フラメンコ超緩色系

月刊パセオフラメンコの社長ブログ

春の徘徊師 [098]

2006年05月06日 | 散歩の迷人





              春の徘徊師




    


 本格的な春である。
 気さくな陽の光を浴びて、希望そのものの匂いを発散する街並み。
 ゆきかう人もみな、アレグリアのアイレを身にまとう。


    


 ありがたいと云うか、手遅れとゆーか、春のときめきというのは、私らオヤジたちにも公平に支給されるものなのだ。

 であるのにである。
 「命短し恋せよ乙女」というあの有名な法則が、オヤジたちには適用されない現実というのは、少々片手落ちではないか。
 「残り短し恋せよオヤジ」という好ましくも涙ぐましい風潮が一般化するのは、いつの日のことであろうか。


       
           

 ま、それはそれとして、ヒマさえあれば歩きまわりたくなるような陽気ではないか。
 こうなりゃ、せめてもの散歩三昧だ。
 普通のオヤジに見えるかもしれんが、こう見えても私は「散歩の迷人」の異名をとるほどのフツーのおじちゃんなのである。


 ただ私の散歩というのは、目的もなくさまよい歩き

  「ありゃ、こんなとこへ来ちゃったよ」

 といった性質のものなので、一般的には「徘徊」というニュアンスに近いのかもしれない。
 すでにあたりは夕闇だが、現在地は不明である。


      


 もしかして、沖縄に移住すれば「ハイカイおじさん」として有名になれる可能性もあるだろうが、通勤と定期代とかが大変そうである。
 ま、きっぱり名声はあきらめて、ここが何処だかよくわからんが、とりあえずそこらへんで一杯やろーか。

 



  春風とさまよひまくる迷子酒


      



 


 


 

  【追記/関係ねーけど、本日の速報】

 私のアート関連の師匠にあたる大友浩氏の名著『花は志ん朝』(ぴあ出版)が、めでたくも文庫化(河出文庫)される運びとなった。氏は文化庁芸術祭の審査員なども務める高名な演芸研究家であるが、その実体は単なるまぬけな“笛吹童子(リコーダー)”でもある。

 『芸の不思議、人の不思議』(5月6日付ブログのコメント欄をご参照ください)
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