温泉クンの旅日記

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支笏湖畔のカルビ丼

2011-08-31 | 食べある記
  <支笏湖畔のカルビ丼>

(そうだ。丸駒もそんなに遠くないな・・・)
 そこで昼飯にするか。
 定山渓温泉から支笏湖まで、ざっと看て一時間半くらいだろう。それくらいなら、途中で飲み物一本くらい買って飲めば我慢できそうな腹具合だ。

 今日の湖は霧があるのでなんとも幽玄な風景である。



 支笏湖(しこつこ)は支笏洞爺国立公園内にあるカルデラ湖で、湖の北側に恵庭岳、南側に風不死岳、樽前山(活火山)の支笏三山が聳えている。
 湖底に残った暖かい水が湖面を温めるため結氷しにくく、日本最北の不凍湖としても知られる。

 湖から漂う雰囲気は、その圧倒的な深さと満々と湛えられた水からきていると思う。

 平均水深二百六十五メートル、最大水深三百六十三メートルは、田沢湖に次ぎ日本で二番目に深い。その恐ろしいほどの深さで身を投げると浮かびあがらないイメージから「死骨湖」などとブキミな当て字で呼ぶひともいるらしい。が、名称はアイヌ語からきているのでこれは間違い。



 湛える貯水量は、なんと九倍の面積を持つ琵琶湖に次いで二番目に多い。湖の透明度は非常に高く、摩周湖と同じくらい透明度を持っている。
 面積は日本で八番目だが、カルデラ湖としては屈斜路湖に次いで二番目に大きい。



 大正創業のここ丸駒温泉も、昭和四十年代に湖畔に道が整備されるまでは船でしか来られなかった温泉だった。
 道が整ってからは、日帰り客もかなり訪れる温泉に変わっている。

 駐車場もいっぱいだったが、一番停めにくい場所だけ一台分空いていて、何度もハンドルを切り返してようやく駐車した。

 すぐに昼飯を食えばいいのに、やっぱりここに来たからにはと温泉に向かってしまう。

 当然、ここの自慢である一番奥にある露天風呂にまずはいる。湖面と同じ水位の深さに変わる露天だが、けっこうな深さがあった。混んでいる温泉には、若い父親が幼い娘たちを両手にしっかり抱えていた。
 大浴場に戻って、泉質の違う内風呂と露天風呂の濁り湯が身体からたっぷり汗を搾りだす。こちらもやっぱり日帰り客で混んでいて、画像などまるで撮れなかった。
 
 さて、もーいいだろう、充分すぎるくらい腹が減った。昼飯だ。
 宿の玄関に近いレストランへ急ぐ。
 支笏湖が見晴らせる窓際の席に座る。



 昼時を過ぎているから、わたしの他にはあと二組くらいの客しかいない。連れが運転するのだろう、ビールを頼んでいる夫婦ものがいてちょっとうらやましい。
 メニューを仔細に点検して、カルビ丼に決めた。
 朝里川温泉で未明と朝、昼前に定山渓温泉、そしていま丸駒温泉と体力が消耗しているのでエネルギーを補給せねばならない。

 焼肉丼とかステーキ丼はイメージ通りの品物が出てくるか不安な一品だが、この宿に以前泊まって夕食と朝食の二食を食べたが、提供された料理はなかなかの水準であった。そのときのことを思いだし、期待して注文したのだ。



 ひとくち食べて、期待通りでひと安心する。
 カルビの肉は柔らかすぎず調度いい歯応えで脂身の部分もほどよい。甘みをぎりぎりに抑えた辛いタレがよく肉に滲みていて、なんともご飯が進む。味を変えるための胡椒もまったく必要ない。さすがは北海道、脇役の玉葱も大滝秀治ばりのいい味をだしている。
 ガツガツ食べ終えると、食後のアイス珈琲でも追加しようと店のひとを呼ぶ。

「ハスカップのシャーベットをください」
 はい、なんでしょう、と訊かれた瞬間に心変わりして、違うものを頼むのはわたしの悪いくせなのである。
 北海道はフルーツもアイスもシャーベットも、とにかくハズレはまんずはぁないのだっす。



 汗を搾りすぎてくたくたになった身体に、冷たく甘酸っぱいハスカップの成分が細胞にじわじわ効いてパワーが甦ってくる。
 そうでなくては困る。まだまだ今日は強烈な温泉が待っているのだ。



  →「酔い醒ましに、定山渓」の記事はこちら
  →「北海道旅日記③」の記事はこちら

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