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もんく [とある南端港街の住人になった人]

本をいくつか その3

マーカス・バッキンガム&ドナルド・O・クリフトンの「さあ、才能(じぶん)に目覚めよう」

先に読んでいた「非属の才能」とはちょっと違うけれども、自己の持つ特質を伸ばす方に焦点を当てようと言う点で共通するものがある内容だった。

我々のような凡人やその凡人によって構成される組織、国などは欠点を埋めていかなければ将来は無いように思ってやっている。欠けているものを補うために勉強して人並みになろうとしたりする。企業だって社員のレベルをできるだけ一律にしようと研修させたりしているし、国などはどうしてもセイフティーネットのようなやり方が優先して行われている。そうれはそれで意味が無いとは言えないものだけれども、一方でずっと言われているのは一律でない、になれない人を有効に使えない事であったり、もっと言えば出る杭を打つような事が普通に行われていたりもする。

全体のレベルを上げるのは必要ではあるけれども、その結果、ずっと楽しくもやりたくもない仕事に定年まで縛り付けられると言う事にもなっている。それはこの本に書かれているように各企業や組織の損失でもあるけれども、個人にとっての人生の損失でもある。それにこうしたやり方をずっと続ける事を肯定するのであれば次の世代にもその苦しみを継承してしまう事にもなるはずだ。


10月まで勤めていた職場の工場(マレーシア)で感じていたのは、各人を決められた職務と言う義務で一律に動かそうとしてギクシャクしていた事だった。管理職はそのギクシャクをさらに追加して義務を課す事でどうにかしようとする発想しか無く、さらにギクシャクを作り出していた。逆にやればできるはずの人間には適した仕事を回す事もできていない。中規模の工場など無尽蔵な人的資源があるわけでもないのでそうしたやり方でギクシャクは収まるわけが無い。やればやるほど重い義務によって個人の志向と職務の方向性が乖離していったのだった。

こうした事は一般に多く起こっているだろうけれども、これを現在は普通の事として、つまりは個人の苦行によって世の中を回す方式でやっていくのであれば、所謂公務員的な生き方をする人が多くなり安定企業に正規社員でずっといるこの方式を続けて衰退の方向へ、未来を描かない方向へ進んでいくだろう。


と、暗い予想をしていても仕方ないので、それとは反対のやり方として欠点を埋めて一律にする事ではなく、個人の特質(特有の才能)をさらに伸ばす事を考えようと言うもの。

お城を築く時に土台になる石はタイルのように均一な形をしたものではなくいろいろな形の特徴的な巨石を組み合わせている。均一な形状のタイルの方が施工は楽だけれども逆に言えばお城の土台になる富士山の斜面のような形を強固に作り上げる事は難しい。組織作り、世の中のいろいろな事も同じだろう。人が本当にタイルのように均質であれば共産主義だって理想的な形として成り立つのだろうけれども実際はお城の土台に使われる石のように人間は不整形でいろいろだ。

それより角に使う石はそれに適した形、上部では平らな方が歩きやすいし下部は大きな重さを支える強さが必要だと言う事を認めるならば、人間だっていろいろな方が良いだろうと言うことになりはしないだろうか。


まず手始めに(手始めにと言うのは個人の問題と社会や組織の問題をここですぐにどうにかできると言う事ではないためまず個人の部分からと言うこと)、個人(自分)の特質は何かを実際のデータ(これは本当に膨大だそうだ)に基づいたテストで明らかにする事ができる。(1600円で本を買えば。ただし、中古本では無理。)そうしたわけで、この本が日本で出版されてもう10年経過しているのでテストによる解析も10年分アップデートされ精度を増している事も期待して、これを読んでくれているみなさんにもお勧めしたい。



ちなみに私のテスト結果は下記。

着想
新しいアイデアを考えるのが大好き。全く異なる現象に見えるものの間に、関連性を見出すことができる。

収集心
より多くの知識を求める知りたがり屋。ものを集めたり、あらゆる種類の情報を蓄積したりするのが好き。

包含
他人を受け入れることができる。人の輪から外れている人に注意を払い、そのような人を輪に入れようと努力する。

内省
頭脳活動に多くの時間を費やす。内省的で、自分の頭の中で考えるのが好きで、知的な討論が好き。

コミュニケーション
一般的に自分の考えを言葉に表すのが得意。話術に優れ、物事を印象的に説明するのが上手。


占いではないので、この結果が合っているかどうかでなく、これを今後どう活かすかの方が大事だと付け加えておきます。
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