尾崎まことの詩と写真★「ことばと光と影と」

不思議の森へあなたを訪ねて下さい。
「人生は正しいのです、どんな場合にも」(リルケ)
2005.10/22開設

それから

2006年09月29日 22時56分07秒 | 詩の習作
雨の日だった

うちつづく雨音のような
女の悲しい話だった
その話が
しばらくとぎれたところで
男は口を開いた

それから?

それから
あなたに会って
こうしているのよ

窓の外では
雨が一段と激しくなった

  *

それから? 
については
それからは 
つまり
いつも これからのこと 
だったので
男と女のあいだでは
永遠に
話されることはないと
思われたのだけれど

二人は共に年老い
まず
男が死んで

それから
三日後
女は死んだ
雨の日だった


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