OSQZSS

オープンソース準天頂衛星(QZSS)受信機

BOC信号の追尾手法

2010-11-18 15:42:43 | ソフトウェア受信機
Galileoの試験衛星であるGIOVE-A/Bの信号を受信しようとしていた頃に集めた情報なので,
ちょっと古いですが,BOC信号の追尾手法をいくつかご紹介します.

もっとも単純なのがBump-Jumpingになります.これは,相関器の数を増やすことで,
メインローブとサイドローブを見分ける,総当りのような手法です.

これ以外のアルゴリズムは,サイドローブの影響を取り除き,BPSKのようなシングルローブの
自己相関関数を実現する手法になります.

いずれにせよ,これといった決定版はありません.これだけ研究報告があるという時点で,
扱いが面倒な信号ということなのでしょう…

Bump-Jumping
1/4チップ幅の相関器を5つ利用して,メインローブとサイドローブを見分ける手法.
P. Fine, and W. Wilson, "Tracking Algorithm for GPS Offset Carrier Signals",
ION National Technical Meeting, 1999.


Single Sideband
BOC信号のメインローブだけを通過させるフィルタを用いる手法.
J. W. Betz, "The Offset Carrier Modulation for GPS Modernisation",
ION National Technical Meeting, 1999.


Quadrature BOC
BOCと1/4サイクルの位相差を持つQBOC,およびそれらの逆位相コードを複合することで
自己相関関数の不確定性を取り除く手法.大量の相関器が必要.
P. W. Ward, "A Design Technique to Remove the Correlation Ambiguity in Binary
Offset Carrier (BOC) Spread Spectrum Signals", ION 59th Annual Meeting, 2003.


Double Estimator
サブキャリアを追尾するPLLを追加することで,通常のDLLでコード追尾を実現する手法.
R. Weiler, et al., "Demonstration of BOC(15, 2.5) acquisition and tracking
with prototype hardware", European Navigation Conference, 2007.


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QZSS L1C信号の受信

2010-11-18 12:20:59 | ソフトウェア受信機
L1C信号を受信しろと声が聞こえたので,MAX2769でIF信号を取得し,信号補足のアルゴリズムを組んでみました.

L1C信号には,航法メッセージを含むL1Cd信号と,パイロット信号と呼ばれる航法メッセージによる位相変調の無い
L1Cp信号があります.ここでは,L1Cd信号の相関波形をプロットしてみました.

変調方式がBOC(1,1)となりますので,メインのピークに加えて,左右にサイドローブが発生しています.



コメント (3)
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観測データの公開(2)

2010-11-18 07:51:42 | OSQZSS
11月14日からPRN193で送信された試験信号のうち,16日に取得したデータの一部を公開します.

http://www.sensorcomm.co.jp/osqzss/data/20101116/

海外でのQZSS信号の受信複合測位の話題が,GPS Worldなどの雑誌に掲載されています.
これで記事になるのだったら,OSQZSSの成果も投稿しておけば良かったなぁ.
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