ブレンド日記

世の中の出来事・木馬での出来事・映画の感想・本の感想・観るスポーツ等々ブレンドして書いてみました。

(33)「老猿」藤田宣永著(講談社)を読む(8/13日読了)

2010年08月22日 | 本の事
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               高村光雲の『老猿』像

直木賞作家であり、小説家小池真理子さんの旦那様。ということは知っていたが、読むのは初めて。

でも 面白かった。テンポよく、サクサクと読むことができた。

元ホテルマンの私は、父の遺産である軽井沢の別荘に移り住んだ。向かいには、高村光雲の彫刻作品から私が“老猿”と名付けた、変わった老人が住んでいた。もう一軒、向かいの豪華な別荘の持ち主が、ある日、中国人女・春恋を連れてやってきた。そして、奇妙な人間関係が絡み合い、冬から春へと季節が移っていく―。 (BOOKデーターベースより)

主人公中里は60を前にして長年勤めたホテルをリストラされた。
時を同じくして、初めての浮気が妻にばれて離婚されてしまう。
中里はローンを完済したマンションを妻に譲り、父が残した軽井沢の寂れた別荘に移り住むことにした。
近所には中里が“老猿”と名づけた変わり者の老人が住んでいた。
そして、もう1軒に資産家が愛人らしい中国人をつれてきた。
その夜、資産家の妻が別荘を訪れ、愛人の春恋が中里の家に逃げ込んできた・・・
中里は思いがけずに老猿と春恋に深くかかわっていくことに・・・・・・

愛人関係や自殺など、物語は息つく暇もなく快調に展開するので、読む者を飽きさせない。
そして情に流されない大人のハイセンスな恋情が綴られるので、ごく自然に気持ちよく読み進むことができ、最後は?・・・ 

というわけで、リタイア中年男性の恋愛&冒険小説としても面白く、3日で読んでしまいました。