亀山博士は
ラーメンの汁をすすり終え
干上がったハチの底を見やりながら
おっしゃったのだ
君、想像したまえ
人間はすでにいないんだ
地球もね
神様だけだ
…そんな宇宙は奇妙に歪んでいて
寂しいだろう?
神様は風邪をひくでしょう
僕の答えに
博士はハチの縁を
箸でパチンと叩いた
次の客に押されるようにして
僕たちは屋台を出た
博士と別れてから
古ぼけた煙草屋のある角で
ちょっと酔って
まるで彼女にでも電話するみたいに
絶対に話し中の
携帯電話の番号を押した
月もないのに
群雲が光っていた
話し中である
自分のしていることが
あの神様のように寂しかった
ラーメンの汁をすすり終え
干上がったハチの底を見やりながら
おっしゃったのだ
君、想像したまえ
人間はすでにいないんだ
地球もね
神様だけだ
…そんな宇宙は奇妙に歪んでいて
寂しいだろう?
神様は風邪をひくでしょう
僕の答えに
博士はハチの縁を
箸でパチンと叩いた
次の客に押されるようにして
僕たちは屋台を出た
博士と別れてから
古ぼけた煙草屋のある角で
ちょっと酔って
まるで彼女にでも電話するみたいに
絶対に話し中の
携帯電話の番号を押した
月もないのに
群雲が光っていた
話し中である
自分のしていることが
あの神様のように寂しかった