ブレンド日記

世の中の出来事・木馬での出来事・映画の感想・本の感想・観るスポーツ等々ブレンドして書いてみました。

⑥「町長選挙」を読む。奥田英朗著・・(文芸春秋)・・1/31日読了

2010年02月05日 | 本の事
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 さても、さても すっかりはまりこんだ とんでもない医師伊良部シリーズ第三弾。
とても面白く読んだ。
このトンデモナイ医師こと伊良部はこの本によると、外見は太った色白の中年男。精神年齢は五歳。欲望の赴くままに行動し、患者が注射を打たれる姿に異常に興奮する性癖の持ち主。なんでこんな男が医者に、という素朴な疑問を持つことさえ忘れさせてくれる強烈なキャラクターだが、彼が働くのは父親が院長を務める伊良部総合病院という設定になっているので、どうぞご安心を(?)。ハチャメチャな治療法で患者を翻弄しつつも、最後にはきっちりと患者の病気を治してしまうので、彼は、実は名医なのかもしれない……。ということなのです。

 さて。
今回も4作からなる短編集なのだけど、え?こんなこと書いていいの?フィクションなの?そう思うくらい 読んでいてモデルがはっきりわかるのだ。

「オーナー」
新聞社の代表取締役かつ野球球団のオーナーである田辺満雄(ナベマン)がパニック障害に陥る話。モデルはもちろんあの人ですよね。

「アンポンマン」
某IT社長(元)がモデルで、ひらがながわからなくなってしまうという症状に陥ります。今となっては彼がモデルというのはちょっと痛々しい。

「カリスマ稼業」
宝塚歌劇団出身の44歳の女優さんがモデル。あの体型を維持するために、本当にこんな努力をしているのかな。でもこの話が本当だったら、芸能人も特別じゃないのね、とちょっと安心したりして。
なにしろ 最近のテレビは女優の顔に皺まで逃さないから、同年齢の女優と比べて、安心したり、落ち込んだりすることが多いからね。

「町長選挙」
標題の町長選挙、こういうのありうる、妙に納得してとても面白かった。

私が奥田作品に引かれるのは、“人生に勝ちも負けもない”という奥田作品に一貫して流れる、奥田さんの人生観。とくに、格差社会の問題が取り沙汰されるようになってきた昨今、その人生観がより強く作品に反映されているように感じられるので、つい自分の人生観と重なり応援したくなるのだと思う。

東京から数時間かけて船を乗り継いでやっとたどり着く離島、千寿島。ここでは小倉と八木という農業と土建屋という二者が有力者であり、日々熾烈な戦いが繰り広げられている。その千寿島に東京都の職員として就職した宮崎は離島研修ということで赴任してきた。
千寿島では町長選挙の真っ只中であり、役場でもその話題で持ちきりである。この島では小倉か八木かどちらについているかによってその後の待遇も変わってくる。宮崎もその例に洩れず、両陣営からどちらにつくのかはっきりしろと言われ困惑気味である。
そこに、父の意向と見栄により2ヶ月間千寿島に赴任することになった伊良部と日給3万円で離島赴任を受け入れることになった、マユミちゃんがやってくる。小倉、八木両派は伊良部の父が医学会での重鎮であることを知り、賄賂攻撃に走る。
宮崎も両陣営から賄賂を掴まされ、悩んでいたが、貰えるものは貰っちゃえという伊良部の発言に少なからず心が揺れる。
マユミちゃんのキャラがいい。この本はマユミちゃんで持っているようなもの。
マユミちゃんはお金貯めてるよ、だって注射打つのにも一本いくらと手当がついているんだもの。

伊良部が呟く一言。
民主国家がなんのその、デモクラシーなんて最善じゃない。
一万人以下なら、昔の藩主みたいな存在が治めた方が却って栄えるんぢゃない?
本当にこんなことを云ってのける政治家がいたら大問題になるだろうけど、実際正しいような気もする。

我が町江津も7月に市長選挙があるけれど、きっとまた無投票だと思う。
でる人がいないのだ。戦う気のある人がいない。
私は全国に向けて応募してやる気のある人を募集したらいいと思う。
『七人の侍』のように、この限界集落の死んだような街をすくってくれる人を雇うのだ。

それがだめならあっさり、各地の自治会長が当番で市長をしたらいいと思う。
その方が住民も一生懸命になる。
たとえなにもしてくれなくても、ま、ボランティアでやってくれてるんだから我慢しよう、そんな気になるはず。
市民感覚から外れた高給をもらっているから腹が立つし、それなりの仕事をしてもらいたいと思うのだ。

また話がそれてしまいました。
どうぞお許しを・・・

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雲り、時々粉雪舞う 5℃ 寒ーい。