もんく [マレーシアで働いて13年→2022猫を連れて日本]

新幹線なんて無料でくれてやれ

マレーシアでも高速鉄道の建設が視野に入って久しい。

なのに、日本の新幹線の名前があがることはほとんど無く、中国の高速鉄道が使われるだろうと報道されている。この親日的なマレーシアでだ。個人で車を買う場合にはトヨタ、ホンダ、ミツビシ、マツダなどの名前があげられることが多いけれども、こんなにバス路線が発達したマレーシアのバスは日野や日産ではなく中国製、ダイムラーなどの欧米のメーカー製ばかり。電車やモノレールは韓国製やボンバルディア。

してみると日本の産業用車両は新幹線含めてダメなのかもしれない。日本製は良いけれど高いから中国製を買うことになるとマレーシアの人は言っていた。


それにしても、再三言うけれども、新幹線の図面は無料(タダ)で世界にばら撒くべきだ。

こう言う事を言うと多くの人が反対する。長い年月をかけて作り上げてきたものをタダで渡すとは何事。開発者の努力はどうなる、と。

いやいや、自動車だってちょっと長い年月をかけて壊れない安心して乗れる良いものを作り上げてきたけれども、今時そんなものはほとんど時間の問題できっとどの国でもできるようになる。中国だって昨日や今日始めたばかりでももう相当数を作って人を乗せている。高速鉄道に関しては新幹線の真似をしたにしてももうアメリカに売れるだけになっている。そんなものに価値があるだろうか?


と言うとまた反対する人が増えるだろうけれど、もう一つの別のニュースを見ると気が変わらないだろうか?

プレジデントロイターの記事(プレジデントロイター > 新・会社論 > 記事)に「街・店舗・家「まるごとエコ戦略」の成算[パナソニック]」と言うのがある。

街の中のもの全てを結んでコントロールするのが趣旨で、最近言われるスマート・シティだと思われるもの。パナソニックは家電、エネルギー機器、防犯、情報機器、住宅と設備、何でもやっている強みを生かせる数少ない企業だ。だからパナソニックは末端にある一つ一つの機器までコントロールできる。車やバスは作っていないにしても、それらもこの計画の中に組み込まれる。だからこそこうした方法で主導的な立場をとることができる。

同じことをIBMが言う場合、彼らは行政に訴えるだけでとてもパナソニックのようにはできないだろう。

と言うことは、高速鉄道だってその末端機器の一つと見做すことができるのである。パーソナル版のビエラ端末と新幹線とが直接情報をやり取りできるのはきっと便利に違いない。そう考えると新幹線本体などもう全近代的で重いガジェットの殻に過ぎない。だったら新幹線はそうしたスマート・シティの末端機器、オマケとして図面位はタダで差し上げても全く良いだろう。


マレーシアでもそうだけれど、経済が発展すれば公共交通機関などのインフラが追いつかずにどんどん車が増える。行政はインフラ整備に追われ、ある程度完成したなと思うと今度は日本のように税金を大量投入してそれを維持するのに大変なお金がかかる。それを回避するにはどんなものでもできるだけ繋げてしまって便利にするのが一番良い。

そうなると速く走って安いだけが売りの高速鉄道が国土に横たわっていては将来の都市計画の邪魔になる。

修理、部品供給、混雑に対する処置や安全、それに他の交通機関との連携、採算性や混雑のコントロールなど、やはり最後に必要になるのは情報がいかにうまく繋がっていて利用されるかと言うこと。それをきちんとビジネスのシステムとして立ち上げられることの方が新幹線本体の図面より何百倍も価値があるはずだ。また、日本は固くて重いものを作るビジネスからそちらの方へシフトすべき時期に来ているとは言えないだろうか。


もう一つ言うと、新幹線の図面が手に入って新幹線を買ってくれないわけだから損をするだけだと多くの人は考えるだろう。それは多分違う。今売っている大画面液晶テレビのパネルは多くは韓国、台湾製だけれども、その生産装置の多くがネジ1本から日本製だ。それは、作り方の原理が分かっていてもそれを実際に作るにはそれなりの生産設備と経験が要る。だから高くても生産設備は日本から買わなければならないし、日本人がそこへ行って指導しなければならないことによる。

もし新幹線の中身が高度なもので作るのが難しいものであるのなら、その部分に関してはかなりの利益になる。ピカピカツルツルの完成品だけを売ってすごいだろうと言うようなのがビジネスだと思っているのなら相当日本は幼稚だと言われるだろう。物志向のビジネスはもう中国に任せておくことにしよう。


だから新幹線の図面を無料で世界に配るべきなのだ。早くインターネットに載せてしまうべきなのだ。高速鉄道の競争入札を検討している国々にがそれをする前にしてしまった方が良い。
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