15歳の学力で日本続落 応用力、読解力とも OECD(朝日新聞) - goo ニュース
全分野で順位が後退 OECDの高校生学力調査(共同通信) - goo ニュース
日本、数学10位に後退=下がった読解力も前回並み-OECD15歳調査 (時事通信) - goo ニュース
こう言う記事を読むと「ああ、最近の日本の子供は...」「日本の教育制度は....」などと思うもので、政府は教育制度をどうするこうすると言い始めてきっと何とか委員会とか協議会の中で学識経験者か何かが話し合って答申を出すことになる。だいたいいつもそんなものだ。
そっちの話はちょっと置いておこう。
それで、学力低下は子供の事だけれど、15歳のランキングが大人になってどうなるのだろう。
このニュースをテレビで見ていたら幾つかのランキング上位に去年まで仕事で居た台湾が入っていたのを見て思った。大人になると多分もっと差は開くだろうと。野球では勝てても大人の学力ではきっと大差で負けるのではないだろうか。
台湾は日本に負けず学歴社会だ。だから多くの人が大学へ行く。それは当たり前。だけれど、違うのは”仕事を始めてからもまだ学ぶのが普通”だと言う事。20代30代ならかなりの確率で夜間や休日に大学で学んでいる。大学を出ても再度入り直したり、専門学校を出て就職してから夜間の大学に入って学位を取る。
なぜかと言えば、それは給与に直結するからだ。学位があれば同じ会社に入ってもランクが違って給与も違う。職種も違う。それは日本でもあるだろうが、もっと違うのはそこで安心していては給与は増えないと言うことだ。
同じ仕事をずっとしていると給与はそのまま。だから昇進するために一所懸命に仕事をする。それでダメなら大学で新たな学位を取って別の会社に移動する。そうすると給与は上がる。上手くいけば何倍にも上がることがある。
学び方を見ていると日本と台湾では少し違う感じがある。
日本は仕事に就いたらその仕事場のやり方をとことん学ぼうとする。なぜならずっとそこに居るためには上司や先輩と同じやり方でやるのがウケが良いからだろう。
それに対して台湾の場合は汎用的な技術や知識が偏重されるようだ。だから始めて仕事に就いた時には、悪く言えば知っているけど出来ないように見える。日本人から見ればプライドばかり高くて何もできないじゃないか、と言うことになる。
けれども良く見ていると伸びが速い。習得が速いように見える。
多分、彼らには日本的な丁稚(でっち)奉公のやり方では時間が無いのだ。同期より早く仕事を覚えなければ永久に昇進はない。つまり昇給も無い。(台湾は大きな株式会社であっても個人経営的であるから、同じ仕事をしているのに給料だけ無制限に増えていく事は事業者として考えられないのだろう。) もし昇進しない (できない、では無く) ならば、そこでもノウハウを別の会社にお土産として持っていかなければならない。それはほぼ3年後なのだから。
そう言った理由で、15歳の学力差はまだ序章に過ぎないと思うのだ。
日本は最近フリーターなどの非正規雇用で働く者が増えた。それを問題視している社会はできるだけ正規雇用へ落ち着かせたいとしている。当のフリーター達も正規雇用を求めて戦っていたりもする。それは確かに今の社会の仕組みから言えば一番安定な方向であろう。
だが、その安定志向が故に個人の能力の低下に繋がるようではこの先、日本株式会社としてはいかがなものだろう。今も昔も資源と言えば人間しか無い国であるのに、そんな安易な丁稚奉公システムを存続していて良いものか。
もっと言えば、15歳が勉強しないのは大人がそれをしないからではないのか。子供は学校に入れておいて自動的に勉強するだろう。自分達はマンガを読んで遊びに行ってウィークデーは仕事場に居れば決まった額だけ給料が入る。昇給は自動的に行われるだろう。これで15歳の学力を学校と教育制度のせいにできるものなのだろうか。