尾崎まことの詩と写真★「ことばと光と影と」

不思議の森へあなたを訪ねて下さい。
「人生は正しいのです、どんな場合にも」(リルケ)
2005.10/22開設

詩「青いうちに}

2011年09月12日 23時36分33秒 | 詩の習作
澄みわたる空には
羊雲のかわりに
花々の幽霊が流れ
渡りの鳥が隊列を組み
美しい季節を
追いかけている

木の実をついばむように
写真ばかりとって
さっぱり歌わなくなった
わたしの鳥も
貝のボタンの下で
しきりに羽ばたきをする

青いうちに帰らねばと

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詩集「揺りかご」

2011年09月12日 23時05分35秒 | 詩の習作
ふいに
風がたつと
仕事中でも手をとめて
君は陽炎のように
揺れることがあったろう

そのとき
あのひとが
君の夢を見ていたのだ
君が
夢をもう見なくなったので

こんど
風がたったら
また揺れてやれ
昔のように
にっこり揺れてやれ


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詩「目撃者」

2011年09月12日 22時52分11秒 | 詩の習作
地上では
人間だけがやかましい

花も蝶も
そこにある石も
かなたの星も
喋れないのではない
時の口を結んで
黙りこくっているのだ

絶叫の後で

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