仕事の帰り
焼肉をご馳走になった
準急行に座って
文庫本を読んでいた
遅かったので
立っている人は
ほとんどいなかった
顔をあげると
あたりまえのことだけれど
みんな服を着ておとなしく腰掛けていた
それがひどく滑稽なことと思われたり
痛ましくも感じられた
自分の右手と左手を結んでいる人もいたが
どこへ運ばれていくか
その果てのことを知る人はいない
揺れるとだいたいおなじように
みな揺れた
その先頭で
運転手さんだけが身体を硬くして
闇を開く光線を睨み続けているのだろう
小さな地球のことを思った
その上を走るおもちゃのような
鉄道のことを思った
この近鉄南大阪線こそ
僕らの銀河鉄道なんだと
気がついた
焼肉をご馳走になった
準急行に座って
文庫本を読んでいた
遅かったので
立っている人は
ほとんどいなかった
顔をあげると
あたりまえのことだけれど
みんな服を着ておとなしく腰掛けていた
それがひどく滑稽なことと思われたり
痛ましくも感じられた
自分の右手と左手を結んでいる人もいたが
どこへ運ばれていくか
その果てのことを知る人はいない
揺れるとだいたいおなじように
みな揺れた
その先頭で
運転手さんだけが身体を硬くして
闇を開く光線を睨み続けているのだろう
小さな地球のことを思った
その上を走るおもちゃのような
鉄道のことを思った
この近鉄南大阪線こそ
僕らの銀河鉄道なんだと
気がついた