転がりだしたら止まらない(<-クリック)
「緊急雇用対策」と言うのが発表されたのですが、内容的にはどうみても冬になって派遣村ができるのを防ぐだけのもので、この内容で「10万人の雇用確保」と言うのは眉唾物だなあと思う。良くてセイフティーネット、もしかすると単にその窓口に看板を掲げただけにも見えます。
政治家も国民も心の底には「この不景気が過ぎ去ってしまえば....」のような思いがあるわけで、リーマンショックに始まったんだからどこかの誰かがどうにかしてくれればと言うような事ではないでしょうか。つまり台風なんかと同じです。過ぎ去ってくれるのを待つばかり。日本には他の国より優れた技術があるし、日本人は勤勉だし、などと言う自信もそんな考えを支えていると思われます。
それは、本当に硬直化してどうにかしなければならない部分には絶対手を付けないと言う姿勢から見て取れます。同一労働・同一賃金化に触れもしないのは、今セイフティーネットでどうにか救っておけばそのうち景気が回復したら終身雇用の中に吸収されれるだろうと楽観視しているからでしょう。今終身雇用の中にいる人たちを流動化させないのは日本での技術や勤勉さを過信している現れではないでしょうか。
でもそう言う考え方はもう世界の誰もが許してくれないように見えます。(日本人全員を公務員にするって決めるのなら別ですけれど。)韓国の人も中国の人も東南アジアの人も今では日本人が足元にも及ばない位に勤勉です。それに日本人ができる事は他の国の人たちでもほとんどできるわけですから、日本で浮かばれない境遇の人たちが景気回復だけで救える時代が来るなどどう見てもお気楽なアイデアでしかありません。終身雇用に救われている人たちについても今ある仕事や技術が、新たな勉強もせずに今後もずっと使えるとも思えません。
そうしているうちに被終身雇用者がジワジワと非正規へ滲み出していくわけですから、今のやり方でこの流れを止められるわけはないでしょう。今からしなければならないのは弱者救済、セイフティネットではなくて硬直化した部分の切り崩しの方のはず。
でも多分政治家はそんな怖いこと言い出せないと思うので、自主的に流動化しておく方がずっと楽じゃないでしょうか。例えば、今本当に仕事したいなら外国の方が探しやすいでしょ?