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もんく [とある南端港街の住人になった人]

スペインかポルトガルの港町に住みたい
日本→インドネシア→台湾→マレーシア→日本
since Oct. 2004

自分の機能限定

2008-12-17 02:41:02 | 台湾-非観光的
今やっている台湾での仕事、そう気に入っているわけではないです。
いやいや、全く好きではないと言った方が近い。
その理由はまたどこかで別途書くかも知れないけれど、ここでは横に置いておく。


こんな仕事でも長くやっている人もいる。
もちろん辞めていく人だって多い。
自分の場合、後者の人の方の気持ちの方が前者より分かり易い。


しかし最近長く続けられる人の事が、やっとわかってきたように思う。
長続きするひとは長続きできるコツを知っているのではないだろうか。

結論から言えば「自分の機能限定」であると思う。


そう言う人達が習慣にしている事はこんな事だ。
目の前に転がってきてしまった仕事についてまずこう考える。
「この仕事を誰に回そうか?」

無理して解決策など考えなくても良いのである。
「これは製造過程に問題があったのだから作った工場に対策願います。」
「これは設計に問題があるので設計部門に対応お願いします。」
「これは仕様外ですから営業に連絡しておきます。」
「この部品が無いのは調達のミスですから送ってください。」
こんな感じでもどうにか仕事は進むらしい。これは楽だ。
部品の納期が遅れても、
「早く送るようにフォローお願いします。」
等と上司にメールするだけで済む。


そんな人は「筋を通す」と言うやり方も好きだ。
「この報告書は本来直属の上司を通してあそことあそこに回すのが筋だからそうしてください。」
「この判断は本来あそこの部門がする事だからそちらに連絡して回答を待ちましょう。」
それは確かに正論なので批判する事もできないが。


しかし、そう言う仕事をその会社の人が皆でやっているとけっこう困る。
定義されていない問題に誰も対処も判断も下さない、つまりフリーズ状態になる。


問題が起きても誰も何もしない。自分の仕事ではないから放っておく。だから仕事は万年遅い。
いつしかそれが普通になってしまう。とうとうそれが問題になってくると、半年に一度定期人事異動でそれをリカバーするための余計な部門や担当者と言う地位が用意されるようになる。

こうなるともう末期的症状だ。
「我々は困難な仕事を日々コナしているのだ。時間がかかっても仕方ない。購入元を叩いて叩いて遅れた部品を調達し、少々お金額が張っても部品を空輸するのだ。そのためには残業して残業して働き続ける必要がある。」
全社公認の無駄対策なのか、もうそれ自体が無駄なのか判断ができない状態だ。


いいや判断できないのでなくて、しないのだ。
何故なら、
「その判断は私がすべき仕事では無いから。」

駆け引き その4(後日公開版)

2008-12-17 00:45:53 | 台湾-非観光的
そしてついでだからもう一押ししちゃったりする。
(サービス、サービス)


私「ところで新しい改造プランについて何ですが、これをうちで見積もりするとけっこう高額になりますね。」
客「.......」(こちらの営業がいつも高い見積もりを出すものだから、そりゃそうだと思っている。)
すかさず、
私「別の装置についているあの使っていないデバイスをここに流用したらほとんどお金要りませんよ。」
客「 ! 』
私「それに改造をこちらで見積もると時間がかかるしどうせ高いでしょう。うちで使っている現地エージェント会社にやらせたらいかがですか? 安いでしょうし、私が直接アドバイスだけはできますから。もちろんうちの営業には秘密にしといてくださいね。」
客「 !!!!! 」

と言うように話はトントントンと......


お客様にとっては良心的と思われるだろうが、雇われ人(しかも下請け)としては背信行為だ。
いやいや、これには深いわけがある。


お客様が納品した物を改造してしまうってどう言う事ですか?

そう、こちらは製品に対してこれ以後性能保証しなくて良いって事です。
そうなればだいぶこちらの仕事は減ります。
使ってみて不都合があるか無いかに関わらず残金もいただき易くなるって事ですね。
しかもお客様に喜ばれて、めでたしめでたしなのであります。



こんな駆け引きは仕事の中にあるちょいと楽しいお遊びなのであります。

人生相談 その2

2006-12-31 00:44:51 | 台湾-非観光的
その彼はこの会社の中でもちょっと特異な存在だ。
エンジニアばかりの職場にあって、彼は何故か技術を学んできた人ではなくて語学の人。忙しい時期にどうしても人が足りなくて通訳兼見習エンジニアとして雇われたからだ。

彼はエンジニアとしてはとても一人前じゃない。通訳としてだってキャリアが無い。それがこうしてどう言う訳かその中間のような中途半端な仕事をするはめになっている。どっちに行こうとしても中途半端で誰も認めてくれるわけがない。


私は説明した。
「君は技術でも通訳でもなく、ここでビジネスを勉強すべきだよ。」


彼の好きになれない上司の様な人間はどこの会社にもいる。
今の同僚は上司に言われたことしかしない一見真面目だがある時はルーズだ。どこに行ってもそう言う人が普通にいるだろう。
どちらにしても彼は彼の同僚や上司と同じではない。彼らと同じようにしていては君はそのうちたいした仕事を貰えなくなるかも知れないし、次の仕事だってゼロから、つまり下っ端からやり直しになるだろう。

私は続ける。
「上司が余計な仕事を押し付けてくるなら、その上司が君に命令する前にその仕事をやってしまいなさい。他人がやらない仕事を全部自分のものにしてしまいなさい。そうすれば君は誰にも命令されなくなるだろう。」

彼。
「でもそれは私の仕事じゃありません。」

私。
「では君はいつまでも他人に命令された仕事しかしないつもりなの ?」

自分の職域を他人から与えられたそれに限定し他の事は何もしない、それで給料が良くないと不満を言っていても何も始まらない。日本ではサラリーマン根性と言うが台湾では何と言うのだろう。


「こんな状況の中で他人につまらない命令を下されない方法はただ一つ、自ら言われる前にその仕事を自分のものにしてしまう事じゃないのかな。」

彼には仕事の仕方を学んで欲しいと思っている。
「君はまだ後2年ここにいるべきだと思うよ。」

人生相談 その1

2006-12-30 07:14:54 | 台湾-非観光的
台湾においても仕事場での人間関係は日本と同じようで、かなりWetな雰囲気が漂う場面があるものだ。


台湾では上司は「絶対」であるようで、傍(はた)から見ていると部下が上司のちょっとした言葉に翻弄されながら仕事している姿はちょっと同情を誘うものがある。日本の会社でもそれは同じだけれど、台湾ではそれ以上に人を大事にしないような感じがあって厳しいのだろうなあ。


今日も一緒にやっている男の子(と言っても20代、台湾人)から相談したいことがあると言われてきいてあげたのだけれど、やはり上司との人間関係についてだった。

意味深な物言いで話は始まった。
「もしUさん(私)があの人と一緒に仕事をしていたらどう思いますか?」
あの人とは彼の上司で、もちろん台湾人。上司と言っても30代だから見た目に威厳があるわけでも無い。それに私はその上司とは以前に仕事をしているのでどんな人間かはよく知っている。欠点も含めて。


相談の彼はその上司が気に入らないらしい。
「私は仕事がたくさんあって忙しいのに上司は突然電話で別の仕事をしろと言います。私がその仕事をしてさらに忙しくなっているのに上司が仕切っているあちらのグループにはたくさん人がいて仕事をせずに無駄話ばかりしています。」

確かにその上司には人を管理する力量がそれほどあるとは私も思わない。
彼は続けた。
「来年、私はこの会社に居た方が良いか考えています。」


私は言った。
「君はまだ後2年ここにいるべきだと思うよ。」


続く

地震だ !

2006-12-26 22:23:06 | 台湾-非観光的
さっき、大きな地震があった。
横揺れだったけれどたいへん大きな地震だったからすぐ近所が震源地なのかと思ったのだけれど、台湾東岸が震源だそうだ。M7以上なので人や建物に被害が無ければ良いのですが。

ニュースでは幸い津波の心配は無いそうです。
スマトラ沖地震のあの津波被害が脳裏に浮かびます。

印尼 (Indonesia)

2006-12-19 08:23:27 | 台湾-非観光的
台湾にも外国人労働者が多い。
フィリピン人、ベトナム人、タイ人、インドネシア人。

そんな訳で台南でこの人たちが集まる台南公園に行ってみた。
以前ここにタイ料理屋台が出ていたと思ったからだ。
しかし何故か出ていなかった。

仕方なく他に何か出ていないか探して歩いたら何とインドネシア雑貨店があった。
「TOKO MAJU」と大きく書いた看板と赤白のインドネシア国旗がはためいている。
早速入ってみると懐かしいインドネシアのお茶(30元と安い)、お菓子、石鹸、調味料、CD、カセットテープ等がいろいろと並んでいる。
(この写真を見て"!"と思う人はよほど詳しい人でしょう。)

店の奥にはルンダン、テンペその他ジャワ料理が温められていたので試しに食べてみた。一皿35元(安すぎ!)なのにちゃんと本格的ジャワ味で美味しかった。


時々行ってみようと思う。
忘れつつあるインドネシア語の練習にもなるし。



追加
中国語ではインドネシアを印尼(いんにー)と発音します。

駆け引き その3

2006-12-16 21:19:40 | 台湾-非観光的
そんな訳で先日は彼らの試験データをメールで送ってもらって見てみた。
さすが若いエンジニア。エクセルにたくさんの数字が羅列(られつ)されていて、その一番下のセルに平均値、最大値、最小値が算出してあった。

その値が可否判断の基準とは言えこれじゃ落第だ。こんな数字だけじゃ可否判断以外何も読み取れない。次にどう改善して良いか方向性が全くわからないじゃないか。

仕方ないなあ........と、ホテルでテレビを見ながらデータをグラフにしてみる。
この数字の究極の行き先はあっちの方のはずだと想像しながら最適なグラフを選んで、それから近似曲線も選んで引いてみる。(パソコンは便利だと感じる瞬間....手描きの時代にはこうしてテレビ見ながらじゃできなかったものなあ。)
うーん。サンプル数は少ないがだいたいの傾向はわかるようになった。

その後メールでお客のエンジニアに今度ミーティングしましょうと下手クソ英文で送信。
すると後日、お客のエンジニアが数人連れ立ってやってきた。
私「先日のデータからはこんな事が読み取れますよ.....」
(とA3に印刷した幾つかのグラフを見せる。)

一通り説明した後に結論。
私「先日そちらから出ていた改造のプランだと、悪い方向に向かってしまいますよ。」
客「なるほど、そうですね。」
(感心した様子。もともと君たちのデータなんだけどね。完全に他人のふんどしで相撲状態。)
自分たちが考えていた方法が間違っていそうだとわかってもらったところで、
私「こんな方法かこっちの方法なら良いのではありませんか?」
(こっちとしては普通の案だと思うんだけど、ここまで来るのにちょっと回り道しちゃったかな?!)

とか何とか言ったあたりでだいたい結論に達するものだ。
最後には「感謝します」とまで言われる始末。
嬉しいけれどね。

駆け引き その2

2006-12-16 00:45:48 | 台湾-非観光的
だいたい相手が30代と若いって事は技術者としてだってこちらから見れば素人のようなもの。ビジネスマンとしてだってヒヨッコヒヨッコ。それに彼らにはいろいろな意味で教えてくれる人がいない。相談する相手が全然いない。

だからいろいろ教えてあげる。(「やる」じゃなくて「あげる」。それはお客様だから。)
客「装置をこんなふうに改造したい。」
(上司にお金の事は言いにくいからタダでやって欲しいと思っている。)
私「それは仕様外ですから営業を通して見積もりを出すようにして良いですか。」
客「この改造にいくらかかりますか。」
(こう聞いてくる人はかなり良い方。どうにかしてあげようと思う。)
一応普通の対応の後にいろいろ話を聞いてあげる。
ここでいろいろ話を聞いて、本当に何が問題なのかを聞き出す。
...........
いろいろ聞いていくとそのエンジニアが何を問題だと思っているか、どんなデータを持っていて、逆に持っていないか、そして根拠の無い何かを信じ込んでしまっているか、その為にいかに短絡的で安易な結論に達してしまっているかがよくわかってくる。

若いってのはそんなものなのである。
「ああ、自分は子供に産まれて来なくてよかったなあ」と思ったりする。

その3に続く。

駆け引き その1

2006-12-15 07:16:44 | 台湾-非観光的
この業界はまだまだ若いと感じることが多い。
ここ10年の間で急に発展してきた業界なので、そこで働いている人々の中に年配者が全然いない。
ここ台湾だと技術者のリーダーでも30代前半から半ばまでだろう。

こういった雰囲気の中で仕事をしているとちょっと苦笑を禁じ得ないようなこともある。
こちら側の50年配の管理職があちらの30代のお客にいろいろ注文つけられてその対処に翻弄される姿と言ったら、何とも可笑しい。年の功もなにもあったものでは無い。

管理職と言ったってもともと管理者としての能力があってそうなった訳ではないのだと感じる瞬間である。何せ日本の会社の場合には単なるイエスマンでも我慢の人でも生え抜きでも、その他何だかわからない理由でそこにずっと居るといつの間にか管理職にされてしまうものなのだから。

社内では地位力で何とかなるのだろうが、対外的には交渉力も何もあったものではない。


そう言うのを横で見ているのも面白いのだけれども、最近はもっと面白い遊び方を発見した。

その2に続く

お茶のふるさと

2006-12-11 23:14:39 | 台湾-非観光的
先日、お茶のもう一つのふるさとに出会った。


お茶の畑は山にある。だからふるさとは山だ。
ちょっと前にそのふるさとの中でも有名な阿里山(ありさん)に行った。
そこにはお茶屋さんもたくさんあっていろいろ試飲して選ぶ事ができる。

阿里山で飲めるお茶は烏龍茶なのだけれども、日本にあるあの烏龍茶の色はしていない。
黄緑色の日本茶のような色だ。
なぜなら醗酵がそれほど進んでいないお茶だから。

醗酵が進んでいないからと言って良く無いお茶と言うのではありません。
それはそう言う種類のお茶で、そう言う香りを楽しむものなのだから。



これとは別に醗酵が進んで深い褐色の烏龍茶と言うものもちゃんとある。
「歳とったお茶」と表現される烏龍茶だ。
この歳とったお茶のふるさとは山ではないのだそうだ。



先日みつけたここ、台南で一番古いお茶屋さんは操業100年を超えているとか。現在のご主人はもう7代目。
街中で目立つほど大きい店構えでも大きな看板が掲げられているわけでもなく、それとは逆で地図を描かれて説明されても多分わからないような場所にある間口も狭いお茶屋さん。店内を覗くと大きな壷が奥に向かって並んでいる意外は台湾ならどこにでもある普通のお茶屋さんだ。いやいやそれよりよほど目立たない。

初代のご主人は大陸は福建省から移り住み、台湾中部の山岳部にお茶を植えたのが始まりだとの事。
それ以来お茶を街へ運んで醗酵させているのだそうです。
ここで醗酵されたお茶は深く落ち着いた香りがします。
そして口の中で丸く丸く転がるように流れます。
あの若くて新鮮な芳香を持ったお茶はここで歳を重ねて全く別の人格を持つお茶に変化するようです。


だから街のこの古いお茶屋さんがお茶のもう一つのふるさとなのです。



写真はそのお茶屋さんで買った昔のタイプの茶器です。
ポットも茶碗も指で摘めるくらいに小さいものです。
このお茶は七煎目まで楽しめるから一度にたくさん飲まないと言うことに加えて、歳を重ねたらそんなに欲張ってはいけないと言う教訓的な意味もあるのだそうです。


そうそう、茶器は持つものでなくて「飼う」ものです。
茶器もお茶と同じようにうまく歳を重ねさせて、まるでペットのように飼い育てるのだとか。

いにしえの偉人、今は

2006-12-05 23:54:12 | 台湾-非観光的
諸葛亮孔明と言えば三国志で有名なあのお方。
それが今はカラオケ屋の看板となって.....

うーん、これはどう言う感覚なのだろう?


日本だったら.......
「織田信長」なんて名前のカラオケ屋に入ろうと思うかなあ?
「野口英世」って焼肉屋とか、「平賀源内」ってカフェ、「伊能忠敬」って靴屋、「良寛」って電気店。
そんなのやっぱり変だよなあ。

ハイテク台湾

2006-12-05 00:22:50 | 台湾-非観光的
台湾は烏龍茶と小龍包だけの街では既になくなっている。
世界のコンピュータの中に入っている部品のかなりの部分は台湾から輸出されたものなのだから。パソコンだってほとんど台湾で組み立てられているのだしね。


それでもまだ日本に敵わないものもある。
それはロボット。
世界で使われている産業用ロボットのほとんどはMade in Japanだ。

しかし台湾だってそれを指をくわえて見ているばかりじゃない。
この写真を見て欲しい。
とある街工場のシャッター前に置き忘れられたこれは、紛れも無くあのパーツだ。


そう、台湾人は秘密裏(ひみつり)にドラえもんを開発していたのだ。
これはタケコプターの試作品に.......間違いない。