尾崎まことの詩と写真★「ことばと光と影と」

不思議の森へあなたを訪ねて下さい。
「人生は正しいのです、どんな場合にも」(リルケ)
2005.10/22開設

顔の川

2006年02月09日 13時55分33秒 | 詩の習作
アリガトウ
と言った
ワスレナイデ
と言われた
ワスレルモンカ
と言った

それから
言葉ではないものを
両足の先に履いた
後ろに言葉では
ないものの
視線を感じながら
石だとか砂だとか
言葉ではない
確かなものの上を
歩いて帰った

夜の空には
言葉ではない
たくさんのもの達が
むやみに美しく
光っていた
この世にあるものは
すべて言葉ではないと
はっきりわかった

言葉でないものたちに
圧倒的に囲まれながら
ただひとつ
もう言葉でしかない
アナタ

悲しんだ

この完璧な
夜に
空いた
ただひとつの

その
言葉のために
言葉ではないものが
僕を
顔の川のように
流れた

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2 コメント

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Unknown (香鈴)
2006-02-10 21:07:08
そこにある物・・それは、者で在った

者は物になり・・炎に散り、無に返る

無に返り 聞き慣れぬ名を持ち 知らぬ物の振りをする

何度、繰り返しても、応えぬ問は 永遠のジレンマ

彼方は、彼方であり、君は君であり

聞き慣れぬ名を幾度、唱え様とも

あなたは、父と言う名の者であった

今は言霊でしか無いけれど

それは、あなたが、者として歩んだしるしだから

私は今も あなたを父と呼ぶ







昨年、父が亡くなった時を思い出しました

人の命は、簡単には消えないけれど

消えると、決まった瞬間・・それは、あっけなく消えてしまうものですね。

そして、残された者は、やはり、普通に暮して行けるものです(苦笑)

私が白状なのかな?ヾ(〃^▽^〃)ノあはは♪
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香鈴さんへ (ふくろう)
2006-02-11 13:26:55
命はしぶといものですが、

消えるとなればあっけないですね。



今となっては中身をうかがい知ることもできない、

たくさんの言葉を抱えて、みんなどこへきえてしまうのでしょうね。

たた一つの言葉で呼ぶしかなくなった人たちなのにね。



いろいろな思いがわいてくる、香鈴さんの詩でした。
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