尾崎まことの詩と写真★「ことばと光と影と」

不思議の森へあなたを訪ねて下さい。
「人生は正しいのです、どんな場合にも」(リルケ)
2005.10/22開設

魂を吐く

2008年03月06日 00時12分37秒 | 詩の習作
魂を吐く夢をみた。

それは水晶の玉のようなものであり
口から出ようとしているところで
ひっかかかっている。
その苦しげな様子を
もうひとりの自分が
怖い気持ちで見ていた。
そのうちヒゲが生え、角が生え
悲しい龍のような顔になった。

吐き出す前に目覚め
これは詩になるぞと
ちらっと思った。
歯を洗い思いつきで
三ヶ月ぶりに散髪に行った。

鏡の中の男は
カミソリは軽くねと言った。

散髪屋は魂よりも
もっと柔らかい玉に
ひやりとしたカミソリの刃を
龍を刻む手つきであて続けた。

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