もんく [とある南端港街の住人になった人]

舌が思う

インド料理の食堂で夕食をとった。

ここに来て3週間、もう当たり前の光景になってしまったが、周囲にはインド人だかパキスタン人だかよくわからないけれど、そういった人たちばかり。食べたりお茶を飲んだりしながらテレビで映画をみている。店員さんはマルタバを焼いたり食べ物を運んだりテーブルを拭いたりと忙しそうにしている。

そう言えば、みそ汁が飲みたいとか納豆や漬物が食べたいなどと思ったことが無かった。ここで和食と言うとデパートに入っている高級店しか見かけないのだけれども、それが気になることも無く通り過ぎるだけだ。

今日は何を食べようかと思うとき、候補に上がるのはインド、マレー、たまに中華などであって、脳味噌の中だけであっても和食が候補に上がることはなかった。日本ではあれほど毎日自然に食べていたものを思い出すことが全くないのは、ある意味驚きではあるなあ。今の食生活にそれほど満足していると言うことだろうか。


インドやマレーの食べ物には日本人には考えられないほどの量と種類のスパイスが使われている。それはきっと長い歴史の中で考案されて今に至るのだろう。自分はそうした食べ物に接するようになって未だ、20年は経過していない。

それなのにこの食文化の結果を満足して受け取れている。とても不思議な気がする。

我々人間はその昔、住む場所が徐々に遠く離れるにつれて、次第に肌の色も顔の特徴も体つきも独特の特徴を持つまでになった。そして食べるものも大きく違うものになった。


けれども、今の自分の状況を見るに、その時間経過を越えて未だ共通するものを持ち続けているのだろうと感じざるを得ない。外見から感じるより我々には共通点が多いのだろう。この味をこうして自然に受け入れることができるのはその証拠ではないだろうか。
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