌(いわゆるカビ)」に分かれ、圧倒的に多いのは細菌だ。

常在菌の数は、全部で100兆個以上にのぼるというのが一般的な見積りだ。数100兆といわれることもある。
100兆個の常在菌を、はかりで量ると1キログラムだ。われわれの体重の数10分の1は常在菌なのだ。
(簡単に言ってみると、普通のときは、100兆個くらいだが、その人が１週間くらい便秘をすると、食した食べ物の量からして5キログラム、500兆個の菌とお友達になっているということなのです)。

菌は、自分で栄養分をつくりだすことができないので、まわりの環境から栄養をもらって生きている。 そのために、栄養の多い場所で暮らす傾向が強い。 そういう意味で食べ物のかすや 未消化の食べ物が数10時間め滞在する大腸は、栄養が豊富にあり、体の中で常在菌が一番多い場所だ。